SAO〜その武器無し、ENJOY勢〜   作:ポンノ

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赤色喪失確認!ヨシ!
記録確認!
結果は10月18日から11月1日までの計14日間!
お疲れサマンサ!

そんな今回は恨みをぶつけるべくして後半バリシリアスです
みんなの情緒を無茶苦茶にしてやる


27話 命懸けの勝負じゃなけりゃつまらない……そうだろう?

 

 ヨルコさんがポリゴン化したことにより、半狂乱になりかけた『聖龍連合』のシュミットを送り届け、俺達はギルドホームへと戻っていた。

 そこに集まったのは先程部屋に居たキリト、アスナさん、んでシズさん、んで《アインクラッド探偵事務所》で推理してたウィン、ジョーカー、エックスだ。

 勿論俺とエースちゃんも居る。

 なんかジョーカーに睨まれた気がするのだが……まぁ気の所為だろう。

 

「……それで、もう分かったんですか?副リーダー」

「まぁね。んで、多分それで合ってる」

「流石。普段からこんくらいまともにやってくれれば良いのに。もっと真面目に生きろよアホ」

「信頼されてるなぁ」

 

 ※会話が繋がってないように見えますが、これが日常です。

 

 俺の表情からなにかを察したのであろうエックスが、俺に尋ねる。

 それに真骨丁寧に答える俺。

 そして徐々に暴言のレベルが上がっていくエックス。

 もはやお家芸とも言えるノリなのだ。

 

「……で、二人を殺した犯人は誰なんだ?こっちの推理じゃ平行線だったってのによ」

「まぁそう慌てんなや半人前」

『そんなせっかちだから半熟くんは半熟なままなんだよ。早く完熟王になるんだよ』

「……もう突っ込まねぇからな」

『えーつまんなーい』

 

 ……それにしても、マジでこの娘キャラ変わったよな。

 最初の方はザ・ツッコミ役って感じだったのに……

 

『……ん?どうしたの?ゼット』

「いんや?何でエースちゃんの胸って柔らけぇのかなー……って」

『どっかの誰かさんが揉みまくったから……って!何言わせんだコラァ!』

「理不尽ッ!?」

 

 前言撤回。

 俺の発言によって、シズさんの腕の中に収まっていたエースちゃんは、まるでロケットのように俺の顔面に飛んできた。

 ツッコミの腕は落ちてなかったのだ。

 というかシンプルに痛い。

 ここ《圏内》なのに痛覚あんの何かのバグだったりする?

 このゲーム痛覚無いのに。

 

 ……まぁいっか。

 

「んじゃ本題入りまして……今回の事件についてだ」

 

 改めて声のトーンを落とし、今回の本題に入る。

 

「確か……今回の犯人がわかったんだっけか?」

「そーだキリト。んで、結論だけ先に言っておくと……今回の事件、死者は1人として出ていない」

「んなっ!?」

「待ってゼットくん。それじゃ、カインズさんやヨルコさんのアレはどうなるの?」

 

 俺の推理に驚くキリト。

 そしてその推理に的確な質問を出すアスナさん。

 いい対比ができてるもんだ。

 

「いい質問だねアスナさん。まず初めに、《圏内》ではHPの減少はあり得ないんだ」

『でも、私たちの目の前で確かにポリゴン化した』

「つまりそれが偽りの死だった……ってこと?」

「そういうこった」

 

 なんとかアスナさんは真相に辿り着けそうだ。

 すると、今度は頭を抱えて考えていたウィンが発言する。

 

「偽りの死……つまり、そのポリゴン化したのはプレイヤーじゃなくて付けていた装備だった……ということになるのか?」

「鋭いじゃんか。そういうこった、ウィン」

「……まさか、あの時の仮説があっていたとは……流石です、ゼットさん」

「当然です!」

 

 真相に辿り着けたウィン。

 そんなウィンが俺のことを褒めると、床からカトラちゃんが生えてくる。

 ギルドホームに穴が開く。

 

「ゼット様はまさしく崇高な存在……よろしければこの後語りませんか!?拒否権はありませんよ!!」

「ちょ、待てぇ!」

 

 叫びも虚しく、ウィンはカトラちゃんによって穴に引きずり込まれてしまった。

 可哀想に。

 こりゃ当分は帰ってこれないゾ☆

 

「……それで、さっきのローブのプレイヤーはカインズさんだった……ってことなの?ゼットくん」

「多分ね。んで、転移結晶使ってどっかで折り合ってる……って感じだろうな」

『よし!それじゃ、これで事件は解決だね!』

「だな」

 

 これにて圏内事件も解決ってわけだな!

