SAO〜その武器無し、ENJOY勢〜   作:ポンノ

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よぉ
久しぶり
作者流にセリフ変えて試行錯誤してたら長くなっちゃったぜ☆

考えてもみてくれ
仮面大佐様のまるまるコピったやつなんて、面白くないだろ?
俺は俺のギャグスタイルで鬼ごっこを書かせてもらう!


2話 何が悲しくてこんな事を……!(主犯)

 

 ……さて、観客席の様子も見れたようだし、そろそろ始めようか。

 

 今、デスゲームよりも残酷なゲームが開始しようとしている。

 上空に浮かび上がったデジタルタイマーは、3分30秒を示す。

 

「さて……んじゃ、行きますか!」

「「「「おお!」」」」

 

 俺の宣言とともに皆が逃げ出し、タイマーは進む。

 30秒経ってからお嬢様が解き放たれるルールで、逃げる時間は3分間。

 

 

 

 さて、ゲームを開始する前に1つだけ宣言しておこう。

 一種の前書きみたいなもんだと捉えてくれるとありがたい。

 

 多分、いや確実に明日の俺は死ぬ。

 そりゃ、キリトやエックスから恨みを買ってるからという理由もあるにゃあるんだが……。

 それとは違う理由で、俺は明日行動不能になる。

 

 その理由はとても簡単。

 

「行きますわよぉ〜〜っ!!」

 

 追いかけてくるのは筋肉モリモリマッチョマンのお嬢様。

 体力的にも、腹筋的にも死ぬ。

 てか声が面白すぎる。

 普段通りの声でこの喋り方。

 腹筋を崩壊させるためには充分すぎる。

 

「やべぇ……」

「普通の鬼ごっこよりも怖いなぁ……」

 

 ダブル剣士の怯える声が聞こえる。

 パネェくらいに面白い。

 どうやら参加者の声はVC機能ですべて聞こえるらしく、皆の戸惑い怯える声が聞こえる。

 

 あぁ愉悦。

 今ならあのヤベェ女の気持ちがわかる……

 

 ――いや、そんな事ねぇわ。

 あんなのと同じ思考になるとか嫌だ。

 滅びろエイチ。

 

 ……さて、いつもの脳内雑談が進み続ける中、尊厳破壊ゲームも進んでいる。

 俺はと言えば、持ち前の跳躍力で一番風を感じやすいところにスタンバりつつ状況を眺めている。

 

 正直な話、俺も観客席でエースちゃんと一緒にゲラ笑いしていたかった。

 とは言え、「見るだけのゲーム」以上に面白くないものはない。

 ゲームはプレイしてこそだ。

 

「キリトさんそっちはやばいです。エギルさん……いえ、エギルお嬢様が居ました」

「……マジか」

 

 ボイスチャットから聞こえる友人の少ない二人組の会話。

 ナチュラルに「エギルお嬢様」とか言う面白すぎるワードを作ってるのはさておき、どうやら二人の近くにエギルが居るようだ。

 なんとかその光景を目撃すべく、二人がいる方向を見る。

 

 エックスの前にエギル現る。

 さぁ、終わりの始まりだ。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 ガチ悲鳴を上げ、全速力で走るエックス。

 しかし現実……まぁこの世界は仮想現実ではあるんだが、それは置いといて……それは虚しいものだ。

 このエックスという男、とても遅い。

 

「タッチですわ!」

「ああぁぁっ!!!」

「よし!これで、道連れですわよ!」

 

 野太い声で喜びをあらわにするエギル。

 それにしても「道連れ」って……。

 ……強ち間違いじゃねぇか。 

 

 かくしてエックスの尊厳も消えた。

 エックスがお嬢様化したのを、他のプレイヤーに伝えるべくして通知が鳴る。

 

「エックス、捕まったの!?」

 

 通知を見て認識したのか、カルムが起こってしまった悲劇を憂う。

 そんな俺がやることなんて、1つに決まってるよな!

 

「エックスお嬢様ぁ〜?陰気な君がお嬢様になることなんて出来るのかなぁ〜〜〜???」

 

 煽り立ててやろぜ!

 俺の煽りが多少効いたのか、遠目で分かるほどにプルプルと震えるエックス。

 やべ、ちょいと煽りすぎたか?

