獅子の隣に並ぶまで 作:ZZ
ぶっちゃけよう。
私が仲間にしたいのはラプラスだった。
そしてラプラス、カントー・ジョウト地方では絶滅危惧種のポケモンに指定されており、例外を除いて捕獲を禁止されているポケモンなのだった。私のわくわく推しポケパーティ計画はさっそく詰んでいたのである。アローラなんかでは逆に増えすぎているようで、カントー・ジョウトへの寄贈が検討されているという話も聞いたことがあるくらいだったから、アローラにいけばきっと容易く捕まえることが出来ただろうけど、それでもどうしてもどうしてもカントー・ジョウト地方でラプラスを入手したかった私は、生息地から生態から手持ちにしている有名なトレーナーから何からを調べまくったのである。
結果、旅立ちが迫ったとある日、私はオーキド博士の部屋にいた。
「博士、お願いがあります」
「なんじゃ」
なんとなく、その時のオーキド博士はああ、きよったか、みたいな微笑ましい雰囲気で私を見ていたように思う。
「これ、最後まで読んで、ちゃんとした批評をください」
博士に差し出したのはレポート用紙の束だった。
最初は疑いというか、なんだこれ、という顔で受け取った博士だったけど、一枚、二枚と紙をめくっていくと表情ががらりと変わった。
「お主、これは、」
「博士、お願いします」
じっと博士を見つめると、博士は渋々といった様子でレポートに視線を戻した。しばらくぱらぱらと紙をめくる音だけが響いていたが、どうしてだか、その時間は私には短く感じた。
やがてトントン、と紙束をそろえる音がした。
「………よく書けておる。このポケモンについてここまで細かく観察した記述は今まで見たことがないし、お前が目を付けた視点や実験もなかなか面白かった。もう少し情報が集まれば論文を書けそうなくらいじゃ。書式はどこからひっぱった?」
「博士がよく頼んでるフィールドワーカーさんのやつから」
「このポケモンの観察レポート、全部一人でやったのか」
「いいえ、ポケモン達に助けてもらいました」
「なんでスピアーを選んだ」
「………苦手なポケモンになりそうでこわかったから。私、ポケモンは皆好きでいたい」
オーキド博士は、それはそれは深々と、大きくため息をついた。
……この世界にもポケモン以外の生き物はいる。虫もいるし、動物もいる。ただ、地球の生態系ほど発展していないだけだ。当然だろう、動物にはタイプがないし、わざも放てない。ポケモンとの生存競争に生き残るには弱すぎる。それ故か、この世界で一番数の多い動物は何と言われると、人を除けば食肉用に養殖されている動物類の名前があげられるほどだ。虫も種類が少ないが、それでも庭にちょうちょや蜂がやってくることがあるし、蚊に食われることだってもちろんあった。
だからこそ、庭に出た時に、ただの小さなハチの羽音に過剰反応をしてしまったとき、これはまずいと思ったのだ。スピアーの羽音を思い起こして派手に飛びのいた私を、ガーディとトランセルがぽかんと見上げていたのを今でも覚えている。
何があっても私はポケモンが好きなままだと思っていたし、そのつもりでいたから、ハチからスピアーを思い起こして恐怖したのだと気づいたときは随分絶望したものだ。あの事故は私の失態だったのに、その結果スピアーを怖がるようになってしまうとか、どれだけ自分勝手なのだろうと思った。
だから、この手段を思いついたとき、真っ先に対象はスピアーにしようと決めた。よく観察して、よく知って、そうしていけば、いつかきっと、苦手がなくなるはずだと思ったから。
「……頑張ったのはとてもよくわかる。スピアーに気づかれない観察法の考案の下り、そこに至るまでスピアーをよく観察しとったのがわかるし、そこから派生してスピアーが何を感知して世界を見ているかの実験に移っておるのもとてもよい。ポケモンフーズを利用した習性の確認は、これはウィロー博士の手法の応用かの?」
