卯花色のリリェ -宵の明星- 作:Eo.
1時間後、各教室を回り、黒ずくめの男たちを排除し生徒たちを解放したシャルロッタと明星。
そして最後に辿り着いたのは各教師たちが捕まっていると思われる、職員室だ。
「先生達無事だといいけど...」
「それじゃあ入るよ、3、2、1。」
勢い良く扉を開け、銃を構え周囲を確認する。
「...クリア。」
「先生達は...!?」
教師たちは職員室の中で麻袋を頭から被せられ、身動きができないよう手足を縛られていた。
その中に一人、腹部から血を流し倒れている教師が居た、林田先生である。
「先生!、林田先生!!」
明星は林田先生の名前を何度も呼ぶが、反応はない。
「...かな、残念だけど林田先生はもう。」
「そ、...そんな...」
明星は肩から崩れ落ちた。
「うぅ...林田先生!!!!!」
「かな...」
すると突然、職員室のスピーカーから放送が流れる。
『小百合・シャルロッタ、体育館まで来い。』
「シャル...!」
「かなは警察に電話して、私は体育館に行ってくる。」
「まって!私も!」
「かなは先生達をお願い...!」
「わ、分かった...」
シャルロッタは明星に教師たちを任せ、一人体育館へと向かう。
「(黒ずくめのこの人達は皆、ロシア語を話してた...ということは明星博士を狙ってるのは
ロシアのテロリスト...?)」
今まで校内で戦闘した黒ずくめの男たちはロシア圏の言葉を話していた。
そう考えているうちに、体育館の扉まで到着した。
扉を開けると、壇上に一人の男が立っていた。
「君が私の部下を次々と倒していった小百合・シャルロッタだな?」
「そうだよ。」
「普通の高校生ではないな、どこから送り込まれた?」
「それを言うと思う?」
「それもそうだな。」
男はそう言うと、壇上から飛び降り体育館のコートへと降りた。
シャルロッタはすぐさま銃を構える。
「まぁ待て、これで勝負しようじゃないか。」
腰から取り出した二本のナイフ、その片方を床にすべらせシャルロッタの方へ渡した。
「いいよ、相手になってあげる。」
「女子だからって手加減はしないぞ。」
お互いナイフを構え、ジリジリと詰め寄る。
「ふんっ!」
先手は男の横振り、しかしシャルロッタはそれをかわす。
かわすと同時に、男の顔へと刃を滑らせる男はかわしたが頬に浅く入った。
「っち、やるじゃないか。」
「もう終わり?」
シャルロッタが少し自慢げな顔をする。
「言わせておけば!」
男がシャルロッタに向けて走り、刃を突き立てる。
「...。」
まるで闘牛士のようにさらりと交わし、男の太ももに斬りつける。
「ぐあっ...!」
「もう降参したらどう?」
シャルロッタは息一つ乱さず、男へ言う。
「なんの!!!」
再びシャルロッタに斬りかかるが、向かってくる刃をナイフの裏で弾き、弾かれたナイフは
宙を舞い、シャルロッタの後方の床に落ちた。
「くっ...」
「あなたは殺さない、生きたまま拘束して情報をいただくからね。」
「それはどうかな...?」
男は着ていたベストの前を開けるとそこにはC4プラスチック爆弾が6つ括りつけられていた。
「...!?」
「さよならだ。」
懐から起爆スイッチを出す。
「っ....!!!」
シャルロッタはとっさに体育館の入口まで走るが間に合わず爆発、シャルロッタは吹き飛ばされた。
「...爆発!?」
職員室に居た明星にも爆発の振動と音が聞こえた。
「た、体育館が!シャルっ...!」
数時間後警察が到着し、事件は収束した、かに思えた。
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「.....。」
気が付くと自分のアパートの部屋のベットに寝かされていた。
「...大丈夫!?」
目が覚めたシャルロッタに駆け寄る明星。
「...かな...。」
ゆっくりと体を起こす。
「あー、頭の包帯とガーゼ変えるね、...あれ...?」
包帯を外ずし、ガーゼをはがすと爆発のときに破片が当たったであろう頭部の傷が
綺麗に無くなってるのである。
「ど、どういうこと...!?」
「かな...私、他の人よりも自然治癒力が異常に高くてこれくらいの傷だとすぐなくなるんだ...。」
「そ、そうなんだ...」
「あんまりびっくりしないね...?」
「色々見せられたからね...」
明星が苦笑いをする。
「どうしてここに...?」
「体育館で爆発が起きたでしょ?あの後、外で倒れてたシャルを見つけたんだけど
そのままだと警察が来て色々シャルの都合の良くない方に行っちゃうと思ったから...
でも病院に連れて行かないと死んじゃうと思ったけど...結局警察が来る前にシャルの家まで
運んできたんだけど...。」
「爆発...?」
「覚えてないの...?」
「....。」
「もしかして、爆発の衝撃で記憶喪失に...!?」
「自分の名前はわかる...それと私の体の特徴も、でもどうしてここにいるのか...思い出そうとすると...」
シャルロッタは頭を押さえる。
「...どうしよう。」
「詳しく今までのことを教えて...」
シャルロッタに言われた通り、明星は今までの経緯をすべて話した。
「私が...人を...」
「本当に覚えてないんだ...」
「とりあえずわかったことは...かなを守ること...それとかなのお父さんを見つけること...」
「正直私はもうお父さんのことは諦めかけてるよ...」
明星がうつむきながら言う。
「テロリストに追われてるんだよね...私が...私に助けられる力があるなら...!」
「あっ、無理しないで!」
シャルロッタはベットから起き上がると、明星の方を向いた。
「記憶を無くなる前の自分を探すなら、かなのお父さんを探していくうちにわかるかも...。」
「で、でももしまた悪い人たちに襲われたら...」
「その時は記憶を無くす前の私が助けてくれる...はず...。それにお父さんのこと
簡単に諦めちゃ駄目だと思う。」
「シャル...」
「必ずかなを守って、お父さんを探して合わせてあげるから...。」
そう言うとシャルロッタはまた気絶した。
「シャ、シャル!?...っ?」
倒れた拍子にシャルロッタのポケットからタブレット端末が落ちた
「これは...?」
どうやら電子マネーのみの機能がついてるタブレットのようだが、その金額に驚く。
「ご....500万ドル...?ということは円に変えると...5億円!?」
電子マネーの残高はぴったり5,000,000$と表示されていた。