ファンタジー俺達   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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鉄道 紙 嫡子と姫

「おお、やっと南部にも鉄道が!」

 

「1年近くかかりましたが……開通ですね」

 

 鉄ニキとその部下達は開通した鉄道を喜んだ

 

 最初は石炭で動く蒸気機関車を予定していたが、魔女達によってもたらされたゴーレム技術により作り出されたゴーレムモーター

 

 これを大型化と出力を上げ、連結させたことで900馬力のモーターが完成し、それを搭載した機関車が最終的に採用された

 

 石炭がどうしても製鉄所や冬場の燃料として使われるので魔石で動かせる機関車の方が良いとされたためだった

 

 以後魔道車、魔道列車と表記する

 

 魔道車のスペックを見てみよう

 

 外見はC55形蒸気機関車を参考とした一般的な蒸気機関車の様で、モーターを冷やした冷却水の水蒸気を排出するための煙突が設置されている

 

【イ型魔道車】

 全長 21メートル

 全高 3.9メートル

 馬力 900馬力

 最高時速 80キロ

 牽引車両数 貨物20両 客車25両(そんなに乗らないのでMAXでも5両)

 動力 特大型ゴーレムモーター5号3基接続タイプ

 燃費 新品低級魔石1個/20キロメートル

 連続稼働 500時間 500時間で1回メンテナンス

 他 

 モーター冷却用水タンク 

 魔石備蓄ポケット(5000個入れられる)

 工具収納棚

 緊急停車装置等

 

 乗務員 機関師3名

 

 こんな感じの車両である

 

 試運転を繰り返していたが、これが4両作られ、2両が運転、2両はメンテナンスという形となる

 

 鉄道の沿線距離はダンジョン村から南部領の鉱山前までで約30キロの距離となる

 

「あと細かい場所はバスやトラックで、輸送網を繋げて……グフフ」

 

「鉄ニキ戻ってこーい」

 

「は! いかんいかん。ついトリップしてしまった」

 

「一応今回の運行で実施実験を繰り返して、より効率の良い動力車を作りませんと」

 

「あぁ、蒸気機関よりは魔道関連の方がこの世界に合っているのも大きいな」

 

「問題は魔石の消費量が多いことですが」

 

「俺達も増え続けているし、俺達の子供達が使えるようになれば採掘量も増える。質が良い魔石が使えれば効率も良い……」

 

「そうですが鉄道敷設で優先されていた鋼鉄の使用もこれで一旦終わりですか」

 

「まぁ仕方がないだろ。次はマザーマシンを作るために鋼鉄や合金が必要になるからな」

 

「いよいよ機械化が本格化ですか」

 

「魔女達によるゴーレム技術の供与で産業用ロボット擬きが作れるのも大きい。自動化できるところは自動化して大量生産の時代に突入させなければ」

 

「ここまで技術を加速させていますが内乱勝てますかね?」

 

「勝てる……と思いたいが……どうなんだろうな?」

 

「内乱に勝った後のことも考えなければならんだろ。大皇帝の統治面積も増えるし、そうなると今のような統治は不可能だからな」

 

「増える領土に迅速に輸送網を形成するのが我々の役目……ですかね」

 

「レールを敷設できる専用の車両を作ったりする必要があるだろう。道の改良もな。改良型コンクリート道路を更に普及させるためのミキサー車を作ったりな」

 

「そうですね、今の技術ならばミキサー車を作れるでしょうし、少人数で道を作る必要もあるか……重機も色々と開発しなければ」

 

「やるべきことは多いですね鉄ニキ」

 

「あぁ、だがやりがいはあるだろ?」

 

「はい!」

 

 道の敷設、鉄道の敷設……彼らの戦いは続いていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし! よーし!! ようやく実用的な紙の量産に成功した!!」

 

「やりましたね博士」

 

「あぁ、4階層の壁の木材でもできたが、やはり7階層の木々の方が質が良いな。まぁ地上に生えている木々でも良いが、伐採すればすぐに禿げるからな」

 

 ヒムラー領では今まで細々と供給されたり、紙を輸入したり、代用品を使って紙の需要に耐えてきたが、教科書や書物の需要がはね上がる為ヒムラーが大量の予算をかけて研究者達に発破をかけていた

