ねずみ男 幻想郷に立つ   作:狸狐

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 こんにちは、狸狐です。
 仕事がひと段落しました。

 この前書きのスペースは、私の近況報告的なものにしようと思います。

 まっじでブリーチ面白過ぎませんか?私はアニメ勢なので、今後の展開がわからないのですが、最新話の剣八がもう…最高よね……。グラミィの空想する能力に、力でゴリ押しとか最高すぎる。
 
 他にも呪術廻戦最高だし、子安さんの声を聞けるだけで最高すぎる。漫画で今後の展開知ってるから、早くあのシーンが見たいです。

 fgoは水着イベントが始まりましたね。勿論、私は爆死です。ですが後悔はしてない!!






第一章 始まり
ようこそ幻想郷へ 巫女と魔女との出会い


 

「幻…想…郷……?」

 

 

 生まれて落ちてから()()()

 一度も聞いたことのないその単語を復唱する。こういった不思議なことは自慢じゃないが、たくさん巻き込まれてきた。目玉の親父からも色々な伝承なども聞いてきた。だが、『幻想郷』という言葉は知らなかった。

 

 

「そう。ここは、人間と妖怪が共存する世界」

 

「人間と妖怪が共存って……出来るわけないでしょ…。あ、あはは」

 

「信じるも信じないもアンタの勝手。私にとってはどーでも良いわ」

 

 

 無関心だった。

 目の前の巫女は、困っている、困惑しているねずみ男なんかに微塵も興味を抱いていないのは表情を見れば、分かる。だが、嘘をついていないのは分かる。数えた事はないが、さまざまな人を騙し続けてきた()()()()は人の表情で大体のことは察することができる。怒り、悲しみ、嘲り、嫉妬、喜び、そして嘘を。

 

 

「けど、とりあえず博麗の巫女として仕事(せつめい)をするわ。面倒だし、一度しか言わないから、ちゃんと聞いてね」

 

「ああ…」

 

「ここではアンタのいた世界を『外の世界』、私たちの世界を『幻想郷』と呼んでいるわ。そしてこの幻想郷は誰も入れないように、ここと外にある博麗神社の『結界』で区切られていて、入ること出ることは出来ない。つまり結界がある限り、私とアンタは出会う事は無い」

 

「あー、あの(かす)れてた字は博麗神社って書かれてたのか。つまり、あれが外の博麗神社だったのね。随分とボロっちかったけど」

 

「しょうがないわ。外にある神社を信仰する人はもういないし」

 

「でもよ、実際に俺たち会ってるよな。もしかして結界壊れたのか?」

 

「私が生きてる限り、結界は壊れないから安心して」

 

「そうなんだ」

 

「はぁ……。だからこそ謎なのよね。ここの結界がある限り、幻想になる以外、入る方法は無いし」

 

「?…幻想?」

 

「あー、簡単にいえば絶滅しかけるとか、色々な人から忘れられるとか。だけど、どう考えてもアンタは例外よね」

 

 

 博麗霊夢の言う通りだ。

 ねずみ男は、山童と共に、突然この博麗神社の庭に現れた。2人同時に転移した例は、今まで一度もない。

 

 

「……アンタ、外で何かした?」

 

「何か…?何かしたっけかな、俺」

 

 

 山童に喧嘩を売ったこと?

 追われたこと?

 逃げたこと?

 いや違う。別に関係ないだろ。いつもの事だし。

 

 そういえば、この博麗神社に似たボロボロの神社を見つけて入ったんだ。何で入ったんだっけ?

 

 あっ──

 

 

「お宝……!!」

 

「お宝?」

 

「そうだよ! 外の博麗神社で鏡を見つけたんだ。その時に山童に襲われて……」

 

「なるほどね。読めたわ…」

 

「何か分かったのか!?」

 

「アンタは外の博麗神社で“御神体”を見つけたのよ」

 

「御神体?あんな古い鏡が・・・?」

 

「アンタは外の博麗神社の御神体に触れた事で結界を歪め、そして超えてきたんだわ」

 

「なるほどなぁ。いやー、俺様の悪運はやっぱり冴えてるネ!こうやって強い巫女に助けてもらえたんだから。後は帰るだけか。霊夢ちゃんなら僕を帰せる?」

 

「帰せる。それも私の仕事の一つだから。だけど御神体に触れた事は覚悟しなさいよ」

 

「覚悟?」

 

「外の廃れた神社とはいえ、仮にもアンタが触れたのは『博麗の御神体』。絶対に何か面倒なことにな、る・・・ぐぅっ!?」

 

 

 突然、霊夢は、突然急激な頭痛に襲われた。今まで一度も病気になったことのない健康体の霊夢は生まれて初めて頭痛を経験する。ガンガンと響く痛みに動けなくなり、そのまま倒れてしまった。

 

 

「だ、大丈夫かっ!?霊夢ちゃん…!?」

 

