ねずみ男 幻想郷に立つ   作:狸狐

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 こんにちは。狸狐です。
 仕事が忙しくて申し訳ないです。最新話投稿です!


 次は何書こうかなぁ。。。ぐうぐう








 









気力?無気力?ぐーたら幻想郷②

 

 ジメジメとした天気が続いている。

 ねずみ男が火間虫入道を復活させてから1週間が経過していた。紫の能力を使ってはいるものの妖怪が多い幻想郷で微弱な力を探そうにも邪魔されてしまう。外の世界のように妖怪が少ないなら簡単に見つかるかもしれないがここではそうはいかない。

 

 

「あっ!巫女さんだ、こんにちは〜」

 

「どうも…」

 

「あらあら、巫女様。今日も見回りありがとねぇ」

 

「ありがと…」

 

 

 今のところ幻想郷に変化はない()()()()()()。この1週間、里に降りて様子を見てはいる。だが驚くほどに何も無いのだ。誰かが何かをしたこともない。争いもなく、異変もなく、被害もない。誰もがいつも通りに過ごしているのだ。

 

 

「チッ…」

 

 

 そして、それがかえって霊夢を焦らせていた。紫は言っていた、“超危険な妖怪だ”と。しかしあまりにも何もない。だから探そうにも探せず、何も出ない。そして自分の招いた失態を紫にチクチクと言われることにストレスを感じていた。

 

 

(何もないじゃない…。本当に危険なのかしら、その妖怪は。どうせあんなとこに閉まって放っておいた自分の失態を私に擦りつけたいだけ……だったりして。とりあえずねずみ男を見つけたらボコボコにして…)

 

 

 そんな時だ。

 

 

「ん?」

 

 

 とある家の前に見知った女性が立っていた。

 タバコを吸って、嫌そうな顔をしながら戸を叩く姿が目に止まった。この1週間で初めての変化だった。何かあるかもしれないという予感に従い、彼女に近づくと相手も霊夢に気づいて軽く手を振っていた。

 

 

「ふぅ……、巫女さんじゃないか。珍しいね。こんなとこで会うなんて」

 

「私はただの散歩。そっちこそ竹藪と慧音の家を行き来しているだけじゃないんだ」

 

「私はこの近隣たちからの依頼でね。すぅ……ふぅ…、異臭騒ぎを解決してくれとの事だ」

 

「ふっ、いつから里の守護者に?」

 

「やめてくれ。慧音の仕事を奪うつもりはないよ。私も臭いのは嫌なだけさ。……それにしても誰もいないのか?中で死んでるのか」

 

「そんなに心配なら開けてみたら?」

 

「言われなくても…」

 

 

 ガラララと戸を開ける。

 開けた瞬間に閉じ込められていた異臭が一気に吹き出し、2人は顔を(しか)める。

 

 

「最悪だわ…」

 

「ゴミだらけじゃないか。どうやったらこんなに溜まるんだ。おーい!誰もいないのか?クソが…。入りたくないけど中だけ確認しないと……」

 

「私はパス」

 

「なんだ。来てくれないのかい?」

 

「私は里の人間の命を守るのが仕事。異臭騒ぎは専門外よ。ほら行った行った。しっしっ」

 

「あっそ」

 

 

 タバコを吸いきり吸い殻を灰にしてから、妹紅が足を踏み入れる。奥に進むにつれて匂いがキツくなる。どんどんと蝿も増えていく。そして蝿たちが(たか)っている原因を見つけた。

 

 

「マジか」

 

 

 妹紅が見たのは2人の男女。

 大きさ的に親子だろうが2人とも寝ていた。トイレに行っていないのか糞尿が撒き散っていた。ガリガリに痩せ細り、カラカラに乾いてはいて、今にも死にそうだがそれでも睡眠を続けていた。

 

 

「・・・寝ていたからこそ助かったのかもな。エネルギーを無駄に消費してないから。まずは病院か?いや、風呂?……いや、とりあえずここから出す!!」

 

 

 2人の襟首を掴み、外にぶん投げる。

 そのまま落ちれば大惨事だが、落ちる前に妹紅は叫んだ。

 

 

「霊夢!キャッチ!」

 

「へ?」

 

 

 目の前に飛んでくる2人の人間が霊夢に直撃しそうになる。だが、その前に見事にキャッチをした。

 

 

「な、何よこれ!!ううぅっ!?くっっさ!?」

 

「その2人が異臭の原因だよ」

 

「最悪っ!!最悪最悪最悪!!」

 

「とりあえず川で汚れを落として、永遠亭だ。行くぞ」

 

「なんで私が!」

 

「里の人間の命を守るのが使命なんだろ?」

 

「きぃいいいい〜〜〜っ!」

 

 

