晴政の日記   作:かいっち

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微BL注意(?)
時系列がかなり飛びますがご了承ください。
前話から数年経過したとお考えください。
※晴政くんには御相手がおります。


3月25日 〜生離死別の悲運なる夜〜

「はぁ……どうしてこうも使い走りのような扱い受けなきゃなんねぇんだ……」

「しょうがないだろ!元はと言えば晴政くんが機材壊したのが悪いんじゃんか!」

「……へいへい、すみませんでしたーーー」

 

今日も今日とて軽い言い合いをし合う二人の青年。

夜に紛れる者として知られる晴政と彼の同居人、凛龍である。

今日は上層部からの命令でショッピングモールに買い物に来ているのだ。

事の経緯は数時間前、上層部から任務の為にとある機材を借りていたのだが、晴政が誤って壊してしまい、換えの部品を頼まれたと共にその他雑貨もついでに買ってくるよう命令されたのである。

 

「てかそもそも凛龍が作業の邪魔しなけりゃこうはならんかったんだが…………」

「邪魔……♡って、ちっがーう!晴政くんがぜーんぜん作業終わらせないんだから暇で暇で仕方なかったの!」

「それが逆に作業を遅らせる原因になってたのにな…………」

 

ギャーギャー言い合う二人だったが、ふと晴政が何かを聞き取る。

 

「……ん?なんか泣き声しない?」

「晴政くんのバカー!!!」

「いやお前の泣き声じゃない、女の子の声……?」

「へ?あ、マジじゃん、ちょっと何泣かせてんの晴政くーん」

「あのなぁ…………」

 

いつも通り凛龍を無視し、声のする方に向かっていく。

そこには確かに、幼い女の子が膝を抱えて泣いていた。

怖がらせないため、凛龍がいつもの軽いノリで話しかけてみる。

 

「へいガール!そんなところでなんで泣いてるんだーい?

何か困った事があるならおじさんに言ってごらんよ〜、あ、飴ちゃんもあるよ」

「……ただの不審者じゃねぇか」

 

恐る恐る顔を上げた少女は二人を凝視する。

すると次の瞬間────

 

「パ……パパーーーー!!!」

 

───突然凛龍に抱き着いたのである。

突然の出来事に、晴政も凛龍も目を丸くし、驚きを隠せずにいる。

しかし女の子は安心したのか、凛龍を抱き締めて号泣している。

 

「ちょちょちょ!?パパ!?

なーんか誰かさんと勘違いしてないかい!?」

「違うくないもん!絶対パパだもん!」

「凛龍…………お前隠し子居たのか……」

「ちっげーよ!こちとら誰とも子供なんか作ったことの無い29歳童貞だぞ!」

「こんなとこでそういう事叫ぶなや……」

 

--------------------------------------------------------------------

 

その後何とか、女の子を泣き止ませることができ、詳しい話を聞くことにする。

 

「えと……まずお名前教えてくれる〜?」

「晴華……常夜(とこや) 晴華(はるか)!!!」

「常夜ぁ!?」

「え……はい!?」

 

またしても目を丸くし、驚きを隠せないでいる二人に対し、晴華と名乗る少女はキョトンと首を傾げている。

 

「晴政くん!?俺に隠れて子供………………」

「いや違うから!僕がそんな事する訳ねぇだろが!」

「私この人知らない…………」

「な!?ほらな!?」

「……怪しーーー」

 

その後30分くらい質問責めにあったが、何とか誤解を解くことが出来た。心做しか安心していたように見えたのは気の所為であろう。疲れた。

 

「ごめんよー待たせちゃって

それで、晴華ちゃんはどうしてあんなところで泣いちゃってたのかな?」

「えっと……ママとはぐれちゃって……」

「薄々そんな気はしてたが……やっぱり迷子か……」

「でもその代わりパパに会えた!」

「えーっと、だからおじさんはパパじゃなくてぇ……」

「ぜーったいパパだもん!だってそのお帽子のお飾りパパが持ってたやつだもん!」

 

そう言って晴華は凛龍の帽子についてる羽のような飾り物を指差す。

 

「えーっとぉ……晴政くぅん……」

 

涙目になりながら晴政に助けを求める凛龍。

晴政はため息混じりで助け舟を出す。

 

「晴華ちゃん、取り敢えずママも心配してるだろうしさ、一旦ママを探してあげないか?