 

 ねずみ男は身体をゆすってみるが反応はない。手首を触ると、トクトクと脈が動くのを感じる。生きてはいるようだ。直ぐに担ぎ上げ、座布団の上に寝かせた。

 

 

「まっ、無事なら何より。目の前で死なれても夢見が悪いや。にしても、暇になっちったなぁ。起きてくれないと帰れないよ。・・・あっ」

 

 

 家の中に入る。勿論、無断で。

 ねずみ男の人生経験的に、盗みはいくらでもやってきた。家の者がいない間に、夕飯だって盗み食いして完食したことがある。

 

 

「へへへ……足音立てずに歩くのなんて余裕だネェ〜。金目のものも盗んじゃおうかなァ」ゴニョゴニョ

 

「見られてちゃあ意味ないぜ?」

 

「シー……、静かにしてろ。巫女が起きちゃうだろ」

 

「いやぁ…、このグータラ状態なら夕方までは起きねえな」

 

「だから喋るなって・・・・ギョギョギョォッ!?!?」

 

 

 またやってしまった。夢中になると周りが見えなくなってしまう悪い癖。

 ビビり散らかして、後ろを見れば、そこには魔女がいた。本当に魔女らしい、分かりやすい姿。西洋妖怪が一瞬チラつくが、とりあえず手を擦る。

 

 

「えー…と、えっへへ…。き、今日も良い天気です、ね…」

 

「いいよ。媚び売らなくても」

 

 

 魔女も、ねずみ男同様に、家の主人の許可なく家の中に入る。

 そして無断でお茶を飲み始めた。

 

 

「それで何してたんだよ、新入り」

 

「新入り?」

 

「うん。だってお前、外来人だろ。見た事ないし。だから新入り!いやー久しぶりだな!5年前に来た奴は直ぐに食われちまったからな」

 

「く、食われ?」

 

「それで、何やってたんだ?空き巣か?・・・それとも夜這いとか?夜這いはやめといた方がいい。霊夢は色気ないし、ペチャパイだからな!あはは!!」

 

「どっちでもねえよ!!俺をそこら辺の男と同じにすんな!俺は妖怪一、紳士なんだよ!」

 

「はは、わりぃわりぃ。それで何やってたんだ?あんまり悪い事してたらぶっ飛ばすけど?」

 

「ぶっ飛ばすなんて野蛮な……。俺はただ…あー…」

 

「?」

 

「そうっ!地図だよ!地図とか無いかと思ってよ」

 

「地図?んなもん、霊夢は持ってねえぜ。買うより、覚えた方が金がかからないって言ってたな」

 

「マジかー…。ケチすぎるな。はぁ……人がたくさん住んでる場所を見つけたかったのに(棒)」

 

 

 とにかく適当に嘘をつき、演技をした。そんな困った表情を見た魔女はコップに入ったお茶を一気に飲み干す。ゴクンと音と、蝉の鳴き声が染み渡る。

 

 

「ぷはぁっ、ふぅ……。新入りさんよ、里に連れてこうか?」

 

「里?」

 

「んだよ、霊夢のやつ、何も教えてないのか。しょうがない。私が代わりに説明するぜ。幻想郷には、人里っていって、この幻想郷には、人間が住んでる場所があんだよ」

 

 

 魔女は、使い終わったコップを台所に置く。

 そして靴を履き、箒を手に取った。

 

 

「ほら行くぞ。乗りな、新入り」

 

「マジで!?やったーっ!これで暇を潰せるよ。ありがと、ええと……」

 

魔理沙(まりさ)。 霧雨(きりさめ) 魔理沙(まりさ)ってんだ。覚えといて損はないぜ」

 

「魔理沙か、よろしく!俺っちはねずみ男!」

 

「ねずみ男か、こちらこそよろしくだぜ」

 

 

 お互い、挨拶を済ませる。

 そして魔理沙が跨る箒に、ねずみ男も同乗した。

 だが空を飛ぶことはなかった。

 

 

「くっせええええええーーーッ!?!?」

 

「し、失礼な…」

 

「いや、くっせえよ! お前、風呂入った事ないのかよ!?うえぇ〜…」

 

「しょうがねえだろ。俺っち、風呂嫌いだもん」

 

「あり得ない!!ちょっと来い!」

 

 

 魔理沙に導かれて、ねずみ男は博麗神社の裏に連れてかれる。

 そこには亀がいる池。林檎の木。地面から湧き出た天然の『温泉』があった。

 

 

「まさか・・・」

 

「洗ってこい!!」

 

「ちょっ!?あっらぁっ!?」

 

 

 ゲシッと背中を蹴られ、頭から水の中に落ちる。

 ガボガボと沈む。

 すると、どうだろうか。あんなに澄んでいた温泉の色が黒く変色していった。温泉の効能が、ねずみ男の汚れを洗い落としてくれているのだろう。(根拠はないが)

