晴政の日記   作:かいっち

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今回から色々なよその子が定期的に出るかもしれません
ネタが生まれ次第生産しているので偏る可能性もあります。ご了承ください。


3月23日 〜爆破炸裂の熱烈たる夜〜

エニグマ、それは未知なる化け物。

ハニーを求め人々を喰らう謎の生命体である。

いきなり街中に現れる個体も居れば、何処かしらを根城にしていて訪問者を喰らい尽くす個体もいる。

しかしどのような個体であろうとも、我々Bee隊員は討伐しなければならない。

如何なる理由があろうとも────

 

「…………今回のターゲットは随分奇妙な輩だこと」

本部から久々に討伐の依頼が飛んできた。

先日騒ぎを起こしてから謹慎処分を受けていたが、ようやく許されたらしい。

有難い話である。

そして今回のターゲットだが、どうやら山奥の廃工場を根城としているらしい。

既に誰かが討伐に向かったようだが、一人では心配との事で急遽僕が援軍として向かう事となったのだ。

 

「しかし一人で討伐しに行くなんてな……余程腕の立つ輩なのだろう……会えたら手合わせさせて貰えないかねぇ」

 

いつものように独り言を嘆きながら廃工場へと急ぐ。

今回も何事も無ければ良いのだが……

 

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人が立ち入る事など一切無いような秘境の山奥。そんな辺鄙な場所に、かなりボロボロの廃墟の工場があった。

到着するや否や、思い切りドアを蹴飛ばして中へと突入する。

 

「……流石にそう簡単に姿を現してはくれないよねぇ」

 

微かに差し込む日の光りを頼りに、暗く不気味な廊下の奥へと進んでいく。

奥へと進んでいくうちに、微かな声が聞こえ始める。

 

「───!!!────いよ!!!─────いいのさ!?」

「…………先に来てた奴か、バカデカい声で助かった」

 

声を頼りに進んでいくと大きな扉へと辿り着いた。

この向こうに声の主が居るのは間違いないだろう。

念の為刀を構えて、ドアを開けようとした時───

 

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!蜘蛛ぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

 

ドアが独りでに開かれ、中から赤茶髪の青年が号泣しながら飛び出してくる。

 

「うぉっ、びっくりした……いきなり出てくんn…………」

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!今度は人型ぁぁぁぁぁ!!!!!」

「……僕を化け物と勘違いしてる?」

 

自分以外に人が居るとは思わなかったのだろう。鉢合わせた瞬間またしても驚き号泣しながら鎖鎌を振り回してくる。

僕は咄嗟に刀で鎖鎌を弾き、首筋に刀を添える。

 

「落ち着け、援軍だ、敵じゃぁない」

「いやいやいやいや絶賛打首直前ですけど!?この状況でそう言われて信じるやつがあるか!!!」

「いやそれは君が鎖鎌を振り回すから……」

 

その後何とか誤解を解き、改めて現状を確認する。

 

「改めて、僕は常夜 晴政。特攻部隊所属の隊員だ。

夜に紛れる者、とか呼ばれてる」

「ブフォwあのなんかちょっとイタそうな異名の???

なんだ君がその人だったのかぁ

あ、俺は盟伝(めいでん) 凛龍(りんりゅ)!同じ特攻部隊だよ!」

「……今笑ったよな」

 

コイツあまりにも自由でぶっ飛び過ぎてる、晴明以上に。

こういうのに絡まれると碌な事が無いので、さっさと片付けて退散してしまいたい。

 

「で、敵の情報とかなんか分かるんか?」

「えとー、なんかデカい蜘蛛」

「分かった、狩るか」

「ちょぉぉぉぉっと待った!?いくらなんでも行動が早すぎるんじゃないかボーイ!?もっとこう対策練ってからさ!!!」

「さっさと狩って次んとこ行きたいんだよ……」

「もー!せっかち!せっかちはホモなんだぞ!」

 

あー言えばこー言う、本当に手に負えない。

僕は凛龍を無視して先へと進んでいく。

 

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「ねー、ホントにノープランで行くつもり???幾らなんでも無謀過ぎるって、早死するよ???」

「やかましい、口内に銃弾叩き込むぞ」

「いやん♡いきなりハード♡おっさんまだ心の準備がッ♡」

「…………………………」

 

呆れと怒りが限界を迎えようとした時、遂にターゲットが現れる。

 

「キィィィィィ!!!!!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!あの蜘蛛だぁぁぁ!?」

「やかましい!!!少しは黙れねぇのか!!!」

 

珍しく非戦闘状態で怒鳴り散らかす。そして八つ当たりかの如くライフルをエニグマに向けて乱射する。

しかし硬い皮膚に阻まれ、全て弾かれる。

 

「無闇矢鱈に攻撃しちゃ弾の無駄でしょ!ちゃんと弱点探してそこに叩き込まなきゃ………………」

「喋るんじゃぁねぇよ臆病者が、さっきから耳障りなんだよクソが」

「ヒィン♡」

 

ドスの効いた声で暴言を垂れ流すも、どうやら逆効果らしい。

しかし完全に戦闘モードに入った彼にとっては知ったことではない。

銃弾、ナイフ、刀、爆弾、大鎌、メリケンサック。

多種多様な武器で弱点を探るも、導き出された答えは────

 

「……どれも効かないし、弱点部位も存在しない、か」

「そ、よく分かったねぇ

俺も色んなの試してみたけど全くダメ、詰みだよこんなの」

「爆弾は少し効いたような気はしたけどな、ホントわずかだけど」

「えマジで?だったらちょっと試したい事あんだけど」

 

すると凛龍は何故か丸眼鏡と白髭をつけ、白衣を着て棒を持ちながら、エニグマの後ろにある数本の管を差す。

 

「あそこに何本か配管があるじゃろ?

