どっかでそれらしい要素出してやろう
それはそれとして覚悟を決めましょう
今回はそこそこムネアツ展開が待ってる……かも?
いざ忍殺!……じゃなくてキルラキル☆
オーちゃんが何故か俺の名を知っていたという事実に衝撃を受ける中、グレイシャーが首を傾げて尋ねる。
「つまりどういう事だ?須藤と鷹宮さんは知り合いなのか?」
「鷹宮呼びはやめてくれ、嫌いなんだ」
……親父と同じ名字だなんて、正直反吐が出るからな。
早くあん時の名字に戻りたいもんだ。
「とにかく呼び方はゼットにしてくれ。それと、さん付けは結構だ」
「わかった」
随分と素直だなコイツ。
……まぁそっちのほうが楽ではあるのだが。
「じゃあ改めて聞くが、須藤とゼットは知り合いなのか?」
「うーん……知り合いというか仲間というか……」
「クランメンバーというか監視対象というか……」
「「うーん……」」
よくよく考えれば不思議なメンバーだ。
俺が強く勧誘したのは、オーちゃんが初めてであった。
その他のメンバーなんぞ、自分の意志で望んだり、自分で勝手に入ったり……よくよく考えれば目茶苦茶だな。
「……まぁとあるクランの副リーダーとそのメンバーって事だ」
「ですね。それが一番しっくり来ます」
「……そうか。それじゃあ、改めて自己紹介だな」
そう言い、グレイシャーは立ち上がりこちらの目を見て堂々と言う。
「グレイシャーだ。これから……少なくとも、ここからの脱出までの間よろしく頼む」
「おう」
取り敢えず、この廃屋敷から出るまでの間は仲間だ。
それに、コイツからは悪意というものが感じ取れない。
信頼に値するだろう。
「……そういえば猪狩君。他のメンバーさんは……」
「待てオーシャン。何故リアルネームを知ってる」
「だって猪狩君とは同じクラスメイトですから」
「じゃあそのクラスメイトでもない上に何処に居るかも知らないはずの俺のリアルネームを何処で知った」
「……黙秘します」
「……ニハハハ」
いつものように笑っていると思うが、残念ながらその表情は真顔である。
俺はすかさず黙秘権を行使したオーちゃんの頬をつまみ、横に伸ばす。
「貴様に黙秘権があると思うな!さぁ、吐けぇ!」
「いひゃいいひゃい!いひゃいれすよぜっおひゃん!」
「そりゃそうだ!痛くしてんだからなぁ!」
さらに強く横に伸ばす。
餅みてぇに伸びるなこのほっぺ。
……まぁそろそろいいか。
伸ばしたほっぺを伸ばしたままの状態から離し、グレイシャーの方を向く。
「……まぁそれはそれとしてだ」
「あうっ……酷いですよゼットさん……ボクのほっぺが……」
「どうせこれからも何かする事になるんだ。どうってこと無い」
「酷い……」
「とにかくだ。グレイシャー、お前以外の他のメンバーは何処だ?」
「……もうみんな取り込まれた。あの泥人形にな」
グレイシャーは俯きながらそう言う。
よく見てみると、彼の腕は震えている。
まぁこうもなるだろうな。
仲間があんなわけわかんねぇのに取り込まれたんだから。
それを見ちまったんだ。
ふっつーは正気じゃいられないはずなのだ。
……俺達は普通じゃないから大丈夫なのだ。
なぜなら『А to Ζ』だから。
「なら、助けないとな」
「ですね。何されてるのかわかったもんじゃありませんし」
これで同人誌みたいな展開になってたら洒落にならん。
それに、逃げる選択よりも、助ける選択をしたほうが良い。
そっちのほうが後悔しない。
「……んじゃ早速」
「ま、待ってくれゼット」
「んお?どしたよグレイシャー。そんな震えて」
コートの袖を掴み、先程の泥人形を追う俺を引き止めるグレイシャー。
その腕は震えている。
「一度援軍を呼びに行かないか……?」
「ふーむ……当てはあるのか?」
「無いが……」
それじゃ駄目じゃねぇかよ……。
……とは言え、もやしだのメテオラだのの戦闘要員ども呼べば解決はしそうだよな。
……待てよ?
