ガラガラ…ドサァッッ……………
吹雪「ハァ…ハァ…なんじゃこりゃホントに………。」
電「勘弁してくれなのです…。オラッ。」
現在吹雪たちは瓦礫撤去及び倒壊した建物などに人がいないか捜索をしていた。
今は6月。
最近は雨ばかりが続いていたが今日は晴天。
気温も高くなり、それに合わせて湿度も高い。
それに連日雨続きでの晴れ。
周りは干上がっていた。
吹雪たちがしている作業は日本列島大震災の残り作業ではない。
なんと5月にまた地震が起きたのだ。
5月13日午前9時22分。
深海棲艦が突っ込んだ鬼門からの震災。
そのせいで緩んだ地盤が今になって弾かれた。
震度5強。
いくら前の地震と比べたらマシとはいえ大ダメージには変わりない。
倒壊寸前だった建物、まだ少しクラックが入った程度の建物も一気に倒壊。
綺麗な家も例外ではなかった。
今回の地震で完全に壊された。
吹雪「ん…………、電…どっかからうめき声聞こえねぇか?」
電「……………………………………。」
目を瞑り眉間に皺を寄せ集中する電。
パッと目を開くとある方向に指を指す。
電「あそこからなのです!!!」
駆けつける吹雪と電。
傍には睦月に雪風、叢雲に暁。
瓦礫を持ち上げる吹雪。
自慢の指先でものをどかし土を掘る睦月。
睦月「あっ!!!」
皆「どうした!?!」
人が倒れている。
女性だ。
みんなで女性が出れるように周りの瓦礫や障害物を持ち上げる。
そしてとある事に気づく睦月。
睦月「もう大丈夫にゃ……………あっっっ!!!」
電「どうしたのです睦月!!!」
睦月「この人…………!!!妊婦さんにゃ!!!」
見るとお腹が大きかった。
苦しそうに呻く女性。
瓦礫に腹が立ち一気にどかす一行。
叢雲「邪魔よッッッ!!!!!!」
ドガァァァッッッ!!!!
暁「睦月ちゃん!手伝うわよ!!」
少しづつ、かつ丁寧に女性を持ち上げる。
睦月「ん…………?なんか冷たいにゃしい…。」
電「やべぇぞ!!!破水してるのです!!!」
それにわかるとスピードを上げすぐに自衛隊の元に運ばなければならない。
女性を全員で持ち上げ急ぎ足に。
吹雪「ハァ…ハァ………!!!自衛隊さんよぉ!!!」
隊員「??!!!生存者か!!!」
吹雪「おう!!!それに妊婦さんで!!!早いとこ…………」
遠目からメディカルゾーンに目をやると中はギュウギュウ、外でも人が大勢並んでいる。
やべぇ………と声を漏らす吹雪。
自衛隊も急いで無線を通じて中に連絡した。
だが女性は破水しているので一刻も争う。
すると向こうから咳き込み鹿島が近づいてきた。
鹿島「何してんだお前ら……………ん、これはこれは…妊婦か。お前ら、ハウスに運べ。」
一行「押忍!!!!」
━━━━━━━━━━━━━━━
鹿島「そこに寝かせてやれ。んで、バケツかなんかに水入れてきてくれ。ぬるま湯でな。で、暁お前ここに新聞紙とブランケット敷け。夕月タオル持ってこい。ありったけな。」
冷静に指示を出す鹿島。
吹雪と電は両サイドから女性に気を送れと言われ、手のひらに集中しつつ穏やかな気を送る。
雪風「む!!!バケツ何個用意したらいいか聞き忘れました!取り敢えずあるだけ作りましょう!!!」
雪風「水しか出ねぇ!!!これじゃダメです!!!」
夏潮「雪風ちゃん!ポットのお湯少し混ぜたらぇぇわ!!!せやから水貯めといて!これ持っていくで!!!」
雪風「はい!!!」
夕月「タオルタオル………!!!こんだけありゃいっか…!!!」
香取「よ~く頑張ったな…立派だぞ…。私の呼吸の真似して合わせるんだ。ヒッヒッフー、ヒッヒッフー。」
女性「ハァ…………ハァ………ヒッ………フッ、ヒッヒッ……。」
脂汗が顔に流れている。
苦しいのであろう。
吹雪と電は少しでも陣痛を和らげるために鹿島から教わった回復の気を送る。
2人もかなり集中しているので汗が流れていた。
それに合わせてこの晴天の暑さ。
かなりしんどいであろう。
雪風「持ってきました!!!」
夏潮「これでどない!?」
鹿島「よくやった。で、お前あきつ丸に連絡入れてくれ。赤子が生まれるからメディカルマシーン持って来いってよ。」
雪風・夏潮「了解!」ビシッ!!!
