IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス 作:yosshy3304
俺こと佐藤 貴輝は転生というもんを経験している。それも神様にチート能力を貰って。それは健太も同じで、すぐ目の前に居る女になった健太こと、俺の妹でもある佐藤 暁美(さとう あけみ)も同じである。
「でっ、でっ、シャルちゃんは如何すんの?」
「目をキラキラさせながら迫るな。」
暁美に詰め寄られているシャルを助けるように暁美の首根っこを掴んで引き寄せる。女になってからデブオタとは言えない。漆黒の長い髪に日本人離れしたスタイル。切れ目気味のパッチリした目に小さい鼻。何もつけていないのにプルンとした唇に、下手なアイドルよりも小顔だ。最初は女になった事を落ち込んでいたが、すぐに立ち直った健太は貰った能力を駆使して世界に喧嘩を売った。
その結果、何故かこの土地は何処の国にも属さない治外法権となり、何故か俺は世界最強の兵器を開発することになっている。
「あ、あの、私、家に帰れないですけど…」
「なら、ここに居ればいい。」
暁美の質問に言葉を絞り出すといった方がいいのか、シャルロット=デュノアは言葉を紡ぐが、尻すぼみに声が途切れる。
事情を知っている俺は、妹が迷惑を掛けたのがここに居る原因なのだからとすぐに了承した。
「へっ?いいの?」
「うわっ、貴ちゃんが珍しい事言ってる。」
何故か二人して目を点にして驚いている。失礼な反応にイライラがぶり返す。
「あ、あははは、シャルちゃんの部屋用意するからこっち来て。」
「あ、はい。」
そんな俺の様子を察したのだろう暁美がシャルロットを伴ってリビングを出て行った。俺は一つ溜息を吐いて落ち着かせ、テーブルの隅に置いてあった広告を裏返した。
「こんなもんで生贄なんかにすんなよ。」
そこには世界最強と呼ばれる兵器、暁美の要望で作った『アーマード・コア』と呼ばれる兵器の設計図があった。
兵器の設計図の為に、愛人の子とはいえ、血の繋がった子供を良く知らない他人の家にやる。どんな扱いをされるかわからないのに、生贄と同じである。
「世界が二度、ひっくり返ったからなぁ。」
一度目は篠ノ之 束の開発した宇宙空間での活動を想定したマルチフォーム・スーツ、『IS』による女尊男卑。ISは女性にしか動かせない欠陥を持ちながら、現行兵器の全てを無意味にしてしまうほどの高性能を示したのだ。
その為に一時期、女性の方が偉いという風潮が生まれ、ISに乗らない一般女性ですら天狗になっていた時期があった。
二度目は俺、佐藤 貴輝が佐藤 暁美に頼まれて作った宇宙空間での戦闘活動を想定したマルチフォーム・スーツ、『AC』による男性の反逆と言われる事件。ACはISと違って誰でも乗ることができ、IS三機分と言われる程の性能を示して見せた。
元々ISは活動だけなのに対し、最初から戦闘を想定して作られたACが戦闘で勝つのは当たり前なのだが、これによって世界のバランスは保たれたと言われる。
「今や、落ち目のデュノア社もISの開発からACの生産にシフトしつつあるし。」
ISを開発していた時には、第三世代が開発できずに徐々に落ちぶれて行ったデュノア社も、うちと手を組んでACのパーツや、タンクと呼ばれる補助目的機の開発で盛り返している。
「あー、シャルロットの事、如何すっかな?」
どう考えても、ACの開発やライン製造のことでは手を切れない俺達との中を強化する為にシャルロットは寄越されたよな。もしここで断ればシャルロットは如何なんだろ。
はぁ、と寝不足なのに、頭の痛い事柄に、あいつに押し付ける事にしてソファ-に寝転がった。広告をアイマスク代わりにして。