ねずみ男 幻想郷に立つ   作:狸狐

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こんにちは、狸狐です。

 元気ないです。メンタルボロボロです。

 理由はfgo終章です。
 辛いです。
 10年前に初めて、終わってしまうことに苦しんでおります。あとストーリーにも。涙が止まりません






















狼は満月の夜に見られるのか? ①

 

 

 目を覚ましたとき、木の香りと、湯気の立つ匂いが鼻をくすぐった。

 

 

「起きた?」

 

 

 声の方を見ると、少女が器を手にして座っていた。

 白いお粥が、静かに湯気を上げている。

 

 

「ここは……」

 

「私の家」

 

 

 青年はどこか不安そうで辺りをキョロキョロと見渡している。そんな不安を察した少女は少し間を置いてから、ぽつりと言った。

 

 

「……不安よね」

 

「え…」

 

 

 彼女は背筋を伸ばし、真っ直ぐ青年を見る。

 

 

今泉(いまいずみ)影狼(かげろう)…。襲われていた貴方をここまで運ばせてもらったわ。ここはとりあえず安心だから、ね」

 

 

 どこか誇らしげで、同時に少し照れの混じった自己紹介だった。青年は女性の言葉に一瞬驚き、何かを思い出す。──そうだ、自分はあの時化け物に襲われて死にかけたんだ。だが助かっている。目の前の女性のおかげで。そう考えると不思議と恐怖はなかった。落ち着きを取り戻してから、青年も名乗る。

 

 

「……俺は、リュグナー・モンド」

 

 

 拙い日本語で、ゆっくり言葉を選ぶ。

 

 

「ドイツ出身で……ええと、日本語で…っ、あっ、民俗学の研究をしている……。…妖精についての調査、してたら、……えと、気がついたら、ここにいた」

 

「やっぱり外の世界から……。可哀想だけどこの世界に迷ってきちゃったのね」

 

「外の世界?この世界?……もしかして、ここドイツじゃないのか?」

 

「ドイツっていうのは知らないけど、そうね。ここは幻想郷っていう……あれ、何で言えば良いのかな…。確か、……異世界!そう、異世界に迷い込んじゃったの」

 

「なっ、異世界……!?」

 

 

 リュグナーはゴクリと唾を飲み込んでから、ばっと起き上がる。先程まで怯えてげっそりしていたその顔は赤く染まり、鼻息が荒く興奮しているように見えた。

 

 

「〜〜〜〜〜〜っっっ!!」

 

「ど、どうしたの…?」

 

「異世界転生!マジかよ!?クールジャパンで見たぞ!日本のアニメ、一番面白いのは転生物!!俺っ、ついにきちゃった!?夢叶っちゃった!!?」フハーッ

 

「喜んでるの…!?外来人って変わってるのねぇ…」

 

「だからあんな化け物がいたんだ!!かげろーっ!この世界にはドラゴンはいるっ!?ユニコーンは?ペガサスは!?」

 

「ストップ!」

 

 

 影狼はお粥を差し出した。

 

 

「嬉しいのは、分かった。……ただ興奮するのは一旦ストップ。あなたは怪我人よ。とりあえず栄養補給して」

 

「──あっ、いっつ!?」

 

 

 怪我のことを指摘された途端、背中と足に痛みが走り出す。きっと異世界転生に興奮し、アドレナリンにより痛みを感じなくなったのだろう。だが感じなくなっただけで治るわけではない。なので影狼はまず落ち着かせた。

 

 

「ほらね。自分で食べられる?」

 

「う、うん…。これは……?」

 

「お粥。あったまるよ」

 

 

 鼻を動かす。

 

 

「……牛乳粥(ミルヒライス)とは違う、けど……良い匂いだ」

 

 

 リュグナーは器を受け取り、一口含む。

 温かさが、身体の芯に広がっていく。

 

 

「……美味い」

 

「そう。口に合ったみたいで良かった」

 

 

 食べ進めて、そして静かになったリュグナーの瞳から涙が溢れた。

 

 

「・・・」

 

「リュグナー……?」

 

 

 少し沈黙が落ちる。

 やがて、リュグナーがぽつりと漏らした。

 

 

「……そうか。ここには居場所が、ないんだ」

 

「・・・」

 

「さっきまでは……ジャパンのアニメみたいで嬉しかった、けど……、別にすごい力なんか無い。誰も頼れる人はいない。ここに居場所がない。……どうしたら、いいんだ」グスッ

 

 

 冷静になったことで思考が現実に戻ったのだ。

 落ち着いて考えると日本に近しい場所で、モンスターがいて、殺されかけて、そして助けられて気がついた。そうか、この世界の自分には何も無い。つまり、どうやってここで生きていけば良いんだろうという絶望しかないのだ。

 

 