「……はい。博士の書斎で見ました」
「そうかそうか、よく勉強しておるのう。ウィロー博士と、それとオダマキ博士なんかがよくきのみを用いて習性確認をしておるが、確かにフーズでも代用可能じゃな。香りや味の改変はフーズであるからこそ色形を統一したまま行えるため、色や形によらない確認がしやすいと。なるほど。
後、この、ビードル系の巣に関する供述も気になるの。ミツハニー系列のように巣と定めた場所がないというのは興味深い。てっきりわしは縄張りの奥深くに巣があるもんじゃと思っとったが…、それに値するような場所はコクーンの宿り木しかないとはの…。いや、同じ場所で群れになって進化して、次の進化の準備をするポケモンじゃったとは予測しとらんかったわ。それを観察できる人間は今までおらなんだ。どうやった?」
「………研究所の倉庫にあったギリースーツ羽織って、大きな木の上に登って、そこから望遠鏡で探しました」
「ああ、そんなのがあったかのう…。大分ボロじゃったろうに…。……ん?大きい木?大きい木というと、相当トキワの森の奥までいったんじゃないかの?大丈夫じゃったか」
「その、知り合いのポケモン達が色々紹介してくれたから……」
「そうか、そうか。いい友達に恵まれたのう。それでもよく観察できたもんじゃ。これを書き上げるのにどれだけかかった?」
「………10ヶ月です」
「……というと、グリーンとレッドに会った後辺りからか?そうか、そんなに長い期間、トキワの森にかよっとったか。お主、ポケモンのトレーニングやらバトルやらも頑張っておったのに、そこまで頑張っておったか。よくやった。よくやったのう」
ひとしきりオーキド博士は私を誉めた。
「……いい出来でしたか?ほかのポケモンでも、こういうの書いたら助かりますか?」
「………いい出来じゃった。いい出来じゃったが、後半の質問は答えかねるな。それで、わしに何を要求したい?」
私はごくりと唾を飲み込んだ。
「してんのう・カンナさんへの紹介状をください。…ラプラスの生態観察の許可が欲しいです」
もう一度ため息をついて、額を抑えたオーキド博士がちょいちょいと私を手招きするので、私は机を回って博士のところに近づいた。
「……なるほど、なるほどのう。確かにスピアーの研究をしている研究者というやつは少ないし、一大生息地であるトキワの森の近くに住んでいるわしとて、危険度の高さから積極的に研究したことがない。対してラプラスは絶滅危惧種ではあるが、主な繁殖地が秘境であること、それからラプラス達自身の知能の高さが原因で野生の姿の研究は進んでおらん。アローラなんかでは人間に懐きすぎて逆に野生の姿が確認しづらいというし……なるほど、フィールドワーカーに調査を依頼するのはおかしくないのう。
……捕獲禁止ポケモンを捕獲してよい例外は、ポケモン自身がトレーナーについてきたがったという事を、公的な人間が確認できた場合のみ、じゃったか?」
ああ、やっぱり見抜かれたなぁ、と思った。
なので、追加で写真の束をオーキド博士に差し出す。
「そのレポートの捕捉になる写真です。……最後の方に書いていた、コクーンの宿り木や、一斉進化の瞬間をとらえた写真もあります。その辺はまだ私の手元にありますけど」
「代わりに紹介状を、か」
「はい」
オーキド博士がさらに手招きをするので、とうとう私は博士の目の前に立った。ポケモン学の権威がじっと私を見つめて、口を開く。
「ラディア。――あまり寂しい真似をしてくれるな」
「………え」
その言葉に、私は返事が出来なかった。
「わしはの、お主のことを実の孫のように思っとるよ」
「………それ、は、」
「でなけりゃもうちっと今までの資料漁りに文句を言っとるわ。お主、わしの資料庫全部ひっくり返す気かの?今家にいくつ持ち帰っとるかは知らんが、バトルにおけるポケモンせいかく論辺りはそろそろタマムシ大学に返さにゃならんので戻しておいてくれるとありがたいの。
