ねずみ男 幻想郷に立つ   作:狸狐

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こんにちは、狸狐です。

 今年はたくさんのリクエストを一つ一つ消化しながら、西洋妖怪編に行けるように頑張ります!!

















僕と姫の自由研究③

 

 星太はその場に崩れたまま、動けなかった。

 砕け散った望遠鏡。自分の手で作り上げたものの残骸。涙で滲んだ視界の中、影が落ちる。

 

 ゆっくりと──オセロットが、目の前に立った。

 ギュルルリイィィィィン……と血肉と錆が混ざり合った丸鋸が回転する。低く、不気味な音。

 

 

「星太ァッ!!」

 

 

 にとりの悲鳴が響く。星太の肩が震えた。

 逃げなければいけないと、頭では分かっている。だが、体は言うことを聞かない。オセロットが腕を持ち上げる。丸鋸の刃が、星太の頭上に掲げられる。

 

 

「……っ」

 

 

 声にならない。目を瞑る。

 その刃が振り下ろされ、少しでも痛みから恐怖から逃れようとした防衛本能で迎えうるしかない。

 

 

 

 

 

 

──その、刹那。

 

 

 

 

 

 

 

 ガシィッ…、ギジィィィ……ッ!!

 金属がきしむ音。

 

 

「・・・っ?」

 

 

 星太はゆっくりと目を開けた。

 丸鋸の軌道が、ぴたりと止まった。オセロットの機械腕が、空中で固定されている。

 

 

「・・・!!」

 

 

 少年の目がわずかに揺れる。

 その機械腕を後ろから掴んでいる手があった。血に濡れた指。だが、確かな力で機械の腕を握り締めている。

 

 ゆっくりと。

 その手の主が、顔を上げる。

 

 

「よく言ったわ、少年!かっこよかったわ……!!」

 

 

 目覚めたばかりのようなかすれた声。

 だが、その響きには、確かな喜びと怒りがあった。星太の目が見開かれる。

 

 

「……かぐや……さん……?」

 

 

 瓦礫に叩きつけられ、腕を失い、腹を貫かれたはずの少女。

 そんな彼女が立っていた。ゆっくりと、異形の腕を握りしめる力を強める。

 

 

『ば、ばばばっ、馬鹿なぁぁぁ……ッ!?こいつはバラバラにして殺したはずの──』

 

「輝夜さん!!」

 

 

 ドローンが揺れた。

 揺れに、揺れて、墜落した。プロペラがヒートし、地面に落ちたカメラだけで捉えるしかない。殺したはずの相手を──。

 

 

「私さ……、ずぅっと生き続けていて大抵のことは流せるんだけど……」

 

 

 静かに言う。

 

 

「唯一、許せないことがあるの」

 

「うん」

 

 

 丸鋸の回転が空しく唸る。

 だが、その刃は一歩も動かない。輝夜は一歩踏み込む。

 

 

『○○──』

 

 

 そして渾身の蹴りが、異形の胴体に叩き込まれた。鈍い衝撃音。巨体が吹き飛び、地面を削りながら転がる。星太の目の前から、脅威が消えた。

 

 

「……っ!す、すげぇ…」ゴクッ

 

 

 輝夜はその場に立ち、荒く息を吐く。

 だが、その瞳は完全に戦いの光を取り戻していた。

 

 

「相手の過ごしてきた時間を無視することだ!!少年がやるべきことを見つけ、その為に努力し、そしてたくさんのことを経験してきた。それを無視して、踏み躙る……。そんな無礼を……許せるわけがない!!」

 

 

 

 

 

 

 蓬莱山輝夜──。

 彼女にとって許せないこと(地雷)は、自分や誰かが過ごしてきたものを踏み躙られることである。

 

 その考えに至ったのは、彼女の過去にある。

 