 

 

「おぇ…。きったねぇ……」

 

「がぼぼっ!?ごぼぼっ!!」

 

 

 ねずみ男は泳ぐのはあまり得意ではない。

 バチャバチャと水飛沫をあげて、何とか温泉から脱出する。するとどうだろうか。あんなに生ゴミとドブを混ぜたような匂いを放つ身体から、温泉のいい香りが漂ってくる。時間の問題だろうが、今は何とか落ち着いた。

 

 

「はぁ…はぁ……死ぬかと思った…。・・・・・このクソ(あま)がぁ〜っ!!いつか絶対に仕返ししてやる!!」

 

「そう怒るなよ、ほら」

 

「何よこれ」

 

 

 魔理沙は、こちらを向かずに布を渡してきた。どうやら新しい布だ。色は自分の名前と同じ─“ネズミ色”。そういえば自分が着ているのは、びしょびしょで、何年も前から同じのだからボロボロだ。

 

 

「霊夢の家で使ってなかった布だ。前のやつは汚いし、これを早く着な。見ないから」

 

「勝手に使っていいのか?」

 

「借りるだけだ。永久にな。それよりも早く着ろって!目のやり場に困るんだよ!!」

 

「・・・へ〜」

 

 

 この魔女。意外とウブだ。それに気づいたねずみ男はニヤァっと笑う。何を思いついたのだろう。

 

 

「おーい、魔理沙ちゃん。着替え終わったぜ」

 

「“ちゃん”付けはやめてく──きゃああっ!?!?」

 

「どうしたのン?」

 

「な、なっ、何やってんだっ!? “さっさと服を着ろ””ッ!!」

 

「ぎゃーはっはっはっ!!仕返し成功!!ほれほれ、くらえくらえ。へっへっへ」

 

 

 彼がやった行為。それは詳しく教えない。

 だが、彼は自分よりも若い女性に、『セクハラ』をしたのだ。外の世界でも、幻想郷でも、やってはいけないセクハラを!

 

 

「この変態ッッッ!!」

 

「はうっ!?そこは男の───」

 

 

 

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 

 

 

「おお、絶景だな。こりゃ」

 

「だろー。私も空から見る幻想郷の風景は大好きさ」

 

 

 空から見る景色。

 やはり広大な自然を上空から見るのは気持ちがいい。ねずみ男は魔理沙の後ろ、背中にきっちりと捕まって、空を飛んでいた。

 

 

「見えてきたぞ」

 

「おお!」

 

「あれが人里だ」

 

 

 ゆっくりと下降する2人。

 里と外を区切る門を超えて、ふわりと地面に着いた。箒から降り、足で土を感じると、遂に人里に辿り着いたことを実感する。

 

 

「すげえ…、まるで江戸時代だ」

 

 

 柄にもなく興奮してしまう。

 だがしょうがない。きっと誰もが感動してしまうだろう。この風景、木造平屋建ての建物がずらぁっと並び、着物を着た人々や子供たちが歩き回る、その様子は、今となっては見れないものだから。立ち尽くすねずみ男に魔理沙はポンと肩を叩く。振り向けば、彼女の手には地図が握られていた。いつの間に手に入れたのかは不明だが、これで目的は果たせた。

 

 

「これが地図!?里と博麗神社までの道のりしか書いてねえじゃん」

 

「仕方ないだろ。人間にとって行く場所はそこしかないんだし。わざわざ里から出ることもない。そうなると地図はこうなんだよ」

 

「うへぇ…マジかよ」

 

「んー…目的は果たせたな。それでこの後は、何するつもりだ?乗りかかった船だし、手伝える事なら手伝うぞ」

 

「・・・そうだった。何やろうかな」

 

「んー、…そうだ!この里の守護者の『慧音(けいね)』にまず挨拶に行こう!慧音と仲良くして損はないぜ。絶対に世話になると思うし。今頃なら寺子屋で授業してると思うから連れてってやるよ」

 

「おー、助かるぜ、魔理沙ちゃん」

 

「だーかーらー、“ちゃん”付けはやめてくれよ。ほら行くぞ」

 

「にしても何でこんなに助けてくれるんだい?会ったばかりだろ?」

 

 

 そう言うと、魔理沙は不思議そうな顔をする。

 

 

「んー、あんま考えたことないな。そういうの」

 

「いや普通はな、自分に得があるから助けんだよ。でも見ず知らずの奴を助けるなんて得るもんないだろ?そこら辺が…ちょぉっと、俺にゃあ理解できんな」

 

 

 腕を組み、悩む。少し考えてから屈託のない綺麗な笑顔で答えた。

 

 

「得とか損とかはさ、私にとってどうでもいいのさ。ただ目の前に困っている人がいたら手を差し伸べたいのさ」

 

「き、既視感!!くぅ…まぶしいっ!」

 

 