もしかしてそれ口実にしてここから逃げようとしてらっしゃる?
「……もしかしてだけどビビってる?」
「まさか。俺はその……警戒心とかがすごいだけだ」
「ふーん……」
あまり同様の素振りは見えないが、何か怪しい。
……ちょいと試してやろう。
「あ!泥人形!」
「えっ!?嘘!?イヤァァァァア!!!」
俺の嘘に、グレイシャーは振り向くこと無くしゃがみ込んで叫ぶ。
マジかこいつ。
想像以上のビビリだ。
……おもしれぇ。
「その反応でビビリじゃないは無理だろ」
「……そう言えば、須藤は何処に?」
「話しそらしやがって……オーちゃんならここに……アレ?」
先程までオーちゃんがいた場所には、もう誰も居ない。
いつの間にか居なくなっていたのである。
「まさか連れて行かれて……!?」
「んな訳ないっしょ。それに、オーちゃんの事だ。どーせあの泥人形の追跡でもしてるだろ」
「もちろんですよ。ボクほどの追跡者になれば相手に気付かれずとも情報を抜けとることが出来るんですよ」
いつの間にか戻ってきて、むふーっとドヤりながら言うオーちゃん。
誇るな。
「んで?集まった情報は?」
「あの泥人形に物理系のダメージは入りません。ですが、心臓部にあるコアを破壊すれば何とかなります」
そう言い、オーちゃんは自前の短剣を取り出す。
多分投げナイフみたいにして殺ったのだろう。
「うむ、よくやった。褒めて使わす」
「むぅ……なんひぇほめるのにほっへのばすんへすか」
「もちもちしてたから。悪いか?」
「ひろいれふぅ……」
……まぁこんくらいにしてと。
「んで?出口はどうなってた?」
「駄目でした。出口に泥人形が何体か待機してます」
「ふむ……めんどいな」
「つ、つまり出れない……のか?」
アイツ等の救出方法を考えてると、震えた声でグレイシャーが尋ねる。
……まさかとは思うが、ここから逃げようとしてたりするのか?
仲間を置いて?
……いやまさかな?
「まぁそうなるが……何か問題でもあるか?」
「も、問題しか無いだろ!?もう俺達はここに閉じ込められたんだぞ!?……もうおしまいだろ。ここで俺達も捕まえられて終わるんだ……」
「なんつー悲観的な……もうちょい希望を」
「希望なんて無いんだよ!!!」
俺の言葉を遮り、グレイシャーは叫ぶ。
そして首を下げながら語った。
「……前からこうだった。茅場のデスゲーム宣言の日、俺はただの演出だと思ってたんだ。一度やられたら戻れるんじゃないかって……そう思ってた。……けど動けなかった。何も出来なかったんだよ」
グレイシャーは涙を流しつつ、語り続ける。
その声は震えている。
「そこで拾ってもらったんだ……リーダーに。……それでも、俺はまともに自身可愛さに動けなかった。まともに戦えたことなんて指で数えれる位なんだよ……」
零れ落ち続ける涙。
多分、というかホントに自分が嫌になってるのだろう。
「俺は何も出来ない……言わばお荷物なんだ。だからゼット、コレはお前に任せる」
そう言い、グレイシャーはなにかの日記帳を渡す。
「そこに宝の位置が書かれてる。多分そこに皆が居るはずだ。……だから、皆を助けてくれ」
深々と頭を下げて俺に依頼するグレイシャー。
……仕方ない。
俺も自分が嫌になる時期があった。
まぁお察しの通りエースちゃんが死んだ後なんだけどね。
……だからこそだな。
やれることをやってやろう。
「……オーケー大体わかった。グレイシャー、顔上げろ」
俺がそう言うと、グレイシャーは涙を流しつつも顔を上げる。
そんなグレイシャー目掛けて、俺は首が飛ばない程度に、ホンットに全力で力加減してビンタする。
ベチン!といった音が響く。
「……な、なんで」
「いいかグレイシャー、よく聞けよ」
俺は一呼吸置いてから、グレイシャーに語る。
「俺はお前のことをよく知らない。よく知らないどころか何も知らないと言っても過言じゃない。……けどな?俺は自分で自分を貶そうとする奴は嫌いなんだよ」
