IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス 作:yosshy3304
数日経って、五反田とオルコットの試合である。何だかんだと代表候補と、男子三人の内の一人の試合。それも専用機同士の戦いとあって、アリーナの観覧席は満員であった。立ち見する生徒すら出て来る始末である。
「何も、こんなタイミングで俺の専用機が来なくてもいいのにな?」
「はは、まぁ良いじゃねぇか。俺もリラックス出来たしよ。」
ピットゲートの手前の部分、選手が控えている場所で五反田と一夏が話している。話の内容は一夏の届いたISの話のようだ。タイミング悪く、試合直前に届いたのだ。教員の一部が受け取りに回り、試合開始の時間がずれたのだ。
「ふぅ、やっと終わりました。」
「お疲れ様です。山田先生。」
「ああ、織斑君。後で受け取っておいてくださいね。アリーナのIS管理室にありますから。」
「分かりました。」
受け取りに行っていた一部の教員事山田マヤ先生が溜息を吐きながら帰ってきた。ISの受け取りを終わらせ、IS学園にあるISを整備、管理する管理室と呼ばれる場所に置いてきたようだ。一夏に後で取りに行くよう、書類を渡しながら言っている。
「うむ、所用も終わったようだし、すぐに始めるぞ。アリーナの借りていられる時間は有限だからな。五反田、準備しろ。」
「はいっ!!」
後ろからやってきた千冬の言葉に、五反田は光に包まれる。目の前に黒狼王を纏った五反田が現れた。今だファースト・シフトはしていないようだ。
それも仕方がないのだが、ファースト・シフトするためには、それなりの搭乗時間が必要だからだ。放課後の練習時間全部を合わせてもせいぜい10時間から15時間といった所で、とてもではないが、ファースト・シフトするほどの時間ではない。
そういう意味では原作一夏は、あくまでお話の中の主人公だと言う事だろう。だが、今回は俺がそれを狙って組み立てたのだ。黒狼王のパーソナルデータはもうすぐファースト・シフトする事を示しており、上手くいきそうだ。
「そんじゃ、勝ってくるぜ。」
「負けたら笑ってやる。」
「それは勘弁。」
五反田と一夏が軽口を叩きながら、ピットゲートの所にあるISを射出するための射出機に足を乗せた。これは、出撃と同時に撃墜されない為に、初期速度を確保するための物で、ルールが決まっており、更には揃ってから開始のブザーが鳴るスポーツには必要ないものだ。兵器であった頃の名残である。
「五反田、出るぜ!!」
一言宣言して、前方に見える大空へと飛び出してった。
『このままやれば私が勝つのは自明の理、今この場で謝るのであれば、痛めつけるのは勘弁して差し上げますわ。』
「だから、勝手に捏造するの、やめてくださいましっ!!」
五反田とオルコットが空中に静止し並んだ瞬間、オルコットが口を開くのに合わせて暁美がふざけた。その事に突っ込むオルコット。瞬間、マイクから、ゴンッ、ガンという音が鳴り響き静かになる。
アリーナにマンガとかで見る汗が流れた様なものを幻視した。何をやってるんだ、何を。
「ええーい、始めるぞ。試合開始!!」
暁美の所為で緊張感が無いまま、試合開始のブザーがブーと鳴らされる。
「行きますわよ。私とブルー・ティアーズの奏でるワルツ。あなたは耐えられるかしら。」
オルコットが初心者である五反田に告げて、スターライトMkⅡの銃口を向けた。
「これぐらいは出来る様になってるって。」
発射されたビームを、バレルロールして躱す五反田。お返しと黒狼王から、レーザー銃『狼の眼光』を取り出し、オルコットに向かって発射。流石にオルコットは軽く躱して見せる。
「ならば、これは如何でしょう。行きなさいブルーティアーズ。」
オルコットが自身の機体と同じ名前の武装を五反田へと向けた。ブルーティアーズは遠隔無線誘導兵装である。分かり易く言うとガンダムのファンネルと言えば分かり易いか。元々ブルー・ティアーズは、このブルーティアーズの運用目的で作られている。
「そういうのなら、こっちにも有んぜ。」
五反田はオルコットの言葉に返すようにして、同じく遠隔無線誘導兵装を起動させた。肩の盾の部分が分かれていき、複数の盾の様な物が五反田の前を、フヨフヨ浮かんだ。