のう、どうして相談せんかった。ラプラスが欲しいというのなら、レッドにたまごをもらえんか聞いてやれたし、カンナに聞いてやってもよかった。なんならアローラにも親戚がいるからの、かけあってやったってよかったし、カロスにだって伝手がないわけでもない。ちゃんと交流して捕獲したいから生態調査の体をとりたい、そのためにスピアーの生態調査をして実績をつんでみたいと思ったというのなら、そりゃちっとは怒るかも知らんが、理由を聞けば別に頭ごなしに否定はせんよ。バトルトレーナーじゃもの、気持ちはよくわかるし、むしろよく思いついたと思う。
スピアーの生態調査をするのだって、最新式の対ショック機能付きギリースーツだって貸してやれたし、オダマキ博士がこの前わしに送ってきたポロックによるポケモン生態確認の方法も教えてやれた。なんなら観察の仕方についてだって、それこそフィールドワーカーの皆に講義を頼んでやれた。
……お主、昔からそうじゃったが肝心なところで人を頼らんな?今回のも、前の怪我の時だってそうじゃ。人間に対する諦めが早すぎる。きちんと回る頭も口も持っとるくせに、何故言葉を尽くして人に協力を求めようとしない。
最後に頼るのはポケモンだけ、というのはな、いつかお主の首を絞めそうで、わしは怖くなるよ……」
私は、やっぱり返事が出来なかった。そんな私の頭に、こつん、とオーキド博士は拳骨を落とす。
「それで何とかなってしまっているから余計にの。トキワの森のぬし交代なんてことがなければ、お主たぶん怪我なんぞしとらんかったじゃろうし」
「そんなことは、その…」
拳骨を開いて、オーキド博士はわしゃわしゃと私の頭を撫でた。
「旅に出る前の子供たちにはの、ポケモンを学びなさい、社会を学びなさい、世界を学びなさい、とワシは伝えるんじゃがな。
お主にはもう一つ、人間を学びなさい、を伝えておくかの。
……さて、カンナへの紹介状を書いてやろう」
そんなことがあって、私はカンナへの紹介状を手に入れていた。
正直に言うと、頼っているつもりだったんだけどなぁ、というのが本音だった。親にも色々わがままをいっているし、オーキド博士にだって色々言ってたし、色々自由に借りてってたし。ただ、常識から外れた要求なんかは通るはずがないと思っていたから、自分で抱え込んで動いて、結果を見せることで要求を飲ませようとしていたのは、確かにそうだったと思う。言葉を尽くせ、というのはちょっと、大分響いた教えだった。
後、本当によくスピアーに襲われずにすんだなぁとしみじみオーキド博士がいうものだから、ついうっかりニドラン達というかつての伝手からニドキングニドクインにたどり着き、ニドキング達には片目で嘴の欠けたピジョットの元に案内されて、そのピジョットが紹介してくれた木から最初はスピアーを観察していたということを話したら、絶句された。私が出会ったのはトキワの森のぬしだったらしい。道理であのピジョットに会うとき、バタフリーとガーディがピリピリしていたわけだった。
「カンナちゃん!オーキド博士の紹介の子がきたぞ!」
案内してくれた島民の声に意識を戻すと、水辺に佇む女性の姿があった。赤い長髪をひとつにまとめ、眼鏡をかけた姿はきりっとしていてかっこいい。
カントーしてんのう・カンナ。こおりポケモンのエキスパートにして、レッドがカントーの頂点をとった時代から、してんのうとして大成していたトレーナーである。
目があったのでとりあえず会釈をすると、少し驚いたような顔をされたように思う。地元民の方はじゃあの、といって離れていった。
「初めまして、マサラタウンのラディアといいます。オーキド博士の紹介できました」
「………初めまして、私はカンナ。驚いたわ、腕のいい調査員を寄越すというから、てっきりもう少し大きな子がくるかと……、何歳か聞いてもいいかしら」
「10歳です」
「……そう、そうなの。今年はマサラの当たり年だったのかしらね?」