女性「んん……ハァ…ハァ………!!!んんん!!ああぁっっ!!!!!」
香取「大丈夫………大丈夫…。」
そう言いつつ手を握り優しい気を送る。
香取も目の下に大きなクマが出来ており、少しやつれていた。寿命も限界なのだろう。
鹿島「よぉ~し、頭出てきたぞ~。もうちょっとの辛抱だ。もうちょっと。」
女性「アァァァァァッッッッ!!!!!!!!」
吹雪「大丈夫っす………!もうちょっとですから…!!!」
電「すぐに…………終わるのです!!!!」
3分後……………
オギャーオギャー!!!
[newpage]
鹿島「よーーーし!生まれたぞ!!!可愛い女の子だ!!!いい声してんぜ!!!」
ヨーシヨシと赤子の血をタオルで優しく拭う鹿島。
睦月に顎でクイッと指示。
何かを察したのか、手刀を作る。
睦月「無痛斬 (むつき)。」
スッ……………
へその緒を切り落とす睦月。
あきつ丸「持ってきたであります!!!」
鹿島「でかした。もうちょい早く来てくれよ。」
自衛隊「こちらマタニティドリンクであります!!!」
マタニティドリンク…井森が開発した出産直後の女性でも飲める優しいドリンクであり、すぐに体に浸透し体力を回復させる。
とはいえ修復剤程の期待は出来ない。
女性「プハァッ……!!!!ハァ……ハァ………あり………がとう……ございます………。」
鹿島「ほ~れ、可愛い女の子だぜ。よく頑張ったな。」
女性「はい……………。可愛い………。」
赤子をそっと抱きしめる。
吹雪たちは帰ってきた初雪たちと共にそれを見守り笑顔になった。
香取「あんた…名前は?」
杉田浩子「杉田……浩子と言います……………。」
「浩子おおぉぉっっ!!!!!」
息を切らしてやってきた男性。
自衛隊たちが探していた男性であった。
仕事に行っていたらしい。
名前は杉田芋干。
芋干「浩子!!!ごめんな……!!!一緒におれんくて………!!!それに皆さん…………!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!!」
鹿島「良いってことよ。それより…………名前どうすんだ?」
芋干「え?名前……………そうだ!!!名前……!!!」
ガサガサと財布を探る。
紙切れの中にはこの子のつけようとしている名前の一覧が。
しかし弱々しい手で芋干の腕を触る浩子。
浩子「私が………決めていい………?」
芋干「えっ、もちろん!!!」
周りの艦娘を見渡す浩子。
浩子「あなた方…………艦娘………ですよね……?」
吹雪「へへっ、そうですぜ。」
笑顔で頷く吹雪たち。
浩子「うん……………じゃあ…………希望の希に……艦で………希艦………。」
芋干「きふね…………良いね!!!!!最高だ!!!!!」
ワーイ!!!ワーイ!!!