 涙目の霊夢にさらに追い討ち。

 カサカサと音を立てて、2人の服の間から何かが落ちてきた。黒くてテカテカで皆んなの嫌われ者が。それらは落ちると一斉に散り散りと逃げていった。

 

 

「────」

 

「うわっ、ゴキブリがこんなに……。ん?霊夢?………死んでる」

 

 

 

 

 

 

※※※※

 

 

 

 

 

 

 

「うっ、うううっ……」

 

「何泣いているんだよ、博麗の巫女とあろうものが。2人は瀕死だったけど助かった。寧ろ喜ぶ所だぞ」

 

「んな事どうでもいいわよッ!!うっ、ううっ、ゴキブリが…、ゴキブリが……!!」

 

 

 待合室に座って泣く霊夢。それを立って見ている妹紅。こんなに取り乱す巫女の姿を目に焼き付けておこうとしていた。そうこうしている内に妹紅は大きな欠伸をする。

 

 

「ふぁ〜…それにしても眠いなあ。珍しいもん見れて疲れたのかな」

 

「何よ、寝不足なの?普段は規則正しい生活送ってるんでしょ」

 

「そうなんだがな。急に…怠くなっちゃって……。顔洗って来るかな」

 

「はぁ。私は帰るからね」

 

 

 霊夢が出ていき、洗面台に向かう妹紅の前に一つの影が。誰かと思えば、呆れ顔の永琳であった。

 

 

「勝手に家の中を歩き回らないでよ」

 

「永琳か。ふぁ〜……頼むよ、洗面台貸してくれ」

 

「まぁ、いいけど」

 

 

 バシャバシャと顔を洗う妹紅。その後ろで永琳は椅子に腰掛ける。顔を洗う妹紅をじぃっと眺めていると永琳はウトウトし始める。妹紅も妹紅で手の動きが止まり始める。

 

 

(なんか立ってられない。頭がボォっとする)

(顔洗っても眠い…)

 

 

 そして、そのまま2人は倒れる。

 倒れているという実感すらなく、突然気を失うように眠ってしまった。

 

 

──カサカサカサカサ…

 

 

 その間を数匹のゴキブリが走るのにも気づくことはない。いつの間に永遠亭の連中は全員倒れてしまった。

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

「無駄足も無駄足!やっぱり大した妖怪なんかじゃない!」

 

 

 里に戻る霊夢。

 何も異変なんか起きていないと憤っていたが、永遠亭から里に戻って来る短時間で、何か小さな違和感を感じた。

 

 

「あれ?」

 

 

 活気が感じられない。

 里を歩く靴の音、人々の笑い合う声、物を売り買いする時のやり取りやお金の音、そして熱気。そういった物が一切感じられない。人がいる気配、生きている命の音が何もしない。

 

 

「何?なんか……変」

 

「う〜…」

 

 

 声がした。

 潰れてしまいそうな微かな声だ。

 

 

「チルノ?」

 

「うぅ〜…」

 

 

 グッタリとしたチルノだった。

 抱き抱えると苦しそうにしており、どこか弱っているように見えた。

 

 

「チルノ!どうしたの!襲われたの!?」

 

「うぅ。眠いけど暑いよぉ。暑いけど眠いよぉ」

 

「心配して損した」ポイ

 

「うぎゃっ」

 

 

 チルノは放っておいて、改めて周囲を観察する。

 そうやってよく見てみるとチルノ以外にも項垂れている人や寝息を立てている人、ダルそうにしている人がいた。

 

 

「これ……」

 

「“異変”よ」

 

 

 いつの間にか、背後に紫は立っていた。

 口元には布のマスクをしていた。

 

 

「霊夢もつけなさい。いくら巫女とはいえ危険よ」

 

「危険って何が?」

 

「里、いや幻想郷全体に瘴気が蔓延しているのよ。ほら早く」

 

 

 そう言われて渋々マスクをつける。若干、息苦しを感じるが確かに何か守られているような、安心安全な気がする。

 

 

「それにしてもどうしてこんなに蔓延したの?」

 

「原因は“あれ”よ」

 

「あれ?」

 

 

 紫の指差す先を見る。

 

 

「ヒ──」

 

 

 そこにいたのは黒く、小さく、テカテカ、カサカサと動き回る霊夢が大嫌いな存在がいた。それも1匹だけじゃない。30匹以上のアレが里中を走り回っていた。

 

 

「ギョ、ギョギョ、ギョキィィィ〜〜……っ!!」

 

「ええ。ゴキブリ」

 

「ひぃ・・・っ。な、なな、なんで……っ!?」

 

「火間虫入道。その“火間虫”っていうのは“ゴキブリ”という意味よ」

 

 

 つまり、ゴキブリ入道ということだ。

 

 

「あの火間虫入道はね、取り憑いた人間から離れる時に卵を産みつけるの。そしてどんどん増殖していく。そのゴキブリ達はまた新たな家に入り、瘴気をばら撒くの。つまり、あのゴキブリ全部は全て火間虫入道の眷属ってこと」