微笑むカンナの目が頭にはりつくバタフリーと、足元のガーディを追ったのが見えた。トレーナーだもの、それはそうなるか。
視線を受け流して、ちょっとみっともないけど、首から下げたポーチを上着の中から引っ張り出して中身を漁る。
「ごめんなさい、今紹介状を、」
「通信で聞いてるから大丈夫よ。……で、私に何をしてほしいのかしら?」
私はポーチの中身を漁る手をぴたりと止める。うわぁ、と思った。色んな意味で。なんというか、めちゃくちゃプレッシャーを感じるし、オーキド博士の言葉を封殺した上でこの聞き方をしてくるとは、意地悪にもほどがないだろうか。
顔をあげれば酷く冷たい目をしたカンナが微笑んでいた。
たぶん、いてだきのどうくつに見知らぬ人間とかが入ってほしくないのだ。昔、いてだきのどうくつでは密猟が盛んだったと聞いたし、そんな密猟からどうくつのポケモンを守っていたのがカンナだったとも聞くから、今回の紹介もオーキド博士からだった故に受けたけど、それはそれとして心情的にはいやなんだろうなぁ、と思う。
あの空間はカンナの心のやわらかいところに繋がっている、とオーキド博士は言っていた。もしかしたらろくな対応をされんかもしれない、最悪諦めて帰ってこい、ほかの手段を紹介してやるからとまで。
カンナのプレッシャーに牙を剥きそうになったガーディをハンドサインで諌めながら、出来るだけひきつらないよう、にっこり笑う。
「一応、確認です。私はオーキド博士の要請で、いてだきのどうくつに生息するラプラスの生態調査に来ました。なので、詳しいというカンナさんにご挨拶にきた形です。
ですけど、何かご協力頂けるのであれば、いてだきのどうくつの案内と、どうくつのポケモンに私たちを紹介してください。しばらく一緒に暮らすので、最初くらいは穏便にいきたいですから」
「ふぅん…、………………………え?あそこで暮らす?」
「はい。野生のポケモン達には、私達に慣れて貰わないと本当の野生の姿が見れないですから。色々用意してきたので、1ヶ月くらいはいてだきのどうくつに籠ってると思います」
…………してんのうカンナの絶句した顔を見る日が来るとは思わなかった。
せいぜい2、3日で帰ると思っていたのだろうか。それとも外に宿をとって、いてだきのどうくつに通うと思っていたのだろうか。そんな勿体ないことしたくない、こんな機会は滅多にないんだから、住んだ方がいいに決まっている。
期間だって、正直1ヶ月で足りるかと言われると全然足りないくらいだ。本当はもっと長く籠っていたい。ポケモンという生き物は適応力が高いから、地球の動物たちのように年単位をかけて慎重に関わって、ということをしなくても人慣れしやすいのだけど、それでも1ヶ月という期間は短かった。金銭の問題で備蓄をそれ以上用意できなかったので、1ヶ月で区切るしかなかったのだ。
1ヶ月で私はいてだきのどうくつに暮らすポケモン達に慣れてもらって、ラプラスに出会って、懐いてもらって、あなたについてきたい!と思わせないといけない。救いはトキワの森の時とは違って一日中そのフィールドにいられるということだろうか。
「……昼ですら氷点下なのよ?キャンプには絶対に適さない。そんなところで1ヶ月も一人で暮らすなんて……本当に大丈夫なの?」
……そっちの心配をされると思わなかった。
一度衝撃を受けたお陰か、威圧がすっかりはげ落ちたカンナの顔は、普通に小さな子供を心配する大人のそれだった。
「そのために寒冷地仕様の装備を色々と整えてきたので……ほのおポケモンのガーディもいますし、大丈夫ですよ」
「そう?……そう…、それなら…、ええ。案内もポケモンへの紹介もしましょう。………でも、無理はしないようにね…?」
