鋼の錬筋術師 -ニクメタルアルケミスト- 作:ベルゼバビデブ
予めご了承ください。
そして本作のジャンルは…コメデ…否!!筋肉です!!!
俺と弟のアルは「賢者の石」を探して旅をしている。今はアメストリスの東側の街を虱潰しに探して周っている所だ。何か手掛かりの一つでもあれば良いんだが…
『…汝は太陽神の代理人にして汝らが父…』
飲食店に置かれたラジオから聞こえてきたのは何やら小難しく神聖風な言葉。アルも聞いていたらしく、首を傾げている。
「ラジオで宗教放送?」
「神の代理人…って、なんだこりゃ?」
俺も疑問を口にしてみるが、俺達以外は特に不思議がっていない所を見ると、どうやらこの街にとってこのラジオの内容は普通のことらしい。
「なぁ、この放送なに?」
俺が飲食店の店主に尋ねると、俺らの顔を見て納得したらしく、説明を始めた。
「あんたらここらじゃ見ない顔だからな。旅行者だろ?コーネロ様を知らないのも無理はないな」
コーネロ…聞き覚えの無い名前だ。
「誰?」
「コーネロ教主様さ。太陽神レトの代理人!数年前にこの街に現れて俺達に神の道を説いてくださったすばらしい方さ!奇跡の業も使えるんだぜ!」
周りの人間もコーネロという人物を崇拝しているらしく、賛辞の言葉が途切れない。ふうん…奇跡の業ね…。
「…って聴いてねぇなボウズ」
「うん。宗教興味無いし。」
俺は錬金術師、神や奇跡なんかには興味は無い。すると、店に一人の女性がやってきた。
「こんにちはおじさん。いつものをお願いします。…あら、この辺では見かけない…旅の方?」
「あぁ、探しものの途中でね」
俺が答えている間に店主はテキパキと品物を紙袋に詰めており、終わったものを女性に渡していた。紙袋を受け取った女性は俺に笑い掛けてくる。
「探しものが見つかるといいですね。レト神の御加護がありますように!」
そう告げて去っていった女性の背中が遠くなった頃、不意に店主が口を開く。
「ロゼもすっかり明るくなったなぁ…」
店主の呟きに周りの客が「教主様のおかげだ」と返事をしている。何やら訳ありらしい。
店主に聞いたところ、さっきのロゼって女の人は身寄りもない1人者で、しかも事故で恋人を亡くしたらしい。そしてそれを救ったのが教主。なんでも『生きる者には不滅の魂を、死せるものには復活を』だとか。
「うさん臭ぇな…。」
俺達が教会に向かっていると、街の中に人だかりができている事に気が付いた。人々の視線の先を見ると1人のガタイの良い神父の様な男が手を挙げているのが見える。すると人々は「教主様!」と声をあげ、「奇跡の業を!」と叫んでいた。どうやらあのおっさんがコーネロ様とやららしい。
すると、コーネロはひらひらと舞う花びらを1つ掴むと、錬金術の光を迸らせると次の瞬間大きな向日葵の花を掲げていた。
「今の変成反応は錬金術…だがそれにしては法則が…」
そんな俺の呟きに気が付いたらしく、さっきのロゼって人が声を掛けてきた。
「お二人とも来てらしたのですね。どうです!まさに奇跡の力でしょう。コーネロ様は太陽神の御子です!」
自分のことかのようにドヤ顔をキメているロゼを無視し、錬金術使いのペテン師であろうコーネロについて考える。等価交換の法則を無視していることから…もしかして賢者の石を持っているのかもしれない…!へっ、早速探しものが見つかるとはな…!
俺はロゼにわざとらしく笑顔を見せて話しかけた。
「おねぇさん、ボクこの宗教に興味持っちゃったなぁ!ぜひ教主様とお話ししたいんだけど案内してくれるぅ?」
その言葉にロゼは祈る様に手を合わせ微笑んだ。どうやら上手くいったらしい。
「まぁ!それは素晴らしいことです!」
チョロいな。
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ロゼから二人が教主に会いたがっていると聞いた男は一旦三人を待たせ、教主のもとへ向かっていた。
「教主、面会を求める者が来ております。確かエルリック兄弟と名乗っていましたが…」
エルリックの名を聞いた教主は困り果てたように頭に手をやった。
「エルリック兄弟…!兄は確か…鋼の錬金術師のエドワード・エルリックか…!まずい事になった!軍の狗め…よほど鼻が良いとみえる」
『○○の錬金術師』と聞けばそれが国家錬金術師と呼ばれる高い実力を持った錬金術師である事など誰もが知っている。故に男もコーネロ同様に焦った。
「まさか我々の計画が…。追い返しますか?」
しかしコーネロは首を横に振る。
「それではかえってあやしまれよう。それに追い返したところでまた来るだろうし…奴らはここには来なかった…というのはどうか?」
コーネロがニヤリと笑うと男も釣られる様にニヤリと笑った。
いかに国家錬金術師と言えども、死ねば二度と口を開けまい、と。
