エロゲー乙女たちの欲望全開ダンジョンバトル!!   作:はめるん用

5 / 8
練習用リローデッド。

 エロゲーだろうとゲームはゲーム、しっかり遊べるようなシステムで売り出すのが開発者の誉れじゃっどッ!! 

 と、そんなスタッフの心意気により隷属ハーレムマイスターはサウンドノベル形式ではなく戦略シミュレーションとして世に出されることになった。

 

 ダメージ=攻撃力-防御力という旧時代から現代まで多くの開発者に愛される画期的な計算式を取り入れることで、乱数に頼らないロジカルな戦闘を楽しめるようバランスが調整されている本作は歯応え抜群と評判であった。

 もちろん味方の命中率95%が外れて敵の5%必殺の一撃が当たるという伝統芸能も体験することが可能であり、若い世代のゲーマーにも「100と0以外は信用してはならない」という心構えがしっかりと伝わっていることだろう。

 

 

 さて、そんな黄金計算式がこの世界にどのように反映されているかというと──。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

「アッハハァッ!! 今日のアタシは当たるとイタイかんねぇッ!! さぁさぁドンドンかかってこいってのッ!! 全員まとめてデート代にしてやるからさぁッ!!」

 

「「グギィッ!?」」

 

 欲望を一切隠すことなく愛用の槍をブンブン振り回す雑賀ナルミ。

 力任せにザコ敵であるゴブリン戦士を片っ端から斬り捨てる様は、もはや狂戦士と呼ばれる一歩手前である。

 

 が。人間とは不思議なもので心が欲望まみれなときほど頭だけ何故か冷静に物事を考える、などという器用な真似が出来るときがあるのだ。

 

(ゴブリン戦士のHPは10。アタシの力は4で粗鉄の槍の攻撃力は5。1発イイのが出ない限りイチ足りなかった。でも、リンちゃんが鍛えたこの槍なら──ッ!!)

 

 見た目はなんの変哲もない粗鉄の槍。

 

 しかし装備してみればあら不思議、粗鉄の槍に『ダメージ+1』という追加効果が確認できる。

 

 とにかく2回攻撃しなければならなかったのが、斬っても突いてもブッ叩いても一撃で倒せるようになったのであるッ!! 

 ダメージ計算がしやすい世界の理(システム)の中で生きる者にとって、この違いを無視できる者などいるはずがなかったッ!! 

 

(これはもうアレじゃね? リンちゃんも完璧パーペキにデートにノリ気ってことでイイよね? だってこんな、いかにも「しっかり稼いでね♪」ってレベルでドンピシャな装備に仕上げてくれたんだよ? これもう完全に誘ってるよね?)

 

 そんなワケがないッ!! 

 

 水族館へのお出かけは武器が仕上がったあとで約束したモノなのだから、因果関係が逆である。

 だがしかし、一撃でテンポよくモンスターを倒せることで気分がハイになっているナルミでは気付けない。

 

 もちろん序盤のザコとして登場するゴブリン戦士のドロップアイテムである。

 普通ならテンションが微妙なラインで維持される程度に値段は安い。

 

 だが数をこなせるのであれば話は変わる。

 

 たとえ1匹辺りの稼ぎが雀の涙ほどしかなかったとしても、安全に連戦が出来るのであれば下手に強いモンスターに挑むよりも楽に稼げるだろう。

 なにせ一撃で倒せるのであれば反撃を受けるリスクも無くなるし、回復アイテム等を使い過ぎて赤字になることもないのだから。

 

 

 ◇◆◇◆

 

 

「つれぇわー。楽勝過ぎてマジつれぇわー。こんなんじゃ稼げる女アピールが完璧過ぎて、下手したらリンちゃんから逆告白されるかもしんねぇわー。……念のため、薬局でアレ買っとこうかな。いや、別にね? そーゆーイベントになんて全然期待してないけどね? やっぱ淑女の嗜みっつーか、リスクマネジメントって探索者の基本みたいなトコあるし? 別に『アレ』用意してるってことでリンちゃんのソッチ意識のハードル下がるといいな~とか思ってねーし?」

 

 これは彼女が特別なのではない。

 

 それは誰もが通る道である。

 

 それは授業中に突然モンスターが乱入してきた想定で、ひとり無双して鮮やかに撃退したあと気になる男の子に熱視線を向けられて……といった想像を楽しんだことのない女子などいるワケがない。

 違いがあるとすれば「君のおかげで助かったよ! なんて素敵な女性なんだ! 僕と付き合って下さい!」といチヤホヤされたいパターンか、あるいは「お前がグズグズしていたせいで危険な目にあったじゃないか! 跪いて詫びてみせろ卑しい雌ブタが!」と罵られたいパターンに分かれることぐらいだろう。

 

 もちろん主人公である信貴山カナメはどちらも上手に使いこなせるので安心して欲しい。

 

 

「や、やっぱりここは女らしくアタシのほうから堂々と誘うほうがイイよね……? さすがにホテルはお金が余裕でムリだし……その、い、いくら受け入れオッケーだからって、男の子にさぁ、こう『部屋に行ってもいい?』とか聞くのはガツガツし過ぎだし……」

 

 ここに来て雑賀ナルミ、怖じ気付く……ッ!! まさかの正解の選択肢を見送り……ッ!!

 だが予想できるはずがない……ッ!! 水澄リンドウが転生者であり、妄想などではなく事実としてウェルカムであることなど……ッ!! 

 

「ま、まぁ……捕らぬ狸のナントナって諺もあるし、まずはしっかりお金を稼いでから考えなきゃだよね、うん。──うん?」

 

 

 

 

「フフフッ!! さぁ、ゴブリンどもッ! 私に素材アイテムをひとつ残らず献上しなさいッ! 余計なひと言によるマイナスを帳消しにして、むしろプラス方向で大きく抜きん出るための礎にしてあげましょうッ!! もしくは抜いて刺して出させるような関係を──おや?」

 

 

 

 

「追加オプションを、追加オプションをぉぉッ! ウチには心と身体を癒して濡れる、じゃなくて癒してくれる特別なサービスが必要なんだよオラァァンッ!! じゃけん親に内緒で通販で買っておいたコスプレ衣裳も着せましょうね~♪ ニッヒッヒッ! ──あん?」

 

 

 

 

 この世界の日本にも、当然ながらこの諺は存在する。

 

 類は友を呼ぶ、と──。




なんとなく世界観は伝わったと思うので、ここからは作者の書きやすい短めザク切りスタイルでの投稿になります。

「そんなチマチマ読んでられねーよッ!! まどろっこしいッ!!」と言う方は、次のお盆休みあたりにまとめ読みしていただければ解決するかと。
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