 親友の姿と重なる。利益になることはしないねずみ男にとって、その笑顔は眩しかった。そっと顔を背けてしまう。

 

 

「けど、頑張りすぎんなよ。全員は助けられないし、結局のところ大事なのは自分自身よ」

 

「何でそんなこと言うんだよー」

 

「そうやって頑張って、心身ともに擦り切れた事がある奴を知ってるからさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのぁ…魔理沙さん」

 

「ん?」

 

 

 2人の会話をしている途中、俺たちの前に、主婦が現れた。お話の邪魔をしてしまっていいのだろうかと考えながら、申し訳なさそうに間に入ってきた。

 

 

「おお!山谷のおばさん!」

 

「お話ししてる所申し訳ないんだけど、ちょっといいかい?」

 

「気にすんなよ。それで、どうしたんだ?」

 

 

 一目見て、頼りにされていることがわかる。

 きっとこの“困っている人を無視できない性分”だからこそ、里の人間たちは彼女を頼りにし、好きなのだろうと察した。

 

 

「実はさ……、昨日、ウチに妖怪が入ったの。食べ物を全部食べられて」

 

「それって本当に妖怪か?ここのルールは妖怪たちは理解してるぞ。ちゃんと警備団の人たちには言ったのか?」

 

「言えないわよ。だって、絶対に人じゃなかったもの」

 

「何で言い切れるんだ?」

 

「だってさ、あの匂いがしたのよ」

 

「匂い?」

 

「腐臭よ…。夏の暑さで生ものが腐ってる?みたいな匂いのする奴が部屋の中で何かしてたのよ。そして私の名前を何度も呼ぶのよぉ。もう怖くて、怖くて」

 

「・・・」

 

「どう考えても人じゃあないわ。ねぇ、ちょっと調査してくれない?厳しいなら巫女様に…。勿論、()()は渡すわ」

 

「お礼なんて──「お任せください!!」」

 

 

 2人の会話に、突然その男は入ってきた。

 彼は魔理沙をグッと押し退けて、山谷婦人の前に出る。

 

 

「あ、あなたは?」

 

(わたくし)! ビビビのねずみ男!と申します!ニヒヒヒッ、以後お見知り置きを!!」

 

「はあ…」

 

「実はこの私、怪奇事件を専門にしている弁護士でして。今、隣で聞いておりましたが、それは確実に妖怪の仕業です!それも邪悪な・・・。早急に手を打たなければ、今度はあなたが被害者第一号に!!」

 

「なっ、ならどうすれば」

 

「全てこの私にお任せください!どんな事件も解決してみせますよ、ケケケケ。勿論、お礼はお忘れなくぅ・・・イデデデ!?」

 

「おばさん、ちょっと待っててねー」

 

 

 魔理沙が、ねずみ男の髭を引っ張った。そのまま路地裏へと連れてかれ、魔理沙にギリッと睨まれる。

 

 

「何を勝手に話を進めてんだ。お礼なんか貰わなくてもいいのに!」

 

「いやー貰えるもんは貰っておかないとダメでしょ。もしかしたら、結構なお宝が貰えるかもしれないし!」

 

「要らねえよ!!てか、ねずみ男、良いのか!寄り道して」

 

「面白いことは優先するのよん!あー!早く見たいナ!不思議なことをよぉー!怪奇趣味が疼いてくるわ!」

 

「なんて、めんどくさいやつ」

 

「それが俺よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

 

 事情を詳しく聞けば、事件が起きたのは昨日、というよりも12時を過ぎたあたりの時間帯であった。この家の主『山谷のり子』は、ニワトリ達の激しい鳴き声で、目が覚めて、庭を覗くと、辺り一面にニワトリの羽が待っているのを発見した。飼っていたニワトリ10羽は全て軒下に隠れてしまい、クマか何かが入ってきたのかと思った。

 

 怯えていると、今度は家の中で物音がする。

 誰かが食糧庫に入ったのだろう。グチャグチャと汚い咀嚼音が、部屋の中に響き渡る。今度は物色する音。金目のものがぢゃらぢゃらと音を立てて。暫くすると、音は聞こえなくなり、最後に──。

 

 

『ゆりぃ〜…ゆりぃ〜…。どごだ…ゆりぃ。めじぃ、めじぃいい』

 

 

 何度も私の名を呼んだ。息を殺し、気配を消す。すると私の名を呼ぶ主はまた闇の中に消えていった。

 

 

 

 

 

────────

 

 

 

 

 2人は山谷宅へと向かった。家の中を調べてみると、確かに壁や床に傷が残っていた。だが予想よりも荒れてはおらず、のり子が1人で片付けをしたのだろうと予想する。

 

 

「うっ…」

 

 

 ねずみ男の体臭とは違う臭さ。だが匂いよりも気持ち悪さを感じた。冷や汗を拭い、吐き気を催してしまう。妖気を感じることはなく、死臭の方が強い。

 