 

「ど、どうすんのよ!?1匹1匹潰せっていうの!?」

 

「いや潰しても、どうせ増える。イタチごっこよ。本体を潰すしかないわ」

 

「でも何処にも居ないじゃない!」

 

「ええ。この瘴気が邪魔して、私も気配を追えないし……」

 

 

 

「良かった。私以外にも生き残りがいた!」

 

 

 頭を抱える2人。

 その2人に近づくとある人物。口元には花柄のマスクをつけた金髪少女。その見た目は、例えるなら西洋人形のよう。

 

 

「アリス!」

 

「良かった。無事なのね」

 

 

 人形を纏わせる彼女の名前はアリス・マーガトロイド。彼女は、魔理沙と同様、魔法の森に住む魔法使いである。

 

 

「そっちもね」

 

「人形劇をやりに来たら、みんながバタバタと倒れてて……。魔法の森みたいに瘴気が漂っているのを見ると、どうやら異変みたいね。解決しに行くなら私も同行するわよ」

 

「ありがたいけど解決しようにも敵の居場所が分からなくて」

 

「ん?それなら心当たりが……」

 

「えっ!?どこどこ!」

 

「魔理沙の家」

 

「ま、魔理沙っ!?なんでっ!?」

 

「分からないけど、あの子の家から瘴気が出てるのよ。あと……あれも。もしかしたら何か事件に巻き込まれているんじゃ…」

 

「巻き込まれたことよりも!その“あれ”っていうのは、まさか…」

 

「やめて!名前も言いたくない!!」

 

 

 震える2人。

 紫はすぐにここの空間と魔理沙の家の中の空間を繋げる。

 

 

「ゴキブリなんてほっといて急ぐわよ!!」

 

 

 魔理沙の家に入る3人。

 イヤイヤ言いながら家の中に入ると、そこには大量のゴキブリたちがわさわさとしていた。

 

 

「あの地下室から出てきてるみたいね」

 

「行くの?」

 

「行くしかないのよ」

 

 

 霊夢、紫、アリスは妖気や瘴気の発生源がいるであろう地下室と向かった。階段を降りるにつれてゴキブリがわさわさと増えていく。奴らが動くたびに苦手な霊夢とアリスはヒィと小さな声をあげていく。

 

 

「2人の方が大きいのに小さな虫にビビらないでよ。みっともない」

 

「そんなこと言われてもダメなものはダメなの!!こう、なんて言うか精神的に!」

 

「右に同じく!!」

 

「止まっている暇なんかないのよ」

 

「分かってるわよ!バカ!」

 

「何ですって!このカバ!!」

 

 

 喧嘩しながら魔理沙の地下室への道を降っていく。地上の部屋よりも広く、様々な工具や道具、実験や魔法に使うのかは不明だが謎の植物、薬品などがめちゃくちゃに転がっていた。換気扇や窓はないので空気が澱んでおり、むわぁっとした湿気に髪の毛が濡れる。

 

 

「息苦しいわね、これ」イラ

 

「霊夢。外しちゃダメだからね。このすごい濃密な瘴気は吸ったら終わりよ」

 

「偉そうにしちゃって。大体、先代とアンタがもっとしっかりしてればこんな事にはならなかったのよ。賢者の名が泣いてるわ」イライラ

 

「なんですって…!私だって後継者が倉の物を平気で売ろうとする守銭奴だとは思わなかったわよ!」イライラ

 

「「フンッ!!」」イライライライラ

 

 

 この湿度とマスクの息苦しさにイライラが募る2人。ついにはケンカをしてしまった。一方で、アリスは魔理沙のことを案じており喧嘩に混ざることはなかった。

 

 

「ん?あれって…」

 

 

 そんな時。

 アリスはとある物を見つける。手に取ってみるとそれは黒く大人びていてホコリを被った手帳であった。

 

 

「これ、魔理沙の手帳」

 

 

 喧嘩をしていた2人も一旦ストップし、後ろからそれをそっと覗いた。

 

 

「よく魔理沙のだって分かるわね」

 

「わざわざ可愛げのないデザインの物を、“レトロだ”とか“味がある”って言って使うのは魔理沙くらいですもの」

 

「……表紙に何か書いてある」

 

「本当だ。埃かぶってて気づかなかった。ええと……『火間虫入道の成長記録』…だって」

 

「成長…って、まさかアイツ!?」

 

 

 その言葉で全てを察した。

 魔理沙の家を根城にしていたり、魔理沙を人質にしていたり、捕らえたわけでもない。この【グータラ異変】に彼女も一枚噛んでいたわけだった。

 

 

「その予想は大当たりね。ほら、ここを見て……」

 

「「どれどれ」」

 

(・・・息ぴったり。喧嘩するほどなんとやら、か)