大丈夫かなぁこの子、という感情を隠しもしないまま、カンナはいてだきのどうくつへと案内してくれた。カンナのラプラスに乗せてもらって、『なみのり』と『たきのぼり』を経験できたのにはめちゃくちゃ興奮した。最悪自分でボートを漕いでどうくつに入り、自力ロッククライムをする予定だったのでそちらの意味でも助かったけれど、将来的にラプラスを手持ちに加えたい私にとって、目標にもなるラプラスを間近で見ることが出来たのはとても良い体験である。記憶が正しければ数年前のチャンピオン防衛戦でチャレンジャーを見事に下したのはこのラプラスだったはずだ。美しく、大きく、歴戦の個体なのだということがよくわかる。
事前に調べた通り、『たきのぼり』をした後はゲームと違って特に起伏はなく、『なみのり』したり歩いたりしながらどうくつの最奥を目指す。時折ズバットやコダックが顔を出しては、カンナを見て引っ込んでいく。偵察役だろうか。姿こそ見せないものの、洞窟の割れ目の奥や、溜まった水の中、天井のどこかからは常に視線を感じた。見定められているなぁ、と思うと同時に、そういった視線を感じとることができるようになっただけ、ちょっと成長出来たかな、と思う。
そうして歩き続けてたどり着いたそこは、まるでクリスタルだけで出来た異世界のようだった。
大きな洞窟が広間のようになっていて、半分ほどが水没していて、湖になっている。海が近いから海水だろうか、それとも淡水?後で調べなければ。あちこちに氷塊が浮かんでいて、天井部分が一部崩落しているのか、漏れた太陽光に氷がきらきらと輝いてとても美しかった。
壁も一面が氷で覆われていて、地面すらも氷の下に埋もれていて、ガーディの足跡が溶けたことでやっとうっすら向こうの地面が見えるくらいだった。そこでやっと気づいて振り返れば、氷の上に点々とガーディの足跡が残っている。ガーディの足は濡れた端から乾いているのか薄っすら蒸気がのぼっていた。
「うっわごめん……そうか、体温が高いから氷が溶けちゃうのか」
「がぅ……わう」
どうせ今後もこの環境で出しっぱなしなんだから別にいいけど。あーあーそれでも一声欲しかったなー。という感じの目で見られた。野生のポケモンがいる環境下だから抱き上げてやるわけにもいかず、頭を撫でてやるに留める。後でキャンプをはったら綺麗にしてあげよう。
体を起こすとちょうどカンナが湖に自分のラプラスを放ったところだった。
「──?───!─────!!」
ラプラスの呼びかけが洞窟内に広がる。綺麗な声だった。少しして、遠くでバシャンと何かの触手が水面を叩く。それから一匹のジュゴンが跳ねて、姿を消した。しばらく待ったものの、それ以外の変化はない。
「……ラプラスの方は応える気がなさそうね。私以外の人間が来ているから警戒してるんでしょう。声は届いているでしょうから、無害なのは伝わってると思うわよ」
「今の、どういう勢力圏でどの派閥のポケモンが応えたのかとかは、教えてもらえたりとかは……」
「あら、腕がいいんでしょう?自分で調べなさいな。……まぁ、およそのポケモンによる命の危機はないから安心して」
命の危機がないだけましかぁ、と思うしかなかった。
ちらりと時計に目をやるともう15時である。新しい環境でのキャンプだから、そろそろ設営の準備を始めないとまずい。
「案内と紹介、ありがとうございました。…あの、あそこら辺の平らなとこ、ポケモン達が何かに使ってたりします?寝床にしてるとか」
「あそこ?……ああ、パウワウが遊び場にしてるからやめといたほうがいいわね。野営地を作るのなら、そっちの広場にしておきなさい。精々ズバットが通るだけだから」
「ありがとうございます。……後、最後にもう一ついいですか?」
「………何?」
「サインってもらえます?ファンなんです」
一瞬きょとんとしたカンナだったけど、次の瞬間には噴き出して笑っていた。笑いながらカンナのバトルビデオ一巻のパッケージにサインをしてくれたのでよかったけども。
もしかして:こいつこの世界基準でも相当狂ったことを言って実行してる