俺は雨の中走ってる頭おかしい奴を発見した。あいつバカなんかな?
雨のせいで最悪なバ場にもかかわらず、なかなかのスピードで走り続けてる──バカなんかな?
明日選抜レースだぞ?雨の中走るとか絶対体壊すじゃん。あいつバカだわ(確信)
しかし、バカのくせにかなり速いな……デビューもまだなのにあのスピードでこのバ場を走るとか、かなりの逸材か?だとしたら使えるぞ。
俺自身、担当は2~4人位いればかなり稼げると踏んでいる。
担当になるのは強い奴に限るが、G1をポンポン勝てるようなウマ娘はそうはいない。
歴史に名前を残すようなウマ娘を一人担当すれば、トレーナーに入ってくる金も目が飛び出る額だろう。だが、そのようなウマ娘達は総じてクセが強い……言わば個性的なのだ。そんな面倒な奴の担当になんぞ俺はなりたくない。
扱いづらい奴一人担当して頭抱えるよりも、扱いやすいバカ数人の方がマシだ。それに、G1かG2を適度に勝てる奴数人の担当になれば歴史に名を残すウマ娘達とも変わらない金額になる。稼ぐには質より量だ。あいつも適当なこと言えばのこのついてくるだろ。バカだし。
この男、自分の欲ばかりでウマ娘の事など一切考えてない。まず、雨の中走ってるウマ娘をバカと断定するのが速すぎる。あの子に何かあったと考える方が普通ではないだろうか?色眼鏡で物事を見すぎである。
雨の中、外に出るのは面倒だが声かけに行ってくるか。選抜レースじゃないから他のトレーナーが声をかける心配ないしラッキーだな、こんな早く担当が見つかるとか……ようやく朝の不幸とのバランスとれてきたじゃん。
俺はあのウマ娘に声をかけるべく傘を差して外に向かった。近づいたことで、だんだん走っているバカ娘の姿が鮮明に見えてきた。
(まずは第一印象が大事だからな!クールイケメンの本領発揮するときが来たぜぇぇ!!!見せてやるよ!!我が人生の集大成!!!!『外見は冷静沈着だが、内に情熱を秘めた謎のトレーナー』というキャラ設定の真骨頂をなぁぁぁぁ!!!!)
───俺がそう意気込んでいると、あの娘の違和感に気づいた。
(ん?……何かあいつ見覚えあるぞ? いやいや、そんな偶然あるわけが………ん~???センスが終わってる帽子に雨の中を全力疾走するイカれ具合……もしかして───)
───俺、担当ではなく復讐相手を見つける。
あの長い黒髪に変な帽子。間違いない、俺の高級スーツびちょびちょにしたクソボケ娘だ。
まさか……まさか、こんなにも早く復讐相手を見つけられるとは思わなかったぜぇぇぇぇ!!!落とし前はつけさせてもらうぞクソォォアマァァァァァァ!!!!!お前のせいでトレセン学園に最悪な形で踏み入れちまったんだぞ!!?どうしてくれんだテメェ!?
「あはは……駄目だな、私も」
久住が復讐の鬼と化してるとき、少女が何かを呟いた。空を見上げ涙を流し、雨に打たれながら佇むその姿はとても絵になっていて、美しいとすら思う。だが、それは
(ン?………何か泣いてる!?雨ん中走り回った後に空見上げて泣くって頭おかしいんじゃねぇの!!?気持ち悪ぅぅぅ……俺今からあのアタオカに話しかけんの??何か変な事呟いてるし……病院行った方が良いんじゃね? 雨に打たれたから頭の回路が逝かれたのか? 可哀想に(合掌))
───めちゃくちゃ煽っていた。雨に濡れながら泣いている少女を見て煽り散らかすのは、トレーナー以前に人としてどうなのだろうか。
(ハッハッハッハッ!しかし泣き顔見れてお兄さん上機嫌だわ。好感度マイナスからゼロに近いマイナスになったぞ!!!まぁ近くなったと言ってもゼロとは天と地の差だけどな。俺の高級スーツびちょびちょにした時点で、お前の好感度がプラスになることはない!!)
外見は無表情だが、内心は罵詈雑言。しかし内心の罵倒が一切表れない。器用な男である。
相手がこの女となればスカウトする気はないが……こいつは泣くような思いをしたんだろう。てことは、この女にとってマイナスな思いということになる。だが、こいつの事が嫌いな俺にとってそれはプラス!!飯うまだ。泣いてた理由聞いて嘲笑っとこ。内容によってはご飯三杯はいける。
そして───
「何している、風邪を引くぞ」
クズすぎる理由からシービーに話しかけた久住。
この日から『ミスターシービー』の運命の歯車が回りだす。
そして、この日からクズの地獄への片道列車も走り始めた。(ざまぁ)
誰かぁぁぁぁぁ!!オラに文字数をわけてくれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
文字数少なくてすいません(ドゲザ)
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