「・・・っ」

 

 

 影狼は一瞬だけ視線を伏せ、それから決意したように言った。

 

 

「あのさ」

 

「・・・?」

 

「傷が治るまで、ここにいなよ」

 

「……いいの?」

 

「泣いてるやつを放っとけないだけ」

 

「ありがとう……。カゲロー」

 

「まぁ、傷が治ったら博麗神社っていう場所に連れていくわ。そこにいる霊夢っていう巫女が元の世界に戻してくれるかもしれない」

 

「分かった」

 

「まずは休みなさい。私がいるからね」

 

「……あり、が……と……」コクンッ

 

「喜んだり、泣いたり、騒がしい奴なんだから。ふふ……」

 

 

 腹が膨れたのか眠ってしまった。

 その幼なげな表情と、頼られていることに、不思議な心地よさを感じていた。影狼は眠るリュグナーの頭を撫でて、すぐに我に帰り、手を引っ込める。

 

 

「わ、私、何を……!?」ドキドキ

 

 

 

 手を胸に当てて、深呼吸──。

 自分の中にある狼としての群れの頂点に立つものの本能を落ち着かせる。昔からこうだ。困っている人や辛そうな人を見ると守りたくなってしまう庇護欲を抑えつける。

 

 

「・・・・・っ」

 

 

 “女のくせに毛むくじゃらとか、キモすぎんだろ……”

 

 そして同時に、忘れたい記憶が襲ってきた。忘れようとしていたはずなのに。頭を何度も何度も振って、床に座り込む。膝を丸めて体育座りの姿勢となる。

 

 

 

「……人間と妖怪は分かり合えるわけがないのに。馬鹿ね、何やってんだろ」

 

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど。……ここは忘れ去られた者が来てしまう幻想郷という場所で、あれはモンスターではなくヨーカイという存在」

 

「そう。そしてこの私も妖怪よ」

 

「はっ!?言われてみれば、耳と尻尾がある!?……カゲローは犬のヨーカイ?」

 

「犬じゃなくて狼。私は狼女」

 

「──狼…!」

 

「なによ。そんなに犬に見える?」

 

「あっ、いや、違うんだ。僕の住んでいた国では狼男というモンスターの伝説があって……、人を喰らう怖いやつだから、その……」

 

「私は違うわ。人は絶対に襲わない。……ただ勘違いしてはいけないからね。妖怪の中には人間を食べる奴がいる。みんなが皆んな、私みたいな存在だと思っちゃダメよ」

 

「……それは身をもって知ってるよ」トホホ

 

「あとは──」

 

 

 幻想郷について教え、ルールを教え、妖怪について教えた。

 仮に彼がこの世界で生きていくのならば知っておかなければならないこと。関わったのだから()()()()()()()()()()()()()

 

 

「……とりあえず説明は終わり。どう、感想は?」

 

「……あー、幻想郷は怖そうで、楽しそうな場所だっていうのはなんとなく」

 

「ふふっ、さぁ、ご飯にしよ」

 

 

 そして傷が治るまでの間、二人の共同生活が始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(また来てる…)

 

 

 買い物に出掛けている小鈴の代わりに店番をしている文車妖妃。

 小鈴は家族に紹介し、家族も彼女を受け入れて、今では家族同然のように暮らしている。普段は小鈴の肩の上に乗っているが、小鈴がいない時には小学生くらいの大きさになり鈴奈庵の手伝いをしている。

 

 そんな彼女は心の中で“また──”と呟いた。

 

 

「・・・」

 

 

 文車妖妃の視線の先には赤いマントを身につけ、マントと同様に赤く短い髪に赤いリボンをつけた女性。ここ最近来て、今では毎日【人妖恋愛譚】という小鈴の書いた小説を数ページだけ読む。

 

 

「・・・ふん」

 

 

 ぱたん、と読んでいた本を閉じる。

 どうやら今日は13ページくらい読んだようだ。途中まで読んだ女性の顔は不満なまま。文車妖妃はそれがどうにも気に食わなかった。別にマナー違反だとか、店のルールを破っているわけではないが、小鈴の本をあんな顔をして読まれるとファン第一号としてはムカつく。

 

 

「あ、あの……!」ドキドキ

 

「・・・なに」

 

 

 気づけば、文車妖妃は話しかけていた。

 本を元の棚に戻している相手は振り向いて答える。

 

 

「そ、その本お好きなんですか…?」

 

「何でそんなこと聞くの」

 

「ま、毎日来て、少し読んで、すぐ戻して……。だ、だからその、好きなのかなって。もし忙しいなら借りることもできます、けど…」

 

 

 赤い女性は少し黙ってから、口を開く。

 

 

「借りる気はないわ」

 

「え」

 

「私、この本嫌いだから」

 

「──!!」イラッ

 

