「ミオリネ、怒ってる?」
「怒ってないわよ!!」
スレッタの奴、あれだけ御三家とは関わるなって忠告したのに
ノコノコとエランとのデートなんて行って
「スレッタの、こと、心配?」
「はあぁ!?」
心配?
するわけないでしょ!?
あんな奴
本当に私の花婿である自覚あるのかしら?
ていうか
「そういうあんたも、噂になってるじゃない?グエルとの件」
「あぁ、うん…」
無表情でもわかる
スレアティア自身、まだ困惑しているのだろう
最近は少しだけ、スレアティアの感情が読み取れるようになってきた
「それで?どうするの?まずはお付き合いから、って言われてるんでしょ?」
「ん……、少し、時間が欲しい、って言った…、どうすればいいのか、わからなくて」
あのグエルが、ああも素直に人に好意を向けるなんてね
ペイル寮所属のスレアティアを、ジェターク寮に無理矢理引き込もうとしたって話だし
余程スレアティアに惚れたんでしょうね
私のときは、そこまで強引というか、積極的なことはしなかったのに…?
「ねぇ、スレアティア」
「?」
というかこいつもスッパリ断りなさいよ
自分がどういう立場かわかってるの?
…
……
………スレアティアは
どういう、立場なんだろう
なんとなく、私の周りをうろついてると思ってたけど
別に、誰のどういう存在かって、明確な立場が、スレアティアにはないのよね
特別御三家との親交がある訳でもないようだし
レンブランの娘が欲しいって訳でも、ないみたいだし
でも、それって…
「もし」
つまり、私にとって、スレアティア・バルミオは、何者でもなくて
スレアティア・バルミオにとって、ミオリネ・レンブランは…
「もし、私がスレアティアに、ホルダーになって、て言ったら、あんたは、スレッタと決闘する?」
何を、聞いているのだろうか
自分が何を考えているのかわからない
馬鹿馬鹿しい
「…気の迷いよ、今の質問はわすれ」
「するよ」
え?
「それが、ミオリネの本当の、意思なら、私は、相手がスレッタでも、決闘する」
え…
「そして、勝って、ホルダーになる」
それって…つまり
私が願えば、スレアティアは、私の、花婿に…
「でも、ミオリネは、本当に、それでいいの?」
「ど、どういう意味よ」
無表情だが、確かな意思を持った双眸に、射貫かれる
吸い込まれるような瞳
全てを、見透かされるような視線に
私は
「そのままの、意味」
「………」
目を、逸らしてしまう
何よ
まるで私より、私のことを理解してるみたいな言動ね…?
それって…
「ん、スレッタの、様子、見てくるね」
それってまるで…って、え?
「はあぁぁぁぁ!?!?」
気付けば、スレアティアは、私の前から立ち去っていた
…………
ほんっとに、あいつは…
何を考えてるのか、普通このタイミングでスレッタのところにいく?
あー!もう!
「むかつく…」
私らしくもなく、小さな声で呟くように言う
顔が熱いのは、きっとこの怒りのせいだ
◇◇◇◇◇
エランとスレッタ、年頃の男と女、エアリアルの狭いコクピットの中で2人きり
何もおこらないはずがなく…
まぁエランから一方的にスレッタに同情してるだけなんだけどね
それはそうと
あんらぁミオリネちゃん、大好きなスレッタちゃんがエラン君に取られて拗ねちゃって、かわいいねぇ!!
ホントにもう素直じゃないんだから、まぁそんなところがスレミオにおいて必要不可欠な尊さの要因の1つであることは多くの専門家が指摘しているが…
え?グエル?
あー、まぁ、グエル、グエルねぇ…
ま、まぁいいじゃん、その話は
確かに?
あそこまでストレートに好意をぶつけられると、俺としても悪い気はしないっていうか
断るのがすごい気まずくなっちゃったっていうか
いやスッパリ断るのが正解なのはわかるんだよ
でも、でもなぁ…
決して彼を弄びたい訳ではないんだ
近いうちに、彼を傷つけない形でフらないと
って俺の話はいいんだよ
…なんか急にミオリネが神妙な顔に?