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜マリ日誌〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 5月20日(月)

 

 早速、【火間虫入道】を魔法陣から供給される魔力がたっぷり詰まったゼリー状の液体の中に沈めた。この液に沈めると仮死状態になる。

 

 少し残酷かと思ったが本人曰く、「息をするのも面倒だと思っていたから丁度いい」との事だ。怠惰なやつだとは分かっていたが、ここまで来ると尊敬する。

 

 これから人をぐうたらにする力をコイツから分離させようと思う。上手く抽出できたら大成功だろう。幻想郷の敵を一気に腑抜けにできて私の方が活躍するようになったら霊夢はきっと悔しがる。楽しみだ。

 

 ねずみ男には買い物を頼もうかな。仲間とはいうものの役に立たないからしょうがない。

 

 

 

 

 5月21日 (火)

 

 とりあえず魔法陣から丸一日魔力を送り続けてみたが変化なし。私の計算が正しければ、魔力が入れば入るほど妖力が出ていく。もし力を失えば、火間虫も『害のある妖怪じゃなくなる』だろう。もう少し様子を見てみよう。

 

 

 

 

 5月22日 (水)

 

 変化なし。奴は呑気に寝ている。よくゼリーの中で寝れるな。

 

 今日の夜はねずみ男とトランプゲームをやった。スピードだ。もちろん金をかけた。ねずみ男はとてもツイていたのか良い札ばかり来て連続で勝ちやがった。

 

 イカサマだろ、これ!七万も取られたぞ!!ムカついたからアイツの飯を食ってやった。ザマァ見ろ。

 

 それにしても、ゴキブリが多いな。最近よく見る。最初の方はいなかったのに。

 

 

 

 

 

 5月23日 (木)

 

 変化あり。火間虫のやつ、芋虫のような姿から繭になった。……成長、いや変態しているような?とりあえず観察は続ける。

 

 それにしても今日は朝からやる気が出ない。そういえば風呂にも最近入ってないな。匂うかもしれないが、ねずみ男の方がもっと臭いし、別にいいかもしれない。

 

 ラボの周りに60匹程のゴキブリを見た。なんとか駆除しないとな

 

 

 

 

 5月24日 (金)

 

 ふっざけんな!!

 いつの間にか魔法陣が書き換えられているぞ!

 妖力が出ていくどころか魔力と妖力が混ざって、奴を進化させてしまったかもしれない。

 

 実験は中止しよう……と思ったが、ダメだ。面倒だ。これから魔法陣を消して、ゼリーを抜いて、繭を取り出して、空気の入れ替えをして…と考えるだけでやりたくない。動きたくない。

 

 ねずみ男に代わってもらって、休もうとおも……

 

 

 

 

 5月25に ()

 

 ねむい 

 このまま じゃ ひととし だ にな ぅ

 とりあえ  ねる すっきり るか しれな 

 

 

 

 5

 

 ねむい

 ねむ

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜終了〜〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」プルプル

 

 

 思ったよりも大変な事態に震える紫。これはあの先代の時よりもかなりやばい状況になっていた。

 

 

「繭ってことはグズグズしてたら、それを突き破って進化した奴が出てくる」

 

「早くなんとかしないとマズイじゃない!!」

 

「ラボを探さないと──」

 

 

 

 

──スウゥゥゥ……

 

 

 

 

「「!!」」

 

 

 振り向くと“隙間”が開いていた。

 青筋を立てた紫がラボへの道を繋げたのだ。

 

 

「今すぐ行くわよ、ラボに。2人とも直ぐに入りなさい」

 

「「りょ、りょうかい…」」

 

 

 2人はすぐにラボへと辿り着いた。

 紫も向かおうと隙間に入る。

 

 

(さて、私も・・・ん?)

 

 

 しかしその足を掴み、何者かが止めた。

 下を向くとそこには魔理沙がいた。げっそりとして血色の悪い顔をした魔理沙がヒューヒューと苦しそうな呼吸をしていた。

 

 

「ま、魔理沙…!?もしかして、このゴミの中に埋もれていたの!?」

 

「ぁ…ぅぅ……」

 

「大丈夫なのっ、何が言いたいの!?」

 

「ぁぁ……ぅ…」

 

 

 紫は、這いつくばる魔理沙の口に耳を当てる。

 

 

「どうしたの?」

 

「め……」

 

「め?」

 

「めんどくさい……」

 

「は??」

 

 

 何か重要なことかと思っていた。

 だが、とてもどうでも良い事だった。呆れていると魔理沙は手を伸ばして紫のマスクを剥ぎ取った。

 

 

「あ、ちょっ…!」

 

 

 あまりにも自然な流れでマスクを取られてしまい、紫は固まってしまう。直ぐに口元を手で覆うが、意味は無く、ほんの一呼吸でこの辺りの瘴気が体内に巡ってしまう。

 

