IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第十一話

 『かっ、かっわいい~』

 

 「?…げっ」

 

 アリーナに観客の黄色い声が響いた。光が収まると同時に、土煙も晴れて黒狼王が姿を現す。基本的な姿は変わらないが、盾の部分が左右にあり、何よりも変わった部分は背後のアンロックユニットが姿を変えた事だろう。

 

 最初アリーナ中の女性陣が何を言っていたのか分からなかった五反田だが、背後を見て思わず声を上げた。

 

 アンロックユニットは丸い球体に丸い円らな瞳。上下を繋いでいる部分がまるで口のに見える。それが二つフヨフヨと浮かんでいたのだ。

 

 『ハロ、ハロ。テヤンディ。』

 

 「何で江戸っ子っ!?」

 

 しかも何故か喋る。五反田が思わず突っ込んでいた。だが、周りと五反田が良くても対戦相手は違う。

 

 「バッ、馬鹿にしてますのっ!?」

 

 「違う違う、真面目にやってるって。」

 

 オルコットは馬鹿にされたように感じて、怒りに震える。何とかオルコットを諌めようと、言葉を発するも、それが言い訳の様に聞こえ、オルコットの怒りのボルテージを上げていく。

 

 「もう手加減しませんわっ!!行きなさいブルーティアーズっ!!」

 

 「どわっ、…あれ?」

 

 今までよりも苛烈に攻めだすオルコットに、五反田は思わず目を瞑り頭を守る様にして体を丸める。だが、何時まで経っても衝撃は来ず、恐る恐る目を開けると、目の前に狼の様な遠隔無線誘導兵装が、その攻撃を弾いていた。

 

 『ハロ、ハロ。ベラボウメ。』

 

 それは五反田の意思で動かしたわけじゃない。背後にフヨフヨと浮かぶハロ型のアンロックユニットの制御で動いているのだ。素人が行き成り二倍になった遠隔無線誘導兵装を操りきれる訳がない。それならと、アンロックユニットにコントロールを任せたのだ。

 

 「なっ!?」

 

 『狼の子達』と名付けられたそれは、初期の倍の数にのぼり、更に五反田自身が制御に力を割かなくて良くなった為、オルコットに攻撃が掠り出す。

 

 ただそれでも五反田が素人である事に変わりは無く、すぐにブルーティアーズを回収して回避に集中する事で、それ以降攻撃が当たる事は無くなった。

 

 「くそっ!!やっぱ、そう簡単に当たってくれねえか。」

 

 五反田も相手との技量差ぐらいは分かるようで悪態を吐く。その時、目の前に画面が現れ、ワンオフアビリティー『妖精の手助け』と表示されたのだ。

 

 「何か知らないが、現状を打破するもので有ってくれよ。」

 

 使い方すら知らないものだが、それでも自身の機体を信じて、それを発動させた。

 

 「なんも起きないじゃないかっ!!」

 

 だが、何の現象も起きず、武器等が現れる様子もない。ついつい突っ込みつつ、銃口を向けてせめて数打ちゃ当たるとばかりに引き金を引こうとした瞬間、銃口付近に光が集まり、それを形成。それとはアニメや漫画に出てきそうな三頭身の人形の様な、透明な羽を持った妖精。それが銃口をクイと持ち上げたのだ。

 

 「きゃあっ!?」

 

 「何っ!!」

 

 それは突然の事で、引き金を引いてしまった為にビームが発射される。だが、今までの様な甘い照準ではなく、未来予測も含んだもので、初めてオルコットに直撃したのだ。

 

 

 

 

 

 「まさかISの自意識を表に出したのっ!?」

 

 束が五反田の構えた銃口の前に現れた妖精を見て叫んだ。ISには自意識、要するに感情や心が備わっていると言われている。その辺は束も良く知らない事であったが、この自意識。あくまであると言われているだけだったのだ。それを俺は表に出した。

 

 「同コンセプトならば、どうしても訓練を積んできた時間が違い過ぎてオルコットが有利だ。だが、ISはまだまだ未知の部分がある。ならISに五反田を手助けすれば勝てるんじゃないかとな、思ったわけだよ。」

 

 俺が周りに説明しているが、束だけは、製作者でもある束だけは、それが言うが易しである事を知っているだけに、今だ復帰してこない。

 

 「さぁ、オルコットは如何するかな?」

 

 増えた狼の子、牙と名付けらえたブレードになっているタイプから逃げ回り、五反田の射撃に命中しているオルコットがここからどうやって巻き返すか、期待しておこうか。

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