ゆっくりだけど書けてはいます
「~♪~♪」
ミオリネさんの温室の中
液体肥料パッケージを投入口にセットしつつ、剪定をする
ここ数日で、段々慣れてきました
「ご機嫌、だね、スレッタ?」
鼻歌を歌いながら作業していると声をかけられました
この声は…!
「スレアさん!ここに来るときは呼んでくれればお手伝いしますって言ったじゃないですか!?」
「ごめん、生徒手帳、忘れちゃって」
「ああぁ!そんな重いものまで、私が持ちます!」
「ん、ありがとう」
車椅子で、舗装されていない地面の上を、それも肥料を膝の上に乗せながら、スレアさんは現れました
「それで、何かいいこと、あったの?」
「あ!それがですね!?」
肥料をハウス内に運び
段差を介助リフトで越えて、車椅子を押して中に入っていくと、スレアさんが改めて聞いてきました
「ミオリネさんとエアリアル、あとユニコーンも、もうすぐ戻ってきますよ!?」
「おぉ、それは楽しみ」
ついさっき仕入れた情報に、スレアさんも驚きの声を上げます
表情は全く動いてませんが…
「もう、2週間、だっけ?」
「16日と12時間です!」
「結構、長かったね」
「すっごくお忙しそうでしたね…、決闘もシャディクさんが特例でこの2か月間延期にしてくれましたし、戻ってきたら、私も頑張らないとですね!!」
「ん、その意気」
ミオリネさんから出張前に、この温室とスレアさんの介助を任されたときは、それはもう張り切りました
お話しながら、奥に進んでいくと
「スレッタ、そこの生徒手帳、取って欲しい」
「あ、はい…、……?スレアさん、チュチュ先輩から着信来てますよ?」
「チュアチェリーから?」
スレアさんに生徒手帳を渡すと、そのまま電話を取って…
「はい」
『おいスレアティアァァ!?』
「…どうしたの、チュアチェリー?」
私にも聞こえるような大声で、チュチュ先輩がスレアさんに怒っていて
『お前どこで道草ぶっこいてんだ!?GUNDの義足運用試験…忘れてんじゃねぇだろうなァ!?』
「………あっ」
…急いでスレアさんの車椅子を押して、地球寮へと向かうことになりました
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「録画開始した、いつでもオッケー」
「スレアティア、準備はいい?」
「ん、いつでも」
スレアさんが、立っています
二本の足で、立ってます!!
「3、2、1…スタート」
ニカさんの合図と同時、スレアさんが目の前の障害コースへと歩き出しました
その足取りはとっても軽くて…
「足継ぎ手の可動範囲は問題なさそうね、膝軸の負荷は?」
「規定範囲内っす」
ハードルを乗り越え、階段を上って
「左足との連動レベル…、許容値内だね」
「よしっ!」
斜面台をスキップするように踏み越え、平均台を渡り
「最後のコース!」
「気ぃ抜くなよぉ!!」
「うん…」
転々とした足場を飛び歩いていって…
「…よし」
ゴールラインを、踏み越えました!!
「「「「やったぁ~~~!!!」」」」
やった!やりましたぁ!!
「ガンダムの会社なんて、最初は何言ってんだって思ったけど…」
「まさか2か月で本当に歩けるようになるとは、やるよなぁウチの社長?」
「み、ミオリネさんは前からやります!」
「うん、ミオリネはやっぱりすごい」
スレアさんのところに駆け寄って、皆さんと喜びを共有していると
「あとは宣伝だね?皆に知ってもらわなきゃ」
「だからPV作るんだろ?」
「そうだね、スレッタ、撮影場所の許可、取れた?」
「………あっ」
「あ…?」
そ、そうでした、そういえばそれをお願いされていたことを…
「す…スレッタ…、忘レッタ」
ここに渾身のダジャレで場を和ませる…!
「……」
「ぷっ」
まずチュチュ先輩が吹き出して
「ダッハハハハハハッ!www」
その笑いにつられるように、皆さんが笑いだして
そして…
「……ふ」
え?
「ふふ…、なに、それ?」
わ
わわわ
スレスレスレアさんがわわわららわらわわらわ!?スレアさんが…!?!?
「スレアさん!?今…」
「スレアティアが笑ったぞ!?」
「「ええええええ!?」」
わ、笑った…!
確かに今笑いました!
もう今は無表情ですけど!!!
戻すの早すぎないですか!?!?