鹿島「おいおい、疲れてる母親がいんだぞ?少しは落ち着けっての…。」
しかしどこか嬉しそうな鹿島。
吹雪たちも喜んでいた。
[newpage]
その後女性は自衛隊とあきつ丸たちに親子共々メディカルゾーンに連れていかれた。
そこで少しゆっくりした後に病院に連れていくのだそうだ。
吹雪「……………………クソみてぇな暴徒やウイルスで変貌した人間………………それに深海棲艦も居るけど………………いいもん見れたぜ………。」
電「なのです。」
吹雪「絶望の中で小さな光を見つける…。これを守るために私らが居るんだよな。」
初雪「だね…。」
睦月「ところで初雪ちゃん今の今までどこ行ってたの?」
初雪「ちょいと遠いけど神社さん。夢で呼ばれたから行ってきた。」
夏潮「なるほどなぁ。で、鍛えてきたんや?」
初雪「おう!もう解放出来るぜ!!!」
雪風「やったぁぁぁ!!!」
これまた大はしゃぎの雪風。
周りも喜んでいた。
どうやらこれで駆逐勢は全員解放が出来るようになったらしい。
他の仲間たちはどうなのか。
後は合流するだけである。
プオーーーーーーーーーーン…………………
吹雪「…………………………。」
全員目に血管を浮かべはるか遠くのどこかを思いっきり睨みつけた。
いい物が見れた後にこの気色の悪いラッパ音。
全員覚悟してろと心で叫び、その場を後にし復興支援ならびに捜索を手伝うのであった。
[newpage]
深海酋長「渕原………………良くぞ戻ってきたな………………。」
渕原「ははっ…………、大変でしたよ。変なやつらには追いかけ回されるわ、クソ宗教の日本神道のカスの結界はまだ貼られてるわで………こんなに時間がかかるとは…………。」
暗黒の場所。
そこで話しているのは深海棲艦の親玉、深海酋長と日本の総理である渕原。売国奴もいいところである。
深海酋長「しかし……こうやってここに戻ってきた………。それが何よりも素晴らしい………。さぁ、来い…。」
渕原「えぇ、これで憎き艦娘と人間たちを…滅ぼせますからね………フヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!!!」
深海酋長「さらばだ………渕原。」
グジャァァァァッッッ!!!!!!
大口を開けてバリバリと頭から渕原を食べる深海酋長。
ものの数秒で跡形も無くなり、ペロリと舌なめずり。
すると細い体は肉付きのいい筋肉のある体にバンプアップ。
髪の長さも伸び、額には縦に第3の目が出現。
目の下には黒い線が顎まで続く。
軽巡棲鬼「酋長様……これを…………。」
両手で何かを差し出す。
杖のようなものであるが、何やら無数の穴が空いている。
深海酋長「これも戻ってきたか………素晴らしい…。」
軽巡棲鬼「当然ですわ…。これを取り戻すべく、わざと捕まったのですから…………酋長様のことを考えれば…あんな人間どもの拷問…なんて事はありませんでした…。」
深海酋長「良くやった………………褒美は後でやろう………。」
軽巡棲鬼「ありがたき幸せ……………。」
つかつかと歩く深海酋長。
周りには大勢の深海棲艦たち。
無論幹部も勢揃いである。
深海酋長「みなのもの!!!よく聞け!!!!!もう少しでラッパが鳴り終わる!!!!!!!もう少しで我々の手に入るのだ!!!!!!この地球が!!!!!!」
ウオオオオオオオオォォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!
深海酋長「すぐにでも戦える準備はしておけ…………!!!!!!!やつらの死は………地獄はすぐそこなのだからな………………!!!!!!!!」
あーはっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!!!
大勢の悪義が木霊する空間。
決戦の日は…………………すぐそばであった。
━━━━━━━━━━━━━━━
そして時が流れるのは残酷にも早い。
現在8月6日。
原子爆弾、プルトニウム型が広島県に落とされた日…。
皮肉にもこの時に全員が集まることとなった。
滋賀県立体育館━━━━━━━━━
ムッチャ………ムッチャ…………………
膝を立てながら惣菜パンを貪る紫の髪の女性。
腕の筋肉や腹筋がとても麗しい。
それに目が先に行くのはタンクトップにも関わらずその大きな胸であろう。
そう、天龍である。
少し離れた場所には神通、川内、龍田、北上。
天龍「………………ん。」
前から近づいてくる影。
天龍「お前……………霧島か……!!!!!!」
霧島「天龍…………天龍よね!!!!良かった…元気そうで!!!!」
榛名「龍田ちゃん!!!」
龍田「榛名ちゃん!!!」
8ヶ月も会ってなかったのだ。
目の下に涙をため早足でお互いに駆けつける…………が。
天龍「ッッッッッッ!!!!!」
龍田「ッッッッッッ!!!!!」
シュババババババババババッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!
はたから見たら何もしていないように見える。
しかし、音速を超えた動きで天龍姉妹は霧島と榛名に斬りかかってきた。
周りの自衛隊は仲間割れかと肝を冷やしつつ警戒。
ピタッ!!!!!!!!!!!
