私は誰かを愛したい、愛する対象が欲しかった…わけじゃない。
私は誰かに愛されたかった。誰かに必要として欲しかった。
恋愛でいうなら惚れた方の負け、相場でいうなら銘柄に惚れるなって言われるように自分から相手を損切りできなくなったら終わりだから、愛するより愛されたいみたいな?…なんか違うかな…。
アイさんにアイドルに誘われた時に、アイドルになればファンに愛されるかも?と思っていた部分はある。ファンがお金を払うのは好意に近い感情を持っているからだよね?
私はアイさんが愛されていたのを知っていたし、嘘の愛でも相手は本当の愛を返してくれているのに気づいていないんだ、と思っていた。
アクアやルビー、壱護さんなんかは人生を棒に振る覚悟だし、リョースケだってアイさんを殺すほどの憎しみを抱くということは、もともと抱いていた感情は大きなものだと考えられるよね。それこそ、愛だとか。
今の私も、もしかしたら誰かに愛されているのかもしれない。アイドルの私、苺プロでの私、家にいる時の私。色々な私がいるけれど、本当の私は一人だけ。
今ならアイさんが愛は返報性だって言った理由がわかる。嘘の私が吐いた愛に対する愛は、嘘の私への愛。本当の私を愛しているわけじゃない。
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監督さんに家に忘れ物をしました!って嘘吐きまして、無理に私の家に進路変更してもらいました。アイさんに聞かなければいけない事がありますよね?
何かって言いますと、欲しいお金の種類ですよ!あの世で流通している貨幣の種類を聞かないといけません。ドル紙幣が流通しているアメリカで日本の円をドーン!ってしてもインパクトが薄いです。ハッハッハ、なんだいこの紙切れはとか言われてしまうのがオチです。日本でユーロとか出しても買い物できませんし、それと同じですね。
しかもあの世ですよ、あの世!向こうで両替できるのかも不明です。持ち込み時の確認はしっかりと、ですよ!
ちなみに、私の中で一番ありそうだと思っているのは円です。国ごとにあの世があると予想してますので、日本のあの世は円(銭)が流通している、という予想です。暗号通貨も良さそうでしたが、取引の記録が残るはずなので、あの世があるという事がバレるとまずいから使ってなさそうかなと思いました。いえ、あの世だけのネットワークがあったりしますかね…?まあいいです、聞けば万事解決です!
この時間なら親はもういませんし、家の扉バーン!2階に駆け上がって部屋の扉ギャーン!オープンザウィンドウ(?)です!
「イェーイ!アイさーん!」
「…あれ?サヤ、昨日から撮影だったんじゃ…」
「まあまあ、それは置いておきましょう!そんなことより…」
フフフ…まずは私のパーフェクト推理でアイさんを論破し、私と同じお金第一主義だということを認めてもらいましょうか…!円!ドル!ユーロ!行きますよ!
「さあ、アイさん!あなたの嘘を暴きましょう!」
「私の嘘?」
「アイさんが本当は…お金が大好きだって事ですよ!!」
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「つまり、アイさんの愛も金次第なのです!」
「…」
ぽけーっとした表情のアイさんが私を見つめてきます。フッ…また私の頭脳がアイさんを論破してしまったみたいですね。またって言いましたけど前回論破したのいつでしたっけ…?
「どうやらぐうの音も出ないようですね…。では、私の勝ちが決まったところで質問がありまして」
「えっと…」
「あの世の通貨はなんですか?私は円だと思いますけど…」
「いや、あのね?金は要らない…」
「あっはっは!残念でしたね!もはや私に嘘は通じませんよ!理論武装は完璧です!」
このフルアーマーサヤの前ではアイさんの嘘は通じません!通じないっていうか私が嘘だと認めないだけですけど!
…この理論最強じゃないですか?アイさんの言葉が嘘かどうかは私が決めます理論。死角は特にありません、無敵です!
