IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス 作:yosshy3304
更新するかどうかはその日の気分になります。
プロローグ
『玄関開けたら佐藤のごはん』CMの音をBGMにテーブルの上に紙を広げて作業する。今日は、うるさいアイツも日本政府とやらと交渉する為に家を空けているから結構スムーズに作業が出来る。
「ふぅ、コーヒーでも入れるか。」
作業が一段落し、息抜きの為にインスタントコーヒーを淹れようと立ち上がった。ずっと紙面と睨めっこしていた為、甘目にしようとスプーンで砂糖を三杯入れる。水を入れたら電子レンジでチン!だ。
電子レンジのタイマーを二分に合わせ、加熱スタート。明かりがつき、マグカップがグルグルと回りだした。独特なジーという音と共に。
「やっぱなぁ、一般企業レベルで量産体制を取り入れるならここまでレベルを下げないといけないか。」
お湯になるまでにテーブルの上の紙を纏めておく。元々広告の裏を利用して簡単に図面に起こしたものだから、汚してしまったとしても痛くも痒くもない。が、ここまでそこそこ苦労した為、もう一度はやはり遠慮したい。
片付ける時に手に取った図面を見て、どうしても納得いかず愚痴が口をついて出る。トントンと紙の下側をテーブルにぶつけて綺麗に合わせて纏めてテーブルの隅に置いた。
「お、出来たか。」
チン!という電子レンジの音が鳴った。電子レンジを開けてマグカップを取り出し、インスタントコーヒーの瓶を開ける。スプーンで二杯入れ掻き混ぜる。
冷蔵庫から紙パックの牛乳を取り出し、ほんの僅かに注ぎ入れた。黒のバックに白い渦巻が生まれ、すぐに混ざり合う。
「あっち…」
すぐに口をつけ、猫舌だった為に舌を火傷した。製氷機から氷を出し、数個投入。氷はすぐに融けて、コーヒーと分離してコーヒーの上に溜まっている。スプーンで掻き混ぜて、コーヒーを薄くする。
「あー、流石に三徹はきついか。」
コーヒーで眠気が誤魔化せるかと思ったが流石に無理だったらしい。あいつの無茶に付き合って三日寝ていないのだ。眠気に負けて瞼が落ちる。
「いい天気だし、昼寝でもするか?」
サンサンと太陽光を室内に入れるガラス張りの大窓だが、外は秋口。まだまだ暑い日もあるが、雨降りの後は肌寒い。部屋の温度は地熱を利用したエアコンのおかげで過ごし易く、窓に背を向けて存在するソファーは最高のベッドに見えた。
「よし、寝よう。」
コーヒーを一気に飲みほし、マグカップを洗面台に張ってあった水につける。今日はもう寝てしまおうと決意し、ソファーに横になった。
ピンポーン。
「誰だよ、ってあいつ居ないんだったな。」
横になった瞬間、チャイムが間抜けな音を響かせる。思わず悪態を吐き、あいつに任せようとした所でそういえば居ないんだったと思い出す。つい先程までは居ないのを有り難がったのだが、今は居ないのが心底むかつく。
「仕方ねぇな。」
配達とかなら、配達員に悪いし、何か食い物でも来たのなら痛む前に冷蔵庫に放り込む。溜息を一つついてソファーから起き上った。
「あー、眠い。」
欠伸が出た。寝るつもりでいた為にやけに眠い。手の甲で目を擦りながら玄関に向かう。玄関の曇りガラスの向こうに自身よりもあいつに近い小柄な人影が写りこんでいる。
「誰ですかってな…」
眠い為に少しぶっきらぼうになってしまったが仕方無いだろう。玄関の戸を開けると。
「あ、あの…」
金髪の長い髪を揺らす外国人が居た。黒と言うより紫に近いだろうか、瞳が不安に揺れている。黄色いシャツに白いカーティガンを羽織り、燈色のミニスカ、フレアスカートと言うやつだったか? が今日の少し強い風に揺れている。手には大き目のトランクを両手で握り、何かを言おうとしてまた口を紡ぐ。
「あー、誰?」
とりあえず切り出しやすいように、向こうも日本語が出来る様なので日本語で問いかけた。
「あ、あなたのお嫁さんになりに来ましたっ!!」
「あー、うち、勧誘とかはいいんで…」
何か決意した瞳でとんでもない事を叫んだ。とりあえず断り、玄関をバタンと閉めた。