え、俺にホルダーに?
それって、スレッタがホルダーじゃなくなるってことだよ?
俺が花婿になっちゃうってことだよ?
え、無理
ダメだよそれは
それじゃあまるで俺がスレミオに挟まるクソ野郎みたいじゃないか
断固拒否する
…だが待てよ?
なぜミオリネは俺にこんな質問を?
あ
あー、あーね、なるほどね
わかった、スレミオをずっと見守ってきた私にはわかっちゃったぞ?
ミオリネ、嫉妬してるな?
スレッタは自分の花婿なのに
今はエランと2人っきりでデート中
隠しきれない…独占欲
だから、スレッタに自分を意識してもらうために、俺をホルダーにさせるっていう手段を思いついちゃった訳だ
あぁ、尊い…
かわいいが過ぎる
そんな現実的じゃない手段を検討してしまうほどに、嫉妬心が膨らんでしまっているんだね
ふふふふふ、いいでしょう
愉悦部はこの感情を煽ってドロドロの状況にするのが好きでしょうが、私は愉悦部ではないので
ミオリネの本当の、素直な感情を思い出させてあげないと!
それは、本当に君の意思かな??
実は、素直になるのが怖いだけなんじゃないかな??
…考え込んでる
そうして考えて、悩んで、怖くても、自分の素直な感情を認めてあげて欲しい
今すぐでなくても、ミオリネなら、きっとできるさ
さてさて、恋する乙女にこれ以上は無粋だな
それじゃ、俺スレッタの様子見てくるからー!!
◇◇◇◇◇
「鬱陶しいよ君は」
え
「モビルスーツが家族?あんなもの僕には呪いでしかない」
なんで、そんな、さっきは、あんなに
「同じだと思ってたのに」
わたし、えらんさんと、おともだちに
「君は、僕と…」
おたんじょうび、おいわいするの
やりたいこと、りすとに
「スレッタ…?……っ!」
わたし…
「エラン・ケレス…」
おじゃまだった、でしょうか…
「彼女に、何をした」
また、ひとにめいわくをかけて…
「丁度いい、スレアティア・バルミオ」
また…
「君に決闘を、申し込む」
◇◇◇◇◇
はあぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~(クソでか溜息
なぁんでこうなっちゃうんですかねぇ
いやまぁ、グエルの矢印がスレッタに向かってない以上、この役割を誰かが担わないといけないんだろうけど
スレッタのあの表情を見てしまって
その上エランから決闘を申し込まれたとあっては
逃げるなんて選択肢、俺にはなかった
本当ならグエルがここにいて、噛ませ犬としてファラクトにボコられるはずなんだけど
個人的には結構イラついてるってのが正直なところだ
あんな純粋な子にあんな顔させて、タダで済むと思うなよ
故に、負けるつもりはない
原作ブレイク?
知ったことか、後から何とでもなるだろ
スレミオさえ達成できれば後はどうでもいいんだよ
だから、別にここで俺が勝ってしまっても、構わんのだろう?
