堕落勇者に立ち上がり -ギフト・ソード・ワールド-   作:はんペソ。

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エピローグ

エピローグ

 

 

あれから三年が経った。人国へと帰った当初は魔人三人への当たりは強かった。だがバリゲッドが「勇者が死にそうになった時に助けてくれた魔王討伐の最優秀者なのだ」と説明をした、それにより多少は良くなったがまだ酷い物だった。

 

だが三人の善行の数々や人生譚、そして二世代前の勇者一行の一人である僧侶とその孫、前勇者の嫁が現れた事により民衆の意見は大きく変わった。

そして三年の時を経てようやく三人は対等に扱われるようになって来た、そのタイミングでそれぞれの生き方を選ぶことになった。

 

そして人国では魔王国との和解という一大計画が進められていた。民衆も三人の事を深く知る事により解像度を深め魔王国の住人は人国の住人と何も変わらないのだと自覚してきた頃だったのだ。

 

 

「おーいファンタスティア!それ取って!」

 

「しょうがないなぁ」

 

バリゲッドとファンタスティアは二人で城下町の鍛冶屋を継いだ。腕も磨き今ではガリキガラク出身で一番の実力者と言っても差し支えないだろう。

 

「では私は行って来るぞ」

 

「分かった!気を付けろよ!」

 

シュワレペントゥは城下町で力仕事などを請け負い生計を立てていた。人柄も良くなにより動物らしい見た目をしているのでちびっ子達に大人気だ。

そんなシュワレペントゥが向かう先はカリアストロ付近だ。そこには赤髪のおっさん、その奥さん、そして黒髪の女の子が一緒に暮らしている。

 

「メルトちゃんも生活に慣れて来たね!」

 

「はい。ところでユーは何をしてるんだ?」

 

メルトはアレキサンダーに跨って何かの支度をしている前勇者[ユーデンガル・クレシュティーン]に話しかける。

 

「その呼び方よめろって。んで今から城下町に行く、あいつらが死んだ日だからな。死体は無いが墓に行く、あと入れ違いでにゃん太郎が来るらしいからな」

 

「そうなのか!分かった!」

 

メルトは友達が来ると知ってとてもご機嫌だ。そんなメルトを置いてユーデンガルはアレキサンダーを発進させた。

そしてガリキガラクを越え門へと到着した。アレキサンダーと共に検問を突破しバリゲッドがいる鍛冶屋へと向かった。

 

「来たぞー」

 

「あ!じゃあファンタスティア、頼んだよ」

 

「分かった。行ってらっしゃい」

 

バリゲッドはユーデンガルと共に墓へと向かう。

そして墓に花をやった。

 

「もう三年か。速いなー」

 

「そうですね...」

 

「なーに浮かない顔してんだ」

 

「...二人共、嬉しそうでした。俺の盾を二人に渡しに行った時既に死んでいました、だけど二人はとても嬉しそうに死んでたんです」

 

「ラックも、ゴドルフィンも同じだった。俺はあんな所で死んで何が嬉しいんだか理解できない、したくもない。だがあいつらにとっては最高の死に場所だったんだろう、あんだけ嬉しそうに死んでたんだからな。そうでなきゃ説明が出来ない」

 

「そうですね...三年間は大変でした。三人はもう大丈夫そうですけど魔人に対する偏見や差別は未だこびり付いている、でももう終わりも間近だ」

 

「そうだな。だけど今からが一番しんどいぞ?」

 

「分かってますよ!」

 

「あぁ。んじゃ帰ろうぜ。美味いもんが食いてぇ」

 

「じゃあ今日は俺の奢りで」

 

「よっしゃ!やったなアレキサンダー!」

 

「わんっ!!」

 

二人と一匹の姿は遠くへ行ってしまった。だがその背中には後悔などの文字は無かった、そもそもそんな事を考えている暇はないのだ。これからが本番だ、人国と魔王国を繋ぐのだ。

勇者一行の生き残り、[バリゲッド・アーケイン]が主となって。

 

 

「いやー面白かった!」

 

「そうかい、次も面白そうな世界があったら飛ばしてあげるよ」

 

「マジか!やった!けどもう魔王みたいな責任が伴う職業はやめてくれよ、生きてる間は教師やってたんだからスローライフ送らせてくれ」

 

「うーん..やだ!」

 

「えーいいじゃん!」

 

「じゃあ雑談はこんな所で終わりにしようか、本命が来た」

 

「私がまるで本命じゃないみたいな言い方だな!」

 

「そうだよー」

 

「何だと!...まぁいい。じゃ、あいつが何て言ったかも教えてくれよー」

 

一人の姿が消えた。それと同時にその空間に一人が現れた。

白くもあり赤でもあり青でもある、見れば見る程気味悪い色がうごめきひしめき合っているその空間に飛ばされたのは他の誰でもない、[勇者-アルス・ラングレット]だ。

 

「ここは?」

 

「やぁ、アルス君」

 

「...あぁ。貴女が神か」

 

「物分かりが良いねぇ。じゃとりあえずそこに座りたまえ」

 

神は指を鳴らした。するとアルスのすぐそばに椅子が出現した。アルスは驚きながらも大人しく座った。すると目の間に机とティーカップが出現しいつの間にか神が対面に座っている。

 

「自分で作った世界でも見逃してたりするんだよねーだから詳細を教えてよ。君の人生譚の」

 

「いいですけど。その前に質問をしてもいいですか」

 

「良いよー」

 

「ラックって...」

 

「私が一番最初に作った世界に[ラック・ツルユ]と言う男が誕生した。私はその男の生きざまを非常に気に入った、だから君がいる世界『ギフト・ソード・ワールド』にもコピーを作った。そしてその駒に命令を与えどうなるかを見ていた、ってだけさ」

 

「やっぱりそうだったのか..ラックが駒って話をしたあたりで気づいてたんですよ。この世界は何者かによって創り出されたんじゃないかって」

 

「おぉ!凄いね。でも最近仮想から生み出された創造世界って気付いちゃう奴が多いなーもうちょっと見直そうかな」

 

「そんな事はどうでもいいです。早くリリアの元に行きたいんですけど」

 

あぁ、分かった分かった。話してくれたまえ、駄目勇者..いや何か違うな...うーん...そうだ。こう名付けよう。とても楽しみだよ。その話の名はそう、

 

『堕落勇者の立ち上がり』

 

 

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