ほんとに透き通ってますか???   作:レトルトところてん

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私がァ! 来たァ!

最近ハンターハンターのアニメを見直してます。
おもしれぇ!



はい。続きです。


なんか……適当こいてすいません……。

 

 

 

「さて、カナタくんは特にやりたい科目などはありますか?」

 

「無いです!」

 

「では私が決めます。あなたに時間割の決定権を預けてしまうといずれとんでもない事が起こりそうですし……」

 

 

 じと……と擬音が聞こえてきそうなほどホシノはこちらを目を細めて見てくる。差し込む日光に反射した金と蒼の虹彩が美しい。

 

 

 失敬な! 俺だって真面目にやる時はやりますよ!

 

 早速生物の授業多めにして屋上にプランター作ってやるとか思ってたけど!

 

 

 ホシノは新しくノートを持ち出し、教科を振り分けようとするが……

 

 

「……必要最低限のコマ数が何なのかわからないと書けませんね」

 

 

 これである。

 

 

 ユメ先輩はおっちょこちょいでドジ属性があるのかもしれない。

 

 

「教卓の裏とかにあるんじゃね」

 

 

 椅子から立ち上がり、教卓の裏を確認しに行く。

 

 

「ビンゴだ。ほい」

 

「ありがとうございます。……ふむ」

 

 

 見つかった3年間分の年間行事表と教科ごとの最低限のコマ数の表。単位制のようだ。

 

 それをホシノに手渡す。

 

 

 表を受け取り、なにやら考えながらシャーペンをノートの上で踊らせるホシノ。

 

 

 くっそ頼もしいなこいつ。中学上がりの高一の決断力とは思えん。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こんなところでしょうか」

 

「もう出来たの? 仕事が早いな」

 

「最低限のコマ数が決められているなら年間行事表と合わせて1週間あたりに必要なコマ数を割り振れるでしょう。それこそ、あなたにだって出来ます」

 

 

 マジで凄いなこいつ。そこまで考えるのね?

 

 確かに出来はするが、もはや数学の長文問題だろそんなん。やはりIQが高いやつは一味違うらしい。

 

 

 席から立ち、教壇の周りに歩みを進めるホシノ。

 

 

 ? トイレかな? 

 

 

 右から左へと、視線を動かしている。気になって俺も一緒に見てみるが、あるのは動かせそうな黒板に白い棚だけ。

 

 

 そいや教科のブルーレイってどこにあるんだろうな。職員室とかかな? いやでもユメ先輩あんま入ったことないらしいし違うか。

 

 

 あれこれ考えながらホシノが何をしたいのか眺めてみる。

 

 

「……」

 

 

 白い棚の引き出しを引っ張り、中身を確認している。

 

 取り出した物は薄い円盤の入ったケース。

 

 

 あ、あー! いまさっき考えたやつね! そりゃブルーレイなんて場所取らないもので教師が居ない学校なら教室のどっかにあるよね!

 

 

「ブルーレイディスクも見つかったことですし、早速授業と行きましょう」

 

「気が早いなぁホシノくんは……」

 

「もう少しゆっくりしてもいいんだぞ」

 

「時間は有限なんです」

 

 

 うひゃー、激真面目ちゃんめ……!

 

 

 

 俺の声に全くブレることはなく、更に引き出しから映写機を取り出して教壇にセットするホシノ。

 

 

 

「……黒板では少し見づらいでしょうか」

 

 

 

 確かに。黒板スライド出来そうだし裏にホワイトボード的なのがあると見た!

 

 

 黒板の元まで行き、手を当て力を入れる。

 

 

 ゴゴゴ。

 

 

 お、動いた!

 

 完全にスライドすると後ろには正しくホワイトボードが露わになる。

 

 

「これで見えやすくなったな」

 

「では流します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 き〜んこ〜んか〜んこ〜ん!

 

 

 昼下がりの校舎に、鐘の音が鳴り響く。校舎全体が日光で温まり、窓の外を見つめれば蜃気楼が発生しているほどだ。と言ってもまだマシな方か?

 

 まだ春先だしな。

 

 

「そろそろお昼みたいですね。映像をストップします」

 

「ふぃ〜……!」

 

 

 ホワイトボードに投射された映像がホシノの手により停止する。

 

 アビドスでは12時半に鐘が鳴る効果音が流れるようだ。

 

 

 

 

 ようやく終わったァ! クッソつまんねぇ! 驚くほどに面白くねぇ! なんだこれ! いや可愛い女の人が授業してるのは良いぞ! 良いけどただ映像見てノート取るのマジで虚無感に襲われるんですけどォ!