 蓬莱の薬を飲み、不老不死となった輝夜。

 罰として地上落としの刑となり、竹の中に赤ん坊として送り込まれた。穢らわしい地上で苦しめ、という罰。だが月人たちの予想とは裏腹に、輝夜はそんな地上暮らしを心の底から楽しんだ。お姫様ではなく、ただの子どもとして。

 

 

 そして彼女は愛した。

 お爺さんとお婆さんと質素で平凡で、幸せで温かい暮らしを。美しさから皇子たちや帝から寵愛を受け、そこで見た人の醜さを。人の努力や愛や苦しみや醜さ……全てを愛した。

 

 

 

 だからこそ、迎えにきた月人たちを許せなかった。

 お爺さんとお婆さんと私の間に生まれた心の繋がりを、出会った思い出を、経験を、記憶を──、全て無視した月人たちを。

 

 

 故に輝夜は皆殺しにした。

 怒りのままに、私から奪おうとしたものたちを鏖殺した。そこからは永琳と共に逃亡生活を始め、幻想郷に流れ着いたのだ。

 

 

 

 

『許せないとかどうでもいい!吾輩は理解不能なのだ!!』

 

「分からないか?……そう、もういいわ。どうせRPGもやったことない化石野郎に言っても分からないでしょうね」

 

『か、化石……!?』

 

「化石でしょう。冒険に出る前から最強の武器を貰って何が面白いっての」

 

『このメス猿ぅぅぅぅ……っ!吾輩が聞いているのは、なぜぶち殺したはずのお前がまた立ち上がっているんだと聞いているんだァッ!!』

 

「殺したのに立ち上がっているなら、そりゃあ不死以外ないでしょうよ。見て予想がつかないの、化石さん」

 

 

 プロペラが再び回り始める。

 

 

『〜〜〜〜〜っっっ!!発展なんぞしておらん猿の惑星のメス猿がっっ、吾輩を、この大天才であるヨナルデパズトーリをっ、愚弄しやがってぇええええ〜〜〜っ!!!!』

 

 

 ドローンは、倒れているオセロットに近づく。

 そして、そのまま背中に張り付き、ガチッとハマる。すると腹部が盛り上がり、テレビ画面のようなものが飛び出した。プツンと音がして、画面に映像が映し出される。

 

 

『ぶっ殺してやるゥッ!!』

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 画面に映し出されたのは、ヨナルデパズトーリ本人。

 目を真っ赤に充血させて怒り心頭である。映し出されたヨナルデの手には輝夜がよく使う── ゲームのコントローラー ──。左スティックをぐるんと動かすと、オセロットは起き上がり、前進し始めた。

 

 

『ぶっ殺してやるゥッ!!……自動操縦(オートモード)は近くにいるものをとりあえず殺す精密動作皆無である。だが一度この吾輩がコントローラーを握り、手動操作(マニュアル)にしたのならどうなるかな!ひょひょひょひょ!!』

 

「はははははは……!お前に難題を出そう。……この不死(わたし)を殺してみろ!!」

 

 

 先ほどまでとは別物。

 無駄のない動き、正確な間合い、研ぎ澄まされた殺意。遠隔からの声が、くぐもって響く。

 

 

『ヒャハハハーーーーッ!!お前のスピードは全てコンピューターにより解析済みなんだよ!必ず先制は貰ったァァーーーッ!!』

 

 

 地面を蹴り、一直線に突っ込む。

 タイヤが爆発的に回転し、瞬時に間合いを詰める。丸鋸が振り上げられる。完璧な軌道。確実に仕留める一撃。

 

──そのはずだった。

 

 

『……?』クラッ

 

 

 ドゴッと、鈍い音が響いた。

 オセロットの視界が、一瞬揺れる。

 

 

『……?』

 

 

 頬に衝撃。

 遅れて、身体がぐらりと傾いた。

 

 

(な、なにが…)

 

(あの女よりも先に動ける吾輩がまだ振り下ろしていない。なのに、吾輩の方が殴られた?)