写真撮りたかった…!!
「ん、私だって、笑う」
「「「えぇ……」」」
「あ、あはは…」
ほんの一瞬でしたが
初めて、スレアさんの笑顔を見れました!!
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スレアさんの義足試験の後
地球寮の厩舎、牛さんや羊さんのお世話のためにここに来たんですが
「にへへぇ…」
やりたいことリストを1つ、達成にチェックをつけて
それを見ながら、私は幸せな気持ちでした
(スレアさん、笑ってくれました…!)
初めて見た、スレアさんの笑顔…
とっても…
「冗談を言って笑わせる…?」
「のわあぁぁぁ!?…スレアさん!?」
び、びびびっくりしました!
気づいたら真後ろに…!?
「ん、リスト、また埋まったね」
「あ…、え…えへへぇ~」
やりたいことリストを埋められたことを祝福してくれますが
それ以上に私は、貴方が笑ってくれて本当に
ホントのホントに、嬉しかったんですよ?
「次は、何をするの?」
「そうですね…」
改めてスレアさんに次の目標を聞かれて
そういえば…
「あ、あの…、これ…です」
ポケットに入れていたものを出して
「キーホルダー?」
「はい…」
色違いの同じマスコットのキーホルダー、それを2つ、スレアさんにお見せします
「お揃い、憧れてたんです…、親しい感じがして、いいなって…」
「ん、ミオリネに、渡すの?」
「あ、い、いえ!!こ、ここここれは…!その…」
「?」
首を傾げるスレアさんの誤解を解くため、1つ深呼吸をして、改めて声に出します
「スレアさんに………って、ご…、ご迷惑、ですか?」
「……私、に?」
「は、はい…」
購買で見つけて一目惚れした、キーホルダー
スレアさんと、お揃いってできたら、きっと…
でも、スレアさんは、じーっとキーホルダーを見つめたままで…
「あの、本当に、ご迷惑でしたら、だ、大丈夫なので…」
「あ……、い、いや、そういう訳じゃ、本当に……私が、もらっても、いい、の?」
「!!!はい!どうぞどうぞ!」
おずおずと差し出すスレアさんの手に、キーホルダーを1つ、乗せてあげます
「えへへ、これでお揃い、ですね?」
「うん…、ありがとう、スレッタ」
「どういたしまして、です!」
自分の目の前にキーホルダーを掲げ、くまなく観察するように見つめるスレアさんは
「………」
心なしか、笑ってくれているように、見えました
◇◇◇◇◇
ベネリット・グループ、フロント
大口投資先として、事業計画の逐次報告を条件付けられた身として、ここに来ない訳にはいかなかったんだけど…
「資金調達は順調です、転換社債による調達も、滞りありません」
こうしてクソ親父と直接顔を合わせて話をするというのは、普通に嫌
しかも…
「転換時の株価時低下リスクは考慮したか?」
「…いえ」
「その計画では株価下落の可能性がある、“信用”を軽視するな」
「はい…」
こうしてバッサバッサとこちらにダメ出しをしてくる
しかもその悉くが的確なものだから、こちらも何も言えない
「株主比率の希薄化を再検討しろ、違う資金調達法も考えろ」
「はい」
「設備投資計画…?」
「はい…?」
何か引っかかるところがあっただろうか
その点はそこそこ力を入れて組んだ箇所だから、抜けはないと思うんだけど…
「会社設立2か月で、投資効果の試算をここまで行っているのは上出来だ」
………ん?
「回収期間を検討し、このまま投資を続けろ」
「………はい」
もしかして…
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「褒められた……?」
私が?
「デリング・レンブランに…?」
ミオリネ・レンブランが?
「……はぁ」
ほんと
「疲れた…」
「お疲れ様」
クソ親父への定期報告を終えた私は、地球寮所属だった、今は社員のティルと合流
今回の出張の目的、その1つだった、「モビルスーツを載せられるだけの輸送船を手に入れる」こと
それを果たすために、こうして会社として船を買い上げて、ついでにこれで学園まで帰るという算段なのはいいんだけど…
「後は学園まで運んでくれる操舵スタッフね…」
船を買ったはいいが、動かせないのだ
そのための人員を、どこから雇い入れようかと思案していると
「行き先は、地球じゃなくてよろしかったですか?」
「あなた…」
いつぞや、私を地球へ運ぶことを依頼した人物
「まさか、また会えるとは思ってなかったわ」
フェン・ジュンが、そこにいた
◇◇◇◇◇
スレッタと、おそろっちねぇ…
へぇ…
はぁ…
ほぉ…
ふうぅぅぅぅん…?????
