艦これevolution   作:銀ノ森 睾

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最終章・第12次赤青大戦編
第95話「決戦前夜!!!」


8月10日。

今年のお盆は13.14.15日の3日間である。

大戦争の期間であるこの3日の内で決着を付けなければならない。

時雨曰く、もしこの期間で決着が付かなければ死者数や被害数が多い方が負けるとのこと。

つまり、強制的に人類と艦娘の負けである。

現在は夜の19時。

全員が張り詰めた空気をどうにかほぐそうと各々で考えていた。

 

夕立「あきつ丸、どうだったっぽい?」

 

あきつ丸「アメリカは自国の暴徒の相手でとてもではないでありますが…、日本人を受け入れる余裕はなかったであります。」

 

あきつ丸「しかしながら、親日国である台湾やトルコ、シンガポールにパラオなどは受け入れてくれるみたいであります。」

 

神州丸「もう既に動き始めてる。戦争開始日時には十分間に合うであります。」

 

吹雪「……………………日本人全員か…?」

 

深刻な顔をしつつ俯くあきつ丸たち。

現在の日本の人口はおよそ5000万人。

そのうち外国に避難出来る人数はたったの800万人。

大多数が自国に残ることとなる。

睦月が体育館を見渡し、雪風が双眼鏡で外を眺めている。

暴れたり泣きわめいたりする人でいっばいである。

当然だ。日本が戦場と化す事が分かっているのに余裕なんてあるはずがない。

避難を受け入れてくれる親日国でさえ、その地元の暴徒や深海教、ワクチンにより変貌した人間の相手をするのに戦力を割いている。

つまりは…どの道現在この星に安寧の場は無い。

俯きながら動かない人、子供を抱きしめつつ静かに泣く母親、自分も追い詰められているのに気丈に振る舞う父親。

遺族の写真や遺留品を握りしめる者。

自衛隊にも当たり散らす人もいるが、その人も自衛隊が精一杯ということを知っているであろう。

全員が絶望的な表情を浮かべていた。

すると向こうから天龍が吹雪たちに手招きしている。

なんだろうと思いつつ急ぎ足で向かう。

 

天龍「一通り概要を説明するらしいぜ。」

 

吹雪「うっす。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

あきつ丸「現在陸自が約20万人、海自が約30万人。無論、艦娘を入れてであります。」

 

神通「随分と減ったな…。全員殉職か。」

 

静かに頷くあきつ丸。

 

あきつ丸「計50万人、それに瑞雲組が約5000人。この数で深海棲艦を迎え撃つであります…。」

 

電「ししょーが復活する深海棲艦の数は大体100万つってたのです。この時点で大分キツイのです。」

 

雪風「100万vs50万5000…。」

 

港湾棲姫「…………違う。」

 

全員が港湾棲姫に顔を向ける。

港湾棲姫が言うには全国の暴徒や深海教の相手をする自衛隊を配置しなければならない、なので前線に立てるのはこの約半数である。

それに舞台の肝は陸。

陸自の20万単位で考えなければならない。

 

睦月「半数以下にゃ!?!!その戦力で戦えっての!?!!」

 

電「うるせぇ、デケェ声出すな。わかってたろんな事。」

 

あきつ丸「……………………話を続けさせて貰うであります…、そしてあの4つの深海死柱…、それをこの20万人から更に分けて配置…。ひとつのポイントにつき1万~2万。そして瑞雲組も分けた上で全国の守備の事も考えると………………。」

 

吹雪「約10万人。」

 

あきつ丸「……………。」コクリ

 

初雪「コマンド・アーミーズも含めての数なんか?」

 

冷たいココアを手に持つ初雪。

叢雲たちと共に被災者に配っていた最中であった。

それに対し二つ返事で返す神州丸。

 

「呼んだでありますか〜?」

 

[newpage]

 

あきつ丸「……………コマンド・アーミーズ…………。馴れ合いは嫌いだからここに来るとは思ってなかったでありますよ。」

 

コマンド丸「大事な大事な国民のためであります。挨拶がてら来たのでありますよ〜。」

 

電「どうせ手絡がどうだの地位がどうだの考えてるだけだろうがテメェは。」

 

コマンド丸「相も変わらず憎そいガキでありますなぁ〜。」

 

コマンド丸「修行してたのかどうか知らねぇでありますが、くだらねぇ神仏がどうたらこうたら…………、そんな昔ながらの気色悪い宗教があるから日本はダメになってるのであります。昔のしきたりなんか邪魔邪魔。」

 

コマンド丸「ってぇ、自分にズタボロにされた駆逐艦じゃあありませぬか。少しはまともな動きが出来るようになったでありますかぁ〜?ま、カタワしか居ねぇ鎮守府のガラクタじゃ無理か。」

 

腹を抱え下品に大笑いするあきつ丸。

まわりのコマンド・アーミーズも同じくバカにするように笑っていた。

 

電「テメェ調子…」

 

吹雪「待て電。」

 

電「んなのです…。」

 

バカにされた初雪。

以前頭部を叩き割られ、敗北を喫した。

その因縁の相手とも言えるあきつ丸が目の前に居る。

天龍や利根たちはいい顔をしていなかったが、初雪がとった行動は…。

 