 

「確かに凄い匂いだな」

 

「でしょう。換気しても、なかなか落ちなくて」

 

「そんなに匂うかなぁ」

 

「お前は鼻が壊れてんだよ」

 

 

 フンッと、ねずみ男はそっぽを向く。

 魔理沙は耐えられないと言わんばかりに鼻を押さえた。この匂いは嗅いだことがある。あまり好んでは嗅ぎたくないものだ。

 

 

「おばさん、最近ここで誰か亡くなったかい?」

 

「・・・亡くなった? そ、それなら旦那が」

 

 

 おばさんは仏壇の前にある写真を魔理沙に見せた。厳格そうな表情の写真を見せた。

 基本的に、魔理沙は誰かに固執するタイプでもないため、人の家族構成までは知らない。この山谷家も同様で、このおばさんとは何度か話したり仕事を手伝ったことがあるので面識はあったが、旦那がいることは知らなかった。

 

 

「待て!?まっ、まさかっ、旦那が化けて出たんじゃねえかっ!?」

 

「それは分かんないけど・・・」

 

「そういえば……あの妖怪、『のり』って…。私の事を“のり”って呼ぶのはあの人だけだった……」

 

 

 その場でしゃがみ込むのり子。そしてプルプルと震え出した。しかし無理もないだろう。自分の旦那が、化けて出た可能性があると聞いて、気が滅入ってしまったのだ。

 

 

「あ、あの人は私を恨んでいる…っ、そ、そうよ。きっとそう!」

 

「お、おい。落ち着けよ。ほら、水」

 

 

 ガタガタと震える。心の底から怯えていた。

 だが、魔理沙のおかげで落ち着きを取り戻す。はぁはぁと息を切らしながらも何とか冷静になる。

 

 

「……ありがとう、魔理沙さん」

 

「いいんだよ。それより──」

 

「ええ。そうよね。話しといた方がいいわよね」

 

 

 座布団に座り、ポツポツと過去に何があったのかを話し始める。

 魔理沙は向かいに座った。

 

 

「あの人、大工でね。仕事中の怪我のせいで、ずっと寝たきりだったの。勿論、介護するのは私。毎日毎日、食事に、排泄、お風呂……。それで去年の夏、私はこの日々に疲れて、家から飛び出したの」

 

 

 だんだんと息が荒くなる。

 恐怖、絶望、失意に襲われる。思い出が首を絞めてくる。

 

 

「はぁ…はぁ…っ、そ、そして夜。旦那は『死んでいたわ』。原因は熱中症。私がちゃんと見ていたら、逃げなければ、死なずに済んだはずなのに・・・。旦那はきっと私を殺しにきたのよ……!!あああああっ!!」

 

「おばさん!!」

 

「あららー、ぶっ倒れちゃったよ」

 

 

 気を失ったのり子。魔理沙は、彼女を床に眠らせた。

 きっと、彼女はずっと苦しんでいたのだろう。自分の罪に苛まれて、今まで後悔し続けてきたのだろう。

 

 

「うがー!どうすりゃいいんだよーーー!!大丈夫で済む問題でもないし!私に何ができるんだァァーー!」

 

「やめとけ、何も出来ねえよ。悩むだけ無駄さ」

 

「おい!何でそんな冷たいこと言うんだよ!!」

 

「知ってんのか? 介護に疲れちまうのはな、()()が原因なんだ。ここの連中はどうだ?こうやって困っている人がいるのに手を差し伸べたのか?」

 

「それは知らなかったんだ……っ。それに、おばさんはいつも笑ってたし、困ってる様子なんて……」

 

「だろうな。所詮は、その程度なんだよ。ここの連中も、お前も、助けてって言わないと助けてなんかくれない。本当に苦しんでるやつは声を上げる力がないことを……恵まれてる奴は知らないのさ」

 

 

 ねずみ男の脳裏に幼き日々の思い出が浮かび上がってくる。親はおらず、人間と妖怪からも疎まれて、助けを求める力なんて何も無かった。そうさ、大事なのはいつだって自分だ。

 

 

「悪い、変なこと言った。俺は別なとこ調査するぜ」

 

「・・・っ」

 

 

 

 

 

───

 

 

 

 ねずみ男が向かったのは食糧庫だ。この幻想郷には、どうやら冷蔵庫というものは存在しないらしい。このように暗く、陽が入らない場所で食べ物を保存しているのだ。

 

 

 

──ぎゅるるるるる…

 

 

 

「そういや俺、何も食べてねえんだった。波瀾万丈で飯のこと、すっかり忘れてたな……。あー、腹減った。何かねえかな…」

 

 

 調査という名目で残っている食べ物を探してみる。漬物をつけていたであろう壺の中は空っぽ、吊るしてあった魚もない。だが奥の方をもっとよく見てみると、荒らされ瓦礫だらけの中に、干し柿が転がっていた。

 

