エルメロイ二世の「まるで意味が分からんぞ!」 作:マメットナイツ
「……。」コツコツ
時計塔、某月某日。
その日のエルメロイ二世は非常に機嫌が良かった。
なんと昨夜は徹夜せずに早寝でき、朝の目覚めも良く。
授業も珍しいことに、これといったストレスなく円滑に終わり。
更に今日は
その上、夜は予約していた本日発売のゲームを最速プレイする予定でもある。
例えるならば今の彼は、フラットがトラブルを起こしても笑って許してしまえそうなほど。
それほどに非常に非常ぉぉぉに機嫌が良かった。
なお、見て分かる程に上機嫌なので廊下で誰かとすれ違う度に三度見されているが…。
「(さて、この後の予定は…)」
エルメロイ二世は完璧とも言える本日の予定を確認しようとふと立ち止まる。
そしてこれまたふと窓に目をやれば、時計塔が爆炎に包まれた。
「は?」
チュドォォォォォォンwwww!!!
爆風により次々と窓が割れ、エルメロイ二世はそれはそれは綺麗に吹っ飛び廊下の壁へと叩き付けられた。
意識が飛びそうになるエルメロイ二世だが、廊下中の慌てる魔術師たちの声で何とか意識を保つ。
「(……最悪だ。恐らく
一抹の不安が脳を過るが、彼はすぐさまそれはないと頭を横に振った。
時計塔に襲撃をかけてくる阿呆など聞いたこともない。
それでは襲撃者が少なくとも色位、あるいは冠位レベルの魔術師になってしまう。
「(そう、これはどっかのバカ共の盛大な失敗に違いない。)」
そう結論を付け、どうこの混乱を鎮めたものかと思案しようとしたのも束の間。
「貴方が、ロードエルメロイ二世ですか。」
凛とした一声に思わず息を呑んだ。
かつて出会った
彼は声の主へと顔を上げる。
そこには一人の少女。
目算して年齢は15もいかない。
しかしエルメロイ二世は何よりもその少女の瞳に釘付けだった。
「ルーン……文字?」
彼の経験、知識において該当するものは二つ。
ライネス・エルメロイやイヴェットなどの魔眼の一種。
あるいは蒼崎燈子のようなルーン魔術の使い手。
そしてその両方の可能性。
どちらにせよ、その瞳は余りにも未知なものだった。
「ロードエルメロイ二世。噂通り、推理を欠かさない方ようですね。」
「……すまないが、その噂を真に受けないで欲しい。私は探偵ではないのでね。」
どこの噂だとも思ったが、少女の受け答えから会話は成り立つ事を確認したエルメロイ二世は、
最も聞きたかった事を、その正解を知っていると思われる少女に問いかける。
「ところで、一つ…君に聞きたいことがある。この騒ぎは君の仕業かな?」
その言葉を聞いた少女は、まるで軍人のように背筋を伸ばし、
空気を鳴らす程の敬礼で、その問いに答えた。
「私はハラルド。ハラルド・ヴィリジスール。本日より世界を守るため、エルメロイ教室に着任いたしました。」
「……oh shit…。」
エルメロイ二世の最高の一日はこうして、最悪の一日になってしまうのであった。
「あ、この襲撃はエルメロイ二世。いえ、教授。貴方と接触するためです。ご安心ください。」
「安心出来るか!」
「これも世界を守るためです。」
「まて、ミスハラルド!どうしてそうなる!まるで意味が分からんぞ!!!」
知らない。
私はこれを知らない。
あの瞳も、あの虹も。
紛れもない異物。
私たちとは別の概念、別のルール。
「極神か……、全く。未知に震えたのは久しぶりだな。ああ、私も会いたいものだ。」
赤き竜
なんか浮かんできて書きたくなっちまった。(;´∀`)