SAO〜その武器無し、ENJOY勢〜   作:ポンノ

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ギャグ……それは頭空っぽで書ける素晴らしいもの……
迷うことなんて無いのです
書きたいと思ったものをとことん書いてやれば良いんです
「あ、このネタおもしろい!」とか思えばバシバシ取り入れるんです
たまにゃ曇りそうな伏線を張り巡らしたり……

そんな感じで出来たのがウチの作品です
混沌を極めていこう


22話 たまには『調整』が必要なのだよ、ワトソン君

 

 2024年4月11日

 第59層 ダナク

 

 例のハチャメチャフロアボス攻略から約一ヶ月。

 攻略組の皆様方は今もエンヤコラと迷宮区を攻略してることでしょう。

 そんな中、俺ら『А to Ζ』はサボりにサボりまくっていた。

 今日集まったメンツは『А to Ζ』の初期メンツだけと、いつもよりも少ない。

 

 何せ今日は「ガッツポーズ」が誕生した記念すべき日なのだ。

 まぁそれとは関係なく、アイツ等にも休暇を与えてやったおかげで、各々がやりたいことを自由にやっているのだ。

 

 例えばメテオラだったらロニィとアルゴとダブルデートしてるし、最近増えたコードP……フェンとエイチは部屋から出てこないし、その現状にもやしは血涙流しっぱなしだし……

 

「……とは言え、休暇なんて与えなくてもアイツ等なら自由に休むんだけどな」

『みんな自由だもんね〜』

「まぁ俺等が自由だからってのもあるんだろうけどな……まぁいっか」

 

 そう言い、俺はキリトの方を見る。

 日差しが照り輝く中、木陰に隠れてぐっすりと眠っている。

 

「しっかしまぁ、よ〜く寝れるよなアイツも」

『だって、今日は最高の気象設定……なんでしょ?日差しも風も気持ちよさそうだし……ゼットは寝ないの?』

「この身体じゃ寝れんのでね。それに、睡眠PKこえーし」

『ああ〜……最近流行ってるアレね』

「流行りじゃねぇでしょ」

 

 そう。

 俺が危惧しているのは、ここ最近増えてる殺人方法として『睡眠PK』というのがあるのだ。

 《アンチクリミナルコード有効圏内》……通称《圏内》では、プレイヤー型のプレイヤーに攻撃し、HPを減らすことは出来ないのだ。

 が、デュエル中はそうではない。

 そこを利用し、眠っているプレイヤーの指を動かし、《完全決着モード》のデュエルを受けさせる。

 そして後は殺すだけ……っていう感じだ。

 

 ……まぁ別にそれが怖いかって聞かれたらそうでもないん。

 単純にオーグメントは寝れないのだ。

 いや、寝ようと思えば寝れるのだが……だから、()()()()()()()とでも言うべきなのだろう。

 オーグメントと言うのは便利な反面、つまらないものだ

 

 そんな俺は今、2週間ぶりに《サイクロン号》の洗車をしている。

 普段扱いが酷い分*1、こういう所で大切にしてやりたいのだ。

 

「……サイクロン。お前だって、俺の仲間なんだからな」

 

 そう言い、洗車を完了し終えたサイクロンを撫でる。

 

「お前が壊れちゃ困るし、間違いなく泣くからな」

『その割にはひどい扱いしかしてないけど……?』

「お黙りぃ???」

 

 横槍を入れてきたエースちゃん。

 とは言え、酷い扱いしかしてこなかったのはマジで事実なのが……辛いわ。

 すると。

 

「……おん?おーっす!ゼット!何してんだー?」

「おぉナオちゃん。おひさー」

 

 例の事件以降ずーっと装着してる《ハイド・ローブ》を靡かせて、ナオちゃんがこちらに来たのだ。

 ちなみに、コレは余談になるのだが、ナオちゃんは例の通り魔事件以降も通り魔ムーブをし続けたおかげで、グリーン復帰イベントの攻略回数が20回を超えたらしい。

 何故反省しないのか。

 

「……なんか今だいぶ失礼な事考えなかったか?」

「んなわけ。ただの事実だよ」

「事実陳列罪って知ってるか?」

「それは架空の法律だ」

 

 もはやいつも通りの他愛もない会話を交えつつ、ナオちゃんは俺の後ろにある《サイクロン号》を見る。

 

