SAO〜その武器無し、ENJOY勢〜   作:ポンノ

18 / 40
待たせたな……いやーまじでテストがやばくて……

……まぁそれと同等にブルアカが忙しかったんだけどね!
イチカ可愛いやったー!!!


18話 マフラーを買いに行っただけなのに……

 

 2024年3月3日

 第50層 アルゲード

 

 『А to Ζ』のメンバーが増えたあの日からほぼほぼ2週間ちょいたったある日。

 俺は50層に設立した『А to Ζ』のギルドホームの自室にて、久しくつけてなかったテレビで、とあるニュースを見ていた。

 

「通り魔事件……ねぇ」

 

 俺が見ていたのは、通り魔事件について。

 なんでも、この50層にて発生しており、その被害者に共通点らしい共通点もなく、犯人はまだ見つかっていない……らしい。

 圏内ではダメージはないものの、ノックバックは与えられ、気絶状態になることもあるらしい。

 多分、そこを狙っての犯行だろうな。

 

「そうなりゃ、俺も危ないかもな〜」

 

 そう。

 実は今日、その犯人探しとは別件で50層に買い物に行く予定があるのだ。

 となると、もしかしたら俺もその事件に巻き込まれてしまうのかもしれない。

 そんなの……

 

「……おもしれぇ事になりそうだぜ!ニハハハ!」

 

 楽しみで仕方ない!

 もし俺が巻き込まれようもんなら、その犯人とっ捕まえて逆にボコボコにしてやるぜ!

 ニハハハ!!!

 

 そんな事を考えながら、いつもと違う服を着用してから一階へと降りる。

 

―――――――――――――――

 

 一階で見たもの。

 それは、俗に言う『А to Ζ』の日常……なのだろう。

 まぁ、日常というのは、あまりにも奇妙なのだが……

 

「キリトさん……何でそこで倒れてるんですか」

「ほら……ここの床冷たいから……」

「なるほど、正気では無さそうですね。……きれいだなー」

 

 横たわるキリトを、不思議そうに見つめ、その理由を尋ねるエックス。

 返ってきたのがまともな理由ではなかったために、理解することを諦めて、IQ3くらいでスノードームを眺めるエックス。

 キリトもエックスも……貴方達疲れてるのよ。

 ……それにしても、エックスの奴、ちゃんと大切に持ってたんだな。

 あのスノードーム。

 

「ふむ……シズさんにはこういう服も似合うと思うんだがな……」

「わかってませんねエイチさんは……シズさんにはもっと落ち着いた感じのを着せるべきですよ!」

「あはは……私、着せ替え人形じゃないんだけどな……」

 

 シズさん用の新たな服を見繕うエイチと 『А to Ζ』に未参加な上で何故かここにいるシリカちゃん。

 彼女らが選んだ服は何時ぞやの学生服と白いセーター。

 どちらも似合うのはまず間違いないだろうな。

 んで、それを見て戸惑うシズさん。

 やっぱここに入ったの間違いだったんじゃないのか?

 

『それからそれから〜』

「ほほぉ……ゼット様にそんな秘密が……」

『まだまだあるよ〜?ニハハハ!』

 

 俺の部屋から無くなってた仮面は、どうやらカトラちゃんが持って行ってらしく、仮面内のエースちゃんに俺の秘密を聞き、それをメモする。

 俺のプライバシーってどこに行ったんだろ。

 てかエースちゃんもエースちゃんだ。

 嬉々として秘密を語るな。

 水没させてやろうかこの野郎。

 

「あ、あの……メテオラ。そのぉ……手、握ってくれないかな……?」

「……む?なにか言ったか?」

「い、いや!何にも言ってないよ!」

 

 ギルドホームだからという理由でもあるのか、はたまた恥ずかしさからくるものか、小声でメテオラと手を繋がないかと提案するロニィちゃん。

 しかし恋愛漫画の主人公かのような聴力を持ったメテオラが、聞き取れなかったであろうロニィちゃんの言葉を聞き返す。

 頼むからここでやらないでくれ。

 そろそろ俺が糖尿病になる。

 というかアルゴが泣くぞ。

 

 あ、今更だがロニィちゃんも『А to Ζ』に入ったのだ。

 それこそ、メテオラが決めたことだったんだが、断る理由もないんでね。

 超安直にコードRとして所属してもらったのだ。

 

