ファンタジー俺達   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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モルガンの話 7階層の恵み

「戦争の問題が解決したと思ったら、今度は魔女かよ……」

 

「ヒムラー様、嘆いていても仕方がありませんわよ」

 

「セシリアお嬢……」

 

「実際問題平均レベルが80以上の人間に友好的な魔物というのは大きいですわ。冒険者にするのも、蓄積した知識等、使えるものは多いハズですわ」

 

「とりあえず俺達とルームシェアしてもらっている間に家を建てて住んでもらう感じか? まさか出会って直ぐに集落を捨てて地上に移住する決断するとは思わなかったわ」

 

「それだけ追い込まれていたということでしょう。小悪魔ネキから魔族に魔女は居たのか聞いたら昔居たという話を聞いたことがあると言っていたから……絶滅したのかもね」

 

「しかし、神が作った魔物ですか。なぜ天使は人類種なのに魔女は魔物なんでしょうね?」

 

「人類種故に制御ができなくなったから、魔物にしたのではなくて?」

 

「うーむ……神は人類をどうしたいのかが本当にわからん。人間を中心とした社会を作らせたいのか……でもこちらの大陸は数千年戦乱続きだしなぁ。別大陸も安定しているとは程遠いし」

 

「とりあえず魔女の族長のモルガンさんに話を聞いてみましょう。そうすれば何か分かるかもしれませんし」

 

「謎の多いダンジョンについて知っていれば良いのだが……」

 

 

 

 

 

 

 

 流れで7階層まで探索した冒険者達が帰還し、家畜化されたユニコーンや4階層とは比べ物にならないほど上質なバロメッサの現物や球根等々

 

 多いので軽く纏めると

 

 ・家畜化ユニコーン

 狂暴、傲慢、人には英雄だろうと懐かないと言われるユニコーンだが、千年近く家畜化させたため、勇敢、忠義に厚い、従順と馬の上位互換の様な生物となる

 馬よりも速く走り、牽く力も馬の何倍もある

 知能も高い為餌の為とわかれば農業の手伝いもしてくれる

 角は数年に一度生え変わり、汚水を浄化して飲料水にしたり、粉末にすることで薬にもなる

 

 ・上質なバロメッサ

 体毛が多く、かつ乳をよく出す大型のバロメッサ

 魔女の知識により上手く受粉させると毎年子供という名の球根を生む

 球根を半分に分けて植えることで更に数を増やせるのだとか

 

 ・カーバンクル

 額に大きな宝石を身につけた猫の様な魔物

 ネズミや害虫を喰らうが、宝石の力で浄化して厄を払う

 ユニコーンとカーバンクルの力、魔女達の薬学で病気は数百年流行ることが無かったらしい

 

 ・アガシオン

 家事や雑用をこなす使い魔

 高性能ルンバという感じでやれることは限りがあるが居ると便利みたいな魔物

 魔女達はアガシオンにダンジョンに家が呑み込まれないかの見張りをさせていたらしい

 

 ・染料花

 様々な色になる大きなチューリップ

 基本単色で分厚い花弁を乾燥させて粉末にすると染料となる

 魔女達はこれをゴーレムを使って栽培していた

 

 ・ゴーレム

 ゴーレム班が改良していた技術の更に数十世代先の洗練されたゴーレム技術

 こっちがペッ○ー君レベルを作っていたところ無人機のガンダムが出てきたくらいの衝撃を与えた

 

 ・小豚カエル

 小豚くらいの大きさのカエル

 おたまじゃくしから牛蛙の成体くらいの大きさで、成体になると小豚サイズにでかくなる

 味が良く、肉質も柔らかく、高い栄養価を持つ食材

 

 その他各種果実(に似たダンジョン由来の特殊な植物)

 出汁の川でも生きられる生命力溢れる魚達

 

 これらを住居を引き払いながらも地上に持ち込んできた

 

 牧場俺達、ゴーレム開発班、ティータイムネキ、服飾ネキ、海の幸ニキ等々大量の俺達が発狂したり狂喜した

 