 

「うっ、ううぅっ…!?」

 

「そんなに張り切ってたら疲れちゃうぜぇ。一緒にぐーたらしようぜぇ」

 

(やばい!たった一呼吸で全てが面倒臭くなる…!あの時よりも強く…。あぁ……幻想郷なんかど〜〜…でもいいかなぁ……)

 

「いっしょに……寝ようぜぇ…。ぐぅ…」zzz

 

「そうねぇ…」ムニャムニャ

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

(あれ、紫がいない。何してんのかしら。急かしといて自分は遅いなんて勝手すぎる。……ふん)

 

「ここがラボ…?」

 

「そうみたいね」

 

 

 2人の目の前には培養液の中の繭が存在していた。妖気はあまり感じられず、それよりも魔力や科学的なの物などの力を感じた。妖怪というよりももっと禍々しい何かに変わっている気がする。直ぐに本能的に危険だと感じた。

 

 

「あっれェ〜?霊夢ちゃん、何でここにいるの?それにマスクなんかしちゃって風邪でも引いた?」

 

「ねずみ男!」

 

「貴方がねずみ男…さん?」

 

 

 ラボの奥からペタペタとねずみ男が現れた。今、この状況、何が起きているのか知らない、平和な顔をしながらニコニコと笑いながら現れたのだ。

 

 

「そうそう。僕がねずみ男!金髪のお嬢ちゃん、よろしくねぃ」

 

「私はアリス・マーガトロイドです。よろしくお願いします」

 

「呑気に挨拶なんかしてる場合じゃないっての!大体なんでアンタ、()()()してないの!?」

 

「マスクって何のことだよ。俺は風邪なんか引いてねえっての。それにしても、おいおい〜!俺っちが女の子と喋ってるからって嫉妬かぁ?」ニヒヒヒ

 

「そんなんじゃないっての!!アンタのせいで幻想郷がめちゃくちゃになってるのが分からないの!」

 

 

 霊夢はねずみ男の髭を思い切り引っ張った。

 鈍い悲鳴がラボ中に響き渡る。

 

 

「いだいっ、いだいよ!霊夢ちゃん〜!!めちゃくちゃって俺なんのことか分かんないよぉ」

 

「あ"ぁっ!?」

 

「俺は火間虫の野郎から『人を面倒くさがり屋にする能力』を抽出して、一儲けしようと思ってたんだよっ!でも繭になって動かねえし。こっちだって訳わかんねえんだよっ!だからまだ何も…って訳じゃねえけど、そんなにはやってないんだよォッ」

 

「それでも幻想郷がめちゃくちゃになってるのは事実!アンタが全て持ち出したせいでしょ!」

 

「2人とも喧嘩している場合じゃないわよ!」

 

「何がッ!?」

 

「あれ見て!」

 

 

 ピクリ。

 2人が争っている間に繭が揺れた。それは一度だけではなく、ピクピクピクピクと繭の中で何かが動いているようだった。

 

 

「き、来た!来た来た来た来たアァッ!!」

 

 

 霊夢から逃れたねずみ男。

 嬉しそうにカプセルの中を覗く。繭の表面にはヒビがどんどん走っていき、中で何かがゆっくりと動こうとしていた。

 

 

「ニィィーーッ!ヒヒヒヒヒッ!!実験は成功だ!中から火間虫と抽出されたエネルギーが出てくるぞーーー!エネルギーさえ手に入れば俺は大金持ちィィーーー!」

 

 

 

 

──パカァァ……

 

 

 

 

「大金持ちぃ……?」

 

 

 そこには恋焦がれていたエネルギーなどは無かった。ねずみ男を待っていたのは自分よりも二回り大きな化け物だった。

 

 

『・・・』

 

「何なのよ、あれ!妖怪って呼んでいいの・・・?」

 

「妖怪……なんかじゃない。妖怪を超えた別の何か……!!けどそれよりも…」

 

「「あの見た目は……!!」」

 

 

 全身黒光りでテカテカ。

 頭には長い触覚。鋭い爪、全身は筋肉質で、背中には黒い虫の羽。赤い瞳にゴツゴツとした鎧のような外装をしていた。そう。例えるならゴキブリが二本足で立っているようなものだった。

 

 

「お前、本当に火間虫入道か…?」

 

『・・・』

 

「おい?お〜い!喋れないのか?」

 

『・・・セエナァ』

 

「なんだよ、喋れるじゃねえか!火間虫にゅ──」

 

 

 

 

──ドガンッ

 

 

 

 

 壁にめり込むねずみ男。

 それこそピクピクと動くその姿はまさに潰された時の虫のようだ。

 

 

『メンどくセエナァ…』

 

「ねずみ男さん!!」

 

「ア、アンタが噂のゴキブリ入道?」

 

