IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第四話

 「一夏が休み時間に予習をしていると、後ろから声が掛かった。『ちょっと、よろしくて?』『なんだ?』『まぁ、なんですかそのお返事は』『悪いな俺、君の事知らないし』『知らない?イギリス代表候補生の私を知らない?』そんなやり取りの後の授業、クラス代表を決める事になった。そこで推薦されたのはセシリアの気に入らない男子生徒、織斑 一夏。激高に駆られたセシリアは一夏を馬鹿にする。その悪口は国の事までにおよび、『イギリスだって不味い飯何年覇者だよ。』『まぁ私の祖国を馬鹿にしますの』『先に馬鹿にしたのはそっちだろ』『なら決闘ですわ』『ああ、いいぜ。四の五の言うより分かり易い』売り言葉に買い言葉。IS戦闘で決着を付ける事となったのだった。」

 

 「勝手に捏造した話をしないでくださいっ!!」

 

 朗々と語り、周りからおおーと言う歓声を貰っていた暁美にセシリアの突っ込みが入った。

 

 

 

 

 休み時間になり、一夏が俺の傍にやってくる。俺がめんどくさがって動かないだろうから来たとのことだが、分かってるじゃないか。円夏と箒とシャルロットは円夏の傍でこちらもガールズトークか?時々黄色い歓声が上がっている。

 

 「よっ、一夏。ああ、自己紹介がまだだったな。俺は五反田 弾ってんだ。」

 

 「こいつの実家、食堂やってんだよ。今度食いに行こうぜ。」

 

 ついでにもう一人の男子もやってきた。一夏とは親友?悪友?だと言うから不思議な事じゃない。一夏の提案にああと頷いた俺は、そう言えば暁美はどうした?と何時もなら馬鹿をやらかす暁美の事を思い出す。周りを見渡すと教卓の前に立っていた。

 

 そんで冒頭の捏造話を語り、周りから注目を集め拍手を貰っていた。金髪の縦ロールという特徴的な髪形をしたセシリア=オルコットが自身の名前を出された事もあり、突っ込む。

 

 マジで暁美の奴何やってんだ?

 

 「それに織斑さんを馬鹿に等しませんわっ!!」

 

 「えー、卑屈な父親のせいで弱い男性が嫌いじゃないの?」

 

 「むぐ、調べている事については、佐藤さんの仕事上仕方ないので何も言いません。確かにその通りですが、織斑さんは弱くないでしょうっ!!」

 

 セシリアは確か良い所のお嬢様で、騎士道精神というか真っ直ぐな性格をしていたはず。暁美に事前に教えて貰っていたプロフィールを思い出しながら、俺は二人のやり取りを見つめる。

 

 セシリアの母親は、名門貴族であり実家発展にかなり尽力したらしい。婿養子の父親はそんな母親に負い目からか卑屈になり、そんな父親がセシリアは嫌いだった。だが夫婦仲は良好だったらしく、仲良く夫婦旅行に出かけ、その最中に列車事故でなくなった。セシリアは努力して周囲の遺産目当ての大人から家を守っており、IS試験機のテスターを務める代わりに政府が家を守ると約束して今に至っている。

 

 一夏の試験戦も観覧しており、その実力差も知っているはずだ。なんで暁美はこんな事を言い出しただろうか。ああ、原作の為か。すでに大分崩壊しているとは暁美の言であり、暁美は出来るだけ原作から剥離しないよう苦心していると語っていた。

 

 俺は一つ溜息を吐いて、暁美を止めるべく立ち上がった。

 

 「何を騒いでいる。ほらお前らも席に戻れ。」

 

 だが、俺が何かする前に、すでにチャイムは鳴っていたらしく、暁美はやってきた千冬に出席簿で打ん殴られ止められた。千冬は暁美を止めるべく動き出していた周りをシッシツと追い払うと改めて教室を見回した。

 

 「うむ。授業を始めると言いたいが、その前にこのクラスの代表を決めておこうか。他薦、自薦は問わないが、来月のクラス代表戦にも出て貰うから慎重に選べよ。」

 

 千冬も先の話を聞いていたのだろうか?タイミングが良すぎるだろう。

 

 「はーい、私は織斑君を推薦しまーす。」

 

 「おれぇ!?」

 

 名も無きそこの女子の上げた名前に一夏が反応する。と言うか何で一夏はそんなに反応している。試験の為に千冬と戦っていい勝負になったのは学園全体に広まっているんだぞ。

 

 「座れ織斑。悪いが織斑はクラス代表にはなれないんだ。私との勝負の所為で、生徒の中でも隔絶した実力を有していると分かったのでな。試合等には優先して出て貰うが、クラス代表となると他のクラスから不満が出て来る。」

 

 御尤もで。前でムンクの叫びをやっている暁美は無視をする。というか一夏は面倒な事をやらされなくて良かったと言うようにホッと胸を撫で下ろしている。

 

 「なら~、ダダンダンを推薦するよ~。」

 

 隣から間延びした声で五反田を推薦する声が聞こえた。確か布仏 本音だったか?微妙に長い袖をパタパタ振りながら目を細めた笑顔だ。五反田は俺?と言う感じで自身を指差している。

 

 「私はオルコットさんを!!」

 

 先の話を聞いていた為か、数人の女子がセシリア=オルコットの名前を上げる。オルコット自体他薦されていい気分になっているのか胸を張っていた。

 

 「他には居ないか?居ないのならばこの二人で来週、ISで決着をつけてもらう。」

 

 俺は気配を消していたし、暁美の語りが作用したのか俺の名前は上がらなかった。よっしゃー!!ここはIS学園であり、ISについて学ぶ場所。スポーツと名実共になっていた事もあり、こういう決選投票になった場合はISの勝負で決められる事になっている。

 

 まぁ、原作でもIS勝負だったらしいが、そこはオルコットの決闘と言う言葉が引き金になったんじゃなかろうか?原作では兵器扱いだったISで勝負等、幾らなんでも軽すぎる。

 

 「ああ、そうだ。織斑と五反田には専用機が政府から支給される事になった。」

 

 何気なく千冬が爆弾を落とし、教室は喧騒に包まれる。いや、一夏、お前なんで『専用機って何ぞや?』みたいな顔してんの?

 

 ISの数は決まっている。ほとんどのISは授業用にIS学園で量産型として存在し、世界にはその半分以下がモンドグロッソの競技用として貸し出されている。貸し出されている数は少なく、IS学園を卒業後、ISに触れる機会は殆ど無いと言っていい。

 

 それを知った生徒は、少しでもISに触れたい人間は二年になって整備科を希望するのだ。余談だが整備ならば搭乗者よりも倍率が低く、就職の可能性も上がる。落ちた人間も、エリート校であるIS出身者として高待遇で就職に就く。

 

 閑話休題、専用機とはそんな競技用のISを開発している企業が自分所の用品を使ってくださいと言ってきているようなものだ。要はスポンサーである。世界もIS競技に男子部門が出来る事を期待しているのだ。

 

 「イっくんの専用機は私が誠意作成中です。」

 

 束が胸を張って言う。いや、ISの生みの親の作った専用機ってどんだけ?そういえば五反田の機体は如何すんの?出来ればでいいんだが…。

 

 「五反田の機体、俺が作ってもいいですか?」

 

 「そうか。企業が争っていて、いまだに何処が作るか決まってないからな。助かる。」

 

 収まって来ていたが再び教室が喧騒に包まれる。だが、俺は気にしなかった。ちょこちょこパーツは作っていたが、ISを一から作ると言う事なく、ほんの僅かに、いや少し、大分楽しみだ。

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