 

「おーっほっほっほっ!今すぐその余裕ヅラを泣き顔にしてやりますから楽しみに待ってなさい!」

 

 そんな心配いらんかったわ。

 これが杞憂か。

 てかナチュラルにアイツのターゲット俺になってるし。

 

「声が高い奴が居る……エックス、何でお前そんな乗り気に」

「……こうなったら自棄になるしかないんですわ。どうせあなたもそうなるんですのよ」

「絶対嫌だからな!」

「そう言ってられるのも今のうちですわよ……」

 

 哀れクロボッチ。

 かつては己を助けたエックスは、お嬢様となり、己に仇をなす敵となったのだ。

 哀れクロボッチ。

 

 それはさておき……。

 

「カルムぅ……君も人の不幸で飯が進む主義かい?」

「そうじゃ……そうじゃないんだ……そうじゃないんだけど……面白すぎて……!」

「わかるぜーその気持ち」

 

 隙を見て逃げた俺の隣でプルプルと震えるカルム。 

 先程からセリフも少ないな〜とは思ったが、声を殺して笑っていたのだろうなー……と。 

 多分、コイツも明日俺と同じで行動不能になるだろう。

 

「あ、居た!おーい!」

 

 突如として何者かが俺たちに話しかけ、接近する。

 俺たちはその声に驚きつつ、振り返った。

 そこには……。

 

「ディアベル!」

「ありゃ、生きてたのか」

「辛うじてね……それより、残り時間は見たかい?」

「残り時間?」

 

 ディアベルに言われ、上空に表記されたタイマーを見る。

 

「残り……2分か」

「案外速いのな〜」

「さぁ、今の内に逃げよう!」

 

 そんな感じで、俺とカルム、ディアベルはそれぞれ別方向へと逃げ出した。

 そん時、カルムの逃げる方向だけでも覚えときゃ良かったと、俺は後悔したのは、またあとの話。

 

 さてさて、俺たちが別れて逃げたのと同時刻。

 一人でこっそりと生きてたキリトはというと……。

 

「あら、そこにいますわねぇ……キリトさぁん!」

「やべっ!」

 

 絶体絶命。

 リアル体力無し2人の究極の戦闘が始まる。

 

「待ちやがりくださいまし!」

「口調無理矢理すぎんだろ!」

「うるせぇですわ……あ!あんなとこにアスナさんがいますわ!」

「何だって!?」

 

 エックスの言葉を信じ、エックスが指差す方向を見るキリト。

 その際、自然とその足は止まる。

 

「……何処にも居ないぞ?」

「当たり前ですわぁ!」

 

 エックスの嬉々とする声に、ふと振り向くキリト。

 そこには、満面の笑みでこちらに接近しているエックスが居た。

 

「そんなの、嘘に決まってるじゃありませんのぉ!」

「エックスウゥゥ!!!」

 

 最後にエックスの名を叫び、キリトは捕らえられた。

 かくしてキリトの尊厳も消滅した。

 

「キリトォ!!!」

「畜生……また僕達は救えなかったのか!」

「救う気なんてさらさら無かったけどなー」

 

 捕らえられたショックにより、床に伏すキリト。

 

「もうやだ……俺ここで寝る」

 

 そんなショックだったのか……。

 仕方無い……こーゆー時に俺がやることなんぞ、1つだけだな。

 

「へいへーいキリトお嬢様ぁ!?そこで突っ伏してると、最愛のアスナさんにその姿拝んでもらえないぜぇ!!!……エックス!キリト起こしてやんなさい!」

「了解した!副リーダー!」

 

 今は敵ながら俺の指示に従い、エックスは床で寝続けようとするキリトを無理矢理起こし、何かの言葉を小声で送る。

 

「キリトさん、起きてくださいまし。今あそこで調子乗ってやがるゼットを陥れるチャンスですわよ。協力してアイツを地獄に落としませんこと?」

「……ああ。そいつは、とても素晴らしいじゃないですの」

 

 ……ヤバいかもしれん。

 俺、最初の理由で死ぬことになるかもしれん。

 それも、死期は明日じゃなくて今日みたいだ。

 

 一抹の不安を抱え込む中、俺はある事に気付く。

 

「ありゃ?エギル何処行った?」

 

 そう、エギルの霊圧が消えているのである。

 最も存在感を放つ、あのエギルがだ。

 

「……なんか嫌な予感がするぜ」

「もしかしたらその予感、あってるかもな」

「不穏な事言ってくれるじゃんカルム」

 

 VC越しに、カルムが俺に話しかける。

 そういやアイツ今何処だ?

