これまで男として読んできた皆さん
本当にごめんなさい
カテドラル
ベネリット・グループが設立した監査組織であり、同グループが定める「研究・開発禁止兵器」を取り締まる集団
その性質上、仕事の中には荒事も多数含まれており、武力による違反者の強制検挙も行う
その刃の切っ先となるのが、21年前のヴァナディース事変でも活躍した、カテドラル所属の「ドミニコス隊」である
そして、そのヴァナディース事変のときに、カテドラルはガンダムを禁忌とした
「エアリアルとユニコーン、この2機は間違いなくガンダムであるはずだ、だというのに、未だパイロットや保有する企業を放置したまま…、なぜドミニコス隊は動かない?」
「我々の回答は変わりません、モビルスーツエアリアルとユニコーン、及び株式会社ガンダムに関して、カテドラルは関与致しません」
目の前に、ガンダムがある
それだけで動く理由など十分ではないか
だというのに
「総裁の指示か」
「…お引き取りを」
ガンダムの存在を、貴様らが認めるのか
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「デリングの犬め…」
これで何度目か
私自らカテドラルに赴き、あらゆる観点・理由からガンダムの取り締まりを要請しても、悉く全て退けられた
まず間違いなく、デリングの息がかかっている
「俺の言ったとおりだろ?カテドラルは動かない」
「…そんなことを言うために、態々ここに来たのか?」
帰りのシャトルの中、目の前にジェターク社CEO ヴィム・ジェタークがいた
「シャトーラトレイユを2つだ」
「飲む気分ではない」
こちらの質問には答えず、船内の従業員に酒を注文し始める
「前祝いだよ」
部屋の中には2人だけだというのに、態々耳元に近づいて、奴は言った
「デリングが…、死ぬ」
「っ!」
◇◇◇◇◇
あの決闘から、5日
スレアさんは、まだ目を覚ましていません
「ミオリネさん、ご飯お持ちしましたよ」
「…そこ置いといて」
勝敗が決した直後、まるで糸が切れたようにユニコーンが墜落していって…
すごい音を立てて地面に激突したのを見た私は、急いでユニコーンのコクピットに向かいました
そこには…
“はっ…ぐっ…、う…、す…すれっ…た…?”
“スレアさん!?大丈夫ですか!?”
苦悶の表情を浮かべ、全身から滝のような汗を流すスレアさんがいました
急いで救急ドローンに一緒に乗り込んで、病院で治療を受けましたが
「スレアさん、穏やかに眠れているようで、よかったです」
「……そうね」
右足を、太腿の付け根から切断しなければ、生命が危ない
そう説明され、そのときの私は1も2もなく、とにかくスレアさんを助けて欲しいと、お願いするしかなくて
今のスレアさんには、右足が…ありません
頭に過るのは、あのときの記憶…
“後で、全部話す”
“だから、今は、見なかったことに、して欲しい”
あのとき
もっと、私が
何か、できたのかな…
「ミオリネさん、隈が酷くなってます、ちゃんと眠れてますか?」
「…えぇ、大丈夫よ」
ミオリネさんも、スレアさんの右足のことを聞いた途端、元気がなくなってしまいました…
あの日以来、学校やお風呂、誰かと会う時以外は、ずっとスレアさんの傍にいて…
「………」
「………」
二人で、スレアさんの傍に座って、左右の手を握ります
「きっと、大丈夫ですよ」
「……そうね」
布団の膨らみが不自然に消えている場所は、努めて見ないようにしながら
「私、お花の水換えてきますね」
「…えぇ」
ミオリネさんが、早くスレアさんとお話できますようにと、心から願って
◇◇◇◇◇
スレッタが、花瓶を持って外に出ていく
それを音で感じ取りながら、意識の片隅に追いやり、思考を戻していく
“何をすれば、贖罪になる?”
ずっと、そればかりを考えている
スレアティアは、右足を失った
私が始めた、決闘のせいで
彼女を取り巻くものを知っておきながら
スレアティアなら大丈夫だと、何の根拠もない思い込みのもと
私は、取り返しのつかない失敗をした
「ごめん…な、さ…」
謝って許されることではない
私の愚かさ、その代償を
なぜ、スレアティアが払う必要がある…?
公には、今回の件はガンダムによるものではなく
マシントラブルにより、ユニコーンが地面に叩きつけられた際に、コクピットユニットがフレームごと歪んでしまったことによる、パイロットへの事故として処理されていた
恐らく、ペイル辺りが手を回したのだろう
故に、誰も私を弾劾しない
誰も、ガンダムの呪いであることを知らない
株式会社ガンダムが起業以前から暗礁に乗り上げることはなさそうだった
でも、今はそんなことよりも
「ごめ………なさ……」
私が、私を許せなかった
私が、ガンダムについてもっと深く考えていれば…
私が、決闘なんて挑まなければ…
私が、下らないプライドなんて持たなければ…
私が、ガンダムなんて会社を…
「っ……ご…め…」
私なんて
生まれてこなければ…
「ん……、み…お、り……ね……?」
「っ!!!!!」
突然、私を呼ぶ声が聞こえた
「……スレア…ティア」
「…?」
会いたかった
話をしたかった
謝りたかった
それなのに
「もぅ…ばかぁ…」
「え…?ごめ、ん?」
つくづく、自分は救いようのない女だと思う
◇◇◇◇◇
ナニコレぇ…かわいい…
なんか気づいたらガッツリ隈つけてところどころボッサボサなミオリネがすぐ隣にいたんだけど…かわいい…
なんで?かわいい…
え、かわいい…
ハッ!?
