SAO〜その武器無し、ENJOY勢〜   作:ポンノ

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えろ……じゃなくて、偉い人は言った

同年代の男女は、取り敢えずくっつかせよ……と
さすれば、幸福は訪れると



さてさて、活動報告の方で募集オリキャラをポンポン出してもらってます私
できたら「こんな活躍が見たい!」とか「ここでの登場が見たい!」とかを出してもらえるとありがたいのですよ
ちなみにオリキャラは随時募集してるんでポンポンください!
俺が喜びます!


7話 『シン・仮面ライダー』

 

 第1層ボスである《イルファング・ザ・コボルトロード》の討伐が達成された。

 僅かな時間を静寂が支配したものの、一人のプレイヤーの喜びの声に呼応し、周りが一斉にはしゃぎだした。

 そんなクリアした俺たちの前に、《Congratulations!!》の表記が映し出される。

 

「……やれたんだな、ボス狩り」

 

 未だに体を駆け巡る風を感じながら、俺は小声で呟く。

 

「ふぅ……最高に清々しい、いい気持ちだ。おかげで心スッキリだ」

 

 そんな優越感とも言えるような気分を感じながらも、《タイフーン》の右横にあるスイッチを押し、《タイフーン》の風車部分がせり上がり、体内を駆け巡っていた《プラーナ》を排出する。

 体から風の音が消え、体の中に残ってた力が消える。

 それと共に、風の音で聞こえなかった何かの“感情”からも解放される。

 

「……何だったんだか、さっきの」

 

 少しの違和感を感じながらも、体内の《プラーナ》が完全に放出されたのを示すように、ヘルメットのクラッシャーが開かれる。

 ヘルメットを外し、ラストアタックボーナス……通称LABを入手する。

 

《BONUS ITEM》

《コートオブミッドナイト》

 

 ……黒コートは間に合ってます。

 

 ……まぁいいか。

 これはアイツに上げますかね。

 

「キリト」

「おん?……うおっと」

 

 オブジェクト化させたコートオブミッドナイトをキリト目掛けて投げ飛ばし、それをキャッチする。

 

「ナイスキャ〜ッチ。……ま、俺にゃもうこの黒コートがあるからな。俺からのささやかなプレゼントってやつだ」

 

 そう言いながら、キリトに接近する俺。

 一応、感謝くらい伝えておかないとな。

 

「助かったぜ、キリト」

「何だよ気持ち悪い……変身のせいで頭可笑しくなったか?……って、可笑しいのはもとからか」

「ライダーキックをご所望かい?黒ぼっち」

 

 俺とキリトの間に稲妻がバチバチと流れる中、それを止めるがために俺たちの頭に鉄拳制裁が下される。

 

「やめんか馬鹿二人!」

「あでっ!」

「いてっ!」

 

 お決まりのパターンである。

 しかし、今回はそれだけでは終わらず、俺の処刑タイムはまだ続くのである。

 ……そう、俺の分は。

 

「んでもってなんの説明もなしで飛び込みやがってよぉぉぁッ!!!」

「ギャァァァア!!!」

 

 迷いなく飛び込んできたエースちゃんは、俺の腕を足で挟み込んで、追い打ちをかけるように自分の手で引き寄せる。

 そう、「腕ひしぎ十字固め」である。

 

「心配かけてんじゃねぇぇぇぇ!!!」

「すんませんでしたァァァァ!!!」

 

 木霊する絶叫と謝罪。

 これが日常になるのだけは避けたいが、多分無理だろう。

 残念です。

 

 さて、腕ひしぎ十字固めが終わり、もはや体が動かなくなるほどにボロボロになった俺のもとに、二人の男性プレイヤーが寄る。

 両方とも、見知った顔になりつつある。

 

「……ハロー、エギル。んでディアベルも」

「よぉ、ゼット……いや、『仮面ライダー』と呼んだ方がいいか?」

「おまかせする……と言いたいが、戦闘も終わったもんな……ゼット呼びで頼むよ」

「ならゼット。見事な勝利だった、Congratulations!」

 

 エギルから称賛を貰い、それに合わせて周りのプレイヤー達も声を上げる。

 ここまで誰かに認められるというのは、恥ずかしさもあるが、それ以上に嬉しいものだ。

 

「……すまなかった、ゼット」

「だーかーら、謝罪は嫌いなんだよ。そこは感謝だ!」

「……ああ、助かったよ、ゼット。ありがとう!」

「それで良し!」

 

 ディアベルとの関係も良好だな。

 こうして初のボス戦は心スッキリのままで終了!

