IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第六話

 それぞれの部屋の様子を見て見る事にしよう。まずは一夏だ。一夏は鍵番と同じ部屋を見つける。『おっ、ここだな』と言って、女子生徒と同じ部屋にされたと言うのに、ノックも無しにドアを開いた。ベッドが二つ。真ん中に仕切りがあるとはいえ、半分だけである。顔さえ見えなければ普通は気に等しないからだろう。反対側に勉強机が鎮座している。簡易キッチンがあり、その隣に風呂場とトイレに繋がる通路があった。

 

 「誰か居るのか?ああ、同室になった者か。すまんな、こんな恰好で。シャワーを使わせて貰っていた。私は篠ノ之 箒。一年間宜しく頼むぞ。」

 

 「あ、ああ、あ…」

 

 「ひぇ、…」

 

 風呂場から声が響いてくる。どころか、ちょうど浴び終わったのか箒がタオルを巻いただけの格好で出て来る。女性同士と思い、そんなに気にしなかったのかそれとも挨拶を先に済まそうとしたのか。

 

 その格好に赤くなりながら、真面な言葉を発せない一夏。目の前に居るのが一夏だと認識した箒もまた、タオル一枚の格好で固まった。

 

 「い、い、一夏?」

 

 「お、おう?」

 

 箒が吃りながら一夏の名前を呼ぶ。一夏もなんて言っていいか分からず、短く返事を返した。

 

 「は、あ、見るなっ!!」

 

 「す、すまんっ!!」

 

 我に返った箒が体を隠す。一夏もすぐさま後ろを振り返った。

 

 「何でお前がここに居る。」

 

 流石に落ち着いてきたのか、ベッドサイドに置いてあったバックから着替えを出して服を着ながらそう質問する箒。と言うかバスルームには着替えスペースがあるはずなのに、なぜ衝立一枚向こうで着替えるのか。手前のベッドに反対方向、扉側に向かって腰かけた一夏は疑問に思うも、衣擦れの音で赤くなる。

 

 まぁ、好きな人へのアピールなのだが、意識している以上成功かもしれない。

 

 一夏の千冬から聞いた説明に、少し困った様子ながら、嬉しそうに顔が綻んでいる。反対を向いていて見られなかったのが幸いか。後に一夏にブラジャーを事故で見られ、互いに色々と話し合わなければいけないと悟るまで、箒は何気に不用心であった。

 

 

 

 

 五反田 弾は少し緊張していた。妹が居り、気安く部屋に入ってくる事もある以上、そこまで気にしなくてもいいかもしれないが、流石に妹と知らない女性は違う。トントンとノックすると、はーいという聞いた声が返ってきた。

 

 ビシッと石の様に固まる。いや、まさか。そんな思いが駆け巡るが、無情にも扉は開いた。

 

 「同室の方ですよね。宜しくお願いします。私は布仏 虚といいま…」

 

 向こうも弾に気付いたのか、途中で固まり、二人して見つめ合い、顔を真っ赤にする。IS学園入学が決まった時に、学校案内された時に互いに一目惚れをするという稀有な体験をした二人。運命の出会いと言うのを強く実感した瞬間であった。

 

 「あ、あの」

 

 「は、はい?」

 

 「何で、俺達、同じベッドの上で正座してるのでしょう?」

 

 「あっ…」

 

 部屋に入り、何故か向き合ったまま手前のベッドの上で正座をする二人。その事を弾が切り出すまで結構な時間が経っているのはこの際言わない。弾の指摘で、ベッドの縁に腰かける様にして座り直す二人。

 

 「そうですか。織斑先生の…」

 

 「はい。なので一週間宜しくお願いしますね。」

 

 「分かりました。こちらこそ宜しくお願いします。」

 

 自然とどちらからとかではなく、距離が縮まっていく。その間に弾は同室になった理由を話しており、一週間世話になる事を言うと、虚の方を見て固まった。こちらこそと言いながら、三つ指ついて言っているのだ。

 

 「あはは、まるで新婚みたいですね。」

 

 「あっ、そ、そうですね…」

 

 弾の指摘に気まずい空気が流れるが、嫌じゃない。

 

 学園側としては生徒会の一員で、裏稼業の人間。男子に襲われても撃退できるだけの実力を有し、問題行動になるような事はしないと言う判断だったのだが、一番問題になりそうな組み合わせであった。

 

 

 

 

 

 俺は部屋にノックなしに入る。一夏の様な不用心さだが、相手が誰だか予想がついている以上、問題ない。千冬は問題なしと判断した相手だと言った。だとすれば、二人の内どちらかだ。現に風呂場からシャワーの音と共に聞きなれた声の鼻歌が聞こえる。

 

 「おーい、シャルロット。」

 

 「うん?貴輝?何ー?」

 

 風呂場の曇り扉を叩きながら、相手シャルロットを呼ぶ。シャルロットも気付いたのかシャワーを止めて、何事か聞いてきた。

 

 「仮の同室になったー、宜しく頼む。」

 

 「分かったー。こちらこそ宜しく。」

 

 扉越し、風呂場は音が反響しやすく、ほんの僅かに叫ぶようにして伝える。向こうも宜しくと返してきた後、シャワーの音が聞こえだした。

 

 まぁ、戸籍上の妻であるシャルロットか、実の妹である暁美と同室になる可能性が高かったしな。俺は扉側の、手前のベッドに荷物を置きながら、バックから取り出した大学ノートを開いて五反田の機体構成を書きだした。

 

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