◇◇◇◇◇
「み、ミオリネさん…!」
「えぇ、どう見てもスレアティアが不利ね」
スレアティアとエランの決闘が始まり
エランのモビルスーツは、ビットによる電磁スタンビームを駆使した三次元戦闘で、スレアティアを翻弄していた
始めは拮抗していた戦況も、少しずつ少しずつ、削り取るかのようにエランが支配域を拡張
同じようなビット兵器を持たず、多少機動力で勝っている程度のスレアティアのモビルスーツでは、勝利は難しいものに見えた
もうあと数十秒で、スレアティアの生命線である機動力を封じられ、足を止められる
そこからの勝負は一瞬だろう
誰が見てもわかることだ
この決闘…
“スレアティアが負ける”
「~~~~~~っ」
いてもたってもいられなかった
だから、思わず口に出していた
「負けたら承知しないわよ!?スレアティア!!」
そのとき
「え…!?あ、あれ、何の…!?」
「紅い…ライン?変形してる…?」
突如として、スレアティアの機体に紅いラインが走り、内部を露出するように装甲が展開していく
『それが、君の…!』
エランが、焦りの声を上げた
『ここから、本気、行くよ…』
スレアティアの声には、かつてないほどに、強い意志が宿っていた
『ユニコーン…!』
一本角であったはずのブレードアンテナが左右に開き、その相貌を黄金色に彩る
各所から燐光を溢れさせ、神々しさすら感じる機体が、…動いた
女神の天秤が、揺れる
◇◇◇◇◇
「その加速!」
先ほどまでとは比べ物にならない、機動力
「くっ!?その、ライフル!!」
これまで戦ってきたモビルスーツとは一線を画す、火力
「さっきまでが、お遊びだったとでも…!?」
少なくとも、あれだけのスペックを発揮するモビルスーツ
ガンダムか否か関係なく、機体やパイロットに無理を強いるはずだ
その上で、あれだけ有機的な姿勢制御
「スコア4…?いや、まさか、もっと上…!?」
ありえない
同じ強化人士である自分ですら、スコア4など自殺行為に等しいと言うのに
さらにその上など
「ありえない!」
パーメットスコア3
脳に直接手を入れられるような猛烈な違和感・嫌悪感を感じながら、必死にコラキを操作し、奴を絡め取ろうとする
しかし、それをモノの数とも思っていないかの如く、奴はこちらに肉薄してくる
「だったら、僕は、何故…!?」
どうしてこんなにも、違うのだ
スレッタ・マーキュリーは、エアリアルがGUNDの呪いを克服していた
そして目の前の、スレアティア・バルミオは
まさか、君自身が、GUNDの呪いを克服しているとでも言うのか?
スコア3で苦しんでいる自分は、君たちにはどう映る?
何のために、自分は!!
「あ…、あああぁぁぁ!!!」
凄まじい加速でこちらとの距離を殺してくる、紅く輝く機体
あいつはそれを、ユニコーンと呼んだ
御伽噺に登場する、力と純潔の象徴足る
そんなこと…!
「認められる訳がない!!」
コラキによる対応は間に合わない
勝算は薄いが、近接戦で決着をつける…!
猛烈な速さで近づいてくる一角獣、その気高さの象徴を、この手で切り落とさんと手に力を込めた
そのとき…
『そんなっ…!?ユニコーン!?』
「…!!!」
突然、紅い燐光が止まる
展開されていた装甲が再び変形し始め、その内側を覆い隠していくように見えた
同時に大きく崩れる姿勢
逃さない手はない…!!
薄く薄く引き伸ばされたような視界と、時間の流れの中で
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ!」
乱れる呼吸
滴る汗
何時までも続くかに思える、この気持ち悪さは
『勝者、エラン・ケレス』
呆気なく、打ち破られた
◇◇◇◇◇
「スレア、さん…」
「………」
エランとの決闘に、スレアティアは負けた
その采配が下った瞬間もショックだったけど、問題はそのあと
「救急医療用ドローン…?」
決闘委員会が派遣したのだろう、治療と患者の輸送に特化したドローンが、スレアティアの機体へと飛んで行く
「…っ!」
「あ、み、ミオリネさん!?」
考える前に、身体が動いていた
スレアティアの、あの機体
どう見ても、普通ではなかった
もしかして…、いや、まさか…?
更に、最後の紅い輝きが止まった直後の、制御を失ったかのような飛行
まるでパイロットに、多大な問題が生じたかのような…?
「はぁっはぁっ、んくっ、はぁっ!」
頭の中をぐるぐる回る嫌な予感に捕まらないように
必死で、スレアティアのところへと走った
主人公を何に乗せるか迷ったんですけど
なんかユニコーンなら書きやすそうだなって思ったので
曇らせすぎ?
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今すぐやめろ、人の心とかないんか?
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やりすぎだ!加減しろバカ!
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もうちょっとこう、手心というか…
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ままええわ、いい塩梅や
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ここに追加でひとつまみ…wwww
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頂戴頂戴!そういうの頂戴もっと!!
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構わん、行け