 どれもこれも有益な物であり、それを飼育栽培できる技術を持った魔女達は迫害されるどころか大歓迎され、ホームステイ先の希望者が大量に出たため、魔女達の住む場所は確保されることとなる

 

 まぁそんな状態で美しい容姿の魔女達と過ごすことになるのだから……理性が抑えられなくなる俺達が大量発生し、魔女の人口が再びというか爆発的に増えていくこととなり、家をキャンセルする魔女が大量に出ると語っておこう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「初めまして私はヒムラー・フレデリック。ヒムラー公爵としてこの領地を統治させていただいています」

 

「魔女達の族長のモルガンです。正確には9代目モルガンですが、モルガンとお呼びください」

 

「ではモルガンさん、この度は我が領内に暮らす決断をしていただきありがとうございます」

 

「いや、私達の悲願であったからな。人と会話が成立するだけでもありがたい」

 

「そうですか、文字の方は少し違う部分があると思いますが……」

 

「はい、ただ仕組みは大きくは変わっていないので大丈夫です」

 

「しかし、地上との交流が無かったのに言葉が通じるものなんですね」

 

「いえ、魔法で意味が伝わるように言葉を翻訳しているだけです。言語もやはり数千年が経過すると変わってしまうので」

 

「あぁ、やはりそうですか……いや、しかし、言葉が通じるのはどんな方法とはいえ良いことです。我々は貴女方魔女の皆さんを歓迎いたします」

 

「ありがとうございますヒムラー様」

 

「さて、こちらが魔女の皆さんに守ってもらいたい領でのルールになります」

 

「拝見します……はい、問題ありません」

 

「こちらに何か希望はありますか?」

 

「私達は魔物ではなく人類と同じ扱いをしていただければ幸いです」

 

「それは問題ありません。魔物だろうが種族が違うだろうが、知能があり、領の戦力になるのなら差別はしません。自由と実力主義が我が領のモットーなのでね」

 

「魔物と言えば……人と同じ姿をした魔物が居ましたが……彼ら彼女らは?」

 

「ホムンクルスですね。我々が作った魔物になります。家族が欲しい者達の魔物の家族ですかね」

 

「凄いですね……人類はそこまで発展していたのですね。鉄の道具や不思議な乗り物もここに来るまでに見させてもらいました。人類が発展していることを喜ばしく思います。神もそれを望まれているでしょうし」

 

「魔女の皆さんは魔物ですが成長の限界とかはあるのですか?」

 

「私はここ十数年実力が一定ですね。成長したという感覚を感じておりません」

 

「成長限界は195レベルか……」

 

「レベルとは?」

 

「勇者の人達はその人の持つ強さを数値として見ることができます。私の場合は50レベル、モルガンさんの場合は195レベルといった感じでね」

 

「なるほど……ありがとうございます」

 

「ではこちらからも質問を……ダンジョンが神が創った物だということはつい最近知ったのですが、神との交信が絶たれて数千年……いや万年かもしれませんが、ダンジョンは定期的に増えているのです。今の学説では魔力が溜まった場所にできると言われていますが……何か知っていますか?」

 

「神話の時代以外でできたダンジョンはその仕組みで合っています。魔力が溜まった洞穴にコアができて深くなっていくと私のお婆さん達が話しているのを聞いたことがあるので……ただ、神話の時代のダンジョンは少し特殊なようです」

 

「少し特殊?」

 

「はい、人に恵みをもたらす為に創られた為にダンジョンのコアが特殊であると聞いたことがあります」

 

「この領内にあるダンジョンはどちらなのですか?」

 

「神話の時代ではなく天使を追い出した後のダンジョンが成長した物だと思います……私も仲間達と共に15階層にまでは降りたことがありましたが……熱かったり寒かったりで最深部までは行けていないのです」

 

「やはり20層近くある可能性が高いですか……8階層以下の情報を聞いても?」

 

「はい、わかることならば」

 

 モルガンが語るダンジョンの15階層までの情報は今後の探索に大いに役立つことになるが、移動時間とダンジョン内部での就寝は危険とのことで、時短できる施設の開発に力を入れていくこととなる

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