 

 

 マジで腹減った。いやもうご飯でも食わないとやっていけないよこの先。

 

 

 席に座り、駅前で購入した税込1280円の激安リュックサックからお昼のご飯をゴソゴソと取り出そうとする俺氏。しかし、その動きは今朝準備した内容を思い浮かべることにより停止する。

 

 

 昼飯持ってくんのわすれた……! というか弁当の箱も米も具材も何もかもないから買い溜めた駅弁持ってくるしかなかったのか!

 

 

 しょうがないので空腹を紛らわせるべくホシノに話しかける。

 

 

「……なぁ、ホシノくん」

 

「なんですか。私は今お昼ご飯に忙しいので後にしていただけると助かります」

 

 

 ムッキィィィィッ! 人がご飯無いっていうのに!

 

 

 美味そうなご飯食べやが……たべ……え?

 

 

 ホシノの机を見る。あるのは先程広げられた授業のノートに教科書だけ。

 

 無表情で視線だけこちらに寄越し、口元に無機質な銀色のパックだけが存在するホシノ。

 

 

 おま、えぇ……? 心躍るはずの入学2日目の学校で、10秒チャージみたいなの飲んでるよこの人……。

 

 まさかのゼリー飲料? うそだと言ってくれホシノォ!

 

 花の女子高生を鼻で笑うお昼ご飯じゃねぇか!

 

 

 

「えっとごめんホシノそれゼリー飲料だよな?」

 

「……ええ、そうですが」

 

 

 何か問題でも? と言外に伝える不思議そうな視線。

 

 

 問題しかないだろォ! うら若きJKがゼリー飲料て! いや良いけど、良いけどね? 人の食生活に口出しするわけにもいかないけどさぁ! だからそんなちっこいんだぞホシノォ!

 

 

 不味い。俺の行き場のない不満……というかツッコミしたい欲が抑えられなくなりそうだ。

 

 

「……美味しい?」

 

「ええ。低コストでこの栄養価。多少の不味さは許容するつもりでしたが、思ったより不味くはありません」

 

 

 こいつ本当に女子高生か……? そんなんばっか食べてたら胃腸壊すんだからな。嫌だぞストレスで胃腸炎になったホシノに見舞いに行くとか。精神のゆとりは美味しい食べ物から始まるのだ。

 

 

 俺は決めたぜ……ッ! お金と時間に余裕出来たらこいつに弁当作ってやる。決定事項だ。学園都市社会が生み出した悲しきモンスターに人の温もりを教えてやる……!

 

 

 まともに料理したことないけど!

 

 

「ホシノ……俺がお前を人間にしてやるからな……っ!」

 

「……なんですか急に……」

 

 

 

 

 

 ドタドタ。廊下に響く足音がまたもや聞こえてくる。

 

 

 

 

 

 あの人暇なのかな? 朝も来てたよね。

 

 

「ふたりとも〜っ! 一緒にご飯食べよ!?」

 

 

 何やらクソでかい重箱のようなものを片手で持ったユメ先輩が扉をぶち開け教室に入ってくる。

 

 

 どうでもいいけど腕力すごいな。なんか蕎麦屋みたい。

 

 

「待って……うそ……! ホシノちゃん!?」

 

 

 ユメ先輩は一瞬凄い顔になってから手の上に載せた重箱を教壇の上に映写機をどかしながら置き、急いでホシノの横まで近付いた。

 

 

 いやそうなるよね! そうだよね! 俺がおかしいんじゃなくてこいつがおかしいんだよね!

 

 良かった〜安心したー! キヴォトスディストピア説が一瞬脳裏を過ぎったよホシノォ!

 

 

 

「すみませんが私はもう食べ終わ「何食べてるの!? それ最近出たミレニアムのやつだよね! ダメだよそんなの〜! 私のお弁当分けてあげるから一緒に食べようよ〜っ! ねっ! ねっ!?」……はぁ……

 

 

 

 すげなく断ろうとしたホシノに抱きつき拘束するユメ先輩。

 

 軽い気持ちで一緒にご飯を食べようとした相手がまさかのゼリー飲料だったことにはさしものユメ先輩も動揺したのだろう。

 

 ユメ先輩に揺すられ、身体が揺れることによって前後に揺れるホシノのアホ毛が可愛らしい。

 

 

 

 びよんびよんびよんびよん。

 

 

 いい光景だ。実に健康にいい。

 

 

 

 ここでホシノの顔面を拝見。ふむ。この人めんどくせぇ〜と聞こえてくるかのような顔をしている。

 

 特に問題はないだろう。

 

