『我らカテドラルは、全てのガンダムを…、否定します』
インキュベーションでの件から一週間
私とスレッタ、それにスレアティアも、あと地球寮の連中を巻き込んで、株式会社ガンダムを設立
本格的に事業を始めるために、法人として必要な手続きや定款の制定、その他色々と動き始めた
「ガンダム…、パイロットを殺すモビルスーツ、GUNDフォーマット…」
スレアティアの無表情ではない顔を初めて見たあの日以降、私はスレアティアとまともに話をしていない
今このまま顔を合わせれば、きっとこの前と同じ視線を向けてしまう
「もっと知らなきゃ…」
私は、あまりにもガンダムを
エアリアルとスレッタ・マーキュリーを
ユニコーンと…、スレアティア・バルミオを
それぞれのことを、知らな過ぎる
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「そちらの受け入れ態勢が整い次第、ペイルの開発部門とファラクトは、そちらに譲渡されることになっているわ」
「ありがとうございます、ベルメリア・ウィンストンさん」
ガンダムを知るために、私はガンダムの1機、ファラクトの開発に携わっている技術者を訪ねた
「それで、今日のご用は何かしら?」
「…ガンダムについて知りたくて」
それを聞いたウィンストンさんは、先ほどまでの温和な表情を崩し、こちらから顔を背けてしまう
構わず続ける
「搭乗者の身体と精神を蝕む、モビルスーツガンダムと、それを作ったヴァナディース機関」
21年前、突如GUNDの排斥を決定したカテドラル
「魔女と呼ばれる人たちは、忌むべき存在だ、これが世間の認識です」
GUND技術はまだ未成熟で、人命が危険に晒されることを憂慮した
それはわかる、わかるが…
「欠陥があれば改良すればいい、なのにそれすら認めず、協約がどうとか理由を付けて排除しようとするのは、何故なのか」
それ以上に有益な技術であることは、エアリアルとユニコーンが証明している
どうしてそこまでして、ガンダムを忌み嫌うのか
「そもそも魔女たちは、何のためにガンダムを作ったの…」
「やめて」
突然、話を遮られる
「魔女なんて言い方は、やめて」
“魔女”という呼称を、強く嫌がっている?
まさかこの人も…?
「あなたも魔女なんですか?」
「私はただ、GUNDの理想に魅入られて、あの人たちの真似事をしているだけよ」
「GUNDの理想…?」
GUND技術は、ガンダムを作ることが理想ではなかったということ?
「その話、詳しく聞けますか?」
最初にGUNDを見出した人たちが、何を願っていたのか、何をしたかったのか
この人はそれを、知っている
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「収益を上げる方法は2つ」
場所は地球寮
ガンダムの兵器転用は、彼らの同胞であるアーシアンを間接的に殺すことであるとして、地球寮の連中は株式会社ガンダムの活動に疑念を持っている
「1つは、兵器としてガンダムを売る、その場合、誰に売るかは問わない」
顧客を選んでいては、利益は上げられない
だから、これは選択肢の1つとして上げはしたが、実質無効択だ
「そして、もう1つ」
こっちが本命
『スペーシアンの皆さん、こんにちは、私たちはパーメット研究機関、ヴァナディースです』
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『私たちの提唱するGUND医療は、身体の脆弱性を補う、希望の技術と成り得るのです』
『どうか、私たちの願いに、人類の未来に、共に手を携える光が、あらんことを』
「これがもう1つの道、ガンダムに込められた本当の理念」
ガンダムは、“パイロットを殺す兵器”なんかじゃない
「GUNDを使った医療技術を完成させて、世に出すこと」
だから、アンタも
これからの私が、証明してあげるわ
「責任は全部私がとる」
だから、もう一度向き合わせて欲しい
「文句ある!?」
胸を張って
アンタの隣を歩けるように
◇◇◇◇◇
はえーしゅっごい
ガンダムって元々はこんな清き理念の下で生み出されたのか
いや知ってはいたけど
改めて見ると正しく「世界を変える技術」だよな
一歩間違えればサイバーパンクだけど
あと何か地球寮の皆と話しているはずなのにミオリネがむっちゃ俺を見てくる
この前凄く怯えたような顔で取り乱して以来、なーんか距離を取られてるとは感じてたが
今回の件でまた何かあったのかしら?