 いや〜果てしなく長かった!

 ニハハハ!

 

 

 

 ……なんて言ったが、それだけじゃない気がして止まない。

 何か別の存在が、『黄金林檎』以外の何かが動いていそうな予感がして仕方がない。

 

 ……なら、動かなくちゃな。

 俺はエースちゃんをシズさんに預け、ギルドホームから出る。

 

『ちょっとゼット。何処行くつもりなの?』

 

 エースちゃんにコートの袖を捕まれ……というか噛まれて止められるものの、すぐに離して、笑顔で答える。

 

「ちょいとやんなくちゃならない事があるんでね」

 

 そうして、俺はギルドホームから出て、ライダータイプに変化させた《サイクロン号》で第19層へと向かった。

 

―――――――――――――――

 

 第19層 十字の丘

 

「はぁ……面倒この上ないなぁ。弱った人間なんて、殺してもつまらないのに」

 

 人気のない鬱蒼とした森にて、大剣を背負った仮面のプレイヤーがそう呟く。

 言ってる内容はとても不穏ではあるが、仕方ないことだろう。

 

 なんせこのプレイヤーは《笑う棺桶(ラフィン・コフィン)》の幹部……ヴェンジェンスなのだから。

 

「私ぃ強い人間しか、戦ってて楽しい人間しか殺らないって言うのにぃ?今日の作戦はぁ……私のセオリーに反するんだよねぇ……」

 

 今日の作戦。

 それこそ、俺が危惧していた裏で暗躍しようとしている別の存在の正体。

 ようやくすべての辻褄があった。

 

「……そうは思わなぁい?そこのお兄さん?」

「おっとぉ……流石にバレるか」

「当たり前じゃなぁい?だってぇ……」

 

 木陰に隠れていた俺の方を向き、仮面を外し、紫メッシュ混じりの黒髪を揺らす。

 そして、怪しげに笑いながら言う。

 

「あなた、私以上に殺意がビンビンなんだもの」

 

 どうやら隠しきれなかったようだ。

 殺意を隠す方法……メテオラからにでも聞いてみるかね。

 

「さ、早くこっちに来てくれなぁい?そんな離れてたら殺ることもやれないじゃない?」

「……はいはい」

 

 言われるがまま、俺はヴェンジェンスの元に跳び、近場に着地する。

 その行動によってか、ヴェンジェンスの表情は一転。

 笑顔から驚きの表情へと変化した。

 

「へぇ……逃げないんだぁ」

「逃げる必要ないだろ?ここでアンタを殺すわけだし」 

「ふーん……それじゃぁ、その蛮勇に敬意を込めて……私の名前はヴェンジェンス。気軽にヴェンって呼んでも良いけど?」

「ならお言葉に甘えておこうか。いちいち長い名前を呼ぶのは好きじゃないんでね。……んで、俺の名はゼット」

 

 お互いに名を名乗ったんで、俺は改めて身体に溜めておいた《プラーナ》を循環させ、仮面で隠していない顔に2本の傷跡、普段よりも赤くなった瞳、そして額に赤い第三の目が顕になる。

 

「あら……痛々しい顔ね。いつもの仮面は付けないの?」

「今日は必要ないってだけだ。アレがあると本調子で戦えんないんでね」

 

 今回の戦いに、優しさなんて必要ない。

 今回の戦いに、エースちゃんの静止は必要ない。

 

「それじゃぁ……」

「おう」

「「初めよっか/るぞ」」

 

 その合図を皮切りにして、俺とヴェンは瞬時に戦闘態勢に入る。

 ヴェンは大剣をソードスキルで輝かせ、俺は拳を強く握り、ほぼ同時に走り出し、大剣と拳がぶつかりあう。

 