『ン・・・?』

 

 

 霊夢とアリスの存在に気づく火間虫入道。

 少し動くたびに体の至る所からカサカサと音を立てた。

 

 

『人形遣いと…巫女…カ。俺ヲ封印しに来タのカ』

 

「先代はそうしたみたいだけど私はね駆除しに来たの」

 

『ヤメておけ。メンドうなだけだ』

 

「そう思ってくれるなら大人しくやられてくれる?アンタの言う通り、私も面倒なのは嫌いなの。あとゴキブリも……」

 

『・・・ふム』

 

 

 少し考えてから、目の前から消える。

 

 

「はや──」

 

 

 目で追えない。

 ガサガサという音を頼りに探すと、ネオ火間虫はアリスの背後に立っていた。そしてそのままアリスの口元へ手を伸ばし、マスクを外した。ゴキブリは新幹線と同等のスピードで走る力がある。人間のように助走することなく立ちながらそのまま。

 

 

操符(そうふ)っ、「乙女文楽(おとめぶんらく)──ぅ」

 

 

 そのスピードでアリスを一気に無力化させた。本人は抵抗する間も無く、瘴気を肺いっぱいに吸い込んでしまう。アリスの操る人形たちが床に転がる。そして本人も同じように倒れた。

 

 

「うぅ…ふにゃあ……」

 

『ナらこうスるまでだヨ』

 

 

 腑抜けになったアリスは地面に倒れて、そのままの勢いで寝てしまう。明らかにねずみ男が出会った時のゆっくりな火間虫入道はどこにもいない。もう別の生物へと進化しているのは明白だ。

 

 

「そうやって人を堕落させて、幻想郷を支配でもする気?」

 

『ソんナものニ興味はなイ。面倒くさイかラな』

 

 

 腕を組み、適当に答える。

 

 

『俺はたダ与えてイルのさ。人生といウ名の“地獄”かラの解放をナ』

 

「・・・?」

 

『人は生マレて直ぐに学校。そレが終われバ労働。そシて死ヌだけ。なんト虚しい。そレを人生と呼ぶナら、人生には何ノ価値がある?──いや、無イ!』

 

 

 魂の叫びがラボ全体に響き渡った。

 勉強と労働、辛いことから逃げ切り、親の脛を齧り、怠惰に何も成すことなく妖怪となった男の魂からの叫びが響き渡る。

 

 

『俺ハそノ(ことわり)に直グに気づキ、そレらに囚わレない“蝶”となった。なんと甘美ナ感覚ヨ。そレを皆んナにも知っテもらいタい。ただそれだけなんダ』

 

「んーーー。あのさ、長々と話してもらって悪いんだけどさ」

 

『ナにかナ?』

 

「皆んな嫌なことを我慢して生きてんのに、親の脛齧って逃げた“ゴキブリ”野郎が何で偉そうなこと言ってんの?きもっ」

 

『・・・ぁ』ブチッ

 

 

 この妖怪の話の内容に呆れてしまい、Gへの恐怖が無くなる。この虫はなんて下らないのだろう。

 

 

「アンタみたいのをなんていうか知ってる?世間知らずっていうの。あーあ、外に出ないで部屋に篭ってたから世間を知らずにこういう変な思想を持っちゃうのよね」

 

『・・・ッ!!』イライライラッ

 

 

 火間虫自身。無意識のうちに脚に力が込められる。

 黒光りする甲殻の内側にある血管のような管にドロドロの体液が巡っていき、太腿に当たる部分が少し膨らむ。

 

 

(殺ス──ッ!!)

 

 

 小さな小さなプライドを傷つけられ、感情が爆発した。

 

 

(腑抜けにした後、首を切り裂いてやる──)

 

 

 再び目の前から消える。

 ゴキブリの持つ高速移動だ。アリスを一瞬にして完封してしまった脚力を使い、霊夢に飛びかかる。

 

 

「シッ──」

 

『がふっ!?』

 

 

 拳が。

 下からのアッパーカットが。

 超スピードで動くゴキブリの顎を打ち抜いた。

 

 

『ば、ばぎゃな・・・ッ!?』

 

 

 顎が砕ける。

 牙と涎、体液が辺りに散らばる。

 

 

「まさか自分は最速だと思ってた?ふふっ、あんた程度、幻想郷じゃゴロゴロいるの」

 

『あ"っ、あ"ぁゥッ』

 

 

 衝撃に身体が耐えられずに膝をつく。

 だが虫には【痛覚】が無い。

 チカチカする頭を落ち着かせて、冷静に状況を整理する。

 

 

(違ウ。こノ女は初めは追エていなかったハず…!)

