IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第二話

 俺は隣で緊張する男子三人目を可哀そうにと思いながら、机に突っ伏していた。俺には関係ない事だからだ。どちらかと言うと前の方で騒いでいる一夏がどうにかするべきだと思ったからだ。隣でシャルロットが苦笑していても、前の席で暁美が爆笑していてもだ。

 

 と言うか直接ではないにしろ、間接的には原因の一端だろうに。せめて爆笑するのはやめてやれ。

 

 そんでもってどういう席順なのだろうな。箒だけが窓際で離れている。一夏が教卓の前の席。すぐ後ろに円夏。そのまま後ろに少し離れて五反田と言う奴で、その二つ横が俺。前が暁美に、横がシャルロット。苗字が同じ奴は固められているようだが、名前順ではないよな。

 

 「……以上」

 

 ズルっと肩が落ちる。周りでも彼方此方こけてるやつがいて、と言うか顔面から前へとこけた奴は大丈夫なのか?

 

 そんな惨状を作り出した奴、一夏は円夏に突っ込みを受けている。というか一番前の席だから女子の視線が強いのは仕方がないだろうに。名前だけ言って終わりって。もう少し真面な事言えよ。

 

 まぁ、興味を集めるのは仕方ないにしろ。何せモンドグロッソ三連覇を成し遂げた、文字通り世界最強。しかも『もうISで私に勝てる者は出てこないだろう』と言って、引退した千冬の弟だと広まっているからな。

 

 IS学園の入学は男子だと言う事で試験免除されたと言っても、実技試験だけは行なった。相手は夜桜を纏った千冬。一夏は日本産量産型の打鉄で、ただ、一夏は受験勉強中も暇を見つけては、ACレウスマンを動かしていた。レウスマンと似たような構成の打鉄を十分に乗りこなし、千冬といい勝負を演じてしまっている。

 

 ただでさえISは世界中で社会現象にまで発展する程人気なスポーツの、それも世界最強に挑むその弟と言う事で話題になってしまったのだ。

 

 急遽、一夏の実技試験は既にIS学園の生徒だけと言う制限を設けて、観覧可能としたのだ。一夏の実力は知れ渡っており、そんな人物に注視してしまっても仕方がないだろう。前へ前へと乗り出し気味になっていた所にあの肩すかしだ。机事前に倒れる生徒が溢れた。

 

 「なんだっ、以上って!!趣味とか、好みとか色々あるだろっ!!」

 

 「そうかもしれないけど、ここまで注目されるとやりずらいんだってっ!!」

 

 頭イテェ。前で円夏と一夏の言い合いに、俺は頭を押さえる。箒も頭を抱えているようだ。暁美と吹っ切れたのか、自暴自棄になったのか。後者だろうなぁ。五反田は指を指して笑っている。

 

 「いいか!?見てろっ!!」

 

 先生、山田マヤ先生に止められた一夏と円夏。円夏が一夏に指を突き付け、自己紹介の手本を見せると言っていたが、後ろを振り返って途端に固まった。

 

 まぁ千冬に似た容姿で、一夏程ではないが元々注目を集めていた上に、あの宣言だ。周りが期待するのも仕方がない。特に一夏の自己紹介があれだったせいで余計に注目されている。

 

 「……以上ですっ!!」

 

 お前もかいっ!!いやこの突っ込みは俺だけじゃなく、周りもそう思っているだろ。結局注目され過ぎてテンパった円夏は名前だけ言って打ち切った。クローンだと言ってもそんなとこ似なくてもいいだろうに。

 

 「あほかっ!!お前らはもう少し真面な自己紹介が出来んのかっ!!」

 

 瞬間ズバンッという音が鳴る。一振りで二人の頭を叩いたはずなのだが、音は一つしか鳴らなかった。どんな速度で殴ってんだ。

 

 いつの間にか入って来ていた千冬が出席簿を振り下ろしていた。後ろから暁美同様、周りを気にせず爆笑しながら入って来た束が千冬の肩を叩いている。一応説教しようとしている千冬を止めてくれているようだ。

 

 「うわぁ、凄いね。」

 

 「流石に女の子の英雄なだけはあるよな。」

 

 「それチーちゃんに言うと殴られるよ。」

 

 千冬の姿を見た女子たちが黄色い歓声を上げたのだ。音が一時的に教室を揺らした。シャルロットが俺の方へと体を寄せて話しかけてくる。思った事を返すと、前の席の暁美がこちらを振り向いて注意をしてきた。流石に女性に対して使う言葉じゃなかったか。

 

 中々止まない黄色い歓声。後半可笑しな具合になってきたが、千冬は黒板に頭を当てて現実逃避しているようだ。一夏と円夏が励ましている。

 

 「はぁ、のんびり自宅生活が恋しいよ。」

 

 「そんなの有ったっけ?」

 

 「無いのはお前の所為じゃねぇか。」

 

 俺の呟きに頭を掲げる暁美。だが、騒動の原因はほぼお前だ。残りは束。俺は如何してこうなったと今だ鳴り止まない黄色い歓声の中頭を抱えた。俺を心配し額に当ててきたシャルロットの手が冷たく気持ちよかった。

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