どうも化け狐のフリックです
ヒムラー公爵にテイムされた俺達行商人の一行は一家に1つの家が与えられ、何も不自由の無い生活を送っていた
妻や子供達もこの領土に来たときにヒムラー公爵にテイムを受けたが、特に命令されることも無く今の今まで生活できている
俺達はダンジョン村と呼ばれる村に拠点を構え、ダンジョンから出る素材を加工して俺達行商人が町に売りに行く
幾つものダンジョンのある村を見てきたが、ここまで栄えている村は見たことがない
ダンジョンは魔物を吐き出す呪われた場所であり、間引きをしなければ魔物が溢れだし周囲の人々を殺しにかかるからだ
そんな場所に好き好んで住むのは物好きしか居らず、世間から隠れ住んでいる錬金術師だったり犯罪者達が住んでいる印象で治安はとても悪い
なのにヒムラー公爵と移民してきた住民達はそれを産業に組み込み、この領に多大な利益を短期間で出していた
更にこの領土は石鹸の産地であり、高い品質かつ安いのと青みがかった色から他の領土から人気も高い
貴族は白い石鹸を好むから使っていないが、宿や娼館、金持ちの商人等はこの青い石鹸に飛び付いた
製造法を売ってくれとも言われたが、秘伝かつ行商人故に知らないと断った
青い石鹸は転売しても利益が出るため投資目的で買う者もおり、腐らないことも商人達に投機目的での購入を加速させ、需要が増えていたのだ
ヒムラー公爵領は石鹸につられて来た商人が更にダンジョンからの素材や真っ白い磁器といった魅力的な商品に飛びつき、それを買うためにさらに各地から人が流れてきた
魔物であるピクシーやコボルトが村を堂々と歩いていることに驚いてもいたが、テイムされて管理されていることを知ると納得し、彼らはヒムラー領に金を落としていく
これだけの人が出入りしているので化け狐のことやアンパンマンのこと等不可思議なことが広がると思ったが、なぜか彼らはそれが当たり前かの様な振る舞いをする
何者かに操られているかの様な……化かされているかの様な……感じがした
俺達が行商人をしているとたまにヒムラー領に行きたいから一緒に行動させてくれと言ってくる団体に出会うことがある
そんな彼らにヒムラー公爵から読めない文字で書かれた石板を見せる
【日本国、大皇帝、ヤタガラス】
と書かれているらしく、これが読めた団体を連れてきたら人数に応じて奨励金が支給される
公爵に捕まってから2ヵ月で20人近くをヒムラー領に連れてきたが、ピクシーを引き連れていたり、とある貴族の庶子だったり、エルフだったり、ドワーフだったり、獣人だったりとバラバラな事が多かったが、年齢が8~10歳が殆どだった
そんな彼らはヒムラー領に着くとヤタガラスに登録してダンジョンに潜る
潜ってすぐに一定の成果を出してくる
不思議だ……不思議でしかない
あと俺達は1日1食分の美味しいパンが支給される
見た目は普通のパンなのだが、なぜか美味しいと感じるのだ
妻や息子達もこのパンが好きで買いたいのだが、特殊な素材を使っているから量産できないらしい
ヒムラー公爵の御厚意で化け狐の面々に配られている
他には俺達もヤタガラスという組織に所属してヒムラー領内に戻った時はトレーニングと言われてダンジョンに人間の冒険者と一緒に潜ることがある
彼ら彼女らは無詠唱で魔法をガンガン使って魔物を倒していく
俺達も盾で守ったり、剣や槍で攻撃をする
最近では1層くらいならば後れをとることは無くなったが、なかなか戦うということには慣れない
息子達はダンジョンに出掛けて素材を持ってくる冒険者に憧れてヤタガラスの冒険者講習や解体講習、近接戦闘講習や魔法講習を格安で受けているが……親としては行商人を継いで欲しいのだが
「よう! どうだ? 行商は?」
「ああ、クルトンさん、ボチボチですよ」
「そうか、俺の所もようやく馬車4台になったわ! 頑張ってフリックの所に追い付きたいものだよ」
「またまた、クルトンさんは11歳じゃないですか! クルトン商会って立派な店もありますし」
「家を改造した店だがな」
クルトンはヤタガラスでゴールドランクの冒険者をしながら行商人もし、幼いながらも商会を立派に運営しているやり手だ
最初期からヒムラー公爵に付いていって短期間で商会を名乗れるほど事業を拡大していた有能商人だ
馬車にどうやって入れているかわからないくらい大量の物質を運搬するため伝説の空間魔法を使えるのではとも言われているが、噂は噂、馬車を独自に改良して積み荷を増やしているとの事だ
「今回の馬車も立派ですなぁ」
「ああ、幌馬車の荷台と車輪を改良してな、スライムを使った弾力性のあるカバーを付けることで走破性をあげているんだ」
「雨や水溜まりで変形しません?」
「灰や砂鉄を混ぜることで変形しない様にできたんだ。今回は試作品だが、性能実験をして大丈夫そうならフリックのとこにも譲るよ」
「良いのですか?」
「商人は助け合いですよ。助ければ私が困ったときに助けてもらえるかも知れないのでね」
そう言って彼は旅立っていった
私も頑張って家族を養わなければ……
【柷】魔導エンジン開発成功
1:開発俺達
我々は遂に魔導エンジンの開発に成功した
これにより人類は新たなステージへと進むことができる
2:開発俺達
ばんざーい
ばんざーい
3:開発俺達
魔法陣を使い爆発の魔法でピストンを動かし回転させる方法とゴーレムの自動運動をそのままピストンの回転させる方法だったか?
