のび太のバイオハザード E   作:モールデッド

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エヴリン

「…う…」

 

見慣れた天井が視界に映る。どうやらあのあと帰ってこれたようだ。

 

「のび太くん!?大丈夫!?」

 

「ドラえもん…。うん…どうにか…」

 

疲労はあるが体は動かせる。それよりも、あの少女の無事が確認したい。隣を見ると、普段ドラえもんが使っている布団で件の少女が眠っていた。

 

「あの子は無事?」

 

「のび太くんが背負ってきた子なら今お医者さんカバンで治療中だよ。あの時間じゃ病院も空いてないしね。昨日の夜何が起こったの?」

 

「…裏山に行ったら小屋があったんだ。裏山によく行く僕でも知らなかった。その中に入ったらこの子が倒れてたんだ。それで…背負って来た。」

 

ドラえもんにあの怪物のことを話そうか悩んだ。しかし暗がりと焦燥感による見間違えの可能性も否定できず、あえて話さなかったのだ。

 

「そっか…大変だったね。ところで今日は学校あるけど宿題はやったの?」

 

「うわああああ!忘れてたぁ!」

 

完全に思考の外に抜けていた。昨日はおばけに会いに行くことだけしか考えていなかった。

 

「落ち着きなよ…珍しく早く起きてるから今からやれば間に合うよ。ボクも手伝うから…」

 

「…ありがとうドラえ「うう…」

 

その声の発信源は僕でもドラえもんでもなかった。そう。すぐ隣にいる少女の声だった。

 

「ここは…?」

 

「君は裏山の小屋で倒れてたんだ。僕が背負って家まで連れてきちゃったけど…」

 

「そっか…ありがとう。ええと…」

 

「僕は野比のび太。」

 

「ありがとう。のび太お兄ちゃん。」

 

…?今、彼女は僕のことをお兄ちゃんと言った?僕は一人っ子だ。弟や妹はいないはず…

 

「私はエヴリン。私の家は…?思い出せない…」

 

「え?」

 

裏山の山小屋で倒れていた彼女に何があったのかはわからない。しかし、少なくとも倒れて意識を失うほどの何かがあったことは確かだろう。ある可能性と結びつく。

 

記憶喪失。

 

「もしかして、エヴリンは…記憶喪失…?」

 

「…そう…みたい…。名前以外何も思い出せない。」

 

「…ねえドラえもん、どうにかできないかな?」

 

「うーん…この前使った忘れとんかちならあるけど…あれは頭を叩かないといけないから…」

 

「それはダメだ!女の子の頭を叩くなんて最低だぞ!」

 

「のび太くんならそう言うだろうね。とは言っても他に道具がないんだ…」

 

足りない頭を必死にひねる。その果てに僕が導き出した結論は…

 

「ねえ、エヴリン。記憶が戻るまで家で過ごしてみるのはどう?」

 

「私は…前の家族がどうだったかすらわからない。この街に来たのにはなにか理由があったはず…。だから、この街で過ごしていればなにか手がかりになるかもしれない。のび太の家族がいいならそうさせてもらいたいけれど…」

 

「よし!ママに相談してくる!」

 

「あ!ちょっとのび太くん!…行っちゃった…。ママがそう簡単に許してくれるとは思えないけど…」

 

「ねえ…あなたは…」

 

「ん?あっ、そっか。自己紹介がまだだったね。さっきのび太くんから呼ばれてたと思うけど、僕はドラえもん。信じられないかもしれないけど、22世紀から来た未来のロボットだよ。」

 

「あなたは…タヌキ…?」

 

「僕はタヌキじゃなーい!!!!」

 

ママに相談しに行った僕にすら聞こえるのだから、相当な大声で言ったんだと思う。

 

「ねえママ。」

 

朝食を作るため包丁で野菜を切っているママ…玉子に話しかける。

 

「あら。のびちゃん。今日は随分早く起きたのね。どうしたの?」

 

「ちょっとママに頼みがあって…」

 

今更ながらに少し緊張する。生活する人を増やすのだから当然だ。むしろ自分の部屋にいた段階で気づくべきだっただろう。

 

「漫画とかなら買わないわよ。」

 

「そうじゃなくって…ドラえもん以外に…新しく一緒に暮らす人を増やしてほしいんだ…」

 

「………その子はどんな子なの?」

 

少し間を開けてそう聞いてきた。

 

「エヴリンっていう子で…。記憶喪失で…名前以外何もわからないみたいなんだ…。僕と同い年くらいで…。記憶を戻す手伝いをしたいんだ!だから…お願い。」

 

ママはひとしきり考えたあと口を開いた。

 

「いい?家の家計は毎月ギリギリなの。のびちゃんのお小遣いもギリギリなくらい。だからね?その子が住んでる間、のびちゃんのお小遣いも、欲しいものも買ってあげられないわよ?」

 

「うん!それでいい。お小遣いも、欲しがったりしない!」

 

「そう…。わかったわ。今からエヴリンの分の朝ごはんも作らなきゃね。自分で言ったことはちゃんと責任を持つのよ。」

 

「うん…!ありがとう!ママ!」

 

多分、ママは僕のことを試したんだと思う。僕のエヴリンを助けたいっていう決意を。僕は学校の準備をしに自分の部屋に向かう。その後、結局宿題を忘れて朝から廊下に立たされるのだった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

こうして、エヴリンとの生活が始まった。パパは驚いてたけど、すぐに慣れてたみたいだった。服とかはドラえもんが着せかえカメラで用意してくれたみたい。

 

エヴリンが学校に行きたいと言ったので、ドラえもんが初めて見るひみつ道具を使って僕の妹として学校に行けるようにしてくれた。

 

明日から夏休みだ。エヴリンと過ごした日々はとても楽しかった。この2ヶ月だってあっという間だった。

夏休みにはドラえもんがみんなを旅行に連れて行ってくれるって言ってた。楽しみだなあ…




色々だいぶ強引だった気がする。
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