 

 冷たく言い放つ女性に文車妖妃はカチンと来た。

 女性はその怒りに気づいていないのか、言葉を続ける。

 

 

「人と妖怪の恋愛をテーマにしてる【異種らぶ】。……妖怪と人間が恋をしてハッピーエンドで終わるわけがない。必ず不幸になるに決まってるのにさ」

 

「フィ、フィクションですよ…。そんな深く考えなくてもいいし、嫌いなら別なのを読めば……」

 

「嫌いだけど手に取ったなら最後まで読むって決めてるの。だって本に失礼だもん」

 

「・・・っ」

 

「でもさぁ、作者さんは随分とお花畑なんだねー」ケラケラ

 

「あ゛っ!?」

 

 

 低い声が出てしまった。

 女性はその反応を見て、少し驚いた後に軽く笑う。

 

 

「あーごめん、店員さん。馬鹿にしてるつもりはないの。ただ私がこういう類を読むとムカつくだけだから、ついね」

 

「う゛ぅ〜〜っ!!」イライライライラ

 

「まぁ、改めて感想を作者さんに伝えようと思うわ。最後まで読んでからね」

 

 

 そう言って鈴奈庵の中央の本紹介コーナーの近くに置かれた感想箱と呼ばれる小鈴が設置した本の感想を入れておく箇所があり、そこを指差した。あそこに入れた感想は壁によく掲示されている。

 

 

「それじゃ、作者さんによろしく」

 

 

 そう言うと鈴奈庵を出て行った。

 何だあいつは。 

 奴がいなくなると同時に猛烈な怒りが込み上げてきた。

 

 

「なっ、なっ、何なのっ、あいつゥ〜〜〜ッ!!ムカつくムカつくムカつく〜〜っ!!」ダンダンダン

 

「ただいま〜っ、いやぁ寒いですなぁ……って、どしたの!?」

 

 

 小鈴が帰ってくる。

 それを見た瞬間に、文車妖妃は妖精くらいのサイズになって小鈴の胸に飛び込んだ。

 

 

「小鈴ぅっ、酷いんだよっ、酷い奴がいたんだよォ」

 

「えっ、なになに」

 

「あのね──」グスン

 

 

 

 

 

 かくかくしかじか

 

 

 

 

 

 

「うーん、あはは。手厳しいなぁ」

 

「酷いよねっ、小鈴のは全部面白いのにぃ。あんなに胸にキュンキュンくるのにぃ」

 

 

 涙目の文車妖妃を撫でながら小鈴は笑っていう。

 

 

「私は、その人のこと酷いって思わないな」

 

「えぇ〜〜っ!?なんでっ!」

 

「元々万人ウケなんて狙ってないし。……まぁ、チラッと読んだだけで全部知ったかのように文句言われたら腹立つけどさ。その人は最後まで読むって言ったんでしょ」

 

「…うん」

 

「ならその人の意見は聞きたいと思う。きっと成長に繋がると思うもん。それに何かを世の中に発表するってことは良いことばかり言われるわけがないからね」

 

「〜〜〜っ、はぁ〜……。なら私も怒るのやめる」

 

「私のために怒ってくれてありがとう。けど批評されるまで読んでもらえるとなると書いた甲斐があるよ」ナデナデ

 

「んふ〜〜っ、……はっ!?なんかこのサイズだと思考まで幼くなっている気がする!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ…、さっむ……」

 

 

 先程の赤い女性は冬の風に震える。

 冷酷な程に遠慮なく吹き荒れ、鈴奈庵でポカポカに温まった体は芯まで凍えてしまう。

 

 

「……はぁ、完全に嫌な女だったよなぁ。あんなこと言わなきゃよかった。明日行くの気まずいなあ…」

 

 

 凍えながらも先程の行為に自己嫌悪。

 しかし考えは変わらない。

 

 

「でも嫌いなもんは嫌い。関わり合えても、理解り合えない。人間と妖怪は恋愛なんかできない……。あんなお花畑みたいな話は大嫌い」

 

 

 そんな気持ちを抱いたまま、歩みを続ける。彼女の目指す先は【霧の湖】と呼ばれる場所だ。紅魔館近くに存在し、昼間になると何故か霧が発生する不思議な湖なので、いつの間にかそういう名前で呼ばれるようになっていた。

 

 

「・・・」

 

「そこの道行くお姉さん。ちょいとお待ちよ。ンーフフフ」

 

 

 里と外を区切る門へ向かっていた途中で、変な男に絡まれる。

 ボロボロのネズミ色の布を纏った、顔までネズミに似ている出っ歯の男。いやらしい顔をしながら冬なのに裸足で近づいてくる。無視して歩みを続けると、驚いた顔をしながら後を追ってきた。

 

 

「・・・」

 