ま、まぁ俺はスレミオを拝みたいだけであって
スレミオと俺が仲良くなりたい訳ではないというか
べ、別にスレミオと友人として仲を深められていることに内心大喜びな訳じゃないんだからね!?
いや嘘です
仲良くしてくれることに内心お祭り騒ぎです
別に原作を汚したくないとか、そこまで崇高なオタク魂を持ち合わせてる訳じゃないし
ただただスレミオを拝みたいだけなんだ
だもんで
今後はスレミオを拝みつつ、仲良くしてくれる人たちを、俺の原作知識をフルに使ってでも助けていきたいと思う
正直、4号についても葛藤はあった
今更、遅いけどさ
助けられるなら、助けたいじゃんね
勿論スレミオの成就が前提ではあるけど
だから、原因はよくわからないけど
ミオリネとギクシャクしてる今の関係は、何とかしたいな
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「ありがとうございます、ミオリネさん」
おおおお…
「何が?」
いえああおおあああ…
「みんなが納得できる方法、考えてくれたんですよね?」
コヒュー…コヒュー…
「あいつらに抜けられたら困るだけよ、それに、スレアティアだって…」
「え?何ですか?」
「何でもないっ」
アウ…アウ…
「でも、私、実はちょっと、楽しいです」
……………
「え?」
………ハッ!?
「やりたいことリスト、部活、みたいで」
アッ、フーン……ホヒー
「バーカ、あそびじゃないって…」
ア゜
「…?止めて!?」
ハッ!?_
あ、あぶねぇ!
持ってかれるところだったぜ…!!
「ミオリネさん!?」
「何よ、これ…!?」
はぁ~
スレミオ最高
これであと1年は行けるね
それでそれで?そんな端末覗き込んで大声上げちゃってどうしたのミオリネ?
「学生起業規則53条第3項、学生事業における新技術安全性の証明?」
「え?え?なんですか、それ?」
あーーーー
そうだ、このイベントがあったんだったな
「ん、つまり、アスティカシアの学生が起業するとき、扱う技術の安全性が担保されていなければ、学園は起業を認めないってこと、かな」
「え…、えぇ!?そ、それじゃそれじゃ、私たちの会社は…」
「GUNDフォーマットを扱うから、当然学園には認められず、起業できないね」
「ええええええ!?」
「開発部門の買収もできないから、エアリアルとユニコーン、ベネリット・グループの預かりになっちゃうんじゃない?」
「そ、それって、つまり…」
「ん、私たちのガンダム、解体されちゃうね」
「…ウーン」
スレッタが、胸の中に頭を飛び込ませてくる
それ、ミオリネにやってみない…?
「スレッタ、しっかりして」
「…あ い つ ら ぁ !!」
「ミオリネ、これって」
「こんなことする奴、一人しかいないわよ」
まぁ、そうなるな
さてさて、これはまた決闘の匂いだねぇ
「シャディク・ゼネリ…」
「私たちからガンダムを、奪うつもりよ…!」
◇◇◇◇◇
「ご迷惑かけてすみません、スレアさん…」
「問題ない、困ったときは、お互い様」
さっきの唐突な校則追加の件で、ミオリネさんは急いで事務室に行くと言って1人で行っちゃいました
私とスレアさんは、2人乗りで地球寮まで帰ることになったんですが
「しっかり捕まっててね、スレッタ」
「は、はい…」
何だか腰が抜けちゃって
こうして後ろからスレアさんの腰にしがみついています
な、なんだか…、き、緊張しますね…
「どうして、シャディクさんは、いきなりあんなことを…」
「うーん」
ミオリネさんは警戒しろって言ってたけど、私たちに意地悪するような人には、見えなかったのに
「ミオリネのことが…、好き、なのかもね」
「………え!?」
ど、どどどどどどどど、どどどどういう
「スレッタ、落ち着いて、動揺しすぎて声が出てない」
「ど、どういうことですか!?」
ミオリネさんが好きなら、なんでこんな
「ん…、上手くは、言えないけど、好きだからこそ、かな」
「?????」
よくわかりません…
スレアさんは、とっても優しい方です
ただ、いつも無表情で、あまり多くを語らない方でもあるので
私からスレアさんの考えていることを理解できたことは、殆どありません
こんなに優しい人のことを、理解できないのは、悲しいです
もっともっと…、スレアさんを…
時々スレアさんは、私の心を読んでいるかのように、私に声をかけてくれます
私だって、お返しがしたいのに…
私には無理なんでしょうか?