 ……まぁ、本日も素晴らしい混沌日和だ。

 

 それはさておき、今日は3月3日。

 そう、あのみたらし団子の日のである。

 そんな日に俺はマフラーを買いに行きます。

 みたらし団子がなんだってんだこの野郎。

 

「そんじゃ、キリト貰ってくぜ〜」

「はいはーい。……って、副リーダー。今日は防護服無し?」

 

 そう。

 ようやく気付いてもらえたのだが、今日の俺は例の《特殊防護服》を着ないで、まともな服を着てるのだ。

 いつもの《シークレット・コート》の下に灰色のTシャツ。

 そんでもってコートの色に合わせた黒いズボン。

 そしておまけにサングラスつけて、無駄に長い黒髮をひとつ結びにしてる。

 完璧な俺流コーデってやつだ。

 

「そ。久しぶりのオシャレってやつだ。どーよ?似合っとる?」

「女の子に見えるくらいには似合ってるよ」

「……褒め言葉として受け取ってくぜ」

 

 サングラスを上にずらして赤い瞳を見せ、笑顔で聞いてみる俺に、エックスはとてもとても傷つくことを笑顔で言う。

 時には嫌味をそのまま受け入れる心が必要なのだ。

 

 ……帰ったらとことん泣いてやろう。

 

 そんな訳で、キリトを引き連れて主街区へと繰り出した俺。 

 朝見た例の事件のことも気にかけながら、防具店に向かい、お目当ての赤いマフラーを買いに行く。

 …………のだが。

 

「なんでマフラーねぇんだよ!」

「見事なまでに赤いのだけ無いな……どうする?諦めるか?」

「んなわけ。……さぁ次行くぞ!」

 

 その後も、各防具店へと駆け込み、確認してみたのだが……

 

「なんでだよぉ!!!!!」

 

 見事に全滅。

 何処を回っても赤いマフラーは無かったのだ。

 クソが。

 

「その……残念だったな、ゼット。さすがに同情するぜ」

「畜生……なんでねぇんだよ……」

 

 マフラーも買えず、さらには事件の詳細さえも掴めなかったので、諦めて帰らうとする俺達。

 

 瞬時、空を裂くように響いた叫び声。

 声質やトーン、んでもってこの振動数の少なさ。

 間違いなく男性だ。

 その声を聞き、俺とキリトは互いに顔を見合い、互いに頷いてその声の響いた方へと駆け出した。

 

 辿り着いてまず初めに目に入ったのは、先程の叫び声を出したと思われる、うつ伏せになって倒れている男性プレイヤー。

 

「……おん?」

 

 その次に入ってきたのが、鉄パイプのようなものを持った、俺と同じひとつ結びにした髪の女性プレイヤー。

 

 

 

 さて、ここで状況をまとめてみよう。

 まず初めに、男性の叫び声が聞こえ、その現場に向かうと、うつ伏せになって倒れている声の主。

 その近くに立っている鉄パイプを持った女性プレイヤー。

 それによくよく見てみると、カーソルの色はオレンジ。 

 つまり何かしらの犯罪を犯してるってわけだ。

 

 ……コイツ犯人じゃね?

 

「……お前さんがやったのか?」

「はぁ?んなわけあるかよ。あたしもついさっきここに来たばっかだぞ?」

「だけど……お前さん、その手に持ってんの……」

「さっきそこで拾ったもんだぞ?」

「………」

 

 ……あまりにも胡散臭すぎる。

 逆に言うが、こんなのどう信じろってんだよ。

 

「……やったのお前だろ」

「違ぇっての」

「いやいや……お前だろ」

「だから違ぇって言ってんだろうが!」

 

 俺のしつこいくらいの質問に痺れを切らしたのか、犯人候補であるそいつは俺の脳天をぶっ叩くべくして、勢いよく鉄パイプを振りかざし、その勢いを殺すこと無く振り下ろす。

 

「あっぶね!」

 

 しかしこちとら改造人間。

 例えスーツも仮面もなくとも、元の身体能力は高めなのだ。

 振り下ろされた鉄パイプをギッリギリで躱す。

 

 だが、その一振りだけで攻撃が終わるほど相手は優しくない。

 振り下ろされた鉄パイプは地面に突き刺さり、それにより開放された右手で、俺のボディを殴りにかかる。

 