「おん?随分とキレーなバイクじゃねぇかよ。洗ったん?」

「おう。折角の休暇なんやし、綺麗にしたコイツで旅でもしてやろうかな〜……って」 

『それに、普段の扱いが酷すぎるからね〜』

「ほ〜ん……面白そーじゃん」

 

 この世界でも珍しいバイクに、興味津々なナオちゃん。

 だがしかし、この次に放たれる言葉は、まさしく彼女が『А to Ζ』であるという事を知ろしめる発言であった。

 

「それさ、あたしに運転させてくんね?」

「お断りだが?てかどーせ運転できねーだろ」

「ふっ……このあたしを舐めんなよ?こう見えて、昔マリパ8のポケバイグランプリにハマってたことがあんだよ!」

「『な、なんだって!?』」

 

 ナオちゃんの超衝撃的な発言に、俺もエースちゃんも驚く。

 なんせ、ナオちゃんがプレイしてたというのはポケバイグランプリ。

 それに比べて俺等はどうだ。

 片やエキサイトバイク、片やマリカーだぞ?

 相対的に見たらナオちゃんが一番マトモなんだ。

 可笑しいだろこんなの。

 

「……だとしても駄目だ。よくよく考えたらポケバイじゃねぇかよ」

『……あ、そうじゃん。本物のバイクじゃないじゃんか!経験だけで見たら私達と対等だよ!やったねゼット!』

「俺はエースちゃんより上だが?」

『はぁ?あんな事故りまくりなのに?』

「でもエースちゃんさぁ、前触ったとき暴発して故障仕掛けたろ?」

「……オメー等バイク乗んなよ」

「『お子ちゃまバイカーは黙ってな!』」

「んだゴラァ!」

 

 はい。

 結局は殴り合いだよ。

 静止してくれる人間が居ないとこうなるんだよ。

 終わりだ終わり。

 

 そんな戦いで、真っ先に負けたのは俺だった。

 どうして。

 

『喰らえ噛みつき!』

「何おう縦チョップ!」

 

 何でエースちゃんは仮面のままで戦えてるの?

 何でナオちゃんは圏内で拳にオーラ纏わせてんの?

 何で改造人間の俺が真っ先にボコされるの?

 

 ……もういいや。

 重い荷物はないけど、アイテム欄にあるもの全部枕にして青空になろう。

 そういや、キリトの方は……

 

「………天気なんて、いつも一緒でしょ」

「アンタも寝て見ればわかるよ」

 

 いつの間にか……まぁ、多分俺等がわちゃわちゃしてる間に、血盟騎士団副団長のアスナさんがやってきて、多分キリトと揉めていたのだろう。

 しかし言い包められたのか、アスナさんはキリトの隣で眠りだす。

 

「……横になって約5秒……か」

 

 多分、普段の疲労が溜まってたんだろうな。

 あんな作戦も立ててた訳だし……。

 

「……それにしても仲良しだな」

『ありゃ将来カップルになるよ』

「あれまエースちゃん。ナオちゃんはどしたの?」

『倒した』

「……んなわけ」

 

 何故かふよふよと浮いてきたエースちゃん。

 まぁ《Oシグナル》の時に浮いてたし、なんならさっきの戦いでも浮いてたから何もおかしくはないが……とりあえず浮いてきたエースちゃんが、俺にとんでもない事を言う。

 まさかと思い振り返ってみると、そこには横たわるナオちゃんが居た。

 マジで勝ってやがるこの娘。

 うん、恐ろしい。

 

「まぁそれはそれとて……そこの木陰で隠れてるやつ、出てこい」

『え?誰か居るの?』

 

 ……何で《Oシグナル(危険探知機)》持ちが反応しないんだよ。

 敵じゃないのか?

 だが、武器らしきものは見えてるし……敵じゃないのか?

 

「どーせ睡眠PK狙いだろ。ここにゃ3人も寝てるやつが居るからなぁ……早く出てこいよ三下ぁ!」

「三下……だって」

 

 その木陰に隠れたプレイヤーは、俺の適当に吐いた暴言に傷付く。

 多分コイツメンタル弱いぞ。

 次の悪口を用意してやろうと考えたその瞬間、隠れていたプレイヤーが現れる。

 そのプライヤーのカーソルはオレンジ、内側が赤い黒のケープを装着した男だった。

 

「お、お前は……」

「ナーッハッハッハッハ!!!まさかこの俺様を忘れたとは言わせないぞ……ゼット!」

「お前はぁ…………………………キング!」

「……さては忘れてたな?」

「ニハハハ……まさかそんなわけ……」

「……まぁいいか」

 