 

 他にはこの博士はサトウキビの絞りかすから紙を作る技術を魔法と錬金術を使いながら復元させ、需要に応えるつもりである

 

 商人俺達に資金供給を依頼し、すぐに目標金額が集まり、工場が建築されることとなる

 

 

 

 

 

 

 

 春となり冬の寒さが終わり暖かい気候となった頃、領主であるヒムラーの館にて3つの新たな生命が誕生していた

 

「「「オギャーオギャー」」」

 

 数日のズレはあるがヒムラーの長女はテルの子、次女はサキの子、長男はトキの子であった

 

「ヒムラー様、ご子息の誕生おめでとうございます!」

 

 現地民の使用人達は子の誕生に喜んだが、ヒムラーはこれで内乱に絶対に負けられなくなった

 

 負けた場合一族は基本族滅である

 

 更にヒムラーには正室となるアデル嬢もいる

 

 アデルは転生者的価値観で長男であるトキの子が家督継承に承諾していたが、ヒムラーはトキの子供が能力や性格に疑問があった場合は統治方法を変えるとも断言していた

 

「統治方法を変える……ですか?」

 

 赤ん坊を抱いた3人の嫁達とアデル、ウルハも部屋にいた

 

「まず一番不味いのは家族で争うことだ。これ程無駄で意味の無い行為は無い。フレデリック王国は現状その愚をしようとしているが……この世界でも俺が転生する前の世界でも家族の結び付きが強い王族は長く繁栄していた。特に戦乱の時代では家族が結束しなければ一代で没落するのがザラだからな」

 

「俺はそんなことはしたくない。それに最終的な統治方法は立憲君主制にしたいと思っている」

 

「立憲君主制とはなんですか?」

 

「立憲君主制とは憲法を国王よりも上に置き、国王でもむやみに憲法を無視した政治が行えないようにする制度……王族が政治に干渉しないようにした統治制度だな」

 

「王族が政治に干渉しないとなると……貴族が政治を回すのですか?」

 

「いや、国民が政治を回す。国民の代表者を投票で選出し、その人々に政治をやらせる」

 

「うーん、イメージができませんが」

 

「イギリス式ってこと?」

 

「アデルそうだ。というかイギリス式じゃないと今は俺が調整をしているが、調整が利かなくなったら俺達は暴走するぞ」

 

「あー、確かに」

 

「とにかくこの子に王としての素質があれば別に良いが、無ければ容赦なく王の権限を制限する」

 

「まぁその方が良いのは歴史が証明しているからね」

 

「どのみち国民を裏切った統治者の末路は悲惨だ。国民とは一心同体。これを心がけないとな」

 

「この子達の名前はどうしますか?」

 

「ん? 俺が決めて良いのか?」

 

「普通は家長が決めますが」

 

「そうだなぁ……せっかくだ領民から募ろう」

 

「お? 投票にするの?」

 

「投票の仕組みを作るのにも良いだろう」

 

「まぁ領民に親しみを込められるのであれば私達も文句はありません」

 

「よし! じゃあ投票を行おう」

 

 ヒムラーの思いつきで始まる領主の子供の名前の投票はこの1ヶ月後に実行され、明らかに変な名前を外して夏頃に名前と子供の御披露目会が開かれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒムラーの長女(テルの子)の名前はオリガ

 

 ヒムラーの次女(サキの子)の名前はタチアナ

 

 ヒムラーの長男(トキの子)の名前はナポレオンとなった

 

「ソ連が領内にあって、子供の名前がロマノフ王朝の姫達の名前ってマジかぁ」

 

「ナポレオンって名前負けしそうだが大丈夫か?」

 

 と俺達からは不安に思われたが現地民からは好評であり、自身の子供達にももじった名前をつける親が続出することになる

 

 まぁ日本の○郎とか○子みたいな感じか

 

 以後ヒムラーが気に入ったのか女の子の名前はロシアの女性の名前が、男の子はフランスの軍人の名前が名付けられるようになる

 

 そして名付けている間にもヒムラーはまたウッド3姉妹を孕ませて掲示板で煽られるのだった

 

 

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