 この調子で悲しきモンスターに愛を伝えてやって欲しいものだ。(後方パパ面同学年男子)

 

 

 

 

「わかりました、わかりましたから、一旦離れてください」

 

 

 

 流石のホシノもユメ先輩の抱きつき揺さぶり攻撃には耐えかねたのか、了承(ギブアップ)の声を上げている。

 

 

 

「ほんとにっ!? ありがとう〜っ! たくさん作ってきたから、いっぱい食べてね!」

 

 

 ユメ先輩のにこやかな笑顔が愛らしい。

 

 

 そして眩しいものでも見るかのように見るなホシノ……お前も花の女子高生だろうが! もっと熱くなれよ!

 

 

「カナタくんも一緒に……カナタくん?」

 

 

 こちらに顔を向けたかと思えば緩んだ顔にピキッと擬音がなりそうな亀裂が入る。

 

 

 なんじゃね?

 

 

「なんですか?」

 

「……お昼ご飯は、あるのかな〜?」

 

 

 

 にこにこと笑う先輩。ちょっと怖い雰囲気を感じる。

 

 

 なんだ? なんですか?

 

 

 

「……ないです……かね」

 

「私より酷い人居るじゃないですか……バックを漁ってたかと思えば、何してるんですかあなた」

 

 

 神妙な顔でこちらを見つめるユメ先輩と呆れた顔でチラリと見てくるピンク頭(ホシノ)

 

 

 自覚ありとかお前なんてもうピンク頭で十分だからな。

 

 

 酷いって自覚してんならもっとマシな人間的食事を取れェホシノォ!

 

 

 俺は普通に食べようと思ってたけど忘れただけじゃ!

 

 

 

「もうっ! ユメ先輩は怒りましたよ! なんですか! 片やゼリー飲料、片やそもそも食事無しなんて!」

 

 

 仁王立ちし、俺を見て一瞬泣きそうな顔をしてまた怒った表情をするユメ先輩。

 

 

 なんで俺見て泣きそうになったの? そんなに気に食わなかったか……? えぇ?

 

 

「私は非常に憤ってます! あなたたちの食生活は私が支えますからね!」

 

 

「……カナタくんのせいですよ。お金なくてお昼抜きなんて、どう考えてもユメ先輩の目に止まります」

 

 

 こしょこしょと隣の席である利点を活かして語りかけてくるホシノ。

 

 

 ……言われてみると俺お金ない設定でしたね。

 

 

 だからユメ先輩は泣きそうな顔したのか。

 

 

 ホシノとユメ先輩が楽しそうにじゃれてるのを隣から幸せそうに眺めるスマホも持っておらず、昼食すらまともに取れない貧困男子……。

 

 

 あぁ。うん、これが勘違いものというやつか……!

 

 

 体験してみると何とも形容しがたい気持ちになる。

 

 

「大丈夫っ! 私はちょっと多すぎる生活費を貰ってるのでへっちゃらです!」

 

 

 そこまでお金ないわけじゃ……うーん、水道代とか光熱費とかあるだろうしなぁ……、実際無いのかもしれない。

 

 

 前世実家暮らし高3舐めんなよ!何もわかんねぇわ!

 

 せめてスマホがあれば調べられるんだけどなぁ。

 

 

 ここで遠慮しても更に勘違い要素が深まるだけか、くそ。

 

 ぐあああああ! どんどん本来歳下の女の子からの貸しが溜まっていくぅぅぅ! 俺は申し訳なさ過ぎてそのうち死ぬのかもしれない。

 

 

 

 

「……ありがとう、ございます……っ!」

 

 

 

 

 にしても友達と一緒に食べるためだけに重箱用意とか……ユメ先輩可愛すぎだろ!

 

 

 ……いや、そうか。ユメ先輩はアビドスで独りだったんだもんな。

 

 

 一緒にご飯を食べるってだけで、こんなに舞い上がっちゃう普通の女の子なんだもんな……。

 

 

 やばい、理不尽に対する怒りと共に涙が出てきやがる。

 

 泣いてるわけじゃないんだけど、涙が出る時ってあるよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……うんっ!!! これからは大丈夫だからね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後俺とホシノはお腹がキツくなるほど飯を食わされました。

 

 

 

 

 まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




悪ぃな……俺の筆が進む限り、いくらでも日常パートが進むぜ!

推しの小説読んでたら思ったんですけど、最高に気持ちのいいハッピーエンドにする前に鬱展開とかあった方がいいんですかね?

曇らせね……ハピエン厨ですが曇らせも悪くねぇよなぁっ……!
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