 

 

 アリスを倒した時、霊夢の反応は遅かった。

 それなのに今は対処し切ってしまった。

 

 

(この女は…!“闘い”の中で成長するタイプ…!!生まれついての抜群な戦闘才能の持ち主。……だが)

 

 

 更に体液を両脚だけではなく、両腕にも巡らせる。筋肉を持たない虫は体液を巡らすことで身体に力を入れられる。だからこそ軽い。余計なものを省いた完璧な形態。巫女とはいえ人間であることに間違いはない。人間の身体には限界がある。いつもは排除される虫でも人間サイズの虫ならば人間に負けることはない。全身に力を巡らせれば負けることはないのだ。

 

 

(妖怪と人間には圧倒的な差がある!!どんなに動体視力や身体能力があろうとも虫・・・いや虫妖怪には敵わない!!)

 

 

 瞬─。

 風を切る音と共に左に動いた。

 

 

「?」

 

 

 次は右に動いた。

 そしてまた左に。右に左に何度も何度も往復する。反復横跳びと同様の動きを今ここで始めた。

 

 

「へぇ。器用なことするのね」

 

体打(たいだ)…!“高速分身(トビイロ)”…!!』

 

 

 気づけば十体のネオ火間虫。

 分身…というよりも残像といった方が正しいだろうが、これが意味するのは残像を生み出すほどのスピードがある、ということだ。更にスピードが乗った状態で行使される力には破壊力と攻撃力がプラスされる。

 

 

『キェエエエエーーーッ!!』

 

 

 馬鹿正直に飛びかかる。

 だが今度は一体じゃない。十体の敵が同時に四方八方から飛びかかってくるのだ。

 

 

「ふんっ!」

 

 

 霊夢は正面の相手に拳を放つ。

 直撃すると共に手応えは感じず目の前から霧散した。その間に残りの9体が霊夢に手を伸ばす。

 

 

『体打、“鞭腕(チャバネ)

 

 

 

 

──スパンッッッ!!

 

 

 

 

 乾いた音がラボに響く。

 霊夢の背中から血が吹き出す。霊夢は自分の背中を見ることができないが、今彼女の背中には手のひら型の傷が大きくできていた。皮膚を裂き、肉へと衝撃とダメージを与えていた。

 

 

「〜〜〜〜〜ッ!!」

 

『痛イだロ?鞭は』

 

 

 声が出ない程の痛み。

 流石の霊夢も苦悶の表情を浮かべる。筋肉がない身体だからこそ出来るネオ火間虫の必殺技。

 

 

『脱力ダ。こうやっテ…自分の腕ヲ限界マで脱力させテ…水ヲイメーじすルように…。ギギギギ…!この究極ノ脱力による一撃を食らったら1週間は起きがレなイぜ』

 

 

 腕をぶらんぶらんと揺らす。

 筋肉も骨もない液体が詰まった腕を加速させながら動かすことで、両腕を武器と化した。

 

 

 

──ヒュンヒュンヒュン…

 

 

 

 腕が見えない。

 空気を切る音だけが響く。土煙が舞い、周囲に広がっていく。

 

 

「いっったぁ…。絶対腫れてるっ。くぅっ〜……」

 

『!?……起きあがリやガッた、だト?腫れも一瞬デ引いテ……』

 

「あぁ、これ?」

 

 

 霊夢の背中にできた腫れ。

 真っ赤で手のひら型の腫れが直ぐに消えていった。

 

 

「私って、浮けるのよ。そういう能力(ちから)なの。空を飛べるだけの能力だと思ってたんだけど、使いこなせるようになると意外と便利でね。こうやって痛みも怪我もフワフワと()()()()()()

 

『浮かセる能力・・・』

 

「厳密には違うけどね。ほら、もう治った」

 

 

 裂けた服から見えた背中。

 せっかく与えたダメージは初めから無かったように消えていた。

 

 

「それにしてもさ〜」

 

『?』

 

「アンタのお母さんも残念よね」

 

『ハ?』

 

「生まれてきたのがゴキブリだなんて。残念としか言いようがないわ」

 

『ナンだ、急ニッ!!』ブチブチブチッ

 

 

 今度は数十体に分身。

 そして一斉に地面を蹴る。

 

 

『お前ニ社会ノ何が分かルッ!!』

 

「社会に出てないあんたよりは知ってるっつうの。どんなに進化しても中身は“くそガキ”のまんまなのね」

 

 

 再び正面に拳を放つ。

 拳は直撃せず、残像は消え去る。全て同じことの繰り返し。

 

 

『貰ったアァッ!!』

 

 

 再びネオ火間虫の鋭い一撃がスパンと霊夢の背中に直撃した。

 

 

『──ナ!!??』

 

 

 直撃したのだ。

 霊夢だった“モノ”に。霊夢の背中を確かに攻撃した。手応えもあった。だが吹き飛んだのは背中の肉ではなく、護符だった。途端に霊夢の姿は消え去り、大量の護符が空を舞う。護符が集まり、霊夢に化けていたのだ。つまり目の前の霊夢は偽物だった。

