「アイさん!面接してくれるみたいです!来週の水曜日、平日・・・。学校休めばいいですかね!」
「サヤの頭で休むのは心配だね・・・。でも、仕方ないかな?」
「それはどういう意味ですか・・・?」
履歴書を送って一週間ほど。お返事が帰ってきました!別に募集してるかとか、そういったことを一切調べないで送ったのでお祈りもあるかも?と考えていましたけど、普通に帰ってきたので一安心。
特に平日の昼間なのがさらに良いですね!アクアとルビーは学校に行ってていない可能性もありますよ!ふふ、学業に勤しむがいいです!会う時間は出来るだけ少ない方が死ににくいですからね!
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面接当日。14時に苺プロの事務所に来るように指示が返事にありましたので、その時間の少し前には着くように予定を組みます。いつもの電車とバスの組み合わせですね。
服装は私服でいい、と書いてありました。この場合、前世の常識だと制服で行くのが当たり前ですが、今回はタレント、アイドルの面接。たぶんファッションセンス的なのも見ようと思ってるんじゃないでしょうか?私の女の子としてのセンスは見事にアイさんに染められてしまったので、レッスンがお休みの日に買った服も見事にアイさんと似たセンスの服。それらしいのを組み合わせますか・・・。
「格好はいい感じ、相変わらず私にそっくりだね!」
「アイさんに染められましたからね・・・」
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アイさんに行ってきますして、バスに揺られ、電車に揺られて着いたのは苺プロダクションと書かれたビル。こうやって見るとなかなか立派ですね。あんまり覚えてないですが、ネットに強い事務所なんでしたっけ?
中に入って受付の人に話しかけますか、時間はまだ少しありますけど。
話しかけると部屋の場所を指示されました、面接担当の人の準備ができたら、中からお声かけがあるそうです。
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面接会場の前。
扉の近くには椅子があったので、そこに座って手鏡で自分の様子をチェックします。おかしいところがないか確認して、特に何もなくて一安心。問題あったら大変です、直すのにも時間かかりますし。
ヘアピンを取り出して髪の毛を止める。私はアイさんそっくりなのと、服装もアイさんみたいな雰囲気なので、最初は勘違いされそうですね・・・。でも履歴書送ってるし、違う人物だと理解してくれていると思いますけど。
今の私は、アイドルを目指す私。面接は初動が大切です、ここでこけると後が大変。アイさんの期待に応えるためにも、苺プロに入り損ねるわけにはいきません。
「面接を受けられる方、お入りください」
中からお声がかかる。この声はミヤコさんですかね?お仕事モードですね!
目を閉じて、息を整える。今の私の纏う雰囲気を、アイさんライブで感じた雰囲気、オーラとほとんど同じものにする。アイさんにアイドル、役者のレッスンを受けていますし姿形もそっくりなので、雰囲気を真似ることはできます。
元々の雰囲気も割と似てるってアイさんには言われましたけど、目線を惹きつける強さが全然違います。ライブの時の本気アイさんのオーラなんて、目線外せませんし、体は言う事聞きませんし。私の元々の雰囲気は、全くそういったことはありませんよ。問題はアイさんオーラの後に演技を見せたら雰囲気の割に下手、となる点ですね。無敵のアイドルと比べるのはやめていただけますか?
面接の初手で本気アイさんオーラをミヤコさんにぶつけることにより、ミヤコさんに私がアイさんレベルのアイドルの再来だと思わせることが出来れば、面接の結果は火を見るより明らかです。アクアとルビーは学校ですから、アイさんオーラを纏っても大丈夫!
行くよ、ノックして突入!
「失礼します!」
頭を軽く下げながら部屋に入り、顔を上げた私が目にしたのは。
まずは真ん中にいるミヤコさん。私のアイさんオーラで驚愕の表情を浮かべてますね、これはもらいましたよ!