 思いっきり目を逸らしてしらばっくれる俺。

 そんな俺のもとに、メイスをアイテム欄にしまったキングが寄ってくる。

 

「それで、誰が三下だって?」

「お前」

「即答!?流石に酷くない!?ぼk……俺様だって泣くんだぞ!?」

『今僕って言おうとした?』

「うわ仮面が喋った!?」

『受け入れなさい』

「普通は無理でしょ……?」

「何を言うか。ウチの『А to Ζ』で言及してきてやつは居ないんだぞ。いつかお前も入れてやる」

「嫌だよそんな魑魅魍魎が跋扈してる地獄!!」

『む、ウチのシズさんを侮辱するか』

「それは許せんな……唯一の聖人に対しての暴言など」

「それは!……ごめん」

 

 話をしていくたびに、段々と素が現れていくキング。

 やはり俺様キャラはまやかしだったか……。

 

 やっぱラフコフ向いてねぇな。

 

「……まぁ立ち話もあれだし座れよ」

「いや、別に長話する予定もないし……今日は警告しに来たんだよ」

「警告ぅ?」

「……ここで話すのもアレだし、場所を変えさせてくれないかな」

 

 その言葉に、縦に首を振って、その場から離れる。

 とは言え、ここで俺が離れると睡眠PKの恐れはあるよな……?

 すると。

 

「……あれ、ゼットくん?」

「お、シズさんじゃねぇの……丁度いい」

 

 キングをその場に放置し、シズさんの元へシュバッと駆け寄る。

 

「ちょいと頼みたいことがありましてね。ここで寝てる3人のお守りをしてやって欲しいんだ。……頼めるかな?」

「唐突だね……うん、任せておいて」

「ニハハハ!助かりますわ!んじゃ、エースちゃんもよろしく!」

『え〜私も〜?』

 

 片手に持っていた仮面もシズさんに託す。

 すると、付いてくことが出来なかったことに不満なのか、少しトーンの低めの声で不満を述べる。

 そんなエースちゃんを宥めるべくして、口の前に人差し指を添えて言う。

 

「こっからは、男同士の会話なんでな」

 

 そういい微笑み、俺はキングの元へ戻り、話を聞くべくしてその場から離れる。

 

―――――――――――――――

 

「んで、警告ってのは?」

「……俺様が所属してるラフコフについてだ」

 

 先程の場所から離れた場所にて、先に足を止めたキングに対し問いかけると、すぐさま返答が飛んでくる。

 それにしても、ラフコフ幹部からラフコフへの警告を伝えられるとは……。

 

 やっぱラフコフ向いてねぇな。

 

「……ラフコフの幹部は俺様を含めて5人。PoH、赤眼のザザ、ジョニー・ブラック……そして、ヴェンジャンス」

「言い方的に、そのヴェンジャンスとやらが危険なのか?」

 

 他の三人を言うときはスラスラと言葉が出てきていたが、ヴェンジャンスとやらの名を呼ぶときだけ躊躇っていた。

 多分だが、ソイツは別格でやばいんだろう。

 

「察しが良いんだな。……予想通り、ヴェンジャンス……俺様はヴェンって呼んでるんだけど、格が違うんだ。アイツはもう……既に20人も殺してるんだ」

「20人……ねぇ」

 

 俺と同等の人数を、己の殺意だけで殺したのか。

 恐ろしいもんだ。

 

「ま、警戒はしとくさ。んじゃ、アイツ等んとこ戻ってくぜ〜」

「ああ……その、死なないでくれよ……ゼット」

「……舐めんな。俺はそう簡単にゃ死なねぇよ」

 

 ……やっぱコイツ、ラフコフ向いてねぇな。

 

 それにしても、ヴェンジャンスねぇ……。

 

「意味は復讐……ねぇ」

 

 そういやアイツ、今何やってんだろ?

 ちゃんと答えは見つかったのかな?