コマンド丸「あ?やんのか?」

 

初雪「………………。」

 

スッ…

 

コマンド丸「あ?」

 

なんと左手に持っていたココアを差し出した。

 

初雪「いがみ合ってもしょうがない。相手は深海棲艦だし、ここで無駄な体力使っても後々に響くだけだからさ。」

 

初雪「お前は確かに関わりたくないけど、一緒に戦うことには変わりない訳だし…これ、飲めよ。美味いぜ。」

 

コマンド丸「……………………………。」

 

しばらく冷たい目でココアを眺めていたあきつ丸であったが、受け取らずに踵を返して歩き出した。

 

コマンド丸「勘違いするなよ、深海棲艦を皆殺しにした後はお前らであります。………我々が目指すべきは………大日本帝国の復活!!!!!」

 

コマンド丸「だからお前らと馴れ合う気はないであります。」

 

睦月「行ったね…。」

 

電「なぁ〜にが大日本帝国の復活なのです。頭沸いてんのかあの腐れ白塗り。にしても…」

 

吹雪「良くやったな初雪!立派だぜ!!!」

 

夕立「うん、挑発に乗らずにしっかりと我を貫いてたっぽい。」

 

天龍「成長したな。」

 

初雪「…………………………。」

 

ココアを眺める初雪。

 

初雪「めちゃくちゃ下剤入れたのバレたんかな…。」

 

ドサァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!

 

全員がひっくり返った。

 

[newpage]

 

燕尾「祭りを………………しよう。」

 

吹雪「……………………祭り…。」

 

滋賀県立体育館に集まっている者、外や他の場所で避難している者にも燕尾たちは声をかけていた。

無論、不謹慎だのそんな余裕あるかだのと罵られた。

それをわかっている上での提案であった。

決してめでたいものではない。

これから戦場に向かう戦士たちを送る会なのだから。

もしかしたら死ぬかもしれない。

生きて帰ってこられる保証など、どこにも無い。

だからこそ…だからこそ最期かもしれないと楽しい気分で、絶対に帰ってくることを祈って祭りをしようと燕尾は考えていた。

自衛隊たちは食料などを被災者に配る分とはまた別に用意。

吹雪たちも装飾品や宴会の用意。

川内たちは屋台の準備に取り掛かっていた。

 

川内「ぉあっ、雲龍さん…元木さん。」

 

元木「どうも…。」

 

雲龍「………………。」コクリ

 

………………………………。

 

元木「もし…良かったらパン、食べてくれませんか?子供たちも…一生懸命作ったので…。」

 

川内「えっ。」

 

雲龍「子供たちは…危ないから連れてこなかったけど…皆に食べて欲しいって…。」

 

川内「みんな……………。」

 

ワーワー!!!ワーワー!!!

 

元木「ん?って!!!なんで来たんだみんな!」

 

子供たち「ごめんパパ!来ちゃった!!!」

 

子供たち「これみんなで食べてよ!で…………はい!」

 

長門「手紙…?」

 

手紙のような物を開くと、町田含む檻巌鎮守府のみんなの似顔絵が描かれていた。

拙い絵ではあるが、自分たちのことを思って描いてくれたのだろう。

 

扶桑「良かったわね、長門。」

 

山城「羨ましい…。」

 

子供たち「おねーちゃんも食べてー!」

 

両手に大きなバスケットを持ち、大量の焼きたてパンを扶桑と山城たちにも渡す。

会ったこともないのに、長門や川内たちの仲間だとわかったのだろう。

扶桑姉妹は優しく微笑み、子供たちを抱きしめた。

 

元木「天龍さん、神通さん…これを。」

 

天龍「なんだぁ?………………友吉!沙耶!」

 

神通「こりゃ…平野のおっちゃんたち!それにあん時の酒奢ってくれたおっちゃんも!!!」

 

山口「よぉ!!!電のお嬢居るかぁ!?!!」

 

電「…ん?お!!!山口のおっさん!!!」シュタタッ

 

滝波「睦月の嬢ちゃんよぉ!!!」

 

睦月「滝波さんにゃしい!!!」

 

どうやら山滝潜水漁業㈱のみんなも食べ物や海の幸を持ってきてくれたらしい。

 

山口「そっちのお嬢ちゃんは?」

 

暁「暁よ!電のお姉ちゃんなの!」

 

電「の、割にはガキっぽいのです。」

 

ギャーギャー!!!ワーワー!!!

 

滝波「そっちも親族かい?」

 

夕月「夕月です!」

 

社員「こっちは夕月ちゃんの方がお姉ちゃんっぽいな!」

 

ガッハッハッ!!!ワッハッハッ!!!

 

自衛隊「荷物が届いてますね…。檻巌鎮守府…金剛さんと龍田さん…。」

 

ダンボールを開ける2人。

中には駄菓子がいっぱい入っていた。

 

金剛「みんなぁ…………。」ウルウル

 

龍田「柿田のおばあちゃん…。」

 

酒だァァァァァ!!!!!!

あんたはいつも飲んでんでしょ!!!!!

祭りだァァァァ!!!!!