あそこにはガスが通ってるみたいなのじゃ

君の銃であのうちの一本に穴を開けて欲しいのじゃ

その後爆弾をあやつに投げ込むのじゃ

あとはワシがどうにかするからのう」

 

ウザ過ぎてまともに聞いてられないが、大まかにやりたい事は理解出来た。

しかしさっきから疑問なのだが、僕らが悠長に作戦を練っている間、敵は僕らが見えてないのか、部屋の中のあちこちを探し回っている。

そして、記憶によれば凛龍の瞳は綺麗な青緑をしていたはずだが、今は赤くなっている。

まさかこれは…………

 

「何ぼーっとしてんのー!!!起きろー!!!まだ昼の3時だぞー!!!」

「あぁ、悪ぃ、考え事」

「考え事って……もしかして俺について!?キャーーー!!!!!!!」

「……さっさとやるぞ」

 

半ば強引に無視して、スナイパーライフルを構え、配管に向けて『数発』銃弾を叩き込む。

穴の空いた配管からは忽ちガスが漏れだし、瞬く間に部屋中に充満していくのが分かる。

そして銃弾の音に気づいたのか、エニグマがこちらに向かって物凄いスピードで迫ってくる。

 

「悪いが僕はあまり虫を好まないんだ……爆ぜろ」

 

スナイパーライフルから爆弾に切り替え、エニグマにぶつけ、爆発させる。

すると漏れ出たガスと見事に合わさって大爆発を起こす。

そして、僕らは盾で爆風を防ぐ。

 

「なんだ、案外大した奴じゃぁ無かったな」

「チョイチョイチョイ、戦場で行う慢心は死に繋がるものって古事記にも書いてあるでしょ、アホだなぁ

敵が確実に死んだの確認するまでは気を抜かないこと!」

 

そう言われエニグマの方を見ると、確かにまだ動いている。どうやら自身に引火した火を消そうとしてるようだ。

しかし半分くらい鎮火したところで、火を消すのを辞めてこちらに狙いを定める。

 

「あっは、火消すの諦めたみたい、かわいそー」

 

そう言う凛龍の目は先程より一層赤くなっているように見える。

やはりこれが────

 

再び思考に入ろうとした時、再び爆発が、それも二度も三度も起こる。

そして想定していたより火の勢いが強く、エニグマは瞬く間に焦げて消えていった。

 

「なぁ……なんかヤバくね?思ってたより」

「だよね!?なんで……って!なんで配管三本も穴開けてんの!?一本って言ったよね!?」

「あ……悪ぃ、聞いてなかった」

 

元はこの程度で鎮火する想定でいたようなのだが、一向に鎮まる気配は無いどころかどんどん勢いが増していく。

そしてこの部屋に入った時、部屋の隅に大量の爆発物があったのを見つけている。

つまり────

 

「このままだと凄まじい大爆発起こすくね……」

「そうだよ!!!マジで何してくれちゃってんの!?このアホ!マヌケ!」

「つべこべ言ってねぇで退散するぞ雑魚」

 

そのまま出口に向かって一目散に走り出す。

と同時に後ろの方から大きな爆発音がする。

どんどん迫り来る爆発音から必死に逃げ続ける。

 

「もぉぉぉ!!!なんでこうなるのぉぉぉ!!!」

「悪かったって!!!今回ばかりは僕が悪い!!!」

 

途中凄まじい熱風に襲われるも、何とか出口へと辿り着き、飛び出す。

直後、工場全体の至る所で爆発が発生し、周囲は瞬く間に火の海と化す。

 

「ヒッヒッフー……死ぬかと思ったぁ……」

「はぁ……はぁ……もうこういうのは御免だね…………」

 

その後、一通り状況をメモしてまとめ、さっさと帰路につく。

とにかく早くこの厄介者から離れたかったので貴重なハニーを使いつつ最速で帰る。

 

「……報告書は後でまとめあげりゃいいし、今日の分の飯もあるから買い出しも不要

うっし、今日のやる事はもう無いかな……またエニグマ発生が出たら話は別だけど」

「そだな〜。取り敢えず腹減ったしなんか食わない?」

「それもそ……っていつまで居るんだよお前。はよ帰れよ」

「あらヤダ♡永遠を誓い合った仲じゃない♡」

「はいはいしれっと嘘ついて僕の家で飯食おうとすんな」

 

何故かめちゃくちゃコイツが着いてくるようになった。ふざけんな。

尚工場の大爆発は晴明の火遊びのせいにしておいたらすんなり信じてくれた。

反省も後悔もしていない。

 

To be continued

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