 

「おお!これぞ天の恵み…!では、早速いただきまー……ぁっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────

 

 

 

 

 あの後、魔理沙も調査を続けた。家の中には特に何もない。おばさんの言う通り、荒らされた形跡や獣のような爪痕があった。軒下に隠れたニワトリ達は余程怖かったのか、出てこようとしない。こうなったら、また夜まで待つかと考えていると、食糧庫がやけに静かだった。魔理沙は大きな声でねずみ男を呼ぶ。

 

 

「ねずみ男ー、どうだ?」

 

 

 すると、ひょこりと顔を出す。

 へへへっと笑いながら、魔理沙を手招きした。どこかぎこちない、引きつった笑顔ではあったので奇妙ではあった。

 

 

「マーちゃん!やったよやったよ!凄いの見つけちゃったよ!完全にこれは手がかりだぜ!来てみろよー!」

 

「本当か!?」

 

「へへっ…、ほんとほんと!」

 

 

 ねずみ男は食糧庫の奥を指差す。

 中に入ってみれば、この部屋の中の空気はとても冷たく、夏だと言うことを忘れてしまう。しかし、それ以上に、この部屋の中は濃い死臭で満ち溢れていた。

 

 

「うぅっ…、ひどい匂いだ。ねずみ男よく耐えられるな…」

 

「・・・」

 

「ねずみ男…?」

 

 

 振り向けば、彼は食糧庫の戸を閉め始めた。そして困惑する魔理沙に、申し訳なさそうにペコリと頭を下げる。

 

 

「今ですよ!!── 狐者異(こわい)センセェーッ!!」

 

『アアアアーーームゥゥゥーーッ!!』

 

「──っ」

 

 

 誰だって天井に張り付いていると思わないだろ。それにしても、こいつが死臭の原因かよ。そう思った瞬間に、魔理沙は、天井から降ってくる巨大な口にバクンと飲み込まれた。

 

 

『ング…ングング……』

 

「すまねぇ…っ、魔理沙ちゃん…。出会ったばかりだってのにヨ。でも必ず立派な墓建ててやるからな。ちゃんと成仏してくれよぉ〜」

 

 

 ねずみ男は手を合わせて拝む。基本的に誰とでも仲良く接するねずみ男だが、その実、自分の生命に危険がある場合は相手が誰であろうと簡単に寝返る。多少は良心の呵責を感じることもあるが、明日には忘れてしまうだろう。

 

 

「なんまんだぶ…、なんまんだぶ…」

 

『げふぅ〜…。んまんま…。ね、ずみ』

 

「はっ、はい!何でしょうか、大先生!」

 

『もっどもっど。まんま…ぐれ』

 

 

 

 ここで紹介しよう。

 この妖怪の名は── 『狐者異(こわい)』。執着心を持った人間が、死後、この妖怪になると言われている。生前は知らないが、基本的には食欲に取り憑かれており、頭の中には食べることしかない。

 

 姿形は、人間とあまり変わらないが、巨体にはなる。大きな目玉、常に涎まみれの口、獣のような手足が特徴である。

 

 

 

「もっと、と仰られましても。あっ、この家の女主人なんかどうでしょう!無理矢理でも連れてきますよ!」

 

『ぁ、ぅう・・・っ、のりは、ダメ・・・。ぢがうのっ!…もっでごいっ!!じゃないどっ、おまえをぐっでやるうゥゥゥっ!!』

 

「ひぃいい!?魔理沙を食わせたら命を助けてくれる約束ぅ…──って、あれ?どうしたんですか、そのお腹!?!?」

 

 

 ねずみ男が指摘する。

 パンパンに膨れ上がる狐者異の腹。 狐者異は慌てて、自分の腹部を叩くが、自分の体を痛めつけるだけで何の意味もなさなかった。

 

 

『も、もがっ!?』

 

「ひええぇ〜〜っ!?魔理沙の祟りだ!!なんまんだぶぅ!!」

 

 

 これはもう堪らんと、大きな口を開ける狐者異。その口から魔理沙が顔を出した。涎で全身ベタベタだが、必死に這い出そうともがいていた。

 

 

「噛まずに飲み込んだのが間違いだったな!」

 

『もがぁっ、もっ、もががっ!?』

 

「くっ、来い。箒ッ!」

 

 

 玄関に立てかけていた箒が、その呼び声に反応する。バサバサと動き出した後に、フワリと宙を舞い、自分の主人のもとに飛んでいく。

 

「うげっ」

 

 その通り道にいたねずみ男をぶっ飛ばし、狐者異の口、魔理沙が必死に手を出している場所で止まった。そして箒を握りしめ、グウッと上空へと引き上げる。そのままオエェッと口から吐き出すと同時に、魔理沙は口から脱出した。

 

 

「生きてやがった・・・っ!!」

 

「はぁ…はぁ…っ、クッソォ…。ねずみ男っ!お前、やってくれたなァッ!!」

 