「け、けど!」
「けどもケセドも無いんだよ。……誤解してると思うから言っとくが、俺だって怖えぞ」
もし助けようとして、俺が捕まったら。
もし捕まって、俺が死んだら。
色んな事が頭の隅によぎってしまう。
「……けどな。ここで動けず、仲間失うほうがもっと怖え。俺はもう誰一人として仲間を失いたくないんだ」
俺が目指してんのは後悔しない人生だ。
やらないで後悔するより、やって後悔したほうが良い。
だが一番良いのは、やって後悔しないことだ。
「それにだな……」
涙が溢れそうなグレイシャーの頭を撫で、いつものような笑顔で笑いかけて言う。
「もし自分を信じれなくなったら、俺を信じろ。お前を信じる俺を信じろ!」
漢の教科書グレンラガンより、カミナの兄貴のありがた〜いお言葉を拝借し、俺なりにグレイシャーに活を入れる。
これで幾分かマシになるはずだ。
後はコイツが動くかどうかだ。
「んじゃ、俺は俺なりにやれることやってくる。覚悟が決まれば来い」
そう言い残し、俺は渡された日記帳を確認しながら歩む。
囚われていった愚かなアホどもを救うべくして。
手始めに日記帳を見てやろう。
俺は近場の椅子に座り、日記帳を開く。
「えぇっと何々……?」
日記帳には、「宝のありかは時が教えてくれる。光のある光の刺さない世界の中心は特に輝いている」と書いてあった。
中二病のポエムかな?
それにしても宝のありかは時が教える?
光のある光の刺さない世界?
その中心が特に輝いてる?
……ニハハハ!
「もうむりぃ……」
頭から黒煙を上げ、椅子から滑り落ちていく。
俺の脳内CPUをフル活用させたとしても、流石に無理だ。
推理は嫌いだ。
「……まぁいいや。とりま時間確認しに行こ」
今どんくらい時間が立ったのか、取り敢えず確認しておきたい。
その一心で俺はエントランスへと足を運んだ。
―――――――――――――――
場面は変わってグレイシャーの方。
俺がビンタしたとこを擦りながら、グレイシャーは迷っていた。
自分が本当にやれるような存在なのか。
俺のことを……ゼットの事を信じて良いのかと迷っていた。
「……あ、あの猪狩君!」
悩み、また頭を下げるグレイシャーに、オーちゃんが勇気を持って話しかける。
「ボクは猪狩君の凄いところ知ってるよ!身体能力が高かったり、戦闘センスが高かったり……」
「ははっ、須藤はお世辞が上手だな。……でも良いんだ。俺は」
「お世辞なんかじゃないよ!」
珍しく声を張り上げ、オーちゃんはグレイシャーの言葉を遮る。
こんな姿は初めて見たゾ。
そして、今度はオーちゃんが過去のことを語りだす。
「……覚えてる?ボク達の学校の、サッカー部の最終試合。あの時、最後に逆転ゴール決めたの猪狩君だったよね?」
「で、でもあれは偶然で……」
「偶然なんかじゃないよ。猪狩君には、ここぞって時に決める勝負強さみたいなのがあるんだよ!ボクはそうやって確信してるよ」
「……そうか……そうかもな」
オーちゃんの言葉により、さらに思いが揺らぐグレイシャー。
それにしてもオーちゃんはよく見てる。
多分リアルでもストーキングしてたのだろう。
恐ろしい娘だ。
「……それに、ゼットさんは本気で猪狩君の事を信じてるよ。だってあの人、そういう嘘つかないからさ」
「そう……なのか」
……なんか照れるな。
それはさておき、少しばかし間が空き、グレイシャーは自分の頬を叩き、決意を入れる。
「……行こう須藤。後悔しない選択をするために」
「うん!……あ、ゼットさんがどこの道行ったかわかる?」
「……わからん」
「「……」」
……へっぽこしかいねぇや。
もう良い。
場面こっちに戻そう。
―――――――――――――――
皆見てこれ。
古時計にもたれ掛かったらズレて横に動いたんだよ。
んでその後ろに扉出てきちゃったんだよ。
ヤバくね?