 

 

 

 

 

 ……というわけにもいかず。

 

「なんでや!」

 

 キバオウの叫びにより、穏やかなムードはぶち壊れてしまった。

 

「何で……何でディアベルはんを見殺しにしようとしたんや!」

 

 憎悪混じりの声と視線が、一人で居るキリトの方に向かう。

 

「見殺し……?」

「せやろが!自分は、ボスの使うスキルを知ってた!何でそれを伝えなかったんや!」

 

 ……どうやら、キリトを悪役にでも仕立て上げたいのだろう。

 これもβテスターの運命って奴か……。

 キバオウの叫びに、お祭りムードだった周囲も、次第に憎悪の感情が現れ、キリトを責める。

 

「きっとあいつ、元βテスターだ!だからボスの技も全部知ってたんだ!」

 

 「βテスターだから」という理由は、もうあの会議以降聞くはずは無いと思ってたんだがな……。

 

「……嫌な気分だ」

 

 ただ、そう呟くことしか、今の俺には気力が無かった。

 

 アスナさんやエギルが荒れるキバオウを宥めようとする中、とある男の笑い声が聞こえた。

 

「あっはっはっはっはっはっはっはっは!!」

 

 狂ったかのような笑い声。

 その声の正体は、キリトであった。

 実際狂ったボッチだから、そういう笑い方しても可笑しくはないんだが。

 突然その笑い方をするのは心臓に悪い。

 

「……元βテスターだって?俺をあんな素人連中と一緒にしないでもらいたいな」

「な、何やと!?」

 

 そっからのキリトの演説は、聞くに耐えない内容だった。

 

 元βテスターの奴らよりも、今のプレイヤーたちの方が強いこと、自分はβテストで、他のプレイヤーよりも先に進んでいたから刀スキルがわかったということ、そのおかげで情報屋の情報は必要ないということなどなど。

 

 ほんと、聞く価値もないような下らない話であった。

 

 キリトが行ったのは俗に言う「自己犠牲」。

 自分の身を犠牲にし、他のβテスターを庇ったのだろう。

 

 そんなしょうもない話を聞いたキバオウ達は、怒りをあらわにしながら言葉を紡ぐ。

 

「な、なんや、それ……そんなんβテスターどころやないやんか……もうチートや!チーターやろ!そんなん!」

「そうだそうだ!」

「ベーターのチーター、だからビーターだ!」

 

 変な語呂合わせも出来てしまっている。

 

「ビーター……いい呼び名だな、それ」

 

 嘘だろキリト。

 新しく出来た呼び名を聞き、少し気分が高揚したのか、俺が投げ渡したコートオブミッドナイトを着用しつつ、語る。

 

「そうだ。今日から俺はビーターだ。これからはあんな奴らと一緒にしないでもらうぞ」

 

 ……ホント、調子に乗ってやがる。

 そうして、キリトは先に進むために第2層へと繋がる階段に足を進める。

 

「……待てよキリトぉ」 

 

 声をかけて、前へと進むキリトの足を止める。

 

「お前だけで目立ちやがってよぉ……」

 

 その理由なんて、とても簡単なものだ。

 

「俺も混ぜろよ」

 

 1人より2人、2人よりも3人って奴だな。

 まぁ3人も要らないけど。

 突然立ち上がった俺に、今度はヘイトが向かう。

 

「な、何だ!そのビーターを擁護するのか!?」

「ま、そんなとこだな。少なくとも、お前らの味方をするよりも楽しそうだ」

 

 俺の行動原理なんぞ、「楽しそうか否か」。

 そうでなけりゃ、楽しい人生を送ることはできない。

 俺のその発言で、さらにバッシングは加速する。

 

「た、楽しそうだって……!」

「ふざけんな!こんなデスゲーム中に楽しんでられるか!」

「それで何が仮面ライダーだ!」

「お前なんて、偽りの仮面ライダーだ!!」

 

 偽りの仮面ライダー……ね。

 まぁ、俺にとっちゃ正義だの平和だのは厄介なだけだしな。

 あながち間違いではない。

 

 

 

 

 

 ……だが。

 

「偽りってのは気に入らねぇな……そうだ、こう名乗ろう」

 

 床に置いておいた仮面を被り、微かに残った《プラーナ》でヘルメットのクラッシャーを展開させ、その目を光らせる。

 そして、宣言する。

 

「俺の名はライダー……『シン・仮面ライダー』と名乗らせてもらう。己の(sin)を背負って、己の信ずる信念を貫く、真なる仮面ライダー……略して『シン・仮面ライダー』だ」