「ちっ、違うんだよ!俺だって脅されたんだよ!被害者なんだよォッ!?」

 

 

 大きなタンコブを携えたねずみ男は、必死に弁明する。しかし、その間にも狐者異は、涎を撒き散らしながら、上空の魔理沙へと必死に手を伸ばす。せっかく腹の中まで入れたのに逃げるなんて許せない、と言わんばかりの怒りの形相で。

 

 

(この顔! あの写真で見た旦那とそっくりだ!! という事は、旦那は本当に恨んで妖怪に──)

 

 

 魔理沙が下から見る狐者異の顔は、仏壇にあった旦那の顔と酷似していた。何とか助けてあげたい。だが、その考えは後回しだ。とにかく『里で妖怪は暴れてはいけない』。ここから離さなければ!!

 

 

「くぅっ、おい、妖怪!里で暴れるのは御法度だろ!私についてこい!!」

 

『ウガアアッ!ばらにぃ〜もどォれェエ〜〜ッ!!』

 

 

 魔理沙はピューっと里の外へと飛んでいく。 狐者異は、魔理沙の後を追って、ドタドタと走って行った。ねずみ男は今がチャンスだと逃げようとするのだが、流石にこの騒ぎで目が覚めたのか、家の中から岩谷のおばさんが出てきた。

 

 

「一体何が・・・、あっ、ねずみ男さん」

 

「えっ、ええと、実は──」

 

 

 

 

 

 

───────────────

 

 

 

 

 里で妖怪が暴れてはいけない。とにかく外へと連れ出した。必死に追ってきた狐者異は、魔理沙がその場で止まると、ゼェゼェと荒い息を整え始める。

 

 

『だりないだりないッ!!もっど!ぐわぜろォ〜〜ッ!!』

 

「おい落ち着け!おばさんの事を恨んだ所で何も解決しないぞ!!」

 

『・・・』

 

「なぁ、頼むよ。私には何も出来ないけど、何かしたいんだ!だから、こうやって暴れるんじゃなくて会話でさ!!」

 

『ィィィイ〜〜ダ・ダ・ギ・マ・ズ〜〜〜〜!!』

 

「くっ」

 

 

 狐者異は、魔理沙に飛びかかる。その獣の如き足で地面を蹴り、空を舞い、手を伸ばす。だがお目当てには届かない。対する、魔理沙はスカートの裏に手を突っ込み、仕込みポケットから、何か筒のようなものを取り出した。

 

 

「話を聞いてくれよ!!このやろう!」

 

 

 四つほど筒を投げる。だが狐者異の体には掠りもしなかった。全然的外れな方向に落ちる筒に気を止めず、食わせろ食わせろとこの妖怪は叫ぶ。不発か!?

 

 

 

──ポンッ、ポンポンッ

 

 

 

『あ"っ!?』

 

 

 筒から破裂音が出ると同時に、魔力で出来た金色の鎖が飛び出した。あっという間に、四つの鎖が、狐者異の両手両足に巻きつき、縛りつけた。

 

 

「宴会道具『魔法固定具(マジックフック)』だ!……本当は板とかを固定して机にとかにするものだけど…」

 

 

 動こうに動けない。本物の鎖なら狐者異の力で壊すことは簡単にできる。だが、これは魔力を編んで作った鎖だ。そう簡単には壊れない。だが、諦めない。目の前のご馳走を逃すわけには行かない。

 

 

『グウ!グワ"ゼロ"ォォォォオーーーッ!!』

 

「おい!のり子おばさんの事忘れちゃったのかよ!?」

 

『の、り子…ッ?だ、だれ? あ"ッ!お、おお!お"んな"だぁっ!おんな食うゥゥゥ!!エ、エヘヘヘッ!』

 

「なっ──」

 

 

 思考がもう完全に飲まれていた。身体だけではなく、心までもが『狐者異』という妖怪になってしまった。悔しい。もし自分がもっと早く気づいていれば、みんなで協力していれば、どっちも助けられたのに!

 

 

「助けてやるからな…」

 

『アッ、ァァゥゥゥ……オロロエエエエーーーッ!!!!』

 

 

 容易に吐瀉物を回避。

 直ぐに帽子の中から魔理沙は小さな何かを取り出した。それは陰陽の印がある、その名も『ミニ八卦炉』。自身の魔力を燃料とし、ものすごいエネルギー密度の攻撃を放つ事ができる魔理沙の唯一無二の武器だ。

 

 

「・・・ごめん」

 

 

 弾ける魔力。それがバチバチ溢れる電気に変換される。

 魔理沙は握っているのだ。本来なら、神の武器である『雷』エネルギーを。人間には操れないほどのエネルギーを!!

