ネットのオモチャすぎる最強探索者〜毒親の英才教育から解放された俺、超有名配信者と共に圧倒的なミーム力を駆使して最難関ダンジョンの最深部を目指す   作:ぱんまつり

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第十一話 ボスフロア

 俺たちは追い立てられるように螺旋階段を降りてゆく。

 一段、また一段と降るたびに周囲の光は輝きを増し、氷は鉄のように金属質の音を鳴らし始める。

 

 五十メートルほど進めば氷は透過能力を失い、完全に銀と見分けがつかなくなり体感温度もやや肌寒い程度で終着した。

 

 

 ──奈落の底が見えた。

 

 

 タマキに目で合図をして予め回収しておいた氷のツブテをそっと投げれば、やはり金属質な甲高い音が返ってくる。

 

 

 ──罠の気配はなし。

 

 

 進むしかないので、俺は背中の大剣に触れて最後の一段を降りる。

 

 マグマに足を下ろした時よりも慎重に。

 爪先が──触れる。

 

 この瞬間、体感したことのないプレッシャーが指先から爆速で駆け上がってくる。

 

 

 これは────殺意だ。

 

 

 本能に従って大剣を抜き払い、()()を打つ。

 過去一で()()、腕が痺れる。

 

 うぉん、と風斬る音がなり、背後の螺旋階段が崩落する。

 

「や──っぶ!」

 

 転がり落ちてきたタマキが地面とキスをすると同時に鼓動の音が止まった。

 大剣は構えたまま。

 追撃は無し。

 下ろし、地に鋒を着けて歩みを開始する。

 

「いってて〜、びっくりびっくり。何事さね」

「ダンジョンボスの先制攻撃だろう」

「マ? 突然階段がぶっ壊れたようにしか見えなかったですぜ?」

「俺にも見えなかったな。それほど攻撃が速かったか、特殊な手段だったってことだ」

「むぅ、厄介じゃん」

 

 初撃を凌いでから一分を経ても次がないので、空間を注意深く観察する。

 

 まず、目を引くのはシェルターのような質感の壁と人工的な照明の数々だ。

 天井にぶら下がる照明達の光が漏れなく魔素によって生成されていなければ、本当に人の手によって作られたものだと結論付けていたことだろう。

 

「なーんかSFチックでワクワクするね」

「そうか?」

 

 ……俺が目を逸らしたのは壁に埋め込まれた大小様々な銃。

 ここはまるで武器庫──いや、武器の墓場だ。

 槍や弓、剣に刀、銃に爆弾。

 人類史を凄惨に彩るそれらが何処か哀愁漂う面持ちで、壁にぎゅうぎゅうと押し込まれている。

 

 そんな人の戦意を煮詰めたようなボスエリアの中央にて、()()()は待っていた。

 

 

 体長四メートルはゆうに越すバケモノだ。

 

 槍や弓、剣に刀、銃に爆弾──これらをヤケクソに組み上げて型取られた機人(ゴーレム)とでも呼称すればいいだろうか?

 形容するならば、それが一番近いだろう。

 

「やっとだ……ぃやっと来てくれた」

 

 バケモノが歓喜に震えたように身を捩った。

 

 驚くべきかな、発せられたのは少女の声だ。

 

「終わる……これで、悪夢が終わる……かも」

 

 人の身体ほどある黒鉄の両腕を、まるで目元を拭うようなに動かした後、ぎぎぎ──と軋む音と共に間から薄緑色の髪をした少女の顔と白く華奢な上半身が現れた。

 衣ひとつ纏わぬ肌には黒々とした痛々しい血管が葉脈のように走っている。

 

 そのせいか少女の顔は苦悶に歪んでいるようにも見えた。

 

「お前は」

「キミは……」

 

 どくんッ──ゴーレムを中心にして鋼鉄の大地にヒビが走り、

 

 

『探索者()()()。ダンジョンの主』

 

 

 少女の声が地鳴りへと変容する。

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