エルメロイ二世の「まるで意味が分からんぞ!」 作:マメットナイツ
A:なんとでも言え……、私とてバリアンを救わねばならん……。
「ほほう…、恐れずに我へと立ち向かうか。北欧の奴隷。」
「無論だ。私は神の使い……、その使命は邪悪を滅することなれば……。」
悪意に歪んだ顔をむき出しにグレイ(?)は、ハラルドの挑戦を嗤う。
ダークシグナーとルーンの瞳に選ばれた者。
この2つはどちらも同じく、神の使い。
しかし両者には決定的な隔たりがあり、纏う気迫はまるで違う。
グレイ(?)は骨の髄まで蝕む氷のようで、ハラルドは清廉なる城壁のようであった。
これが神話の一端だとすれば、納得できるものだった。
ハラルドの腕が持ち上げられる。
その指は敵を、悪意を指して宣告を告げる。
「故に……受けてもらうぞ!ダークシグナー!」
「良かろう!我らが神復活の序章は、貴様の死で飾ってやる!」
「「デュエル!!!!!」」
悪意はそれに応え、今ここに決闘が始まった……!
「先行は我だ!!!」
禍々しく構えられる決闘盤(デュエルディスク)よりグレイ(?)は手札となる5枚のカードを引き抜く。
引いたカードを手元に置き、その表情は奇色へと変わる。
「メインフェイズ、我は手札より幻影騎士団ラギットグローブを召喚!」
[幻影騎士団ラギットグローブ/星3/闇属性/戦士族/攻1000/守 500]
「そして我のフィールドに幻影騎士団が存在する場合、手札より幻影騎士団サイレントブーツが特殊召喚される!」
[幻影騎士団サイレントブーツ/星3/闇属性/戦士族/攻 200/守1200]
衣服を纏う亡霊の騎士がグレイ(?)のフィールドに集い、彼女へと跪くようにその首を垂れた。
「レベル3のモンスターが2体……。」
「まだだ!我は魔法カード、闇の誘惑を発動!デッキからカードを2枚ドローし、その後手札の闇属性モンスターを除外する……。除外するのは……【DTヴォルディガ】!そして除外されたDTヴォルディガの効果発動!このカードは1ターンに一度ゲームから除外された場合、自分フィールドに特殊召喚できる!ただしこの効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールドを離れた時デッキに戻る!」
捨てられた手札が闇の次元を突き破り、無数の腕を持った悪魔が召喚された。
[DTヴォルディガ/星11/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0]
「見せてやろう……我の最強のしもべを!我はレベル3のラギット・グローブとサイレント・ブーツに、レベル11のDTヴォルディガをダークチューニング!」
悪魔が無数の腕で2体の亡霊騎士を貫き、騎士の肉体を崩落させ闇の凶星を誕生させる。
そしてその黒い星を自らの口へと運び、その身を新たなる姿へと再誕させた…!
「漆黒の帷降りし時…冥府の扉が暴かれる……蘇れ闇よ!」
「ダーク・シンクロ!いでよ……氷結のフィッツジェラルドォ!!!」
闇より現れたのは、冷たき氷に閉ざされた鎧を持つ悪魔。
その姿は万物への圧倒的な冷酷さと残酷さが感じられるほどだった。
[氷結のフィッツジェラルド/星5/水属性/悪魔族/攻2500/守2500]
「我はカードを一枚伏せ、ターンエンド。クハハ……貴様に破れるかな?このフィッツジェラルドが!」
「……私のターン、ドロー。」
ハラルドはグレイ(?)の煽りに一切の反応をすることなく、デッキからカードを抜刀する。
そして手札とドローカードを確認すると、一瞬の思考の後、一体のモンスターを召喚した。
「私は極星獣グリンブルスティを召喚。そしてグリンブルスティの効果発動!このカードは召喚に成功した時、手札の極星モンスターを特殊召喚できる!私はこの効果により極星獣タングリスニを特殊召喚する!」
ハラルドがカードの配置を済ませると、天より光の柱と共に黄金の猪が白色の山羊を引き連れ、ハラルドのフィールドへと舞い降りる。
[極星獣グリンブルスティ/星3/光属性/獣族/攻 300/守 100]
[極星獣タングリスニ/星3/地属性/獣族/攻1200/守 800]
「更に私は手札より、極星工イーヴァルディの効果発動!フィールドに極星モンスターが存在する場合、このカードを特殊召喚できる!」
[極星工イーヴァルディ/星4/地属性/戦士族/攻1500/守 700]
巨大な木槌を構えたドワーフがタングリスニの背より姿を現すと、その木槌を振り落とし、一枚の光輝くカードを生み出しハラルドへと手渡す。
「そしてイーヴァルディは特殊召喚に成功した場合、デッキから神の秘宝………極星宝を一枚、手札に加えることができる!私が加えるのは極星宝スヴァリン!」
「チューナーモンスターに、レベル3とレベル4のモンスター……来るか!」
「私はレベル3のタングリスニとレベル4のイーヴァルディに、レベル3のグリンブルスティをチューニング!」
黄金の猪が天へと駆け、その身を光の輪に変える。
二つの光輪はイーヴァルディとタングリスニを包み込み、星と共に空に登り雷鳴となりハラルドのフィールドに降り立った…!
「星界の扉が開く時……古の戦神が今その魔槌を振り上げん!大地を揺るがし、轟く雷鳴と共に現れよ!!!!!」
「シンクロ召喚!いでよ、極神皇トール!!!!!」
雷光は巨人のシルエットとなり、神の器は完成する。
軽く振るわれた巨大な魔槌が天井を破壊し、室内のハラルド達へとその神体を見せつけた。
[極神皇トール/星10/地属性/獣戦士族/攻3500/守2800]
「これが……極神か!ふん、ただ図体が大きなだけの愚神でなければいいがナァ。」
「ほう?その理論で言えば貴様らの神も愚かになるな。」
「チッ……だが、貴様が神の最速召喚をしてくることは想定していた!!リバースカード、オープン!永続罠、幻影霧剣!!!」
伏せられていたカードから霧が溢れ出し、剣を形作ったかと思えばそれが極神の胸へと突き立てられ、神の全体を瞬く間に闇で覆ってしまった。
「このカードはフィールドのモンスター1体を対象に発動され、そのモンスターに装備される。そして幻影霧剣が装備されているモンスターは効果が無効化され、攻撃能力すらも封じられる!!これで貴様の神はただの木偶の坊も同然だぁ!」
「………私はカードを1枚セットし、ターンエンドだ。」
神の行動が封じられて尚、ハラルドは動じることは無かった。
それは一重に彼女の瞳に映るのは、ただ一つの勝利だけだったからだろう……。
北欧の神と、邪神の僕。
世界の命運を賭けた決闘は、まだ始まったばかり………。
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………………………ところで冒頭から描写の無いエルメロイ二世は一体どういう状況か、だって?………………彼ならトールの召喚の余波によって、より損壊が酷くなった時計塔を見て白眼を向いてるよ。
「どうして……どうして……。なんで………カードゲームでこんな被害が……、まるで意味がわからないよぉ…………。」
君の愛弟子と、世界の命運のために……このデュエルを頑張って見届けよう!エルメロイ二世!!!!!
次回、決着つきます(スピードウォリアー!!!)
デュエル回は基本的に2話構成にしていくつもりです。
あとしれっとオリカ出してすまない……。でも流石に原作版のダークシンクロは難しすぎて……。
非力な私を許してくれ……。