 まさか隠れてるなんて言う卑怯な事してないよな?

 

「……まぁ安心し給えよカルム。こーゆーゲームってのは、主犯格は捕まらないもんだ!」

「……どうだか」

「刮目せよ」

 

 何が何でも逃げ切って、煽って楽しむ覚悟を決める。

 それが今の俺の最高の楽しみ方だ。

 すると。

 

「……そこに隠れて嫌がりましたのね!ディアベルさぁん!」

「んなぁ!」

 

 ああ、哀れディアベル。

 俺以上に狂気的なエックスに捕まるなんて。

 合掌。

 

「いやぁ〜あと俺たちだけだぜぇ〜カルム」

「嘘だろ……」

「ニハハハ!ところがどっこい!コイツは現実です!このむさ苦しい男たちがお嬢様やってんのは、すべて現実なんだよ!」

「そんな現実嫌だ……」

「無論、お前もそうなるんだぞ☆」

「そいつはどうでしょうか?」

 

 生き残り組の俺とカルムが話す中、今まで会話に参加していなかったエギルの声が聞こえる。

 それも、VCからの声じゃない。

 俺の後ろからだ。

 

「匂い立ちますわぁ……なんかヘルメット被った奴が……いらっしゃいますわね!」

 

 俺の後ろに、ガイナ立ちで威風を吹かすエギルが現れる。

 その姿を見た俺の体が、俺の意識とは別に震える。

 

 そうか、これが恐怖か。

 

「……ニハハハ」

「どうしましたの?諦めが付きましたの?」

「馬鹿言え。俺はエンジョイ……いや、ENJOY勢だぜ?」

 

 ジリジリとにじり寄るエギルに、足に限りない力を込める俺。

 そして、その力を解き放つと共に言う。

 

「こっから逃げて、カルムを囮にして俺だけ生き残る!そして全員嘲笑う!それが今の俺の、俺だけの「生き方(楽しみ方)」だ!」

「あ、待ちやがりくださいまし!」

 

 力を解き放つ、人間の限りある脚力で跳ぶ姿、まさに飛蝗。

 全力で跳び、エギルから距離を離すため階段を飛び降り、右に曲がろうとする俺。

 

 

 

 

 

 ……さて少し話は変わるが、読者諸君は恋愛漫画……もとい少女漫画を見たことはあるかな?

 そんな少女漫画で、よくある事、お約束として、「遅刻する食パン少女」なる場面がある。

 その概要はとても簡単。

 「いっけなーい遅刻遅刻!」なんてベタな台詞を吐きながら、曲がり角で男性とぶつかるとか言う展開だ。

 多分男なら、一回でも妄想したシチュエーションであろう。

 だが、現実というのは残酷だ。 

 そんな事は起こるわけがない。

 

 

 

 ……そう、俺も思っていた。

 この後の展開さえ無ければ。

 

 エギルから逃げるため、右に曲がろうとする俺の身体は、何かと衝突する。

 その勢いで、両者ぶっ飛び、転倒する。

 

「イッテテ〜……!」

「あの、大丈夫ですこと?」

「あぁすんません」

 

 先に起き上がった奴が、俺にそっと手を差し出す。

 優しい人だ。

 きっと、紳士的……いや、騎士的な方なんだろう。

 

 ………おろ?騎士的な奴?