「えっ、ちょちょちょ!無視すんなよっ!今なんか困ってんだろ!?」

 

「はぁーーーっ、はいはい。うん、困ってるよ。よく分かったねー。ちょうど今変な男にしつこく付き纏わられているんだけど、どうしたらいいですかー」

 

 

 嫌味をたっぷりと込めて言い放つ。

 しかし、男はニタニタと笑顔を崩さずに手を擦りながら寄って言う。

 

 

「ならピッタリだ!うししししっ、実は私、どんなにしつこい男とも別れさせる【別れさせ屋・グッチュー】のねずみ男という者でしてね!どうですか、お安くしときますよ」

 

「な……っ!?」

 

 

 何ということだ。

 このねずみ男と名乗る男、今の嫌味を理解していないのか。困っていると言ったのはお前に言ってんだよ!!という意味なのだが、このネズミ顔は待ってましたと言わんばかりに名刺を取り出して寄ってくる。

 

 

「時代が進むにつれて恋愛問題も複雑化!ストーカーもゴキブリの如く増えていく始末!しかし、悲しいかな。この世はストーカーに甘過ぎる!だからこそ、か弱い乙女の味方になれる私に任せてくれれば一瞬で解決ですよ」

 

 

 聞いても無いのにベラベラと喋りながら隣を歩く。

 

 

「もちろん、ストーカー以外にもお役に立てますよ。例えば……ずっと好きだった相手が見知らぬ輩と付き合ってしまった時に“奪いたい”ですよね!そんな時も我々が解決を──」

 

 

 ばしっ!!

 名刺を奪い取ると、ぐしゃぐしゃにしてポケットに乱暴に入れた。ああいうビジネスマンは諦めが悪い。なので名刺を受け取って、さっさと退散するしか無い。ねずみ男は足を止める。

 

 

「じゃ」

 

「・・・ちぇっ」アカンベー

 

 

 さっさと切り替える。金にはならなかったが売名行為はできたはずだ。ねずみ男はくるりと振り向き、新たな獲物を探しに行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと着いた。邪魔が入らなきゃもっと早く着いたのに、遅刻しちった…」

 

 

 そんな文句を垂れながら、そぉっと湖に手を伸ばし、3回ほどチャプチャプと水面を叩く。

 

 

「冷たいぃぃ……っ」

 

 

 静かな水面に広がる波紋。

 極寒の水に触れて赤くなる手をポケットにすぐに入れた。冷たさが痛みに変わり、ジンジンとなってくる。ただそれでも湖から離れることはなく水面を眺めていた。すると──

 

 

 ぶくっ、ぶくぶくっ

 

 

 水面に泡が立ち、何かがザブンと飛び出した。

 それは青く美しい人魚であった。和装のメイドのような格好をした青い髪に青い瞳を持つ少女で、赤い女性を見るとにこりと優しそうに笑った。

 

 

「今日はだいぶ冷えるわね、赤蛮奇(せきばんき)ちゃん」

 

「この呼び方のせいでもっと冷えた。【わかさぎ姫】さー、もうこの呼び方やめない?普通に呼びかけちゃダメ?」

 

「ダメ。水の中じゃ音は聞こえずらいのよ」

 

 

 この人魚と親しく話す赤い女性。彼女の名は赤蛮奇。見た目は限りなく、人間に近いが彼女も立派な妖怪である。しかし妖怪とはいえ寒さには勝てない。木枯らしが吹くたびに震えが強くなる。

 

 

「だったら頭だけ常に出してなさいよ。人魚なんだから肺呼吸もできるでしょ」

 

「相変わらずツンとして私にぶつけるんだから。……ま〜たあの本にイライラしちゃってさ」

 

「違う。この寒さに腹立つだけ。あの本関係ないし」

 

「赤ちゃん。まだ“あの事”を引きずってる?」

 

「くぅっっっだらない。もう忘れたし」

 

「そう・・・」

 

 

 そんな会話をして30分。

 ますます寒くなっていく。しかし、赤蛮奇とわかさぎ姫は誰かを待っているようだった。

 

 

「寒い、寒寒ぅ……。ちっ、影狼(かげろう)まだなの?いつ来るのよ……っ」

 

 

 

 かしゅ…っ。

 ぼおっ…。

 集めた枯葉と枝で作った簡易的な物にマッチで火をつけて焚き火をする。何かあれば、わかさぎ姫が鎮火してくれる。安心して、その暖かい火に当たって暖まる。

 

 

「はぁああ〜〜〜っ、とろけるぅ〜」

 

 

 一気にポカポカとしてくる。

 

 

「ねっ、今日は週一の【草の根妖怪ネットワーク】による定例会議なのにぃ…」

 

「定例会議って言ってもただの雑談会でしょ」

 