その奥階段あるし……多分これだよな正解。
「……とりま入るか」
怪しさ満点ではあるものの、何事も動かなければ始まらないもの。
何かがいる事を本能的に察知しているため、疑いつつ中に入る。
そこには、黒魔術師のNPCが居た。
……折角だ。
俺のスニーキングスキルを見せてy
「……む?貴様何者だ」
どうやら俺のスニーキングスキルはゴミだったようだ。
やっぱメテオラに教わろう。
「まぁなんだ……俺は通りすがりの者だ」
少し……というか無茶苦茶嘘ではあるが、まぁいいだろう。
俺の言葉に、黒魔術師は疑い深く俺を見て言った。
「……嘘だな。お前もどうせ宝目当てのドブネズミだろう」
「ドブネズミってかバッタだけど……まぁ宝は探してるぜ」
「ならば、アヤツ等と同じのようだな」
そう言うと、黒魔術師は空中にとある映像を映し出す。
そこには、キリトやエースちゃんにナオちゃん。
そんでもって『真紅の牙』の面々も。
「……ふーん。ソイツ等、どうするつもりだ?」
「魂を奪い、我が神に捧げる。当然のことだろう?宝を奪おうとする愚かな者たちなのだからな」
「……」
どうやら頭のいかれた野郎だったようだ。
そんなくだらん理由で俺の仲間を捕らえたのだ。
そう考えると、意識せずとも拳を強く握る。
そこから血が溢れ出してくる。
「……貴様を敵と認知し、ここで捕らえる!いでよ、ヘドロ人形共!」
黒魔術師が杖を振りかざすと、ヘドロ人形共が出現しだす。
その数ざっと見た感じで10体ほど。
「いいぜ……やってやんよ」
いつも通りのファイティングポーズを構える。
だが、このヘドロ人形共は物理ダメージが効かない。
が、斬撃は効くらしい。
……そうだ!
「……折角の機会だ。ちょいとタイムラインをいじくってやろうじゃねぇか…………フンッ!」
そう言い、俺は何もないとこに向かい拳を放った。
次の瞬間、拳を放った箇所に空間に歪みが生じ、窓ガラスのように砕け散る。
そこに手を突っ込み、とある物を出現させる。
そこから出現させたのは、真っ赤な片太刀鋏。
「これぞ別のタイムライン上の俺の武器……名は《片太刀鋏》!」
多分今頃、その別のタイムライン上の俺は戸惑っていることだろう。
――――――――――――
「あっれぇ〜?」
「どうしたんだゼータ」
「いやさ……私の片太刀鋏知らない?」
「見てないが……無くしたのか?」
「それがそうらしくてね……何処だろ?」
――――――――――――
なんか別人っぽいけど……まぁいっか。
どことな〜く俺っぽいし。
ただ……言えることは1つだな。
その
……閑話休題。
取り寄せた片太刀鋏を相手に向けて翳し、落ち着いた声で宣言する。
「そんじゃ……行くぞ」
瞳を赤く光らせ、泥人形共を抹殺するべくして、黒魔術師の首を狩るべくして駆け出した。
次回は戦闘回になりま〜す
是非ともゼットの説教シーンでは「通りすがりの仮面ライダーだ」を流してくださいな……
作品名で「武器無し」とかほざいてるくせにバリバリ武器使ってる件について
あの片太刀鋏については機械好き様の方を見てもらえりゃわかりますよ
ちなみに……
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=305154&uid=425209
こちらでオリジナルの『オーグメント』を募集しております
……とはいえ、没になる可能性のほうがとってもあります
これからの作者次第です
そのかわり、幸せの形は採用しようかな〜と考えております