天龍「……………………やるなぁ……。」
霧島「元気な挨拶だこと。」
榛名「腕が落ちるどころか、遥かに上がってますね。」ニコッ
龍田「あら~、本気で斬りかかったんだけどなぁ~。」ニコニコ
二本指で槍と刀を止めた2人。
みんな穏やかな笑顔であるが、そんな挨拶あるかボケェ。
周りの自衛隊はヒヤヒヤである。
赤城「クロスボンバーーーー!!!」
天龍「ふんべぇぇぇっっ!!!!!」
龍田「ばひょごぉぉぉっっっ!!!!」
ドサァァァッッ!!!!!
赤城にダブルラリアットを後頭部にくらい少し吹き飛ぶ2人。
天龍は頭を抑えつつ、涙目で何しゃがんだと叫んだ。
天龍「あれ………なんかお前…痩せてね!?てか全体的に筋肉が…。」
龍田「ホントに赤城ちゃん…?」
赤城「ハッハッハッー!!!私も師匠の元で扱かれましたからねぇ!!!」
両手を腰に当てたか笑する赤城。
油断大敵ですよ!と言ったそばから加賀と利根に蹴り飛ばされた。
赤城「な!!!なにするですかーっ!!!」
加賀「よく言えましたね赤城さん。」
金剛「ワーオ!!!利根ー!!!加古ー!!!」
抱き合う3人。
神通「お前らも戻ってきてたんか!!!ひっさびさに見たらアホ面してんなぁ~!!!」グビグビグビグビ
北上「は~っ……………せっかく断酒してたのが嘘みたいだよ…………。」
川内「ほんとにね。せっかく皆と合流出来るんだから、今はやめときなよ。」
神通「いやいや!酒の力が必要なんだわ!!!神さんも酒好きだろ!?」
手のひらをブンブンと横に振りおどける。
加古「お!!!大淀!!!明石!!!こっちだぞー!!!」
最上「みんな久しぶりー!!!」
大淀「みなさーーーーん!!!」
手を振りつつ明石に車椅子を押してもらっている大淀。
明石「皆さんお久しぶりですですね。」
笑顔の明石。
比叡「しっかし、あんまりお話出来てないのに…こうやってすぐに戦争に参加なんて………………申し訳ないですね。」
明石「いやいや!大丈夫ですよ!それに………」
時雨「まだ時間はあるし、それにこれから作っていけばいいじゃないか。」
全員「時雨!!!!!!」
それだけではない。
犬咬隊が揃っている。
後ろには港湾棲姫に北方棲姫が手を振っている。
全員が笑顔で手を取り合い、久々の会話を楽しんでいる。
筑摩「あの………………吹雪ちゃんたちは……………?」
体育館を見渡すもまだ来ていない。
大淀も眉が寄り、心配になりつつ横を見た。
その時であった。
何やら可愛いアルプスマーモットの絵柄が目の前に。
大淀「?」
雪風「ただいまです!!!」
ブボボボオオオオオオォォォォォォォォォォォ!!!!!!
大淀「クッッッッッッッッッッッッサァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」
周りも大きく咳き込んでいる。
自衛隊も完全装備にマスクをしているはずが泣きながら倒れていた。
天龍「この…………強烈な臭いは…………………!!!!!」
吹雪「先輩方!!!お久しぶり………ぅわクッッッサ!!!!!!」
電「雪風先に行く………クッッッセェェェェェッッッッッッ!!!!!!!!」
睦月「目に染みる…………!!!屁も強烈になったにゃしい雪風ちゃん…………!!!!!!」
ゲホゲホゲホッッッ!!!!!!
チョンチョン
加賀「ゲホッ………なんですか赤城さ……………」
何故か尻を加賀に向けている。
赤城「私も!!!」
ブボボボボボボボボッッッッッッッ!!!!!!!!!
ワーワー!!!ギャーギャー!!!
シニタクナイーー!!!!
オチツケカガーーー!!!ソイツハイチオウミカタダー!!
アカギガチマミレニナットルゾーーーー!!!!
ウオオオオオオオオオオオオオオオォォォォッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
次回、最終章突入。