「それでもよ!メンバーとしての自覚ないのかしらっ、時間守ってきてる私たちを見習ってほしいわ。ぷんぷん」

 

「私はメンバーに入ってないから。ただ暇だから来てるだけ」ツン

 

「なに、照れてるのよ〜。相変わらずのツンデレねー」

 

「なっ!?ツンデレなんかじゃ──」

 

「はいはい。けど本当に遅いわね。……もしかして何かあったんじゃないの。赤ちゃん、見てきてよ〜」

 

「嫌、無理。寒い。ここから動けない」

 

「もうっ、()()()()()()()()()でしょ」

 

「……はぁっ、分かったわよ」

 

 

 

 そう言うと、()()()()()()()()がふわりと浮いた。胴体と頭部が離れ、そのまま宙を舞う。胴体から離れた頭部は寒そうに火の周りをぐるぐると回る。

 

 赤蛮奇──彼女の種族は【ろくろ首】。

 ただし首が伸びるタイプではなく、首が抜けるタイプ。日本では抜け首、中国では飛頭蛮(ひとうばん)などと呼ばれる。

 

 

 

「……赤ちゃんって不思議よねぇ。ろくろ首って普通首が伸びるものでしょう?」

 

「有線か、無線かの違いでしょ。じゃ、ちょっと行ってくる」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寒い、寒過ぎる…っ!マ・ジ・で・何してんのよ……!!」

 

 

 草の根妖怪ネットワーク。

 表に出ない“弱い妖怪たち”が情報交換をする、ささやかだけど彼女たちにとっては大事な集まりだ。今泉影狼は皆勤賞に近いほど真面目なのに、今日は姿を見せなかった。

 

 だから、迎えに来た。

 赤蛮奇は先程、暇だから等と言ってはいたが内心は嫌いじゃあない。なんだかんだ雑談をし合える。だから寒くてもここまで来たのだ。

 

 

(別に……、別に何とも思ってないし…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 影狼の家は、里の外れ。

 静かな場所にぽつんと建っている。赤蛮奇の首は、いつものように窓の前で止まり、声をかけようとして——

 

 

「かげ……ろ…う……?」

 

 

 そのまま、ぴたりと動きを止めた。

 

 

……中が、見えた。

 

 

 影狼がいた。

 だが、ひとりではなかった。見知らぬ──完全に人間の男。服装も妖怪の気配もない、ごく普通の男が、影狼の隣に座っている。

 

 いや、隣、という距離ではない。

 

 影狼は笑っていた。

 あの、仲間内で見せる屈託のない笑顔よりも、少し柔らかい表情で。男の腕に軽く寄りかかり、尻尾が無意識に揺れていた。

 

 

「影狼…っ、どうして……」

 

 

 楽しそうに。

 親しげに。

 イチャイチャしているように見えた。赤蛮奇の首は、空中で完全にフリーズした。寒さなんて忘れてしまった。声をかけるつもりだった口は、半開きのまま動かない。瞬きすら忘れて、ただその光景を凝視する。

 

 

「・・・」

 

 

 影狼がふと、起き上がる。そして時計を見て尻尾がピンと跳ね上がる。そして男に何かを言うと急いで支度をして家から飛び出した。

 

 

「……え」

 

 

 影狼と宙に浮かぶ赤蛮奇の首。 

 ばっちり目が合う。

 

 時間が、止まった。

 赤蛮奇は、言葉を探すように口をぱくぱくさせ、影狼は、状況を理解するまでの一拍を置き——

 

 

「………………あ」

 

 

 と、間の抜けた声を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・デュラハン ガ イルヨ コワイヨ」ガタガタ

 

 

 

 家の中はカオスと化していた。

 影狼は気まずそうに俯き、頭だけの赤蛮奇がギロリとリュグナーを睨みつけ、リュグナーは首だけの妖怪(デュラハンだと思ってる)に心底怯えていた。

 

 

 

「リュグナー。あっちの部屋で待ってて」

 

「う、うん」

 

 

 影狼はとりあえずリュグナーと赤蛮奇を離す。

 リュグナーがいなくなると、キュッと閉じていた赤蛮奇の口が開く。

 

 

「・・・で、あいつ誰」

 

「か、彼はリュグナー…。外来人で……この前妖怪に襲われていたから保護していたのよ」

 

「ふ〜〜〜ん、保護ねぇ。私にはそれ以上に見えたんだけどな〜」

 

「そ、そう?私はただ至近距離で傷の具合を確かめようとしただけだし」

 

 

 赤蛮奇はふわふわと漂いながら、影狼に近寄る。

 

 

「……もしかして、そいつのこと好きなの?」

 

「!! そ、んな、わけ……」

 

「影狼、あんたとは長い付き合いだからよく知ってんのよ。男の趣味を」

 

「は、はぁっ!?」

 