「ふぅん……やっぱ噂通りの強さだね」

「つっても、一発でその剣壊せなかったんでな……力は衰えてるさ」

「えぇ?この剣壊すつもりだったのぉ?」

「あまり長く戦いたくないんで……なっ!」

 

 拮抗していた現状を打破すべく、大剣を思い切りぶん殴り、距離を離す。

 

「つーか、そっちだってやることあんだろ?さしずめグリムロックからの依頼だとは思うが」

「……さぁ?何のことやら」

「しらばっくれんなよ。どーせ今も他のメンバーが動いてんだろ?」

「……ちぇっ。な〜んだ、もうバレちゃってるのかぁ」

 

 適当にカマをかけてみたが、どうやらそれは当たっていたらしい。

 図星をつかれたであろうヴェンは、隠そうとしていた作戦を明らかにする。

 

「お察しの通り、依頼者はグリムロックって人。目的は3人の殺害、排除だよ」

「目的は?」

「さぁね。私そういうの興味ないからさぁ」

 

 左右に揺れつつ、つまんなそうに答えるヴェン。

 どうやら本当に知らないようだ。

 

「さて、それじゃぁ……本気で行こうかな」

 

 そう言うと、ヴェンのHPの8分の1程度が削れると共に、大剣が紫色に輝く。

 そして俺目掛けて振り上げられる。

 その刹那……

 

 

 

 俺の右腕が飛んだ。

 

「……ッ!!!」

 

 飛んでいった“ソレ”を認識すると共に、言葉で言い表すことのできないほどの痛みが生じ、血が溢れる。

 その名状し難い痛みに耐え切れず、俺の表情が歪む。

 

「アハハ!その表情、あなたもしかしてぇ……」

 

 不愉快極まりない笑みを浮かべながら、片手で体を支える俺に近づいてくるヴェン。

 

「痛覚があるのかなぁ?」

「ぐっ……」

「よく耐えれるねぇ……でも」

 

 再び不敵な笑みを浮かべたヴェンは、その手に持った大剣を天高く構え、俺の胴体に深々と刺す。

 

「ぐあっ!」

「これは耐えられないでしょぉ?アハハハ!」

 

 俺の表情が歪んだのを認識し、笑いながら確信するヴェン。

 キングの言うとおりだった。

 コイツはヤバい。

 

「それにしても……このゲームでも痛覚があるなんてねぇ……なぁんか羨ましいわぁ」

 

 大剣を突き刺したまま、横たわる俺の前にしゃがみ込むヴェン。

 俺の頭をツンツンと突きながらも語り続ける。

 

「だって、そっちの方が生を実感できるでしょお?」

 

 ヤバい。

 キングが言っていたが……想像以上よりもヤバい。

 俺とは違うベクトルでイカれてる。

 

「……さて、一応私も暇じゃないしぃ?そろそろ行かないと怒られちゃうしぃ……もう終わらせよっか」

 

 突き刺した大剣を抜き、再びHPが減少し、剣先が紫色に輝く。

 マズイ。

 これ以上ダメージを食らうと死んでしまう。

 

 ……それだけは避けなければ。

 こんなとこで死ぬなんて後悔しか残らねぇ。

 そんなの御免だ。

 

「ここで……死んでたまるかぁ!」

「おぉ?」

 

 残ってる左腕で地面を叩き、俺を中心として衝撃波を発生させる。

 その衝撃で僅かながらヴェンは怯む

 その僅かな隙を逃さず、左腕でヴェンに殴りかかる。

 

「おぉ!アハハハ!それでも動けるんだねぇ?」

 

 しかし命中はせず。

 大剣で防がれつつも、今まで以上に楽しそうな笑顔を浮かべて言う。

 だが、それは無意味じゃない。

 どうやら所持していた大剣にヒビが入ったようで、大剣をアイテム欄に戻す。

 そして、次の大剣を取り出す。

 

「んだよ……2本目あんのかよ」

「そーだよぉ?……それでぇ?まだやるつもりなのぉ?」

 

 2本目の大剣をこちらに向け、怪しげな表情で尋ねる。

 その答えは、極めてシンプルだ。

 極めてシンプルで、果てしなく無茶な答えだ。

 

「無論だ。……かかってこい」

 