 

 

 ヨナルデパズトーリの思考時間、この間、0.7秒である。そして一拍遅れて、丸鋸が振り下ろされる。だが軌道はぶれる。狙いは外れ、空を切る。輝夜はその場から一歩も動いていない。静かに立ったまま。

 

 

『確実に当たるはず…!演算装置とコンピューターによる測定は間違っていないのに!なぜズレた!?』

 

「どうした?私はここだぞ』

 

 

 オセロットは再び踏み込む。

 今度は連撃予定。ドリルを飛ばしたせいで何もない状態の腕からはサーベルが飛び出す。そのまま丸鋸とサーベルを同時に振るう。

 

 

『ふん!!』

 

 

 完璧な挟撃。

 完璧なスピード。

 輝夜と呼ばれた女の動きは、双頭のミイラ戦で把握している。そこから更に力を加えた場合、どう変わるのかも百通りのパターンを計算し、対応できるようにした。

 

 

──ドゴォッ!!

 

 

 

『な゛ぁぁっ!?』

 

 

 

 まただ。

 今度は腹部。衝撃が先に来る。画面上には腹部へのダメージ率55%という表記が現れた。ヨナルデのコントローラーを握る力も強くなっていく。

 

 

(バカな!?)

 

 

 思考が一瞬遅れる。

 その間にも、コマンドは押していたのでオセロットは命令通り動く。サーベルの先端が突き出される。しかし、それもまた空を切る。

 

 

「隙だらけよ」

 

 

 そして関節部に打撃(カウンター)が決まる。

 ぐわんと腕の動きが狂う。

 

 

『あ……』

 

 

 遠隔の声が、初めて揺らいだ。

 

 

『有り得ない!なぜ当たらん!』

 

 

 オセロットはさらに加速する。

 踏み込み、回転、振り抜き。だがそのたびに先に殴られる。攻撃動作に入る、その“直前”。必ず、先に打撃が入る。結果として、動きが崩れる。

 

 

「……種明かしでもしましょうか?」

 

 

 輝夜の手のひらの空間が歪んだ。

 ぼやけると言った方がいいだろう。その“ぼやけ”を中心に周りが捩れ、その中心に吸い込まれていくようにも見える。

 

 

「これは“時”よ」ジャーン

 

『時ぃ?』

 

「そう。中と外、どんなに分厚い結界(かべ)で隔たれようとも無関係に流れ続ける時間。私はそれをこの手のひらに握っている」

 

     

 そのまま輝夜が手のひらを握っていくと、その“ぼやけ”は強くなり、そして完全に握りしめられると──

 

 

「どじゃーん」

 

『!?』

 

 

 距離をとっていた輝夜が()()にして目の前まで距離を詰めているのだった。驚き過ぎて反撃できずにそのまま二、三歩後ずさってしまう。

 

 

『これは時を止めた──』

 

「ノン。どこかのメイドと同じにしないで」

 

『?』

 

「私はこの世の時間を集め、使い、()()()()()()()()()()ことができる」

 

 

 

 

 

 蓬莱山輝夜の能力『永遠と須臾(しゅゆ)を操る程度の能力』

 

 永遠は、すべての時間の流れを止めることで、この世のものの成長や劣化、崩壊などが起こらなくなる。つまり全てが永遠に保存される状態となる。

 

 須臾は、簡単に言えば“一瞬”のこと。

 時間を周りから集めて、自分だけの時間を作ることができる。ただし、この能力は他人から時間を奪う行為であるため、たくさんは奪わない。故に『一瞬』という時だけしか作れない。

 

 

 

 

「誰もが持つ時間の中に、私だけの一瞬という時間を組み込む。どんな相手にも一瞬のうちに近づけるし、一瞬のうちに殴れる。あなたには見えていない。感じてもいない」

 

 

 だから。

 

 

「“いつの間にか殴られている”ようにしか思えない」

 

 