「……そして、私がそのストッパーってわけね」

 

 カッコつけて名乗った俺の隣に、エースちゃんが現れる。

 

「そういうこった。……んじゃ、第2層の転移門はアクティベートしといてやるよ」

「せいぜい死なないように……ね?」

「では……さらばだ」

 

 そう言い残し、俺とエースちゃんはキリトよりも先に第2層へと足を進めたのだった。

 

―――――――――――――――

 

「エースちゃんよぉ……ホントに良かったのか?」

「何がさ?」

「俺に付いてきちゃってさ」

 

 ただ、俺の手を取り、隣で歩いてくれるエースちゃんに、俺はそう尋ねる。

 エースちゃんはここに付いてくる必要なんてものは無かったのだが、来てくれた。

 間違いなく心強いのだが、本当に良いのだろうか……と。

 そう訝しんでしまう。

 

「はぁ〜……わかった。ちょっとこっち向いて」

「ほいほ〜い……んむっ!」

 

 気だるげにエースちゃんの方を向く俺の唇を、エースちゃんは大胆に奪う。

 時間だけで見れば、とてもとても短いキスであったが、体感時間はそうじゃない。

 それよりももっと長く、より長く、終わりがないとでも感じられるほどの、それ程の幸せを、幸福を、安らぎを感じれた。

 

「「…………ぷはっ」」

 

 永遠のようで一瞬。

 一瞬のようで永遠。

 

 そんな瞬間が、今、エースちゃんの手によって終わることになる。

 そして、小悪魔じみた悪戯な笑顔で俺に優しく尋ねる。

 

「……さて、気持ちには気付いてくれた?」

「そりゃもう……嫌と言うほどに」

「ならよし」

 

 ぶっきらぼうに、目を逸らしながら答えた俺に微笑むエースちゃん。

 彼女の引っ張る手の強さが、先程よりも強くなったのを感じる。

 

「もうわかってるとは思うけど、私はこの選択に、この人生に後悔なんてしてないよ。……もっとも、アンタと会って、ゲーマーの道に引きずり込んだのも」

「……さいですか」

 

 その言葉を聞き、小っ恥ずかしくなる俺。

 とは言え、エースちゃんの思いを聞いたんだ。

 俺も伝えないと。

 

「……俺もさ」

「うん?」

「エースちゃんに会えて……アルちゃんに会えてホントに良かったってさ、ずーっと思ってる」

「……そこで本名は卑怯だよ」

「先にキスした癖に何言ってんだか……」

 

 互いに顔を赤くする中、俺の通知欄で何かが鳴る。

 その音は、ビーター宣言をしてどっか行った……というより置いていったアイツと出会った時と同じ音をしていた。

 

《SECRET MISSION達成》

 

 そう、シークレットミッションである。

 そしてその内容を確認する。

 

《互いの思いを伝え、『信念』を貫く覚悟を決める》

 

 ……ほーんと、俺専用ミッションだよな、コレ。

 

《BONUS ITEM》

《オートバイ:サイクロン号》

 

 ほら、内容も俺専用。

 

 

 

 

 

 ……おん?

 オートバイ?

 それもサイクロン号だって?

 

「……今来んのかよ」

 

 小声で呟きながらも、アイテムボックスから《サイクロン号》をオブジェクト化させる。

 そこに現れたのは、初代仮面ライダーのサイクロン号と類似しているが、何処か違う《サイクロン号》であった。

 

「さ、行こうぜエースちゃん。俺たちの道を……俺たちの旅を」

「……ああ、行こう!私たちだけの旅を!」

 

 こうしてエースちゃんは俺の後ろに、赤いヘルメットを装着してから乗り込み、エンジンを吹かす。

 俺の仮面も、いつの間にか元々のフルフェイス方ヘルメットに変わっていた。

 大方、《プラーナ》が抜けきったのだろう。

 

 

 

 ――誰も居ないフィールドを駆け抜ける二人乗りのバイクの影。

 その姿は、まさしく『風』であり、『嵐』。

 誰にも追いつけない程の速さで、2人だけの旅を進めている。

 

 

 

 そのバイクの運転手を、仮面を付けた英雄を、人は『シン・仮面ライダー』と呼ぶ。

 いずれ、この果てのないデスゲームの世界に、最大の終止符を打つ男の名である。

 




(sin)を背負って、信じる信念貫く、真なる仮面ライダーってことでお一つ……

……さて、今までの後書きやら前書きで言ってました「曇らせ」何ですが、勿論やるにゃやるんですが、「晴れ」ますので



何せ、作者はただの曇り空は嫌いなので
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