「昔っから“頼ってくる奴”に惚れちゃう。一人じゃ生きていけそうにない奴に助けを求められると嬉しくて、嬉しくて、堪らなくなっちゃう……。相変わらずね」

 

「う゛っ!?」

 

 

 

 図星──。

 影狼は結構美人であり、狼としての気高さも兼ね備えていて男性人気は高い。そしてそんな彼女の歴代彼氏は【甘えん坊な男】という特徴があった。

 弱かったり、辛そうだったり、可哀想だったりという面を持つ男が、影狼を頼ると、彼女は守ってあげたくなる。助けたくなる。そして面倒見てあげたくなるのだ。

 

 

 

「けど、また“あのこと”を繰り返すわよ」

 

「・・・!」

 

「今までの相手はそうだったでしょ。アンタがどれだけ愛しても裏切ってきた」

 

「でもリュグナーは悪い奴じゃ…」

 

「……もしかして、もう告ったの?二人は恋人同士!?」

 

「まだ。……リュグナーにとって私は“助けてくれた人”だし。私が勝手にほっとけなくなって、気になってるだけ。もし告白したら、弱ってる彼につけ込んでいる感じがして……」

 

「良かった。ならさっさと早くそいつを里に連れて行ったほうがいい」

 

「で、でも……」

 

「傷つきたくないでしょ?」

 

 

 影狼の耳と尻尾が垂れる。

 かなり悲しそうだ。だが赤蛮奇は続けた。

 

 

「・・・妖怪(私たち)には無理なのよ。誰かに愛してもらえるなんて」

 

「……考えさせて」

 

「……考えるって、なにを?影狼、私は心配なの。親友のあんたがまた傷つくんじゃないかって。……どうせさっきの奴も一緒よ。アンタのあの姿を見たら幻滅する」

 

「でも!」

 

「……!?」

 

「それでも、考えさせて…」

 

 

 赤蛮奇の頭が再び動く。

 

 

「……そう。なら勝手にすれば。あいつの本性を知って、勝手に傷付けばいいわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤蛮奇はわかさぎ姫の元に帰った。

 そして、先程見たことを全て事細かく教えた。

 

 

「そうか〜。いいなぁ、影狼ちゃんは」

 

「ハァッ!?何がいいの!バカでしょッ、本当にバカ!」

 

「嫉妬ぉ?」

 

「違うわよ!」

 

 

 わかさぎ姫の煽りに赤蛮奇は怒る。

 そして首元のマントをぐいと上げて、無い首を隠すような仕草をとる。

 

 

「どうせ気味悪がられる。嫌われる。妖怪なんてそんなもん。普通の恋愛なんてできるわけがない。出来るなら私だってあの時──」

 

「やっぱり、あの事引きずってんじゃん」

 

「ふん」

 

「あの人とは違うよ」

 

「どうだか」

 

「・・・影狼ちゃんは過去を振り返らないんだよ。自分の“好き”っていう気持ちを大切にしてて、辛い思い出とかの相手なんかしてる暇ないんだよ。あーあ、羨ましいな。私はどうしてもここから出られないからさ、恋なんてしたことないし」

 

「その方がいい。恋なんて知らないほうが」

 

 

 

 

 

 なぜここまで赤蛮奇は影狼の恋路に対し、否定的なのか。

 

 

 それは彼女自身も過去に人間と恋のやり取りをしているからだ。

 

 

 赤蛮奇はとある人間の若者と恋をしたことがあった。

 彼は彼女が妖怪【ろくろ首】であることを理解していたし、彼女も人間とはいつまでも一緒に入られない定めを受け入れ、両者は納得したうえで恋愛をしていた。

 

 そう、恋愛をしていたはずだった。

 

 しかし、ある日のことだった。

 若者は何気なく「ろくろ首」という妖怪がどのように首を伸ばすのか気になり、本人に聞いてみた。赤は快く了承し、彼女は自由自在に頭が取れ、フワフワと浮かぶ姿を見て、若者は驚いた後に少し引いた顔をして言った。──「覚悟はしていたけど首がとれる姿ってやっぱり、そのね・・・」と。

 

 その日から変に距離を空けられ、段々と関わり合う時間が無くなっていった。

 人間なのだから首が取れた姿を見て、かなりビックリさせてしまった。そのことを謝罪しようと彼の家に向かった時に聞いてしまった。

 

 

 

『あんなに気味の悪いものを見たことがない。みんなも見たら驚くぞ』と───。

 

 

 自分の存在、種族には誇りを持っていたし、この力で誰かに迷惑をかけているわけでもない。

 