うるさいっ!!!!!屁ばっかこきやがって!!!!

 

ワーワー!!!ギャーギャー!!!

 

━━━━━━━━━━━━━━━

次第に盛り上がっていく宴会。

するとどうだ、沈んでいた被災者もやはり心からは平穏と楽しさを求めているからか祭りに参加する者が増えてきた。

こんな状況である。

まともな祭りでは無いが、それでも祭りである事には変わりない。

さっきまでの陰鬱とした空気が嘘のようである。

 

吹雪「…………………………何やってんすか司令官………。みんな…………前向いて生きてますよ…。」

 

叢雲「さっさと戻ってきなさいよ…バカ司令官。」

 

自衛隊「おーい!!!みんな写真撮るぞー!!!」

 

吹雪「おっ、行こうぜ叢雲。」

 

叢雲「えぇ!!!」

 

自衛隊「せーっのっ!!!!!」

 

全員「ピーーーーーース!!!!!!!!!」

 

パシャッッッッ!!!!

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

深海酋長「さて……………と。お前ら……………」

 

深海酋長「出陣だ。」

 

ウオオオオオオオオォォォォオォォッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!

 

艦娘を皆殺しにしろおおおぉぉぉッッッッッッ!!!!

 

人類を滅ぼせえええええぇぇぇぇぇッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!

 

地球を我が手にいいいいぃぃぃッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!

 

全ては酋長様の為えええええええぇぇッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!

 

深海酋長「フハハッ…。」ニィ…

 

[newpage]

 

8月12日

午後23時50分。

今から…想像を絶する戦闘が始まる。

吹雪たちは自衛隊や瑞雲組と整列しつつ、指揮を取る馬渕少将の話を聞いていた。

 

神通「なげぇな…………。」フワァァ〜

 

川内「ちゃんと聞いときなよ。冗談じゃないよ。」

 

赤城「あの…加賀さん…。」ボソボソ

 

加賀「何ですか!」ボソボソ

 

赤城「う…ウンコしたいんすけど…。」ボソボソ

 

加賀「うるさいっ!!!」ボソボソ

 

大淀「あの…これ並ぶ順番おかしくないですか?なんで私の前に雪風ちゃんと赤城さんが…。」

 

明石「?いいじゃん別に。」

 

大淀「また屁かまされる恐れが…。」

 

被災者や親族、親友や彼女彼氏に挨拶をした後に袂を分かつ。

深海酋長の狙いは龍脈。

つまりは奈良県の丹生川上神社。

しかしその辺はまだ結界が強い。

ならば現れる場所はどこかとポイントを探っていると、檻巌鎮守府付近であることが分かった。

そこが1番磁場が不安定なのである。

皮肉にも、みんなの帰る場所が戦場となる。

 

あきつ丸「………………了解。何かあったらすぐにでも連絡するのであります。通信終了。」ピッ

 

熊野丸「深海死柱に全員配置したか。」

 

神州丸「海自は?」

 

あきつ丸「配置OK、交戦準備は整ったと。」

 

最前衛部隊1万。

吹雪含む檻巌鎮守府の部隊1万。

叢雲たち含む拾熄鎮守府の部隊が2万。

 

明石「あ!」

 

吹雪「!!!!!!!!」

 

全員が振り向く。

明石は両手を合わせごめんごめんと何かを取り出している。

服らしきものだ。

 

明石「言うのわすれてた!これ着てください!」

 

電「あぁ?日の出まで時間ねぇんだぞ…………って…これ!!!!」

 

吹雪「服……!!!制服じゃねぇか!!!!!でもなんかデザイン…」

 

天龍「こりゃ改ニか…?いやでもちょっと違う気が…。」

 

明石「皆さんの制服を少しアレンジしてデザインしました!ぜひ着てください!!!通気性バッチリ!伸縮性、防御性、油も弾いてその上暴風防寒!!!それで…………って…聞いてないや…。」アハハッ!!!

 

全員がその場で着替える。

自衛隊の上クラスが下の者に対し見るなと指示。

 

隊員「アンタがっつり見てんじゃねぇか!!!股間膨らんでるぞ!!!」

 

隊長「何をっっー!!!」

 

駆逐棲姫「辞めようよ〜。」

 

馬渕「全員構えッッッッッッ!!!!!!」

 

!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

日の出まで残り10秒。

9………8………

 

雪風「………………。」ゴクリッ

 

5………4………

 

霧島「…………………。」

 

1………………

 

吹雪「…………………………。」

 

0。

 

グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!

 

目の前の何も無い空間に突如大きくヒビが入る。

それを内側から壊すように大量の深海棲艦がワラワラと溢れ出てきた。

それもひとつの箇所だけではない。

多数のポイントから空間を叩き割り出てきたのだ!!!

 

龍驤「あ〜らら、ぎょうさん敵さんおるなぁ。」

 

神通「奴さんら、ガチみたいだな…。」

 

スッー……………

 

大きく息を吸い込む。

そして目を大きく開く。

 

吹雪「行くぞおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

ウオオオオオオオオオオオオオォォォォッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!

 

最終章・第12次赤青大戦編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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