IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第九話

 「もうあれは悪癖だな。」

 

 「打鉄ならばもう少しマシな動きになるだろうな。」

 

 吹き飛ばされた一夏を見て、額を抑える千冬。 レウスマンに乗り慣れたせいで、白式の性能を発揮できずに、何気に苦戦している一夏。これが打鉄ならば、もっと一方的なものになってはいただろうが。

 

 「っ!!…来たっ!?」

 

 「総員警戒態勢っ!!」

 

 千冬と貴輝が管制室にて一夏の試合を眺めていると、三条の光がシールドを破り、三機の機体を通してしまう。一夏達は無事に逃げたようで、鈴音を横抱きにしてフヨフヨ浮かんでいた。

 

 千冬はドイツ軍で教官をしていた時の癖だろうか、兵隊ではないのだが、命令口調で叫んでしまう。

 

 「ついでにハッキングもされてるよ。」

 

 「束っ!!」

 

 「まっかせて。こんなのチョチョイのチョイっと。」

 

 束の警告とは言えないような口調での警告。千冬が束に何とかしろと言う意味を込めて名前を呼ぶ。すでに動き出していた束は物の数秒でハッキングを態と無駄データの所に誘導。逆に絡め取ってしまった。

 

 「一夏達の方はっ!!」

 

 「この機体、新規コアを利用したISですっ!!」

 

 千冬が一夏達の方に視線を向けたのと同時に、謎の機体のスキャンが完了した。山田先生が驚いた様に報告する。

 

 管制室に居てその叫びを聞いた人間が一斉に束の方を向いた。

 

 「ちょっ、私じゃないよっ!!」

 

 「すまん。」

 

 ISのコアが作れるのは篠ノ之 束しかいない。と言うのは世界の常識であった為、見てしまったのだ。束が違う違うと首を振っており、短い間であったが、それだけの信頼関係は築いており、千冬が疑ったことを代表して謝った。

 

 「そんな事より、早くアリーナのシールドの一部分を解除。一夏達の救助を優先っ!!」

 

 「っ!!」

 

 管制室の席の一つに座って、探査の補佐をしていた円夏が叫ぶように現状を認識させた。焦る管制室の席の一つで、貴輝はもう大丈夫だと言うようにリラックスしている。

 

 理由は、謎の機体のデータ収集時に、ある事に気付いた為。と言うか一夏の奴もやってくれると思っていた。最近になってACとISの同時発動は出来ない事が分かってきた。互いに干渉し合うからと言うのが、デュノア社の研究で分かったのだ。

 

 白式を纏う一夏の腕には、IS以外の反応があった。

 

 

 

 

 

 

 「これが起こる問題って奴か?」

 

 「たぶんそうでしょ。っていうか学園の鎮圧部隊はどうなってるのよ。」

 

 一夏は今だ鈴音を横抱きにし、頻繁に撃ってくる光線を避ける。見えない龍砲と比べて遥かに避けやすいが、光線は速く、鈴音も今暴れるのは得策ではないと分かっており大人しくしている。一夏の余裕たっぷりの様子に、何だかんだと安心感を持っていた。

 

 一夏としても、千冬の斬撃と比べれば遅く、真っ直ぐしか来ない光線は避けやすかったのだ。ただ乗り慣れない白式の上、鈴音を横抱きにしており、更に相手の方が数が多いと言う不利な条件の為に反撃に移れない。

 

 『おーい、一夏ぁ。相手は無人機だぞぉ。とっとと終わらせろぉ…』

 

 「ちょっ、なんでそんなにヤル気ないんだよ。」

 

 どうしようかと頭を悩ませる一夏に向かって、ヤル気の無さが伝わってくるような、間延びした声で貴輝がマイクを通してきた。

 

 一夏の突っ込みに、まだマイクが入ったままなのか、ガヤガヤと管制室の音が入ってくる。

 

 『取り敢えず、無人機の動きを一時的に止めるから、その間に鈴音を下せ。』

 

 今だ鈴音を横抱きにしながら、光線を避けている一夏に貴輝はそう言って、態とアリーナのシールドの強度を一部分だけ上げた。

 

 ミチィという音が鳴って、無人機三機が動きを止める。シールドの強弱を態と付ける事で歪ませ、無人機を絡め取ったのだ。上がったシールド強度はちょっとやそっとでは破れないが、無理な使用に、すぐにエネルギーが切れて、無人機が動き出してしまう。

 

 だが、その一瞬で鈴音を下した一夏は、白式を無人機に向かって突撃させた。

 

 白式の武装はブレード一本しかなく、近づかないと話にならないからだ。何で貴輝はあんなに余裕綽々なのか、治安部隊が来ないのは何故か、疑問は尽きないが、それでも離れているのは拙いと直感が囁いたのだ。

 

 

 

 

 

 

 「なんなんだっ、あの放送はっ!!」

 

 「落ち着けよ。一夏は負けねぇから。」

 

 「そういう意味ではないっ!!」

 

 放送を入れた瞬間に千冬に詰め寄られる。だが、あの程度では一夏の持つ物の防御は抜けないのは千冬も知っているはずだった。鈴音が危険だと言われるかもしれないが、それは一夏が守るだろう。

 

 貴輝としては、捕獲した無人機の解明に自分も駆り出される事を予感しており、もう問題が無くなったことを察した瞬間、ヤル気が無くなったのだ。

 

 「鎮圧部隊も予想外の混乱に出られないのに、如何すると言うんだっ!!」

 

 政府高官には、あらかじめテロが行われるかもしれないと伝えてはあった。だが、その情報源は匿名の物としか伝えておらず、本当になった瞬間パニックを起こしてしまったのだ。

 

 鎮圧部隊が控えていたのだが、そのパニックで鎮圧部隊の発進が出来ない状況になってしまう。

 

 「なら一夏にヒントぐらい言わせてくれ。」

 

 「ヒントだ?」

 

 「そうヒント。」

 

 貴輝だけが落ち着いている状況で、管制室とアリーナに貴輝の落ち着いた声だけが響いた。

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