 ふと衝突したのが誰か気になり、そいつの顔を拝む。

 なんとそいつは、騎士的な奴ではなく、実際に騎士なアイツ。

 

「ディアベルじゃないですの!!!」

「まさかこうも簡単に引っ掛けるとは思いませんでしたわ……」

 

 恥ずかしそうに頭をかくディアベル。

 何恥ずかしがってんだこの野郎。

 

「お、やっとこっちに来やがりましたわねクソ副リーダー!」

「ゼットお嬢様ぁ〜〜〜???」

 

 ……あいつ等、ただじゃ置かねぇからな。

 ……まぁいい。

 こうなっちまったからには、こっち側を全力で楽しんでやろう。

 

「……皆様、御免遊ばせ?さぁ、『紫紺の剣士』様を捕まえに参りますわよ?」

 

 いつの間にか変化していたお嬢様の服装のレース部分を掴み、深々とお辞儀する俺。

 ちなみにだがこの言葉、全て自分の意志で発しておりますことよ?

 

「私の信念は何処まで行っても「すべてのゲームをエンジョイしてクリアする」ですので……ね?」

「うわ」

「なんかすごい嫌だ」

 

 なんて酷い奴らだ。

 意図せずともお嬢様言葉になるってのに。

 ……まぁこれも俺の意識なんだけど。

 

「……酷い言われようですわ。まぁ良いです事よ?さぁカルムちゃん?一緒にティーパーティーしませんこと?特級のロールケーキを用意してるんですの」

「絶対に嫌だ!!!」

「そんな嫌がりますこと?」

「ほんっとうになりたくないんですわね……」

 

 頑固な男だ。

 さて、こんな感じで雑談してる間にも、制限時間は刻一刻と迫ってきている。

 不味い。

 このままじゃエースちゃんから託された依頼、「ミトさんにお嬢様姿のカルムを見せる」が達成できない。

 それは何としてでも阻止しなくては……!

 

「隠れるなんて卑怯な事しないでくださいまし!」

「そうですわよ!騎士として恥ずべき事ですわ!」

「キリトお嬢様、あの人隠れてたくせになんか言ってやがりますわ」

「卑怯な男ですわね」

「い、今は無かったことにしてください!」

「とは言え、全く見つかりませんことよ!」

「不味い……!」

 

 未だその姿を現さないカルム。

 そして、遂にその時は来た。

 

 空に表記されたタイマーの示す数が、全て0になる。

 そう、ゲームは終わってしまったのだ。

 

「よし!勝った!」

 

 カルムが遂にその姿を表し、勝利を喜びやがる。

 

「畜生!依頼がぁ!!」

「ようやく終わったようですわね。……って、まだこの口調続くんですのね」

 

 膝から崩れ落ちる俺の横で、エックスが苦言を呈する。

 

 

 

 さてさて、 試合も終わったところで観客席を見てみましょう。

 

「アッハッハッハッハッ!!!ゼットが!!!ゼットがあんな姿になってんの!!!久しぶりに見た!!!」

 

 今まで見たこと無いレベルの大笑いをするエースちゃん。

 それも、あくまで笑ってるのは俺の姿。

 悲しいもんだ。

 それと、腹筋壊さないでね。

 

「キリトくんのお嬢様姿…………「あり」ね」

「アスナ……?」

 

 「変態」の心が浮き上がりだすアスナさんと、唯一の友人が変な方向に進もうとするのを恐れるミトさん。

 ……うん、平和ですね。

 

 

 

 さて、それでは俺くらいしか華のない男子メンバーの方に向かいましょう。

 

 ゲームが終了したことにより、俺達は最初のスタート地点に戻っていた。

 勿論、服装も今までの《特殊防護服》に戻っていた。

 まぁ、コレの上からお嬢様服着せられてたんだけど。

 いや〜暑かった。

 

「ゼット!俺を捕まえるなんて二万年早かったんだよ!」

「煽り厨になっちゃって……とはいえ、これで終わりかぁ〜」

「長く苦しい戦いだった……」

 

 煽るようになってしまったカルムを華麗にスルーすると、エックスがお約束のセリフを発する。

 さぁ、ここでエンディング!

 

 

 

 ……あれ?

 

「……何だ?クエスト完了の通知が来ないぞ」

「一体何が……?」

「あ、みんな告知が来たぞ!えっと、「全員がお嬢様にならないと終わりません」……だって!?」

「は?」

 

 ……どうやらまだ、この尊厳破壊の娯楽は、まだまだ続きそうだ。

 




楽しい楽しい……
こうやって全力のおふざけ書けるのすごい楽しい……

ホントにありがとうございます……仮面大佐様……
もう少し遊びます……
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