IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第八話

 「昨日はすみませんでした。」

 

 「構わん、頼んだのはこちらだ。それにお前なら、一学期の内容程度、すでに頭に入っているだろう。」

 

 俺は今、職員室で千冬に頭を下げていた。昨日の欠席の話である。シャルロットに休む事を伝えてくれるよう頼んだのが良かったのか、あっさり許された。まぁ、千冬の言うとおり、一学期に習う基礎部分は既に終わっている。

 

 「ねーねー、それより出来たの?どんなの?」

 

 「束…」

 

 隣に座っていた束が、話が終わったとみるや、俺の作ったISがどんなのか聞いてきた。我慢しているのは分かっていたが、まさかこんな人が多い場所で聞いてくるとは思わなかった。まぁ、隠す事は無いからいいけど。

 

 だが、普通は各国の機密すらあるIS技術について、流出する可能性は限りなく無くす事に努力するべきだと思うのだが。千冬も束の能天気と言うか、自身がさらに先に行っているから気にしてないだけなのだろう。そんな態度に頭を抱える。

 

 「あー、まぁ概要だけ。オルコットの機体、ブルー・ティアーズとコンセプトは同じ。ただ素人をプロに勝たせる機体と言っておこうか。」

 

 「むぅ、それじゃあ、何にも判んないよ。貴ちゃんてば束さんの頭脳を軽々超えて来るし。」

 

 「あー、あと数日で判んだろ。我慢しろよ。」

 

 俺はとりあえず基本的なと言うか設計概要だけを説明する。流石に勝負を控えている五反田の不利になるような事はしたくない。だが束は不満だったのか、唇を尖らせてブーブー言ってくる。

 

 「束もいい加減にしろ。ほらお前も教室に行け。」

 

 千冬が束を止めて、こちらを手でシッシッと追い払うように振る。俺はそれに従い、もう一度だけ頭を下げて、職員室を出た。

 

 

 

 

 

 ガラっと教室の扉を開けると、すでに来ている結構な人数の女子生徒がこちらを向いた。慣れたと言うか無視をして、いや挨拶だけはしているが、とりあえず居ない事にして五反田の席までやってくる。

 

 「おー、おはよう。一夏の奴はまだだぞ。」

 

 「見れば分かる。ほらお前のISだ。」

 

 「で、出来たのか。もう?早すぎないか?」

 

 早い方がいいだろと言って、仔犬の形をしたロケットを渡す。それをシゲシゲと見つめる五反田。

 

 「おー、ダダンダンの専用機ぃ~」

 

 五反田の隣の席から布仏の間延びした声が聞こえた。

 

 「あ、あのなぁ、ノホホンさん、そのダダンダンと言うのやめてくれません?」

 

 「あれ~?嫌だった~?…ならダンちゃんで」

 

 「ダダンダンで良いです…」

 

 五反田がそのあだ名はやめてくれと言うと、それ以上にひどいあだ名で呼ばれそうになる。結局五反田は諦めて、元の呼び方にして貰えるよう頼んでいた。こいつら何でこんなに仲が良いのやら。

 

 「とりあえず、今日の放課後から、アリーナの使用申請出して動かしておけよ。ファースト・シフトが早まるから。」

 

 「おう、て言うか、フィッテイングとかしなくてもいいのか?」

 

 「乗っていれば、ISの方で自動的にやってくれる。」

 

 「そう言うもんなのか?」

 

 俺は五反田に少しでもファースト・シフトが早まるようISに出来るだけ乗るよう言う。五反田もまだ無い様な知識で聞いてくるが、黒狼王が自動的にやってくれると言うと、不思議そうにへ~と言いながら、ロケットを見ている。

 

 「名前は黒狼王。黒い狼の王様と書く。大事にしてくれよ。」

 

 「おう。サンキューな。」

 

 俺はそれだけ告げて、自分の席に向かう。どうやら寝坊したらしく、遅刻ギリギリで箒と一夏が駆け込んできた。後ろで布仏が五反田に、お姉ちゃんに教えてもらうよう、頼んでみるねと言って五反田を慌てさせているが、俺は俺の仕事は済んだと無視を決め込む。

 

 「いいの、あれ。」

 

 「黒狼王は素人が動かす前提で作ったからな。放課後にでも乗り回していりゃ、自然と動けるようになるさ。」

 

 隣で苦笑しているシャルロットが、止めなくていいのか聞いてくるが、どうでもいいだろ。俺はそれよりも、堂々遅刻してきて、千冬に弁解すらさせて貰えず打ん殴られている暁美の方が気になる。俺にまで被害が来ると言う意味で。溜息一つ、俺は机に突っ伏した。

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