「だからあぶねぇっての!」

 

 その攻撃を勢いよく空に跳んで避ける。

 改めて改造先が『バッタオーグ』で良かったと思えた。

 まぁ変身してないんだけど。

 

 さて、そんな事を考えながら地面に着地した俺は、改めてファイティングポーズを構える。

 すると。

 

「待てよゼット。その人は犯人じゃない」

「……そう言える根拠は何さ」

「ホレ、あの人の身体見てみろ」

 

 そう言い、倒れてるプレイヤーを指差すキリト。

 突き刺さった鉄パイプを抜き、右手に構えた暴力女に警戒しながらも、その人を見てみる。

 先程大雑把に見た時には気付けなかったが、その背中にはナイフかなにかで刺したような跡があったのだ。

 そして改めて暴力女を見てみる。

 彼女が持っているのは鉄パイプのみ。

 服にナイフを隠したりすることは出来なそうだ。

 

 ……なるほどね?

 完全に理解したわ。

 

 全てを理解したかのような表情を浮かべた後に、笑顔になった俺は、堂々と暴力女の元へと歩みより、そして流れるように地面に正座、両手をちょうどいい位置に置く。

 

 あとは誠心誠意を決めるだけだね☆

 

「すんませんしたぁぁぁ!!!」

 

 俺が行ったのは、謝罪の意を載せた、日本の偉大なる伝統文化。

 そう、土下座である。

 それもとてもなめらかな。

 

「いやまぁ、わかってくれたなら良いんだけど。……あたしの方も悪かった、ちょーっとストレス溜まっててな?」

「ストレス……?」

「それがよ、どっかにあたしの財布落としちまってさ?一緒に探してくんね?」

「別にいいけど。……もし断ったら?」

 

 俺のその質問に、拳を強く握りぎりぎりと音を鳴らして返答する暴力女。

 つまり、断ったら命は無いということだ。

 

「……はいよ。でも、やるとしたらこの事件が解決してからだな」

「……ま、それもそーだな。ぃよし!あたしも事件解決に手を貸してやる!」

 

 そう言い、鉄パイプを遠くに投げ捨てる。

 そんな扱いで良かったのか。

 

「あたしん名前はナオ!クラッシャーNAOだ!」

 

 そう言い暴力女……改めてナオちゃんは、俺に手を差し出す。

 そうされた時の答えは、1つだけだろう。

 

「俺はゼット。んで、こっちの黒いのがキリトだ。よろしくな!」

 

 差し出せられた手を強く握り返し、己の名を述べる。

 すると、俺の名を聞いたナオちゃんは疑問を持ったかのような顔を浮かべ、俺に尋ねる。

 

「待てよ……?おめ―今ゼットって言ったか?」

「おうよ。俺がゼットだぜ?『А to Ζ』副リーダーの」

「そ、そんなバカな……!」

 

 改めて名乗ると、ナオちゃんは目を見開き、驚き混じりの声で俺に言う。

 

「お前、女だったのか!」

「男じゃボケ」

 

 どうやら俺のことを女性だと思っていたらしい。

 ……やっぱ髪切るかな。

 

「……それはそうと、キリトは何してんだ?」

「……これ、見てみろよ」

 

 そう言い、キリトは俺に何かを投げる。

 それを回収し、よーく見てみる。

 

「何だコレ」

「わかんね」

 

 投げ渡されたのは、白地に赤の十字が描かれたバッジのようなもの。

 そういう情報に疎い俺と、そういう情報を聞かないであろうナオちゃんは、互いに顔を見合って首を傾げる。

 それを見たキリトが、ため息を吐きながらも渋々語りだす。

 

「……それは血盟騎士団の証だ」

「血盟騎士団……?それってあの攻略組の?」

「そうだ」

 

 『血盟騎士団』

 構成人数30人の少数精鋭タイプの攻略組……だったかな?