 その言葉の直後。

 ドォンッ!!渾身の一撃が叩き込まれた。オセロットの巨体が、地面を抉りながら吹き飛ぶ。機械と肉の塊が転がり、火花を散らす。輝夜は一歩も追わず、ただ見下ろした。

 

 

「どれだけ精密に動こうが、“先に動けない”時点で、勝負にならないのよ」

 

『ち、ちち、──チィィ──…チート…が……!!』ガガピー

 

 

 腹部のカメラの映像は砂嵐。音声は途切れ途切れとなる。オセロットの身体はもう動く気配はなく、ケーブルやネジ、ナット、いろいろな部品が外れたり、折れたりして、立ちあがろうにも立ち上がれない。

 

 

「妖怪の身体に鉄屑を混ぜることで強化したのは面白いけど、こうなるとただの粗大ゴミよねっと……」

 

 

 ギィイイイ……。

 オセロットの残骸の上に乗ると、胡座をかいて見下ろした。画面の中の自称天才は目を真っ赤にして怒り狂い、汚い言葉を吐いて罵っていた。ただ音声部分は乱れて、上手く聞こえない。

 

 

「それでぇ……なんで魔女狩りなんてしてるのかしら?ンー?」

 

『ギギ──…我が主人の計画のため、に、必要な材料だだだ…──ジジジ。幻想郷は我らら、れら、ららら……、西洋妖怪に狙われ、て、いるのだ』

 

「ふぅ〜ん。その西洋妖怪さんたちのお考えは大変面白いと思うけど。ただねぇ、この幻想郷には八雲紫と博麗霊夢っていう守護者たちがいるの。あなたレベルじゃあ……簡単に追い出されるんじゃない?」

 

『ヒョヒョヒョ……!!』

 

「?」

 

『なんだだだだ…?ヒョヒョ…知らないのかぁぁぁ…アァァ……ジジッ…、お前らの頼みの綱は皆んな、我が主人が叩きのめした。叩きキキキ……!!』ビガビガ

 

「何を言ってるんだ?あの2人がやられた?……ふっ、まさか」

 

『そ、そそそ、のまさか、だ。や、やく、八雲紫と博麗霊夢はもういないぃぃ……!!』

 

「・・・このガマガエルが言っていることは事実?ねずみさん」

 

「!?」

 

 

 隠れていたねずみ男はビクッと立ち上がる。

 そして彼はビビりながら答える。

 

 

「へ、へい。紫はバックベアードっていうバカ強い奴にぶっ飛ばされて永遠亭に緊急入院。霊夢ちゃんもボッコボコにされてやられちまいました」

 

「永遠亭に……。まじかっ、入院したのも、そんな騒ぎになっていたのも、同じ屋根の下にいたのに知らなかった。ちょうど引きこもっていた時か〜〜」

 

 

 頭を抱える。

 話を聞く限り、その頃はヘッドホンをしながら画面に真剣に向き合っていたころだ。

 

 

『ヒョヒョヒョ……ッ、入院かァァ…、ふ、2人が起き上がるこここ、ころには、幻想郷は我が帝国のおお、領土だぁぁぁ……!!』

 

 

 ねずみ男は拳を作る。

 怒った顔をしてズンズンと近づき、テレビ画面にグゥーっと顔を近づけて怒鳴る。

 

 

「偉そうに言ってんじゃねえ!!」

 

『ああん?』

 

 

 今日は何も悪いことはしていない。

 それなのにミイラ男にボコボコにされ、椅子にされ、命令された。ムカつく。そして戦争を仕掛けようとまでするなんて怒りは収まらない。

 

 

「紫は確かに全身に管がブッ刺さって寝ているが、霊夢ちゃんはチベットで修行に行った!強くなって、お前らなんかぶっ飛ばして『ナニィッ!?!?』──……あ」

 

 

 時すでに遅し。

 口を両手で押さえたが、何の意味もない。吐いた言葉は戻らずにヨナルデにまだ届いてしまう。

 

 