4:開発俺達
あとスライムを加工したエーテルを燃焼させるエンジン
5:ガルパンおじさん俺達
そう かんけいないね
>殺 してでも う ば い と る
ゆずってくれ たのむ!!
6:開発俺達
な、何をするきさまらー!
7:ガルパンおじさん俺達
冗談は置いておいて、スペックは?
8:開発俺達
それぞれ性能を貼っていくぞ
甲型魔導エンジン(魔法陣型エンジン)
馬力 5馬力
1個魔石辺り稼働時間 5時間
安全稼働時間 300時間
コスト35$
乙型魔導エンジン(ゴーレムエンジン)
馬力 3馬力
1個魔石辺りの稼働時間 10時間
安全稼働時間 350時間
コスト15$
丙型魔導エンジン(エーテルエンジン)4ストロークエンジン
馬力 25馬力
エーテル1L辺りの稼働時間 30時間
安全稼働時間 1440時間(継続中)
コスト250$
丁型魔導エンジン(エーテルエンジン)2ストロークエンジン
馬力 12馬力
エーテル1L辺りの稼働時間 45時間
安全稼働時間 1000時間
コスト100$
9:開発俺達
下2つはなんでそんなに高いの?
10:開発俺達
部品の加工が複雑だからとエーテルの再生装置にコストがかかっている
11:開発俺達
エーテル再生装置?
12:開発俺達
排出した燃焼エーテルを魔力を付与することで再生する装置
使用者の魔力でエーテルのL辺りの性能を上げている
13:開発俺達
それ使わないとどうなるの?
14:開発俺達
稼働時間が半減する
15:開発俺達
なるほど
16:開発俺達
発展性だとやっぱりエーテルエンジンの丙、丁型が高く、ゴーレムは回転速度を上げる工夫ができればって感じ
魔法陣型は正直発展性はほぼ無いね
あとエンジンに使える鋼が無いと耐久性はどうしても課題が残る
17:開発俺達
スライムから作るエーテルってスライム1匹からどれくらい作れるの?
18:開発俺達
1体10L取れる
19:開発俺達
スライムの繁殖牧場でも作らないとエーテルのコストが高いな
20:開発俺達
やっぱりスライムは需要が上がるじゃないか!
21:開発俺達
魔物研究班がスライムの繁殖実験は成功させている
魔石か空気中の魔力を一定量摂取すると分裂するってさ
22:開発俺達
また魔石いるやん
23:開発俺達
ダンジョンの魔物をもっと狩らないと
24:開発俺達
空気中の魔力って固形化できないの?
25:開発俺達
理論上はできる
ハーバーボッシュ法みたいな感じに空気中の魔力を抽出して固定すればできる……らしい
26:開発俺達
錬金術師の俺達が研究しているが
27:開発俺達
当分できないだろうな
28:開発俺達
ただこのエンジンをどこで使うかだよな?
29:開発俺達
トラクターには使えるがそれだったら安価かつ汎用性が高いゴーレムが居るからな
30:ガルパンおじさん俺達
戦車に使おう
31:開発俺達
発展すれば発電装置だったりできるだろうが、重機はゴーレムで事足りるからな
勿論現代の重機の方が性能は良いが
32:開発俺達
鉄道計画の馬車の代わりにエーテルエンジンを積んだ機関車を走らせれば?
33:開発俺達
鉄道計画と言っても領内の駅多くても6駅だからな
34:開発俺達
試験運転にはちょうど良いんじゃないか?