晴華ちゃんもママを心配させたくはないだろう?」

「うん!ママにもパパが帰ってきた事伝えなきゃ!」

「そうだな……取り敢えず迷子センターにでも行ってみようや」

「うん!」

 

--------------------------------------------------------------------

 

迷子センターに着くと一人の白髪の女性が心配そうに周囲をキョロキョロしていた。

そして晴華達を見つけると一目散に駆け寄ってくる。

 

「晴華……!!!」

「ママー!!!」

 

お互いに泣きながら抱き着き合う二人の後ろで、晴政と凛龍は微笑ましそうに眺める。

ふと、晴華がはしゃぎながら話し始める。

 

「ママ!パパが帰ってきたんだよ!ほら!」

「え……?」

 

そう言って凛龍の手を引っ張る晴華に対し、白髪の女性は悲しそうな瞳で語りかける。

 

「晴華……残念だけど……この方はパパじゃないのよ……

ほら、パパの写真。髪の色が違うでしょう?」

 

そう言いながら首に掛けたペンダントの中の写真を見せる。

それを見た晴華はしょんぼりした様子で凛龍の方を見る。

 

「……ほんとだ」

「ごめんよぉ晴華ちゃん……でもおじさんはパパじゃないって言ったじゃんか……」

「うん……ごめんなさい…………」

 

そう言って晴華は柱の影で膝を抱えてしまう。

それを見た白髪の女性が申し訳無さそうに凛龍達に話しかける。

 

「その……娘が迷惑をおかけしました……」

「いやいや!気にしないでおくんまし!

しかし……晴華ちゃんのお父様は一体何処に言ってしまったんですかい?」

「あ、えと…………実は主人は…………」

 

そこまで言うと女性は俯いてしまう。

 

「あー、ごめんよぉ!変な事聞いちまって!

ほら!晴政くんも謝る!」

「ちょ、僕何もしてない……」

「あっ、ご、ごめんなさい、つい……」

 

二人して謝りあってる中、ふと気になった疑問を投げかけてみる。

 

「そういえばさっきあの子……『常夜』とか言ったが…………

失礼だが、貴方やご主人について少し話を聞かせて貰えないだろうか

僕も……『常夜』の人間なのでね」

 

そう言い、隊員証を見せる。

それを見た女性は驚きながらも、ゆっくりと話し始める。

 

「晴政……さん……確か主人が以前言っていたような……

従兄弟に息子が出来てその名前が晴政だったような気がしましたが……

申し訳ありません、私にはそれくらいしか…………

それと、私は常夜(とこや) 夏羽(なつは)と申します……」

 

それから夏羽は、主人について簡単に話してくれた。

 

「主人は常夜(とこよ) 晴教(はるのり)と申しまして……晴華が産まれる前にエニグマに襲われて…………これが主人の写真です」

 

そう言うと夏羽は、先程のペンダントの写真を見せてくれる。

そこに写っていたのは、凛龍の被る帽子によく似たものを被る、晴政そっくりの青年である。

 

「うっわ……ホント似てる……惚れちゃうかも♡」

「時と場所考えろアホ」

「キャーッ♡」

 

幸いにも夏羽には聞こえてないらしく、首を傾げている。

 

「それで、晴華ちゃんは父親の顔を知らずに育った挙句、父親は長いお出かけをしてると思っているのか……なるほどな……話聞かせてくれてありがとうな」

「いえいえ、私らこそお世話になりました……それでは私達は失礼致しますね……晴華、お家に帰ろう?」

 

