姿格好がアイさんそっくりなので、今の私は謎の自信に満ち溢れているし、テンションも高まってきた。アイさんの動きの真似でもしてみようかな?ふっふっふっふっふ、今の私ならその辺の人でも騙してお金巻き上げられそうな気がする。おめめにお星様光ってたりして☆今他の人騙しても大金にならないからしないけど。そんなしょぼいお金に嘘はつかないのだ!大金になるならするのかって?私にも常識はあるよ?
(今なら割となんでもできそうな気がする〜)
こんな時間だけど未だに通路は津波状態の人々。これ、相変わらず移動するのも慣れてる人以外は大変でしょうね。そんなことを思いながらヘブン&アイさん状態の私が夢見心地で人の波をすり抜けながら歩いていると、少し離れたところで中学生くらいの女の子が何人かで集団を形成しているのが目についた。どこかの学校のお友達集団?人の津波に疲れたのかな?ここは、初心者にはちょっと厳しい世界だよ☆
でも何故かその集団から目が離せない。
(なんでかな?今日、色々回っている時に、そんな人たちたくさんいたのに。目線を集める何かでもあるのかな?)
そんなことを思いながら集団を眺め歩いていると、その中の1人が何かを感じたようにこちらを振り向いて、私と目があった。金髪赤目、外国人の女の子かな?グローバルな時代だね〜。アイさんや私の髪とか目の色も割と謎な発色してるけど・・・。今世の日本は髪の毛やら目の色やらすごいカラフルだから、前世との違いにすごい戸惑うんだよね。親と子で髪の色や目の色違うってどういうこと?遺伝子研究に喧嘩売ってるでしょ!
女の子はどことなくアイさんに似てる気がするので、ピースをしてみる。いぇい☆いつもの私なら頭おかしいと自分でも思うし他の人にも思われそうだけど、今はハイテンションヘブンアイさん状態!見た目はほぼアイさんなので、なんかいい感じになってるはず!
(あーあの子顔もそうだけど、なんかすごい瞳がアイさんに似てるー。でも片方だけか、両目ピッカピカのアイさんと比べるとまだまだですね!私には一個もないから、私と比べるならすごいけど!と言ってもかなさんは目にお星様なくてもすごかったし、別に無くてもいいのかな?しかし、片目だけピッカピカで人の目線を惹きつけるってのは・・・あれ・・・?)
何回か目を擦ったりしてたけど、しっかりと私のことを認識した金髪赤目の女の子の様子が、明らかに変わろうとしていた。ちなみに私の顔色も変わろうとしてます。私の顔色は真っ青になる予定です。メーデーメーデー。
(こんなことあります?デパートにルビーがいて、アイさん状態で帰るこの短時間でそのルビーと目が合うとか、もしかしなくても神様、私のこと殺そうとしてません?)
将来会うことはほぼ決まってるわけだし、でも心の準備が、そもそも出来るだけ避ける予定、でもアイさんは話したいだろうし、など色々考えていたけど、その間に無意識に体が動いた。
何か叫ぼうとしているルビーに対し、私の体は口に指を当ててシー、静かに、のポーズ。それを見たルビーは言葉を飲み込んだみたい。よくやりました無意識!ここからは私に任せて!
そのまま軽く頷いて手を振り、身を翻して人混みに紛れ込む。ルビーでは、人混みの中の私に追いつくのは不可能でしょう、アクアなら別だったかも?フェス等で人混みには慣れてると思うし。紛れた私は全力でトイレに駆け込んで、服を着替えるつもり。着替えた私は当然いつも通り、顔は半分隠れているし、服も普通の洋服。アイさんコーデではないので、さっきの私を探しても見つからない。ルビーが探すとしたら、さっき見た"アイさんらしき人物"だから。
髪の色で判別?割といるよ?このなんていったらいいのかよくわかんない髪の色の人。今世を舐めてはいけない。それに髪色だけで判別できたら、アイさんがどんだけ格好変えてもお忍びにならないよね。
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最初着てきた服を紙袋から取り出し、逆にアイさんコーデの服を紙袋に詰め込む。疲れてるので着替えるのも億劫だけど、それどころではない。ルビーはアイさん第一主義。いや第一はゴロー先生?どっちでもいいけど、見つかってアイさんでないのがバレたら、なんやかんやあって私は死ぬ気がする(ルビーに対する偏見)。
(神様本当に勘弁してください・・・。あ、この世界の神様って疫病神でしたっけ?じゃあしょうがない・・・わけないです、どっか行って・・・)
トイレを出る前に深呼吸。すーはーすーはー。平常心、平常心。ヨシ!行くよ!