 詳しいことは知らんが、取り敢えず強いんだろう。 

 

「……待てよ?そんじゃ、なんで天下の血盟騎士団様が通り魔なんかしてんだ?」

「それは分からない……けど」

「けど?」

「間違いなく面倒なことになってる」

 

 真剣な顔をして言うキリト。

 その言葉により、俺たち3人の間に静寂が走る。

 

 すると、その静寂をかき消すようにコンクリートのこの地面を靴が擦る音が俺の耳に聞こえる。

 俺とキリト、そしてナオちゃんはここから動いていない。

 つまり、俺たち以外に“もう一人”この事件現場に居るのだ。

 

 俺がその音に勘づいたのに気付いたのか、その音を鳴らした何者かが駆け出す。

 

「逃がすかっての!」

 

 駆け出していった音がする方へと、俺も急いで向かう。

 

「おいゼット、何処行くんだ!」

「犯人候補追ってくるからキリトとナオちゃんは他の証拠品探しといてくれ!」

「お、おう!」

 

 我ながら的確な指示と、付けるのに飽きたグラサンを二人に与え、駆け抜けていった何者かを追う。

 ちらっと見えた程度だが、何か黒いフード付きローブを装備している。

 その片手に持っていたのは、小型のナイフ。

 間違いない。

 こいつが犯人だ。

 

「待てっつってんだろこの野郎!何が何でも黒鉄宮送りにしてやるこの野郎!」

 

 犯人候補の黒ローブを全力で追いかけるも、相手の方が体力はあるようで、未だに変身できてない俺じゃ到底追いつけない。

 それに加えて、ここは人混みも多い。

 それを避けながら相手に追いつくなんて、無理に等しい。

 そんなことは無謀と言っても過言ではない。

 

 ……だが無駄にはしない。

 させたりはしない。

 

 「何が何でも捕まえる」という強い意志を持ちながら追いかけると、ヤツは曲がり角を勢いよく曲がり、その姿が見えなくなる。

 この曲がり角を超えたら……あの犯人候補にたどり着けるんだ……!

 

――――――――――――

 

 同時刻

 第50層 アルゲード

 

「いっけなァい堕落堕落ゥ!!!」

 

 俺靄氏(もやし) 太陽(たいよう)ゥ!ゲーム名 炎上式もやしィ!!!何処にでも居る14歳(嘘)中学二"年"生"ェ"(大嘘)!!!

 この剣の世界で火薬を創り上げて上に爆弾も作った究極(アルティメット)ぷりちーボーイとは、この俺のことなんや!

 今日も今日とて素晴らしい爆発日和!

 さぁフィールドに繰り出そうやないか!!

 そして全てを破壊してやろうやないかァ!!!

 

「……って危ね!」

 

 ウキウキした気持ちで駆ける俺。

 そんな俺のことが見えていないのか、曲がり角から超高速で黒ローブが現れる。

 何とかギッリギリで、避けれたものの……何やねんアイツ。

 爆破したろかホンマ。

 

 ……まぁええわ。

 さぁ勢いよく加速してくでェ!

 コーナーで差をつけるんや!!

 あーそこの角から誰か飛び出してきてくれないかなァ!!!

 

 その角を勢いよく飛び出した俺。

 そんな俺に、何者かが超高速で衝突してきやがる。

 

「「ぐえっ!?」」

 

 重なってしまった二人の声。

 お前誰やねん。

 

 ……って、おろ?

 何やこいつドチャクソ美少女やんけ。

 何や?

 ラブコメでも始まるんか?

 

 ……待てよ。

 こいつは女じゃねェ。

 俺の第564感が「こいつは男の娘」だと告げてやがるぜ!

 

「いや〜すまんすまん。ちょいとキレーな花火見たくてなぁ……前見えてへんかったわ。ホレ、ポーションや」

「お、サンキュ。……にしても、とんでもねえスピードだったなアンタ」

 

 俺が渡したポーションを、躊躇いなく飲む黒コートの男の娘。

 ……せっかくや。

 ちょいと試したるか。

 

「お前、名前は何や?」

「ゼット」

「……よしゼット、オマエに一つ聞きたいことがある」

「おん?」

 

 深く一呼吸置いて、選別対象(ゼット)の目を見つめ、久しぶりに使った真面目なトーンで言う。

 

「どんな女が好み(タイプ)や?」

 




初っ端から混沌を押し付けるのが『А to Ζ』流です 
んでもって、もやしが完全に東堂になってしまっている
後悔はしていない

……あ、ちょいと宣伝
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=302953&uid=425209
こちらでそーどあーと・おふらいんの計画を立てております!
例えば、どんな企画がいいかとか、何話区切りでプレイバックやっていくかとか……
色々書いてってくれ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。