 

 

『ナンダトォォォーーーッ!!あぎゃああああっ!?!?』

 

 

 そのまま全身に護符が貼り付く。

 身動きが取れなくなり膝をついた。そして瓦礫の影から本物の霊夢がひょっこりと出て来る。

 

 

「馬鹿みたいに腕をふってるから気づかないのよ。本物と偽物が入れ替わっている事にね」

 

『ウギギギィィッ!?』

 

「そのまま大事なことに気づかず終わりなさい…!!」

 

『ギィッ!!まだダ…!!』

 

 

 パラリ。

 トドメを刺される前に、最後の力を振り絞ったネオ火間虫の触覚が霊夢のマスクを剥ぎ取った。

 

 

『勝った……!!』

 

「・・・ん?」

 

『・・・は?』

 

 

 辺りには濃い瘴気が充満している。

 その中でマスクを剥ぎ取られ、辺り一面の空気を吸ってしまったのに、ほんの一呼吸で終わるはずなのに、何故何食わぬ顔をして立ってられるのだ。

 

 

『ば、ばカな…!この空気の中で正常にいレるはずが無い……!!』

 

(そういえば、ねずみ男も平気だったわよね)

 

『何なんだ…!!一体どういう事なんだっ!?』

 

「理由は分かんないけど、とりあえず──オラッ!!」

 

 

 霊夢の鋭い一撃が心の臓を貫く。

 砕かれた体内から魔力と妖力が一気に吹き出し、人型の姿から元のイモムシの姿に戻った。

 

 

『あ、れ……おいら何して………。あっ、あれ、身体が消えて……』

 

 

 霊夢が貫きながら砕いたのは妖怪の魂。

 妖怪は倒されても死なず魂となり、長い時間をかけて元の身体に戻る。だが魂を破壊されれば蘇ることはできない。

 

 

「悪いけど封印はしないわ」

 

『別にい、いよぉ。やっ…と本当に寝れるしね…。でも気をつけ、て…』

 

「・・・」

 

『オイラが…死んでも……代わりはいるから…』

 

 

 火間虫入道は完全に消え去った。

 充満していた瘴気も薄くなり、次第に消えた。幻想郷中に蔓延る火間虫入道の眷属であるゴキブリたちも灰となり、人々も元の状態に戻って行ったのだった。

 

 

 だが火間虫入道の言葉を忘れてはいけない。

 

 

 怠惰な人間がいる限り、この妖怪は生まれ続けるのだから・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────

 

 

 

 

 

 

 

「こっちも頼むよ〜」

 

「これも捨てておいてね」

 

「「へーーい」」

 

 

 ねずみ男と魔理沙は絶賛お仕置き中。

 この騒動を招いた罰として、ゴミ屋敷となった家々を周り、その家の掃除をしているのだ。

 

 

「トホホ…。次こそは…次こそは金持ちにぃ……」

 

「もうねずみ男とは組まねえぜっ!一体誰が魔法陣を書き換えたんだよぉ〜〜っ!」

 

「次はこっちを頼むよ!臭いけど片付けておいてね」

 

 

「「もうっ!いい加減休ませてぇ〜〜っ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 博麗神社

 

 

 

「それにしても何で私とねずみ男はあのガスが効かなかったのかしら。私だけなら霊力とか巫女の加護とかで説明がつくけど、ねずみ男みたいな奴も効かないとなると何か別な理由があるはずよ」

 

「確かにね」

 

 

 霊夢とアリスが悩んでいると、話を聞いていた紫が答える。

 

 

「その答え、私分かったわ」

 

「えっ、何々?」

 

「“貧乏、暇無し”ってね」

 

 

 

 

 

 

 







「あの魔法陣。魔力を流すだけの物でしたよねえ?どんな風に書き換えたんですか?」

「なぁに。ただ地獄と繋げてやっただけのことよ。カカカ」

「んー?」

「分からないか?」

「全くぅ!」

「はぁ。火間虫入道と同様に地獄にもたいそうな面倒くさがり屋な悪魔がいてな。その名をベヒモスという。ベヒモスをあの中で召喚したんだ。まぁ、ただ変に混ざったせいで多少見た目と強さが変わったくらいだがな」

「ふーん。悪魔って働き者ばかりじゃ無いんですね」

「伊達に怠惰を司る悪魔を名乗っているわけじゃない、という事だな」

「悪魔を呼べちゃうなんてすごーい!!やっぱり大天才なんですねえ!」

「ふん!そんなの朝飯前だ」

「でも失敗しちゃいましたが」

「うるさい!!」

「イデッ!」

「これはただの実験の一つだ。ふん!幻想郷を必ずや落として、儂の物にしてやる。妖怪の復権はすぐそこよ!!ふはははは!」

「やっぱりスゴ〜〜イ!」







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