アッ、スウゥゥゥゥ…
スレミオの神よ、どうか愚かな私をお許しください
いやでも聞いてくださいよ
情状酌量の余地ありますって
断罪にはまだ早いですって
だってさぁ?
一瞬断ろうとしたら、あんな見捨てられた子犬みたいな顔してさぁ?
それで承諾したら、花が咲くような嬉しそ~~な笑顔を見せるんだよ?
誰が断れるの?
無理だよ、無理無理
あの後ミオリネも一緒なら3人おそろっちじゃーんって言ったら
「それ、とってもいいです!」
って大喜びでもう一個買いに行ってたし
スレミオのおそろっちキーホルダーは守られた…
他でもない、この私の機転によってな
愚かな行いと正しき行い双方を働くことによって俺の罪はカタストロフィしたのだ
つまり無罪、終わり、閉廷、解散
話変わるけど、この義足いいわ~
ベルメリアさんに許可もらったから、今後日常生活でも使っていくことになるけど
前の足より優秀なんじゃねぇこれ?
マジで思った通りに動く
「動け」と思考する必要もない、まさに「思った通り」に動いてくれるものだから、これが義足なことを忘れてしまいそうになるほどだ
まぁ触覚、ひいては痛覚や感覚がないから、麻酔を打たれた足で歩いてる気分ではあるけど
違和感ではあるが、使ってりゃ慣れるだろ
それはそうと、今日はミオリネが帰って来る日じゃなかった?
スレッタがそう言ってたような…
いきなり目の前に二本足で歩いて現れたらビックリするんじゃないか…?
サプラーイズということで、まず真っ先にハウスの方に行くだろうし、あっちで待ってるかね
…ん?
何かスレッタがハウスで大人と揉めてる…?
お、ミオリネ来た
あぁー、ハウスの管理を業者に委託するのか
それをスレッタが勘違いして突っかかってしまったと
スレッタ、ミオリネにハウスの管理任されて張り切ってたのに…
相談もなしに一方的に決めるのは…、ちょっと配慮に欠けちゃうぞミオリネ…
おや、何か二人で話してるな
…
……
………
何かスレッタみるみる元気なくなってない?
待てよ…?この場面って確か…?
「私、いなくてもいいって…、ことですか?」
「そうね」
思い出せそう…、ここまで、ここまで来てるんだけど…
「ですよね…、そうでした…、私、一人で勘違いして…」
ハッ!?!?!?!?
◇◇◇◇◇
「そうそう、エアリアルだけど」
ミオリネさんの大切、私、任されたって
“ありがとね、助かったわ”
「プラント・クエタまで取りに行くことになったから」
私には、ミオリネさんが
“なんのこと?”
「あんたも来てよ」
エランさんにデートしようって言われて、ちゃんと断ったんです
“いいよ、デートして”
「楽しみでしょ?久しぶりにエアリアルに会えるの」
エランさんが、同僚?
“これでスレッタに何でも頼まなくてもよくなるわ”
ミオリネさんが、立ち去って
照明も消して
私は…
「……っ」
渡そうと思ってた、スレアさんとお揃いのキーホルダー
ミオリネさんとも、お揃いにできたら、どんなに…
「………」
やっぱり、私は…
今回も、勝手に、勘違いして…
また…、一人で…
「スレッタ」
「!?」
いつの間に、そこに
「大丈夫、だよ」
気づけば、あの人が目の前にいて
「スレッタは、必要と、されてる、とっても、頼られてる」
優しく、優しく、頭を撫でてくれて
「だから、大丈夫」
優しい言葉を、私にくれる
あぁ…
「スレア、さん…」
「ん、ここに、いる」
やっぱり、私は、この人が…
スレ「スレッタは(ミオリネに)必要とされてる、とても(ミオリネに)頼られてる」
スレ(スレッタはスレアティアが必要としてる、とっても頼れる、あなたが必要、結婚しよ…ってコト!?)
曇らせすぎ?
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今すぐやめろ、人の心とかないんか?
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やりすぎだ!加減しろバカ!
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もうちょっとこう、手心というか…
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ままええわ、いい塩梅や
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ここに追加でひとつまみ…wwww
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頂戴頂戴!そういうの頂戴もっと!!
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構わん、行け