未だ柱の影ですすり泣いて出てこない晴華を見て、ふと、晴政はある事を思いつく。

 

「……夏羽さん、もう少し話があるのだが、良いかい?」

「は、はい……?」

 

凛龍には残ってもらい、夏羽を連れて『ある事』について話し合う。

相変わらず凛龍はギャーギャー騒いでいるが無視しておき、『ある事』について夏羽からも同意が得られたので、軽く準備を済ませ、戻る。

 

「もう!俺を置いて何してたの!もしかして浮…………」

「はいはい僕はそんな事しませんよ、それよりその帽子借りてくで」

「いやん♡」

 

猛抗議する凛龍を軽く躱し、サッと帽子を取って被る。

そして、晴華のもとへ行き、話しかける。

 

「晴華」

 

声を掛けられ、晴華は顔を上げる。

彼女の瞳に写ったその姿は────

 

「パ……パ……?」

 

────亡き父、晴教と瓜二つであった。

 

「あぁ、長い事帰って来れなくてごめんよ」

「パパーーーー!!!」

 

その姿を見た晴華は大粒の涙を流し、抱き着く。

 

「寂しかったろう……ホントにごめんよ……でもパパはまだやらなきゃいけない、大事な事があるんだ……」

「だいじな……こと……?」

 

泣きながらも彼の瞳をじっと見つめる晴華。

それに対し彼も、真剣な眼差しで晴華の瞳を見る。

 

「あぁ……多くの人を守る、大事な大事なお仕事さ

いつまでかかるか分からないお仕事なんだ

何十年もかかるかもしれない

でも、パパは必ずお仕事を終わらせて、晴華やママと一緒に過ごせるようになるよ」

「ホント……?ホントに一緒に居られるの……?」

「あぁ……でもその為には、晴華には元気に楽しく過ごしてもらわなきゃいけない

そうじゃないとパパも安心して帰れないからね」

「うん…………わかった!約束!」

「あぁ、約束だ」

 

二人で指切りを交わす。泣いていたはずの晴華もいつの間にか泣き止み、笑顔になっている。

 

「じゃあ、パパは行ってくるよ

元気でな……晴華……」

「うん!行ってらっしゃい!お仕事頑張ってね……!」

 

そしてそのまま晴華達の元を後にし、帽子をとる。

 

「ヒュー、驚いたなぁ晴政くん、まさかあんな事思いつくなんてさぁ?

でも演技は完璧、バッチグーだったよ」

 

後ろから追い付き、親指を立てながら話す凛龍。

 

「まぁ、いつ真実が知られるか分からないが……今はこれでいいだろう

ったく、らしくない事しちまったよ……」

「でも、さっきの晴政くんすっごくかっこよかったと思うけどな〜?惚れ直しちまうよぉ♡」

「やかましい…………しかし、あの夏羽さんって人、相当芯が強そうな人だったな……主人亡くなってもめげずに頑張って晴華ちゃんを育て上げてさ……」

「んね〜、でも晴政くんは俺が居なくなったら間違いなくどーにもならなくなるよねぇ」

「やかましい、ほら早く買い出しの続き行くぞ」

 

そう言いながら、借りてた帽子を被せてやる。

 

「あ!!!やっべ忘れてたぁ……さっさと済ませて土下座しに行くぞ!」

「へいへい……」

 

そう言いながら凛龍は猛スピードで目的の店へと駆けていく。

その姿を見て、晴政はポツンと一言、言葉を漏らす。

 

「…………ったく、お前が一人で居なくなるなんて事はねぇよ、あらゆるもんから僕が護ってやるんだからな」

 

To be continued




お借りしたよその子→鎌倉さん宅の凛龍くん
(https://x.com/kamakura_3n/status/1768201032151249365?s=46&t=EMGPlc9_ZpDaFrO1KV-vOQ)
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