のび太のバイオハザード E 作:モールデッド
2004年6月22日
そろそろ日差しがきつくなってくるこの時期に、僕はしずかちゃんたちからとある噂話を聞いた。
「お友達から聞いたんだけど、最近裏山に影みたいに真っ黒なおばけが出るんですって。なんだか怖いわ。」
「大丈夫だぜしずかちゃん!そんときゃ俺がボコボコにしてやる!」
「でも、もし現れたらこの中で一番最初に逃げそうなのはのび太だよな!意気地なしだし!」
怖い話をするにはまだ早いこの時期、こんな話を聞いたときはすごく怖かった。でも、スネ夫たちにバカにされて、つい言っちゃったんだ。
「なんだと!?僕は絶対逃げないぞ!そこまで言うなら今夜裏山に行ってやる!」
「アハハハハ!お前じゃ無理だよ!なら証拠として影のおばけでも連れてこい!」
今にして思えば、おばけなんて触れないんだから連れてこれない。ジャイアンは無理難題を言っていたんだ。それでも、僕は言ってしまった。
「いいよ!仲良くなってみんなを脅かすように言ってやるもんね!」
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「って言っちゃった〜!どうしようドラえも〜ん!!」
呆れたような目で数秒僕を睨んだあと、どう見てもたぬきにしか見えないネコ型ロボットであるドラえもんは、夜遅かったこともあり静かに答えた。
「君がジャイアンたちにどんな啖呵きったって知るもんか。行きたいなら行けばいいじゃないか。タケコプターなら貸すよ?」
「取った写真におばけを追加できるカメラ出して〜!!!」
「そんなピンポイントなものないよ。そもそも君がそんな事言わなければ行く必要なんかなかったじゃないか。」
「でもジャイアンたちにバカにされちゃうし…」
「はあ…君はそういうところが馬鹿にされる理由だよ…。できないことをできると言ってしまう。くだらない嘘をついたって後でバレるだけなのに。」
「もう怒ったぞ!ドラえもんまでそんな事言うんだな!いいもん!一人でいってやる!懐中電灯取ってくる!」
「はあ…行っちゃった…遅いから気をつけなよー!」
僕はドラえもんの声に振り返りもせず、裏山に向かって走り出した。
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裏山に到着して、まずどこから探そうかと考えていたら、右の方からうめき声のような声が聞こえてきた。
「ひいっ!や、やっぱりおばけはいるんだ〜!」
今すぐにでも逃げ帰りたい気持ちを抑え、声のする方へ進んで行く。
うめき声は近づくに連れて大きくなって行ったが、もう少し歩くと聞こえなくなった。恐らく通り越してしまったんだろう。
そして、今まで見たことのない木造の建物が裏山に建っていた。好奇心に駆られ近づいてみる。
「こんな建物見たことないぞ…?…鍵もかかってないみたいだし…誰かいますかー!」
耳を澄まして返ってくる声を待つと、うめき声が再び聞こえた。僕の声を聞いておばけが追ってきてると思って、思わず建物の扉を開けて入ってしまった。
中はすごく簡素な作りで、ベッドと子供用の遊びスペースがあった。
一つしかない小さな窓から差し込む月明かりを目で追うと…
自分と同い年くらいの少女が倒れていた。
「!!どうしたの!?大丈夫!?」
おばけから隠れるために中へ入ったことも忘れ、少女の安否確認のために体が動く。
「…」
返答は沈黙によってなされた。どうやら少女は意識を失っているらしい。
「大変だ…!!無理言ってドラえもんも連れてくればよかった…」
しかしおばけに会いに行って少女が意識不明で倒れてたなどという状況は想定できない。そして刻一刻と進む状況で、のび太が下した判断は「背負って家まで運ぶ」だった。ドラえもんがいるから病気ならどうにかなるという信頼からである。
火事場の馬鹿力か。普段ののび太からは考えられないような力で少女を肩車の形で背負う。
そんな状態では懐中電灯は持てず、置いていかざるを得ない。そのまま少女の体調がより悪くならない程度のスピードを維持して家から出る。
このとき、僕は忘れていた。ここに来た理由を。
「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
眼前にいるのは影のおばけと言うより全身に黒いシチューを被ったような人型の怪物だった。
「うわあっ!」
驚きはしたけれど今はそれどころじゃない。少女を助けなきゃいけないという感情が僕の恐怖を殺す。
怪物の噛み付くような動作をとっさに避ける。どうやら動きは遅いらしい。そのまま横を素通りし怪物から逃げる。
どうにか家につく頃には、僕はジャイアンから逃げたときよりもひどい顔色で、この子を助けてと言って倒れたとドラえもんにあとから伝えられた。
物語書くのって難しいですね。
寝る前に書いたせいで視点もブレブレだし。