何食わぬ顔でトイレから出て、そのままデパートの出入口へ向かう。このデパート、出入口自体は複数あるけど、私が乗りたい電車に一番近い出入口から出る予定。変に考えて遠回りする方が時間もかかるし、目に止まる可能性も上がるから。
(うぇー、お腹痛い・・・)
ルビーが探し回っているかも知らないけど、この人混みの中で探し回るのは難しいし、その中でさらに姿形が異なる私をさっきの人物だと判断するのはさらに難しい。
(あー、出口に着きましたよ〜。一番最後にこんな目に遭うなんて・・・)
そんなことを思いながらゲートをくぐると、とても目につく人物がいる。
(うわー、ルビーがいますね・・・。え?どういうこと?何箇所もある出入り口からピンポイントでここを見張ってるってこと?移動には電車を使うって見越してる?・・・それはそうか、ある程度遠くからアクセスするにはそれしかないからね・・・)
歩いてくるか、バスでくるか、電車でくるか。この3択なら電車が一番ありそう、他二つでもこの出入り口から出てくるかもしれないし。アクアとルビーのお家の場所は知らないので、もしかしたらルビーも電車で来てるのかもしれない。
ルビーは出てくる人々に必死に視線を配り、誰かを探しているようだった。赤い綺麗な瞳が揺れている。ルビーの中では、もうすでにいるはずのない人物を探して。ここではない出入り口から出て行く可能性もあるし、すでに出ていった後の可能性もあるのに。
私はそれをあまり見ないようにしつつ、でもルビーの唇が小さく動いたのを見逃さなかった。いや、見逃せなかった。それが、罪悪感から見逃せなかったのかは、私にはわからなかったけど。
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私は帰りの電車に揺られながら、さっきのことを考えていた。最後にルビーは小さく、でもしっかりと、
「ママ・・・」
って口に出していた。いや声は聞いてないけど。動きだけだけど。
(はぁ・・・。しんどい、心が痛い・・・。やっぱり親子の間を繋ぐべきなのかな・・・?でも私に利益がないんだよね・・・。それに、貴女の親の幽霊が横にいます、とか意味わかんないし・・・。そう考えよう・・・。でもなー、そもそも仲を引き裂かれたのは私のせいだし・・・。いやいや、引き裂いたカミキが悪いし・・・。いやでも私がなんかしてたら変わってたと思うし・・・。あーお腹も頭も痛い・・・。全身大不調って感じですね・・・)
罪悪感で思考がうまくまとまらない。こういう時はすっぱり忘れる!別のこと考えることにする!大体の場合、忘れられないけど!
カミキとかいう頭おかしい人の行動原理でも考えますか・・・。どこかで役に立つかも・・・?考えるのも嫌だけど、もしかしたら命に関わるかもしれないし・・・。
カミキはどうしてリョースケさんにアイさんを殺させたのかな。カミキ本人が殺しに行けば、アイさんと、そのついでに才能溢れる子どもも殺せたのに。足がつく?カミキに電話するアイさんのことだ、どこかに来てくれって言われたらホイホイついて行くに違いない。そこで殺せば証拠はないも同然。
つまるところアクアとルビーのことは、最初から殺す予定がなかった、ということになる。まだ命の重み(笑)を感じるほど重くなかったのかな。電話で私たちの事情もわかってくれるほど頭がいい、って言ってたからリョースケさんにアイさんを殺させれば、黒幕の自分を追って芸能界にくると予想した?そこで重くなった命を感じればいいって感じ?めっちゃキモい。なんですか命の重みって。
つまるところカミキの行動原理は命の重みを増やして刈り取る!これだけ!
じゃあなんでリョースケさんにゴロー先生を殺させたのかな。先生も光ってたの?ゴロー先生ってもしかしてアイドルだったりした?そんなことないと思うけど・・・。ゴロー先生を殺した場合、魂がそのままアクアに入ると知っていたりして?カミキも実は転生してる?そんなわけないよね。カミキが宮崎にいたのはアイさんがそこで産むよ、とでも言ったのかな?会いに来てとは言わないと思う、だって病院に来たら父親だと即バレだし。リョースケさんも宮崎まで来るとか気合い入り過ぎでしょ・・・。愛が変化してるならあり得るのかな?
あれ、じゃあその後、リョースケさんはアイさんのライブには行ってない?まさか産婦人科の医者を1人殺ったくらいで、本当に出産が不可能になると考えてるほど頭悪くないだろうし。一応大学生だよ?子どもを授かる行為を行ったことも、アクアとルビーを産んだことも知っているなら、それ以降ライブには行かないと思う。裏切られたと思ってるわけだし。ならなんでアイさんはリョースケさんのこと覚えてたの?愛を知る前のアイさんでは、人の名前と顔は一致しないのでは?それ以降、どこかでリョースケさんと会い、ある程度愛を認識することがあったってこと?握手会がどうとかっていうのはいつの話なの?
(ふふん!わかんない!もう何もかもカミキが悪い!これでヨシ!)
あーなんでカミキとかいうやつ生きてるんですかね?へへっ、先生(アクア)!こいつです、殺っちゃってくだせぇ!切り捨て御免!グワー!悪は滅びた!完!ってならないかなー。
お世話になっております。
拙作も10話目と相成りました。皆様のご助力あってのことと存じます。
つきましては、ここまでご覧いただけた皆様に、拙作の通知表、つまるところ評価の方をご一考いただければ幸いです。
高評価、中評価、低評価、どれでも差し支えございません。
どうぞよろしくお願いいたします。