「いいいっ、言っちゃったぁぁぁ……っ!?!?」

 

『バックベアード様に報告するんぞなも──』

 

 

 

 バリンッッッ

 

 

 

 輝夜もねずみ男が何かミスったのかと察して画面を叩き割る。テレビは煙を吹き出して、ついにオセロット(双頭のミイラ)は完全敗北となる。

 

 

「やっべええっ、言っちゃった。どうしよう!?」

 

「どうしよう、と言ってももう遅いでしょう。私はあとで紫の従者に話を聞くわ。……先にやることもあるしね」

 

 

 輝夜はしばらくそれを見下ろしていたが、やがて踵を返した。

 向かう先はその場に座り込んだままの少年。星太。

 

 

「……大丈夫?」

 

 

 静かな声だった。

 星太は、すぐには顔を上げられなかった。視線の先には、砕けた望遠鏡の残骸。自分たちの手で作ったもの。初めて、“できた”もの。それが壊された現実は、簡単には消えなかった。戦いが終わったことで現実に引き戻された少年を待っていたのはこの現実だったのだ。

 

 

「……ぼく……」

 

 

 声が震える。

 

 

「せっかく、作ったのに……」

 

 

 輝夜は、その言葉を遮らなかった。

 ただ、少しだけ視線を落とし、そして、柔らかく言った。

 

 

「じゃあ」

 

 

 一拍置いて。

 

 

「もう一回、作りましょう」

 

 

 星太が顔を上げる。

 

 

「……え?」

 

 

 輝夜は微笑んだ。

 

 

「材料も、作り方も、もう分かってるでしょ?今度は、もっと上手くできるわ」

 

 

 その言葉は、不思議と軽やかだった。

 壊れたことを否定しない。でも、終わりにもさせない。そんなような気がして、星太の胸の奥で、何かがじんわりと灯る。

 

 

「……うん」

 

 

 小さく、確かに頷いた。

 翌日、合流した2人は再び材料を集め、削り、組み立てる。昼が過ぎ、夕焼けが空を染め、やがて夜が訪れる頃。

 

 二人の手の中には、新たな望遠鏡があった。完璧ではない。少し歪んでいるし、焦点もまだ甘い。

 

 それでも。

 

 

「……できた」

 

 

 星太が、そっと覗き込む。

 夜空は、どこまでも澄んでいた。冬の空気は透明で、星々はまるで手の届きそうなほどに輝いている。

 

 

「……わあ……」

 

 

 思わず声が漏れる。

 小さな光の粒が、いくつも、いくつも。遠く、遠くの世界。

 

 

「すごい……」

 

 

 輝夜も隣で、そっと覗く。

 

 

「ええ、綺麗ね」

 

 

 静かな声。完璧な望遠鏡ではない。

 もっと良い道具なら、もっと鮮明に見えるだろう。でも星太は、ゆっくりと顔を上げた。夜空を、そのまま見上げる。さっきよりも、ずっと近く感じる。

 

 

「……すごく、きれい…」

 

 

 ぽつりと呟くその言葉に、輝夜は小さく笑った。

 星が瞬く。その光は、何億年も前から届いているもの。けれど今、ここでそれを見ているのは間違いなく、自分自身。星太の目には、涙が浮かんでいた。けれどそれは、もう悲しみではなかった。

 

 

「……きれいだなぁ」

 

 

 その一言は、どんな言葉よりも、まっすぐだった。

 冬の夜空の下。不完全な望遠鏡と、確かな達成感。

 

 そして自分の力で掴んだ光は、何よりも美しく、輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・八雲藍。賢者の式さん、ちょっといいかしら」

 

 

 次の日の夜。

 霊夢のいない博麗神社で八雲藍は輝夜に捕まっていた。実力は互角であるが能力と不死身を使用して無理やりに捕まえたのだ。

 

 

「月の姫が…っ、ぐっ、何のようだ!!」

 

「隠し事してるわよね」

 