 

「……ま、その答えは次会えた時まで楽しみにしとくかね」

 

 彼が変わってることを、『仮面ライダー』としての心構えを持てるようになってることを信じよう。

 

 ……なぁ、『トンボオーグ』よ。

 

―――――――――――――――

 

 キングからの警告を受けた俺は、とある用事も同時に終わらせてからキリト達の元へと戻ってきた。

 いつの間にか空も赤くなっている。

 そんな夕焼け空を眺め、低めの石垣の上で黄昏る黒い影が1つ。

 

「よっ、キリト。ちゃんと寝れたかい?」

「ま、お陰さまでな」

「ニハハハ!そりゃ良かった。んじゃ、お隣しっつれ〜い」

 

 黄昏るキリトの隣に、俺も座る。

 案外こうして、何も考えずに夕日を見てみるのも良いもんだな。

 すると、キリトが俯きながら俺にとある事を聞く。

 

「……ゼット。お前、あと何年なんだ……?」

「あぁ……その事か。そーいやそろそろだったか」

 

 自分のことだったのに忘れてたな。

 まぁ最近……というか、症状も無かったし、忘れてても仕方ないだろ。

 とは言え、あと何年か……。

 あん時言われたのが5年だから……

 

「半年ちょいだな。ま、来年を超えることはないだろうな」

「……そうか」

「そんな顔すんなよ。こっちまで悲しくなるじゃねぇか」

 

 もう受け入れてることなんだしさ。

 すると。

 

「くしゅん!」

 

 俺達の後ろから、それはそれは小さなくしゃみが聞こえる。

 振り返ってみると、そこには目を覚ましそうなアスナさんと、木にもたれ掛かりながら寝るシズさんとその懐に収まってるエースちゃん、そんでまだ寝てるナオちゃん。

 幸い、先程の話は聞かれて無さそうだ。

 

「キリト、アスナさんとのわちゃわちゃはお前に任せる。こっちは命懸けの大仕事してくるから」

「おう……って、どういう意味だソレ」

 

 キリトをその場に放置し、ちょいと離れた位置で寝続けてやがるナオちゃんを起こしに向かう。

 シズさんは寝させておこう。

 普段の生活だけでストレスヤバそうだし

 

「目覚めよナオ……もう空は赤いぞ」

「むにゃ……あと3年」

「範囲が長すぎる。ほれ、さっさと起きろ」

「んぅ……触んなボケ。セクハラだぞ……」

『ゼット……?』

「喰い付かないでもらえます?話的にも物理的にも」 

 

 ナオちゃんを起こすべく身体を揺らすと、意識不完全のままで言葉を放つ。

 その言葉に反応し、エースちゃんはシズさんの元から離れ、俺に噛み付く。

 あくまで触れたのは背中である。

 俺は無実だ。

 

「あはは……大丈夫?ゼットくん」

「ここが圏内じゃなかったら死んでたと思う。だってエースちゃんはゴリラの擬人化……いや、もはやそのまんまゴリラなんだから」

『何だ余裕そうじゃん。噛む力3倍くらいにするね』

「お慈悲を」

 

 いつの間にか目覚めたシズさんを横目に、ふよふよと浮く仮面に対し、それはそれはきれいな土下座で謝罪する俺。

 あまりにも惨めである。

 ……まぁそれはそれとて、キリトの方では。

 

「……ご飯一回」

「へ……?」

「ご飯!なんでもいくらでも一回奢る。それでチャラ!どう?」

 

 石垣の陰に隠れるキリトに対し、顔を赤くしながら提案する。

 一応、キリトはここでアスナさん達を見守ってたわけだから、これは彼女なりの優しさというやつなのだろう。

 

 ……その善意、悪用してやるか。

 俺はナオちゃんの耳元に近づき、静かに囁いた。

 

「ほれナオちゃん、起きろ。今ならアスナさんが飯奢ってくれるぞ」

「マジか!?!?!?」

 

 ほら、貪欲だから喰い付いた。

 すると、どうやら聞こえていたであろうアスナさんがコチラを向き、キリトに指を指しながら訂正する。

 

「奢るのは彼だけよ!」

 

 かくして、俺達は第57層のレストランへと向かった。

 

*1
人を轢く、壁に激突する、壁を突き破る、etc……




多分ウチの読者の情緒ジェットコースターみたいになると思う

さて、次回はまたまたキャラが増えちゃいます!
今んとこA B F H M N P R S X Z……ここからまだ10人以上増えるのってマジ?
っていうかここの事件だけでメンバー3人増えるのマジ?
そろそろ誰かしら個性消えるぞ?

あ、追記の情報をここでお一つ
『А to Ζ』の案を出してくれた皆様に質問がありましてね
送っていただいたキャラ達の深堀りとかどうしますよ?
今回の感想でも、活動報告の方でも、なんならメッセージでも何でもいいので送ってきてくださいな♪
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