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教主様とやらの使いがようやく戻ってきた。追い返される可能性も考えていたが、どうやら案内してくれるらしい。そして俺達が扉を通過すると、すぐに扉が閉じられた。…きな臭いな。
「教主様は忙しい身でなかなか時間がとれないのですがあなた方は運がいい。」
「わるいね。なるべく長話しないようにするからさ」
そう答えた瞬間、男は銃を片手に振り返っていた。
「ええ、すぐ終わらせてしまいましょう、このように!」
男はアルに向けて発砲し、俺は棒を持つ二人の男による拘束を受けていた。
「師兄!何をなさるのですか!」
俺達への突然の行動にロゼは困惑しているようだ。その様子を見ればロゼはグルではなく、あくまで利用されているだけだと言うのが分かった。まぁ、ロゼの問いに師兄と呼ばれた男は答えない。いや、答えれない。何故か。簡単な話さ。
「ひどいことしますネ…」
そう、アルが男をボコボコにしていたからである。あまりにも早い殴打にその場にいた俺以外誰も気が付かなかっただろう。俺も拘束してきた男達に裏拳を叩き込んだため、この場では俺達兄弟とロゼしか意識を保っていない。
「どうなって…確かに銃で撃たれてたのに…」
ロゼは何が起きたのか全く理解できていないようだな。
「どうもこうも…筋肉デス」
そう、アルはその圧倒的筋肉を鍛える最中に会得した凄まじい反射神経と動体視力により、『弾丸キャッチ』を習得しているため、ゼロ距離からの発砲にも対応できるのだ。離れ技のように思えるが、筋肉に不可能はない!それに圧倒的筋肉を用いた拳銃対処法としては初歩中の初歩である。
ロゼに教主の部屋へ案内する様にお願いをしたところ、先ほどの男達の動きに疑問を覚えたらしく案内してくれた。
「ロゼ、あんたはアルの後ろにいてくれ」
「…?わかりました。」
俺が扉を開けようとしたところ、扉は勝手に開いた。そして俺達三人が中に入ると勝手に閉まった。どうやら部屋の中から操作しているらしい。
「神聖なる我が教会へようこそ。教義を受けにきたのかね?ん?」
コーネロは杖を片手に階段の手摺りに手を掛け微笑んでいた。俺はコーネロを睨みつける。
「賢者の石を使って法則を無視した錬成をして信者を騙すとはね…石はその指輪だったりして」
その言葉にコーネロは微笑むのをやめた。図星か、やっと見つけたぜ…!
「…流石は国家錬金術師か、ご名と…」「アル!」「オーケーブラザー!」
インチキ教主の言葉なんぞ待ってられるか。俺はアルに教主の方向へと投擲してもらった。
「なっ!?」
「賢者の石をよこしな!」
コーネロの奴は焦ったように手足をばたつかせていたが、直ぐに自分の背後にあるレバーを下に引いていた。すると、音と共に壁が開き中から合成獣が現れた。
が、だからと言って俺は止まらない。そのままの勢いでコーネロに拳を叩き込む!
「ぐはァ!?」
ぶっ飛んだコーネロはすぐに俺を指差し合成獣に命令を下していた。
「ぐぅ…や、やれ!合成獣!」
しかし、合成獣は動かない。
「…!?何をしている!鉄をも切断する爪を味合わせてやれ!」
コーネロは叫ぶが合成獣は勘弁してくれという表情でコーネロを振り返ると首をブンブンと横に振っていた。中々賢い合成獣だな。
「馬鹿な…!何故動かない!」
「理由が知りたいか?それは…筋肉だ。」
「なんて?」
合成獣が動かない理由…それも筋肉である。
合成されているとはいえ合成獣は獣。獣である以上、理性のある人間よりも本能が強い。つまり、鍛えに鍛えた筋肉によって圧倒的強者である俺達兄弟に逆らうなど本能が拒否するのだ。故に合成獣は俺達へ攻撃などできないのである。
「ぐぬぬ…この役立たずめ…!」
へっ、自らの肉体を鍛えなかったお前が悪いぜ。俺はサイドチェストをコーネロに見せつけた。見ろ、俺の圧倒的筋肉をよ!
「行くぞド三流。筋力の違いってやつをみせてやる!」
ここでとんでもない事実が発覚。現時点でエルリック兄弟が錬金術を使っていない。
〜オマケ 登場人物紹介〜
●エドワード エルリック
「鋼の錬金術師」の異名を持つ国家錬金術師。因みに「鋼のような筋肉を持つ錬金術師」のためこの異名になった。
見た目は基本的に原作通りだが、5体満足。
細マッチョな少年にしか見えないが、実態は超圧縮筋肉のため、絶大的な筋肉量を誇る。
因みに、筋トレのし過ぎで背は伸び悩んだ。牛乳に対して特に苦手意識はなく、カルシウム補給のあめ愛飲している。
●アルフォンス エルリック
兄と異なり国家錬金術師ではないが優秀な錬金術師。
見た目は基本的に原作通りではないし、5体満足。
兄と異なり爆発的筋肉量が惜しげもなく全身に盛りに盛られたゴリマッチョ。結果として兄よりも年齢こそ低いが体格は原作のオーガアーマーレベル。
因みに、肌は黒光りしてるし髪型もスキンヘッド。だがまぁ特におかしなところはない。おかしなところはない、いいね?