なんて事をしてたらスマホに着信がありまして、監督さんの名前が表示されてました。忘れ物を取りに来た(建前)だけなのに時間をかけすぎましたね…。
「まあいいです!続きは帰ってきた時にまた改めて!」
「はぁ…」
アイさんがものすごいアホを見る目をしてるんですけど?なんでですか?今の私はたぶんIQ300万とかあると思うんですが…。
「行ってきまーす!」
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…違うの、私がしたいのはお金の話じゃないの…。何が目的なの、何でもするから愛して欲しいって言わなきゃいけないのに…。
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言いたい事を何も言えずに家を飛び出しちゃった。相変わらずあの私は怖がりというかなんというか。
今はカントクに連れられて撮影場所(建物の中)まで来た。今日はここで撮影するんだって。
「おはよーございます…あれ?カントクー?誰もいないよ?」
「今日は俺らだけだ。他は明日から合流する」
…じゃあこっちの私でいいですね!というか珍しくないですか、二人で撮影って…と思いましたが、アイさんと監督さんの撮影って割と二人(+アクアルビー)みたいなのが多かったみたいですので、そうでもない…?
できる限り低予算にしようとする監督さんの努力の結晶って事ですかね…?アイさんの全盛期とか低予算映画にあるまじき出演料を要求されそうですし、他を削ったんですね…。
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別室で服のお着替えです。別に監督さんだけなら同じ部屋で着替えても私は気にしませんが、監督さんは気にするらしいのです。
お着替えの途中ですけど、ちょっと反省会をしますか…。結局、アイさんに本心を伝えられませんでしたね…。
このまま生きていても、アイさんに何も言えないまま時間だけが過ぎて嘘の私たちと混ざってどれが本心なのかわからなくなるか、嘘の私に全部丸投げしてしまうかのどちらかになりそうです。これはいけません。
それもこれも全部愛のせいです。愛がわかればはっきりするんですよね、アイさんへの気持ちが愛かそうでないかわかりますので。流石に愛だって理解できれば臆病な私でも愛してるって言えるはずです。その後、アイさんに愛してもらえるかは別の問題になりますけど…。
カミキをバラバラにしたら愛してあげるって言われるのが現在の最善ですね。復讐は達成できて、私やアクアたちの努力は無駄にならず、私は愛されます。最終的に私はしばらく刑務所かもしれませんけど、それはそれです。
じゃあどうすれば愛がわかるようになるのか考えた時に、天才の私は一つの答えに辿り着きました。単純明快、子どもを授かればいいのです。
アイさんが子どもを授かった事で愛がわかったのなら、当然私もわかるはずです。たぶん、きっと。よくよく考えれば私も生物学上は一応女の子のはずなので、子どもを授かれますよね?無性生殖ができれば一番簡単だったんですけども。
子どもが欲しいだけなので相手は誰でもいいんですけど、アイドルを辞める気はないので秘密を守ってくれそうな人の方がいいですね。カミキみたいなのを選んだら終わりですし、罷り間違って私のファンに情報が流れたらナイフが飛んできてお陀仏間違いなしなので。
となると候補はアクア、監督さん、壱護さん、お父さん辺りですね…。壱護さんとお父さんは秘密は守ってくれそうですが、ちょっと微妙でしょうか…。
その他には苺プロの事務員さんとか同業者の人(姫川さんとか)がいるわけですけど、秘密を守ってくれるかどうかの判断が難しいので次善の策になりますね。
前に似たような事(枕営業)しようとして苺プロの人に総出で袋叩きにされましたけど、今回は違います!子どもが欲しいんです!指差し確認!バレなきゃヨシです!
まずは最初の4人に私に興味ありますかって聞いてみるしかないですね!とりあえず監督さんからですね、すぐ近くにいますし。誰か一人くらいはあるって言ってくれますよね?色良い返事を期待してますよ!
光景がよくわからない、というお話を頂きまして。
文書の書き方を変える、文書を足す、挿絵を入れるといった対応を検討しております、少々お時間をくださいませ。
誤字連絡ありがとうございました!