その次に目につくのはミヤコさんの右にいるアクア。なんでいるんですか?こちらは呆然とした表情で、アイ・・・とか呟いてます。雰囲気を似せた私も悪いですが、私はアイさんではないですけど・・・。
最後に正直見たくない、ミヤコさんの左にいる何か。目の紅い軌跡を残しつつ、何かを叫びながらこちらに突撃してきています。まともに受けたら私、死にそうな気がしますけど、これを避けて怪我をさせようものならアイさんに殺されそうなので、覚悟を決めて受け止めるしかないですね・・・。
ドゴン、という凄まじい衝撃が私の胸に直撃。
「かふっ・・・」
そのまま廊下の壁に背中から叩きつけられました・・・。空気を吐かされてしまったので、酸欠で死ぬ、死んじゃう・・・。
ルビーは私の胸に縋りついた状態で、
「ママ・・・!ママ・・・!」
とかいってますけど、私はそれどころではないです。手は震えてるけど、とりあえず退かさないと空気吸えなくて死ぬ・・・!あ、力が全然入らない・・・。
そろそろ意識が・・・。あれ、アイさん、どうして川の向こうにいるんですか・・・?こっちはダメだって?なんでですかーえへへー私もそっち行きたいですー・・・。
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「ん・・・?」
ここは・・・どこですかね?寝かされてる?仮眠室みたい?
「お兄ちゃん!ママ起きたよ!ママ、さっきは・・・」
「待てルビー。一応、先に確認することがあるだろ」
上半身を起こして周りを見ると、ルビーとアクアと私だけ。これは困りましたね、どうにもならなそうですよ・・・。
「なんで?あの雰囲気でママじゃないわけなくない!?」
「俺もそう感じたが・・・。似ているだけの可能性もある」
「あーもう!・・・ね、ママ?ママだよね?」
寝起きにいきなり何が始まってるんですかこれ?変なこと言ったら死ぬ・・・。お腹痛くなってきた・・・。私はアイさんではなく、そっくりさんですけど・・・?とりあえず子どもを産んだ覚えはないですね・・・。
「・・・違いますよ?」
「違うの!?」
「・・・信じられないレベルのそっくりさんだな、生まれ変わりでもおかしくない」
アクアにここまで言われるってことは、思ってたより私とアイさんって似てるんですかね?昔は近くから見ればわかる程度には違った気もしますけど・・・。アイさんに影響受けすぎて顔つきまで影響受けたんですかね?無敵のアイドル、影響力強すぎでは?ペットは飼い主に似る、って言いますよね。もしかして私がペットでアイさんが飼い主・・・?
「えっと、とりあえず私はこんな大きな子どもを産めるほど歳はいってないですね」
「絶対ママだって!思い出してよ!私ルビー、星野ルビーだよ!?」
「ルビーさん?私はサヤと言いますけど・・・」
「さん付けやめて!」
「それはちょっと・・・」
「お兄ちゃん助けて!ママの記憶を取り戻して!」
「俺の名前はアクア、星野アクアマリン。何か思い出すことあるか?」
「ないです」
「即答!?他に何か、ママの記憶を取り戻すには・・・」
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その後、短時間記憶を思い出してゲームをしていたけど、途中でミヤコさんが入室してきてゲームはストップした。
雇い主にあたる人物になる予定の人なので、立ち上がって対応しようとしたら手で制されました。
ミヤコさんはアクア、ルビーと少し話した後、2人を追い出し私に説明し始める。
「まずはごめんなさい。まさかこんなことになるなんて・・・。体調は大丈夫?」
「一応大丈夫です。背中が少し痛いですかね・・・」
「私たちの思い入れのある人物と貴方がよく似ているから戸惑った、ということなのよ。気を悪くしないでもらえると助かるわ」
「はい、大丈夫です。それより、面接の方は・・・?」
「最初の雰囲気だけでも十分な気はするけど、形式上それはよくないの。だから、面接は今からここで簡易的に行います。私の質問に答えてくれればいいわ。安心して、合格はほぼ決まってるようなものだから」
もらいましたわ(お嬢)。やっぱりアイさんに思い入れがある人に、アイさんオーラは特攻もいいところですね。演技もしていないのに合格を貰えるとは思いませんでしたけど。
簡易面接の質問はよくあるやつばっかりでした。なぜ苺プロを選びましたかとか、アイドルを目指す理由はとか。
しかし今アイドル部門ないんですって。そういえばそうでしたね、忘れてました。だってアイさんが行けって急かすから・・・?
原作だと高校生になったら本格活動開始でしたっけ?アクアとルビーが、かなさんとMEMちょさんを連れてきてからが本番ですね!私は・・・どうなるんでしょう?