「!?」

 

「洗いざらい、皆んなの前で話してもらうわよ」

 

「み、皆んなだと?・・・はっ!?」

 

 

 気づけば幻想郷の名だたる面々に囲まれていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 

 

 

 

 

『双頭オセロットがやられてしまったであるか。まぁ、データは十分に取れたし良いとしよう。それにオセロットは・・・まだまだいるからな。吾輩の理想がもう少しで叶う』

 

 

 今日のデータをまとめる。

 あの輝夜という女の戦闘データや、謎の不死性を事細かにする。加えて今日の戦闘データを他のオセロット達にインプットすることで更なる性能向上が期待できるであろう。

 

 

『──ふぅ…、それにしても、まさかであるなぁぁぁ……。あの巫女がチベットで修行しているとはぁ』

 

 

 パソコンを閉じて、ヨナルデは呟いた。

 顎に手を当てて考える。

 

 

『バックベアード様に及ばないとはいえ、チベットには妙な術を使う仙人たちがいるという噂。もしそれで何かしら巫女に力を与え、我らに、いや吾輩の理想の邪魔をするというのなら・・・』

 

 

 携帯のようなものを取り出して、ボタンを押し始めた。

 

 

『その芽は積んでおかなければなあ〜〜〜』

 

 

 

 

 

 バックベアード帝国。

 その帝国にいる3人の幹部──【三恐怖】。

 そして帝王の腹心──【Dr.ヨナルデパズトーリ】。

 

 彼らが抱える軍団たち。

 例えば、初代ドラキュラ──ブラム・スカーレット率いる不死軍は自称・不死身の肉体を持つものたちで構成されている。

 

 このように、ヨナルデパズトーリにも率いているものたちがいた。その名も【夜の斧】。ヨナルデが選びに選び抜いたエリート集団である。ヨナルデは彼らに連絡を取っていた。

 

 

 

 

 

 

『リーダー。ドクターからの任務が入りました』

 

『なにー?』

 

 

 リーダーと呼ばれた少女はソファに横になりながら、適当に返事をする。それを見て嫌な顔をせず、淡々とその仲間は端末に映る文字を読み上げる。

 

 

『場所はチベット。対象は人間だそうです』

 

『……は?チベットってぇ、ザコしかいない国だよねぇ。しかも人間をやるの?絶対つまんないじゃーん。お前らでちゃちゃーんと終わらしてきて〜』

 

『しかしドクターは我々3人で行けとのことですが…』

 

『いいから、行けって』ギロ

 

『………承知しました。対象、()()()()という巫女は我々で処理します』

 

『ン?』

 

 

 部下が言った名前。

 博麗霊夢──。

 

 

『待て』

 

『・・・なにか?』

 

『やっぱりアタイも行くー♡お前らはついて来い』キャハハ

 

 

 

 首元にひだ襟の付いた、青地に白い星マークと赤白のストライプの服を着た金髪の少女は玉が3つ付いた紫色に水玉の帽子を被る。まるでピエロのような出立ちである。白い羽を生やし、松明を取り出した。七色に光る松明で辺りを照らしながら、少女は笑う。

 

 

 

『チベットを狂気の世界に変えちゃおー。きゃはは!!……イッツ、ルナティックターイム』キャハハ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、幻想郷。

 森の奥では──。

 

 

 

 

 

「ねずみ男、どうする?」

 

「とりあえずここから離れるぞ」

 

「「いそいそ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ありがとうございました!

 ヨナルデの部下?
 リーダー◯◯◯。実は東方プロジェクトの子であります。かなりの強キャラです。(この子を書いてくれ、と東方キャラのリクエストがありましたのでヨナルデの部下として書きました……が、なぜ彼女がヨナルデの部下なのか……。それはまた今後明かされる)



 また次回もリクエストを消化していきます。
 今回、双頭のミイラをリクエストしてくださった読者さん、ありがとうございます!!


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