 既に右手は失ってる上に、腹に風穴は空いてるが、それでも尚立ち上がり、我ながら不格好なファイティングポーズを構える。

 今にも倒れそうになりながらも、倒れずにその場に立つ。

 

「……いいねぇホントに。殺すのが惜しいくらいだよぉ」

 

 そうは言いつつも、嬉々としながら大剣を振りかざすヴェン。

 最悪の時間を過ごす覚悟を決め、再度《プラーナ》を循環させる。

 

 その時だった。

 俺の後方から、見慣れたメイスがヴェン目掛けて飛来する。

 

「っ!」

 

 飛来してきたメイスを認識し、振りかざしていた大剣を自分の前に構え、跳んできた方向へと弾く。

 弾かれたメイスは、それを投げ飛ばした者の元へと戻る。

 

「まったくぅ……何のつもりぃ?」

 

 呆れたような口調で、俺の後ろに立つ人物を睨むヴェン。

 俺の後ろにいる人物。

 それこそ……

 

「キングくんはさぁ」

「……何のつもりも何も、ソイツに手を出して欲しくなかっただけだが?」

「……はぁ。またそれぇ?「必ず俺様が殺す」なぁんて言ってたわりに行動しないから、発破をかけてあげただけだよぉ?」

「その割には、本気で殺しそうだったが?」

「……ちぇっ。バレたかぁ」

「俺様の目を誤魔化せると思うなよ」

 

 キング……なのか?

 今まで話してたときとキャラが違いすぎる。

 ホントに王の圧を感じる。

 

「まぁ仕方ないかぁ……わかったよ。今日はここで手を引いてあげる」

 

 キングの圧に観念したようで、大剣を背中の鞘に戻し、その場から離れようと踵を返すヴェン。

 

「……あ、そーだ」

 

 何かを思い返したかのように、ヴェンはこちらに向かい駆け寄ってくる。

 そして、俺の耳元で呟く。

 

「また会おうねぇ?唯一無二の友達(ゼット)さん」

「もう二度と会いたくないさ……唯一無二の宿敵(ヴェンジェンス)

「アハハハ!……じゃあねぇ」

 

 そう言い、ヴェンは夜の闇の中に消えていった。

 それと共に、俺の身体から緊張の糸が解けて、その場に倒れる。

 

「……っ!ゼット!」

 

 倒れ込む俺のもとに、急いで駆け寄ってくるキング。

 今まで通りの声のトーンでちょっと安心。

 

「起きてっから……そんな揺らすなっての。出血多量で死んじまうぞ……」

「ゼットぉ……!」

「んだよ……男に抱きつかれても嬉しくねぇぞぉ」

 

 既にHPバーが赤くなっている俺に、感動からか抱きついてくるキング。

 君さっきとキャラ違くない?

 

 ……まぁいっか。

 取り敢えず今は、少し寝ておこう。

 

―――――――――――――――

 

 これは俺があとから聞いた話なのだが、あの《圏内事件》の犯人は予想通り……というか、ヴェンが言った通りグリムロックだった。

 その目的は、俺等子供にゃまだ理解できそうにないもので、「妻であるグリセルダが、現実世界よりも生き生きとしていたから」である。

 やはり人間というのは難しいものだ。

 そんなのは、愛ではなく所有欲であるというのに。

 まぁ最終的にはシュミットに連行されたらしい。

 何ともまぁ、腑に落ちない結果だ。

 

 ちなみに今の俺はというと……

 

「テメェ一人で暴れやがってよぉ……おぉん???」

『何で私を同行させなかった?えぇ???』

「スンマセン……スンマセン……」

 

 ……キリトとエースちゃん、説教され中です。

 誰か助けて。

 




まぁオリ主だからって最強じゃないんですよ
今回の戦いで右腕持ってかれた上に、スーツボロボロにされました
まぁ数分後に腕は戻ってくるんですけど
そんなわけで今回登場したのがユニークスキル《暗黒剣》持ちのヤベー奴、ヴェンジェンスです
また性懲りもなくキャラ増やしやがって……

あ、このキャラの制作に携わってくれたのは火ノ御です
彼を終身名誉その武器なしenjoy勢制作スタッフに任命しました
他にやりたい方おりゅ?
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