……ミオリネさんは
ミオリネさんなら、スレアさんのことがわかるのかな
スレアさんに、必要とされるような力が、あるのかな…?
…?
何だか、胸が…?
「着いたよ、スレッタ」
「ひゃい!?」
考え事に夢中になっていたら、いつの間にか地球寮に到着していました
「これと、これ、私は、これを持つから」
「はいっ!お任せください!」
地球寮の皆さんと一緒に食べようと買ってきたご飯を、2人で分けて運び込みます
こんなことでも、スレアさんの役に立てているようで、少し嬉しくなってるのは、おかしいでしょうか…?
いやでも、それ以外で、私がスレアさんのお役に立てることといったら…
「っ!」
「…え?」
突然、隣を歩いていたはずのスレアさんが
「う…ぐっ…」
「す、スレアさん…?」
右足に手を添えて、苦悶の表情に、玉のような汗を浮かべながら、床に座り込んでいました
「だ、大丈夫ですか!?」
「ん…、ごめん…、心配、ないから、スレッタは、先に行ってて…?」
「できません!?」
慌てて持っていた荷物を落とし、スレアさんのところに向かいます
「…くっ、最近、調整、できてなかったから……」
何か小声でスレアさんが言った気がしますが、今はとにかく…!
「右足ですか!?裾、捲りますね」
「あっ、ま、待って、スレッタ…!」
「待ちませんっ!?」
多少強引に、スレアさんの制止を無視して、制服の半ズボンを上に捲っていきます
そこには…
「…?光って、る?」
「だ、大丈夫だから、すぐ治るから、だから…」
「…?これは?」
「あっ、ちょっ」
ふくらはぎの上、膝の裏から少し下のところに、まるでシールが剥がれてきているような
何かの端っこが、めくれていました
これが原因かと、それをつまんで剝がそうとして
「……何なんですか、これ…?」
「………」
ふくらはぎも、太腿と同じように、薄く赤色に、ぼんやりと光っていました
スレアさんは、珍しく困ったような顔をして
「ん…、ごめんね、スレッタ」
「スレアさん…?」
突然、私に謝って
「後で、全部話す」
私の頭に手を置いて、あやすように撫でつけて
「だから、今は、見なかったことに、して欲しい」
私が剥がしかけたシールを、丁寧に張り直して
ぎこちなく、明らかにおかしい、震えている右足で立ち上がりながら
「さあ、みんなのところに、行こう」
次の瞬間には、何事もなかったように、歩き出しました
落とした荷物を拾う、その背中を見て、私は
「スレア…さん…?」
ただ、茫然とすることしか、できませんでした
今後は週2~3話くらいのペースで出来たらいいなぁ
なんとなく昼間に投稿してましたが、一回読んで問題なければそのまま投稿する感じにします
つまり決まった時間はありません
誤字脱字おかしな表現、報告してくれたらマルタンが泣いて喜びます
曇らせすぎ?
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今すぐやめろ、人の心とかないんか?
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やりすぎだ!加減しろバカ!
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もうちょっとこう、手心というか…
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ままええわ、いい塩梅や
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ここに追加でひとつまみ…wwww
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頂戴頂戴!そういうの頂戴もっと!!
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構わん、行け