 彼は理解すると言ってくれたし、あの時は驚いてしまっただけだと。だが、よりにもよって愛していた存在から、ろくろ首という妖怪を否定されたこと、気持ちが悪いという陰口がとてもショックだった。その日から彼女は、人間と妖怪は絶対に分かり合えないこと、人間と恋愛するなんて絶対に上手くいかないと考えるようになり、深く関わらないと心に決めるのだった。

 

 

 

 

 同様な過去を影狼も持っている。

 だからこそ、影狼を心配しているのだ。

 

 

 

 

「あんなにイチャイチャしてたけど、月の下での影狼を見たらきっと逃げ出すに決まってる。そうしたらどれだけあの子が傷つくか。…………あ」

 

「・・・?」

 

 

 赤蛮奇はグシャグシャの一枚の名刺を取り出した。

 胡散臭い髭を生やした男が真ん中に堂々と書いてある、あの名刺だった。

 

 

「あの子が傷つく前に、あの人間の本性を暴いてやる」

 

「ちょ、ちょっと待って。なに?どこに行くの」

 

「別れさせ屋」

 

「ハァッ!?自分が何をしようとしているのか分かっているの?赤ちゃんの心配する気持ちは分かるけど、それは二人の問題で赤ちゃんには関係ないでしょ」

 

「友達が傷つくのを黙って見ていられるわけがないの」

 

「余計なお世話じゃない、そんなの!友達の私たちにできるのは応援だけでしょ!」

 

 

 わかさぎ姫は暴走するに怒鳴った後、背を向けながら言った。

 

 

「・・・今の赤ちゃんは恋してる影狼ちゃんに嫉妬しているように見える。自分は過去を乗り越えられなくて、過去を乗り越えた影狼ちゃんに嫉妬してるんだよ。そんなの友達じゃないよ、最低だよ」

 

「なっ!?」

 

「ごめん。もう帰るね」

 

 

 そう言うと、水の中に潜り消えて言った。

 残された赤蛮奇は頭に血が上ったまま、この場を去るのだった。

 

 

「……ふざけんな。嫉妬なわけがない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・というわけなんだけど」

 

「なぁるほどォ~」

 

 

 髭をいじりいじり。

 「どんな相手も必ずバイバイ 別れさせ屋グッチュー」と書いてある板が机にくぎ打ちされているようなボロボロのあばら家。中は長机一つ、そしていまにも壊れそうな椅子に座らされた赤蛮奇。対するのは、周りと同じようなねずみ男であった。彼は何度もうんうんと頷きながら話を聞いていた。

 

 

「名刺を渡したときは冷たくされたので無視しようかと思ったんだがよぉ〜〜っ。話を聞くと無視できない案件だしなぁ〜」

 

「う、うぐ…っ、あの時はごめん…」ウググ

 

「まぁ〜反省してるようだし力になってやるか〜。善人である俺に感謝しろよナ」

 

「……ぅす」

 

「因みに、その二人の状態は実によくないなぁ。その人間、何か企んでるような気がするね」

 

「やっぱりそう思う?」

 

「まあ、この色恋沙汰に詳しい俺から言わせてもらえりゃ、妖怪と人間の恋愛は上手くいった試しがない。大方、人間は影狼って子を絆して何かさせる気だな」

 

 

 赤蛮奇は心の中でやっぱりね、と思う。

 どうせ叶わぬ恋なのだから早々に諦めて、別れたほうがいいに決まっている。長くいればいるほど傷は深くなるに決まっているのだから。

 

 

「だから、別れさせ屋のアンタにはあの男の正体を暴いてほしい。きっと怖い目にあったら影狼を見捨てて逃げるはずよ」

 

「んーふふふふ。わっかりました!怖い目に合わせて男の裏の顔を見せてやりますよん。た〜〜だ〜〜お金は払ってもらわないと困りますがね!」

 

「いくらなの」

 

「人の人生に関わることですし、本来なら100万円なんですが・・・今日は初出店サービスで、これ引いて、あれ引いて・・・」

 

 

 ねずみ男は慣れた手つきで算盤を取り出すと、パチパチと打ち始めた。

 

 

「30万円で手を打ちましょう」

 

「さ、30……っ、そ、そんなに・・・」ウッ

 

 

 赤蛮奇はその額を見て、眩暈がした。

 妖怪にとってお金はあまり価値がないので持っているほうが珍しい。一応、バイトはしているが30万円なんて払えない。

 

 

「もう少し安くならない?」

 

「あっはは!御冗談を~~。人の恋路の邪魔をするんだぜ、なら邪魔する覚悟を見せないと」

 

 

 赤は目を閉じて、深く考える。

 

 

「お客さん?」

 

「……分かった。見せてやるわよ、覚悟」

 

「え?」

 

 

 赤の覚悟は決まっていた。

 

 

「草の根妖怪ネットワークの仲間……いや、友達として、影狼にはもう二度と傷ついてほしくない」

 

 