35:鉄ニキ
機関車と聞いて
36:開発俺達
お、鉄道オタクじゃん
37:鉄ニキ
蒸気機関車計画はあるが最低10台の貨車を時速35キロ以上で牽引する機関車が欲しい
ただ5年後に完成予定だが
38:開発俺達
5年もあれば改良が色々できるだろうし石炭も製鉄で沢山使うから、鉄道の方に回す余裕無いだろ
39:開発俺達
というより量が少ないのだから軽トラとトラックを沢山作った方が良いだろ
40:開発俺達
あ、甲乙もこの馬力なら汲み取りポンプにはちょうど良いかもな
41:開発俺達
トイレの汲み取りか、あと井戸の水汲みも楽になるな
42:開発俺達
とりあえず色々な製品を作るのと、馬力アップを目的とした改良や新設計をしないと
ガソリンエンジンとは違うから3ストロークや5ストロークが正しい可能もあるし
43:開発俺達
ガルパンおじさん達は何馬力欲しいの?
44:ガルパンおじさん俺達
50馬力有ればルノー擬きができると思うし、軽トラとかも50馬力有れば十分でしょ
ちなみに大きさどれくらいなの?
45:開発俺達
カラーボックスの1段くらい?
40×40×40くらいの大きさ
46:ガルパンおじさん俺達
え? 小さくね?
47:開発俺達
え? 原付とかのエンジンってこれくらいの大きさだったけど?
48:開発俺達
え? お前やけに小さいエンジン作ってたの原付だから?
49:開発俺達
え? 俺原付のエンジンしか知らんし
50:開発俺達
……12馬力ならバイクやで、原付の50cc規制超えてるし
51:開発俺達
と、とりあえず色々作ってみよう
大きくすれば馬力も上がるだろうし
52:開発俺達
せ、せやな
冬があけ春が過ぎ、夏となった
米や麦がすくすくと成長している頃、夏野菜の収穫に農家は追われ、ダンジョンも4層に行くものが増えてきていた
そんなある日のこと遠方に出掛けていた商人の俺達が竜の卵だという胡散臭い商品を幾つか仕入れてきた
大きさはダチョウの卵くらいの大きさで、熱を帯びており、確かに竜の卵だと言われても納得できる感じだったのだが、竜の卵というのは詐欺の代名詞であり、商人も詐欺だとはわかっていたが、どんな魔物が生まれるかわからなかったのでガチャ気分で幾つか良さそうなのを仕入れてきたのだ
で、その商人俺達は竜に乗って空を飛びたいと願っている竜騎士ニキのもとにその商品を格安で売りに来ていた
「まあハズレが殆どのガチャですが1個どうですか?」
「全部買おう」
「ぜ、全部ですか? 20個近くありますが」
「当たればラッキーだし孵化させてみてダメそうなら責任をもって処分する」
「は、はぁ……ガチャはほどほどが良いですよ? はい。これが品です」
「おお、色々な模様があるのだな?」
「着色かと思い洗ってみましたが落ちなかったので魔物の卵であることには変わりません。一応鑑定したら全部ミニリュウの卵と出るんですよね」
「ミニリュウ……ミニリュウ……あぁ、もしかして羽の生えた竜擬きか? 弱くて成長しない小さな竜でミニリュウだな」
「ポケモンのあの青い奴みたいな感じですか?」
「色は様々らしいが、あれに羽が生えている感じなんだと」
「へえ?」
「肉厚でそこそこ美味しいとも聞くな。あと知能が高い」
「そうなのですか」
「まあもしかしたら血を与えたらピクシーみたいに進化するかもしれないし、改めて全部買おう」
「まいどー」
竜騎士ニキはミニリュウの卵を20個大人買いをし、色々調べ、孵化装置を作り、乾燥しないように水を吹き掛けたり日記を付けて観察を続けた
夏が終わりに差し掛かった頃卵が揺れだしカパッとミニリュウが誕生した
ピューピュー!
「おお、生まれた。中身が死んでいたらどうしようかと思ったが」
ピューピュー!
「お腹が空いているのか? どれどれ色々用意したぞ」
肉、バロメッサのミルク、パン
ピュー!
15センチほどのミニリュウはバロメッサのミルクにパタパタと羽を動かして飛び付いた
ピュ~!
「一応全部に俺の血を混ぜているが……元気に育てよ」
その後ミニリュウ達が次々に生まれ、テイムして名前を付けていった
……で、1年後そこには竜騎士ニキの畑を耕す5メートルクラスのカイリューみたいなドラゴン達の姿が……
「お前ら竜だよな? なんで畑仕事してるの?」
「ご主人の作る料理美味しいから! 肉だけだと体に悪いってアンパンマン先輩が言っていたよ」
ドラゴン達は普通に喋るようになっていた
彼は知らない
ミニリュウ達が進化を繰り返しメイドラゴンみたいに人に化けられるようになりハーレムとなることを……