卯花色のリリェ -宵の明星- 作:Eo.
最愛なる"かな"へ
私が長年研究してきたウィルスは、人の病気を治す為のものであったが
研究中の副産物として、摂取すると一瞬にして人間の細胞を破壊するウィルスが
出来上がってしまった。
この事は私を含め、ここの研究者だけが知る極秘事項だったが
その研究者のうちの誰かが裏でこのウィルスについての情報を漏らしていたようだ。
数日前、研究所が何者かによって襲撃された、目的は副産物としてできた
ウィルスだった。
お父さんは今、そのウィルスサンプルを持って逃げている。奴らは血眼になって
私を探しているだろう。
何とか逃げ延びて、また"かな"に会いたい。
愛しているよ。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
9月、日本は秋を迎え夏の暑さが和らぎ、ふく風に若干の爽やかさを
感じるようになった。
学生は夏休みが終わり、新学期が始まる。
「今日から二学期かぁ~、文化祭も体育祭もあるし頑張らないと!」
ここにも夏休みを終え、始業式を迎えるために学校へと向かう少女が居た。
彼女の名前は "明星 かな" 東京都内の高校に通うごく普通の高校1年生である。
早くに母親を病気で亡くし男手一つで育てられた。
彼女の父は有名なウィルス研究者の一人で、数年前から日本を離れ
海外で暮らしている。
父親と離れての生活ではあるが、彼女はこの生活に慣れ始めているようだ。
「かな~!おはよう!」
「おはよ~!夏休みどうだった~?」
登校中に友達に会い夏休みにあったことを語りつつ学校へ向かうのであった。
-----------------------------------------------------------------------------------------------
でーあるからしてー....
「校長先生の話長かったね~」
始業式が終わり、生徒は自分たちのクラスに戻って来ていた、そこへ担任の
男性教師が入ってきた。
「お前らー席につけー、今日は転校生を紹介するぞー」
一瞬にして教室がざわつき始める、彼女もまたその一人であった。
「(男の子かな?女の子かな?)」
「よし、入ってきていいぞー」
そんな想像をふくらませていると、担任の言葉とともに教室の前の扉が
ガラッと開き、先程までのざわつきが一瞬にして静まり返る。
入ってきたのは銀色の髪、白い肌、整った顔立ちの少女だった。