 

 

「恋符『マスタースパーク』ッッ!!」

 

『あ"っ──』

 

 

 狐者異を貫く。

 これまで数多の実力者と戦い、倒してきた魔理沙の一撃は、巨体を貫き、抉る。煙が晴れると、そこには頭部だけの狐者異が転がっていた。残った頭部の首からパラパラと粉になっている所から、身体が消滅しかけている事がよくわかる。しかし死んではいない。口をぱくぱくと動かしていた。

 

 

「おーい…!」

 

「ねずみ男…とおばさん?」

 

 

 呼ぶ声のする方を見てみれば、山谷のおばさんを背負ったねずみ男がこちらへ走ってきていた。何事かと思っていると、おばさんはねずみ男の背中から降りて、走って狐者異の元へと寄って行った。

 

 

「あなたっ!!」

 

 

 のり子の顔を見て、 狐者異はぴくりと反応する。目玉を動かして、彼女を見た。死ぬ寸前で思い出したのだろうか。

 

 

『ぁぅ・・・!! の、り……。ご、め…っ、ごめ…』

 

「え?」

 

 

 魔理沙とねずみ男は、まさか嘘だろ、と大きく口を開けて驚く。先程まで人を殺そうとしていた妖怪が、涙を流しているのだから。つまり魔理沙のおかげで旦那さんは人間の心を取り戻せたのだ。これ以上、誰かを傷つける事もない。

 

 

『あや、まりだ……がった。のり、に"ィ…あやまりだがっだぁぁぁ…。さいごまで・・・めい"わぐ、がげで…ごめん…よぉぉぉ』

 

「悪いのは私よ!!私がしっかりしないから、貴方が死んでしまった!私がもっと…っ」

 

『ぁぅぅぅぅ……の、り子。のり子」

 

 

 最後に狐者異の顔が、人間に戻った。獣のような牙も消え、妖気は一瞬にして消え去る。微笑みながら写真にあった顔よりも、優しそうににこりと笑って。

 

 

「それは違うよ。君は何も悪くないんだ。あれは事故なんだ。だけど私が死んだせいで、君は今までずっと罪に苦しんできた。謝るならこちらの方だ」

 

「あなた…っ」

 

「一度も恨んだ事はない。のり、ありがとうな。…本当にありがとう。ありが、と・・・」

 

 

 完全に消滅した。ただ広い野原で、のり子の涙がこぼれ落ちた。

 魔理沙はその最後を見届けて、ねずみ男に言った。

 

 

「なぁ、何で旦那はあんな妖怪になっちゃったんだろうな」

 

「狐者異は、()()()()()()()()()が歪んだ姿だって聞いたことがある。きっと旦那さんは、ずっと謝りたかったという気持ちに縛られて、あんな妖怪になったんだろうよ」

 

 

 魔理沙は悔しそうな顔をしていた。もっと早く気づいていれば、お互いがこんなに辛い思いをしなくて済んだのに。

 

 そんな彼女の頭にポンと手を乗せる。

 

 

「最後は救えたじゃねえか。魔理沙ちゃんのおかげで、最後の最後にお互いの気持ちを理解することができたんだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────

 

 

 

 時刻は夕方。

 慧音の所に行くのは今回の件で有耶無耶となった。2人はとりあえず博麗神社に帰る。手にはたくさんの御土産(たまご)を持って。

 

 

「なぁ、ねずみ男」

 

「ん?」

 

「ありがとな」

 

「俺はお礼を言われるような事はしてないぜ」

 

 

 博麗神社に到着した。魔理沙はねずみ男と卵を置いて、自分の家へと帰って行く。一方で、霊夢は目覚めており、表情は明るさを取り戻してはいた。頭痛は止まったようで、お茶を飲んで、沈んでいく夕日を眺めていた。

 

 

「ただいまぁ。お!霊夢ちゃん、起きたか」

 

「寝たくて寝たんじゃないわよ。アレが来たのよ、アレが」

 

「アレ? もしかして生r──」

 

 

──パァンッ!!

 

 

 流石にデリカシーが無さすぎた。その発言が、霊夢の逆鱗に触れ、吹き飛ばされる。頬を真っ赤に腫らしながら、ねずみ男は謝罪をする。霊夢は眉間に皺を寄せて、本殿を親指で指す。

 

 

「アレっていうのは……()()よ。神託が来たのよ。こんなの初めてよ。巫女を引き継いでから、今まで神託が来たことなんてなかったのに。……大体、何の神を祀っているのか分からないのよ?それなのに今更何よ」

 

「それで巫女やってんだからすげえよなぁ…」

 

 

 神託。

 それは神に仕える存在に、本来なら見守り試練を与える存在の神がメッセージを送る手段である。

 

 

「それで、博麗の神はなんだって?」

 

「幻想郷のこと。そして、ねずみ男、アンタについて」

 

「お、俺ぇ〜!?」

 

 

 

 

 

 

 





 次回予告

 「ねずみ男が幻想郷に呼ばれた理由が明らかに!!」

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