 赤は、バンッと机を叩いて言った。

 ねずみ男は驚いて体が跳ねた。机の上には3万円が置かれている。

 

 

「これは私の全財産。残りはバイトし続けて金は来月には全額払ってやる!適当なことやったら覚悟しなさい!!」

 

「むふふふふ、契約成立。お任せを!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤蛮奇が帰ると、ねずみ男は笑う。

 この笑いは自分の思った通りに事が進んでいる証拠であった。

 

 

「いい商売だねッ、別れさせ屋!はじめは儲かるのか半信半疑だったがよ、値段はこっちで自由に決められてガッポガッポ、幸せカップルに嫌がらせできて良い気持ち!まさに一石二鳥だねぇ、にーひひひひっ」

 

 

 店を出ると、ねずみ男はそのまま山の中に入り、慣れたようにけもの道を進む。

 歩く先には巨大な木が一つ生えており、彼が近づくと山の上から大きな影がドカンと落ちてきた。その衝撃に鳥や動物たちは一斉に逃げ出し、ねずみ男もひっくり返っていた。一応、ここは天狗たちの管轄外なので哨戒天狗がやってくることはない。 

 

 

『よおおおおおおお~~~』

 

「いってて、相変わらず乱暴ね…」

 

 

 大きな影、もとい大きな妖怪はねずみ男に近づく。

 

 

『どうだ?ねずみ男、うまくいったか?』

 

「勿論ですよ、先生が教えてくれた商売で簡単に依頼と金が手に入りました!後からもっと入る予定でして、先生には本当に感謝しかございませんよ」

 

『そうかそうか。ぶひゃひゃひゃ!』

 

「いや~この森で先生に出会えた、あっしは幸運だなぁ」

 

 

 毛むくじゃらの大きなお尻が地面につく。

 そして、そのまま寝っ転がり、鼻をホジホジしながらねずみ男に尋ねる。

 

 

『どんな依頼だった?』

 

「あっ、そっすね。えーと……、とある女が男と付き合い始めたらしいんですが、その男には何か裏があるんじゃねえかって事で、その女の友達がビビらせて裏の顔を出させてくれって言うんでさァ。……別れさせ屋の初仕事としてはやりやすいかもしれないっすね」

 

 

 ねずみ男は赤蛮奇に書かせた依頼書を確認しながら答える。

 するとその妖怪は鼻くそを指でピンと飛ばす。

 

 

『何だって良いがよぉ、別れさせる女の特徴はどうよ?』

 

「どうって……ええと、男じゃないんすか?」

 

『女だよ、男なんてどうでもいいッ』

 

「あ~、そうでがすか。それで女の特徴でがすが、どうやら人間ではなく妖怪らしいでがすよ」ガスガス

 

『ちげえよッ』

 

 

 バシンと地面をたたくと、ねずみ男は一瞬宙へ浮き、そのまま顔面から落下する。

 

 

「あだっ!?いっつつ……」

 

『顔だよ、顔。美人かどうか聞いてんだよ』

 

「び、美人?別れさせるだけなのに容姿って関係あるんすか?」

 

 

 容姿なんか聞いてない。この仕事にそんなの必要はないし、写真なんかも貰っていないので全く分からない。だが目の前の妖怪は歯茎をギィっと剥き出しにして怒鳴る。

 

 

『いいから答えろや!!』

 

「ひいぃっ、び、美人ですよ!そりゃあもうっ!美人10人を煮込んで一つにしたくらいにっ!」

 

 

 適当。

 超適当。

 ねずみ男の悪い癖である“その場しのぎの嘘”が飛び出してしまう。しかし妖怪はそれを聞くとご満悦。

 

 

『ぶひゃひゃひゃ。そうかそうか、美人かー!』

 

「え、えと、男のほうは」

 

『だから俺は男に興味はねえし、俺の耳は男の顔面偏差値を聞けるようになってねえんだ。だから言わなくていいぜ』

 

「そうでがすか」

 

『ぶひゃひゃひゃ、美人か~~~。こりゃあ楽しみになってきたな~』

 

 

 そう言うと、妖怪は茂みの中に消えていった。

 残されたねずみ男は誰もいなくなったところでボソッと呟くだけ

 

 

「……ちっ、馬鹿の相手は疲れるぜ。ただ脳筋ほど楽なのはいねえな。こっちもこっちで利用させてもらうからな。にーひひひひ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました。恋愛描写とか大嫌い。書けない。ただでさえ大した文章書けないのに恋愛なんかやらなきゃよかった。

 影狼、赤蛮奇、そしてねずみ男。
 3人の間にいろいろなものが巡っていく──

 ゲスト妖怪はだーれだ。
ヒント 鬼太郎本編には出たことありません。
    中国や、岐阜県にも伝わります
    女好きです
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