IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第十七話

 五反田 弾は朝から憂鬱であった。それこそ目はパッチリと冴えている上、朝一の授業は織斑先生。もし間違えて寝ていると判断されたのなら、あの強烈な出席簿アタックが振り下ろされるかもしれない。

 

 それでも顔を机にベッタリとくっつけ、溜息が漏れる。隣で心配している、のほほんさんの言葉に返せない程だ。それは本当に悪いと思うが、少しの間は勘弁してくれとも思う。五反田 弾がこうなっている訳は朝のホームルームにあった。

 

 「クラス代表は五反田君に決まりました。がんばってくださいね。」

 

 「ちょっ、何でですか、俺負けましたよっ!!」

 

 報告で山田先生が告げた事実。五反田がクラス代表に選ばれた事が不思議で弾は抗議の声を上げる。試合には負けて、オルコットさんがクラス代表じゃないのかと。

 

 「それは私が辞退させていただいたからですわ。」

 

 「うえっ!?」

 

 だがその答えは弾の数席後ろから掛けられた、セシリアの言葉で解決する。いやいや解決してはいけない。辞退が許されていたのかと弾は頭を抱える。

 

 「こう言っては何ですが、私を素人が追い詰めたのは事実。ならば成長性の観点から見ても五反田さんの方が勝率がありますわ。」

 

 いや、そんな事を言われても、と弾は頭を抱えながら思う。

 

 「ごちゃごちゃ言うな。やれ。」

 

 何とか弾が反論しようとしたが、直後入って来た織斑先生の鶴の一声でなし崩し的に決まってしまった。と言うかこの人相手に反論なんかできねーよ。ほんとどうしたら良いだろうか。虚さんとも昨日以来気まずいし。と授業中まで頭を悩まし、出席簿アタックで沈められた。

 

 

 

 

 

 『五反田君、クラス代表おめでとう!!』そんな横断幕が掛けられた食堂。あちらこちらが飾り付けられており華やかだ。この横断幕以外は片付けや、貸出出来る時間の関係上、貴輝が作った投影機の映像である。ハロウィンの時に作ったものを改造、小型化し、何かに使えるのではないかと学園にまで持って来たものだ。

 

 食堂を貸し切っての五反田 弾クラス代表就任を祝う会なのだが、三年や二年、他のクラスの人間もゴロゴロと居る以上、どうしても騒ぎたかっただけなのではないかと思う。IS学園の人間は何故かノリの良い人間が多い。生徒、教師関係なくである。

 

 暁美によれば、原作に近づけようと世界意思が働いているんではないかとの事だが、世界意思って何だろうか。原作でもバカ騒ぎが起きていたが、果たして原作では兵器であるISを扱う学校側がそう言うのを許したのだろうか。

 

 「はいはーい、新聞部でーす。勝利者インタビューさせてね。」

 

 生徒の波をかき分け、新聞部の部長。二年の先輩が突撃していった。マイクを向けられた弾が少し狼狽えている。

 

 「最初に何か一言お願い。」

 

 「え、えっと、狙いを付けたら外さないぜ。」

 

 「言うねぇ。よっ、それでこそ男。でっ、でっ、この中に狙いを付けた子は居るのかにゃー。」

 

 マンガのキャラクターのセリフを引用したと思われるセリフで場を盛り上げる弾。女性陣もそのセリフに黄色い歓声を上げている。と言うか試合中に狙いを付けたのに回避されていたよなと言うセリフが喉まで出かかっていたが、隣に居るシャルロットが腕を抱きかかえるようにして、貴輝の意識を自身に向ける。

 

 貴輝がそちらに顔を向けると、何?と言う様に微笑みながら首をほんの少し掲げた。貴輝の空気の読まなさを察して止めたのだろう。その編は仮初とはいえ二年近く夫婦を続けていた賜物であった。

 

 弾のセリフに更に突っ込んだ先輩の言葉に、何かを思い出したのかズーンと沈み込む。そういえばそうだった。どうしよう。と言うセリフを今だ向けられているマイクが拾ってしまう。

 

 「えっ、え?居るの?しかも喧嘩中?」

 

 自分が悪いの?という感じで自身を指差し、慌てる先輩。周りの空気も彼女が居たんだという落胆ではなく、落ち込んだ弾をどうしようかと言う空気になっている。やはり騒ぎたかっただけらしい。

 

 「え、えっと、君にもインタビューしていいかな。」

 

 「へっ?俺ですか?」

 

 どうやら空気を無理やり変える為に、一夏に的を当てたらしい。一夏の方へとマイクを向ける。

 

 「ほらほら、君も何か一言頂戴。」

 

 「…頑張ります。」

 

 「お、面白くないねぇ。」

 

 弾の時と同様に最初に一言を貰おうとするも、一夏は自己紹介で名前しか言わないという前科がある。弾の様に気の利いたセリフなんか言えるはずもなく、なんの面白みもないものであった。周りの女子も囃し立て、先輩も面白くないと言う。

 

 「…自分、不器用ですから。」

 

 「うわっ、前時代的。」

 

 改めて言い直した一夏のセリフは戦国時代をモチーフにしたゲームの物。しかも一夏が小学校の時に出た物だ。先輩もそれを知っていたのか古いと言っている。確かそのゲームのそのセリフも1980年代のCMがモデルでは無かっただろうか?

 

 「いいよ、いいよ。こっちで捏造しておく。」

 

 「いや、駄目だろっ!?」

 

 先輩の言葉に思わず突っ込んでしまった弾。どうやら復活してきたようだ。

 

 「おっ、もう大丈夫?なら、写真撮らせてくれないかな?織斑君と五反田君で握手してるやつ。」

 

 「良いですけど、一応これって祝いの席なのでこれで最後にしてくださいね。」

 

 先輩の要望に頷くが、このパーティーは弾のクラス代表就任祝いなのだ。その事を先輩に告げて釘を刺し、一夏と並んで前で握手する。写真に顔が映る様に体はカメラの方を向けて。パシャリとシャッターが切られた。

 

 「よーし。五反田×織斑で売れるぞー!!」

 

 「売るなぁ!!」

 

 だが直後に先輩の御ふざけだろうか、それとも本音だろうか。そのセリフに弾の突っ込みが入った。ちなみに何人かの生徒が財布に手を掛けた事を上げておく。わいのわいのと言う騒ぎは大きくなり、一年の寮監が注意しに来たのは、後少し先の未来である。

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