それどころじゃないよねごみぇん
それでそれで?何がどうなってこうなったの?
…
……
………
なるほどぉ、シャディクとの決闘には勝ったけど、俺が気を失って寝たまんまもう5日目かぁ…
そして右足もちょんぱしたと…
なるほどねぇ…
5日目!?
なっが
なんでそんな眠りこけてんの俺
こうしちゃいられない!
一応は色んな人に良くしてもらってる今世の私だ
心配もかけてしまってるだろう、それはミオリネを見ればわかる
今すぐ挨拶周りからの快気祝いだな!!
よーし、行くぞぉ~!
ってあれ…
痛てて…、立とうとしたらコケてポンポン床に打っちゃったよ
なんで…って…
「そっか…」
そういえばさっき足なくなったって言われてたわ、草
◇◇◇◇◇
上手く、呼吸ができない
「そっか…」
スレアティアが、倒れている
助けないと
「はは…」
まるで何かがストンと落ちたように
理解してしまったかのように、スレアティアは短く笑った
「ご……ごめ……ん、なさ…い…」
まともに謝ることもできない
彼女を介助することもできない
足が竦んで、動けない
まだ、この罪から逃れられると思っているのか
まだ、自分は悪くないと意地汚く責任転嫁する自分が、どこかにいるのか
“逃げるなよ”
「っ…」
“お前が考えている以上に、ガンダムの呪いは、重い”
「ほら…」
逃げるな…
自分の罪から
ガンダムの呪いから
奪ったものから
彼女の未来から
逃げるな…!
「ん、ありがとう、ミオリネ」
「…スレアティア、話があるの」
スレアティアをベッドの上に戻し、この数日間、ずっと考えていたことを、口に出す
「?」
「あなたの右足を…、取り戻させて欲しい」
これは、贖罪であり、決意であり、義務だ
「私たちが目指す、GUND医療の研究、その技術成果として、あなたの義足を、これから開発するわ」
「それって…」
これまでずっと、モルモットにされてきたスレアティアを
私は、もう一度モルモットにしようと言うのだ
「あなたの右足を、私が取り戻す」
「………」
奪ったのは私なのに
私が取り戻すと宣う
酷いマッチポンプだ
それでも
「協力、してくれる…?」
「……よかった」
それでも、私が…
「まだ、私も、役に立てるんだ」
「っ………、当り前じゃない」
私が背負うと決めた、十字架だ
◇◇◇◇◇
「………」
スレアさんが、目を覚ましました
ミオリネさんとお話できて、本当によかったです
そしてミオリネさんも、スレアさんの右足を取り戻すと、目標を見つけて元気になってくれるのなら、これ以上のことはありません
本当に、あの会社をミオリネさんが作ってくれてよかった…
「でも…」
私は
「何か…」
お役に立てるのでしょうか
スレアさんに、何かしてあげることが、できるんでしょうか
「いいなぁ…」
ミオリネさんは
スレアさんに必要とされて
でも、そもそもミオリネさんが決闘を挑まなければ…
「!?…ダメダメ!?何てこと考えてるんですか私!?」
私とエアリアルのことも想って挑んだ決闘だったんです
それにこんなことを考えるなんて…
うぅ…反省です…
「でも、なんで、私」
直接スレアさんの身体を見た私だからわかります
あれは、事故なんかじゃないです
多分、ガンダムの…
でも、それならなぜ私だけ…?
これは、ミオリネさんも疑問に思っていて
お母さんからも、エアリアルについてのデータをもらったけど
原因は、まだわからなくて…
「ユニコーンなら…わかるのかな…」
スレアさんのモビルスーツ
エアリアルと同じ、ガンダム
「進めば、2つ!」
よくわからないけど
わからないなら、やってみるしか、ないもんね!!
「…何してるの?」
「あ…」
病院の廊下で、花瓶を抱えたままグルグルと回る私を
ミオリネさんが、見ていました
◇◇◇◇◇
「グエル先輩!!」
「どうした、フェルシー」
ジェターク寮内に併設されたジム
身体が鈍らないように、日課である筋トレをしているとき
「大変っす!」
それはきた
「スレアティア・バルミオが、目覚めたって…」
「っ!!」
「さっき…ってグエル先輩!?」
手早く上着を羽織り、汗を拭きながら外に出る
事故の件は聞いていた
あいつは、今、右足が…
「……」
俺が
俺が、出て入れば
こうは、ならなかったのだろうか
俺は…
足早にあいつのいる医療機関に歩いていると…
「あ?」
突然、端末に着信が鳴る
「父さん?」
画面に表示されたのは、父親の名前だった
燃え残った全てに火を点けないといけないので
今回は少し短めで更新も少し鈍ります
書いてないわけじゃないからね!
ちょっとバルテウス強すぎんよ~
曇らせすぎ?
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今すぐやめろ、人の心とかないんか?
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やりすぎだ!加減しろバカ!
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もうちょっとこう、手心というか…
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ままええわ、いい塩梅や
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ここに追加でひとつまみ…wwww
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頂戴頂戴!そういうの頂戴もっと!!
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構わん、行け