よく間違えられる少女   作:白ノ宮

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ほーら、また見切り発車で投稿してるよ。
我ながらどうかしてると思う。
今回はどのくらい続くかなぁ。


EP.0【出会いは...突然に。】

人との出会いは一期一会。

そうは言うけど、変人たちとの出会いというのも、その一期一会に含まれるのかな?

 

「ママ?」

「アイ?」

 

過去に世を風靡したアイドルに間違われる事は既に慣れたことではあるが、流石に自分と同年齢の少女に母親に間違えられるなんてことは経験したことなかったなぁ。

 

「私ってそんなに老けて見えるかなぁ...?」

 

どうしてこうなったか...。

そんなのわかったらこんな展開にはならないと思う。

 

私は転生者だ。

金髪で黒いオーラをまとったイケメンの自称神が、本来であれば104歳で死ぬ筈だった私を20歳という若さで殺めて転生させた。

 

理由といえば、持っていると結構な確率で不幸になるチートを早く押し付けたかったのだとか。

 

なんでも、このチートを持った人間は大体の物事ができるようになるため、善悪の区別が曖昧になって、その結果暴走してしまい世界を敵に回してしまうらしい。

その結果、勇者系の転生者が他の神様によって派遣されて討伐されてしまうのだとか。

 

なら何故それを封印しないのかと聞けば、封印も無料じゃないと言って私の魂にねじ込んできたのだ。そして転生させられた結果、14歳の少女として意識が覚醒した。

 

都合がうまく整えられていたのかは知らないが、交通事故によって記憶喪失になってしまった少女として転生したようだ。

 

実際は死んでしまっていたようだが、あの自称神が身体の破損個所を修理した上であの体に私の魂を突っ込んで“そういう事”にしたようだ。

 

ただ、この身体は過去に世間を熱狂させたアイドルと非常に容姿が似ているらしく、そのアイドルの元ファンだった人達からよく間違えられる。

 

そのアイドルの張本人はとっくの昔に刺されて亡くなっている筈なのに、ファンの人達は私をそのアイドルの生まれ変わりであるかのように扱ってくる。

 

最初の頃は私という存在を無視されているようで非常に気に入らなかったが、よく考えたら相手は赤の他人である訳で...どう思われようが私がどう思うかなんて見当違いなのである。

 

逆にその事を利用すれば人に覚えてもらうための手段になるかもしれない。

 

私の親戚にはそのアイドル『アイ』のライブ映像を記録していた人がおり、画質が少し古いその映像を見たり、B小町のCDを聞いてどんな声なのかを確かめた。

 

そしたら声までも同じだった。

 

もうここまできたら笑うしかなかった。

 

一番星と謳われたアイドルである『アイ』。

 

そんな彼女と瓜二つで声までも同じという偶然にしてはやりすぎな転生。

 

本人が纏っている星の輝きを幻視させるオーラまでは纏っていないが、ぱっと見はB小町のアイだ。

 

彼女の可愛らしさは今でも通用するレベルものではあると思うが、正直言って私にアイドルが務まるかと聞かれれば十中八九Noと答える。

 

大体アイドルをやったとして、彼女の二の舞で刺されて死ぬなんて勘弁してほしい。

 

えげつないほどのチートを押し付けられた私にとってアイドルなんて造作もないことではあるはずだが、自分から死ぬかもしれない未来に突き進むなんてアホな真似はする訳がない。

 

こんな容姿でこんな声だけど、普通に会社員として働く未来を勝ち取ろう...そう思った。

 

リハビリを普通ではあり得ないほどの速さで終えて中学生活に復帰。

 

この身体の学力がどうだったかなんて知らないし関係ないのだが、チートのお陰か吸収率が凄まじい。

 

よく転生モノで見る転生者が赤ん坊の時に学習していると知識をスポンジが水を吸うような勢いで吸収して行くという表現がよく使われていると思うのだが、こちらはまさにブラックホール。

 

学習してそれを確実に覚えて行く自分の脳に対して恐怖を感じたのはこれが初めてだし、学校のテストで急に結果を出してカンニングを疑われないように必死になって実力を調整したのを昨日のことのように思い出せる。

 

記憶の消去機能まである事には驚いたのだが、重要な記憶については写真の管理機能みたいにロックがかかっていて日常的な記憶しか消去できない事を知って少し落ち込んだこともあった。

 

ショッキングな事って普通は非日常で起こる事なので、それを消すことができないなんてメンタル的にはあまりよろしくない。

 

...いや、普通の人間は記憶を自由に選んで消去なんてできないか。

 

そんな些細な事を通り越して上手いこと少しずつ調節して偏差値を上げてみた結果、ある高校の特進科に推薦で入学する事になった。

 

陽東高等学校という場所で、芸能科がある学校ということで話題になっていたのだが、今年度から新設で特進科が設置される事になったらしく、芸能科との偏差値の差は15。

 

芸能科が40なのに対して特進科は55である。

 

前世で通っていた高校は普通科で偏差値60の場所で必死こいて赤点を回避していたのだが、今回はいろいろな意味も含めてそんな事にはならないはずだ。

 

 

そこから入学を経て初日の放課後。

 

聞かされていたよりクラスの人数が少数で驚きの表情で固定されそうだった自分の顔を揉みほぐして、一年の教室がある廊下で一息つきながら歩いているとある三人組がいることに気付いた。

 

ちんまい少女赤髪の少女(と言っても私とあんまり変わらないような気がする)と金髪の男女。

三人とも容姿がとても優れておりすぐに芸能科に所属していることが察せられた。

 

(容姿が整っていると大して有名じゃなくても目立つものなんだなぁ)

 

と感慨深く考えながらその三人組とすれ違うように通り過ぎていくと、騒いでいた金髪の少女が急に静かになって廊下に静寂が訪れる。

 

その時私はそのまま気にせずに歩いていればよかったのに、個人的な興味で振り返ってしまったのだ。

 

そして─────

 

「ママ...?」

「アイ...?」

 

振り返った先には金髪の男女が明らかに私を見てそう言っているのだった。

 

私はアイでもママでもありませんよー☆




今回はうまく行った。
書き上げてからすぐ投稿したのは約1ヶ月ぶりです。
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