IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス   作:yosshy3304

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第十一話

 見上げれば真っ白な天井。薬品の匂いと、すべすべな感触のベッド。

 

 「…起きたか。」

 

 「千冬姉?」

 

 「織斑先、まぁ今日ぐらいはいいか。」

 

 突如視界の横から世界最強の姉が姿を見せた。

 

 一夏は如何してこんな場所に居るんだと思い出そうとして…

 

 「そうだっ!!箒はっ!?箒は無事なのか!?」

 

 「落ち着け。お前が最後まで守り通したのだろう。」

 

 思い出した途端、千冬に飛びかかる様に質問する一夏を宥めながら、千冬は一夏に箒の無事を知らせる。落ちついたと見た千冬は、一夏をもう一度ベッドに寝かせた。

 

 「運が良かったな。レウスマンの防御力が最も高い背中部分。更には元々の防御力が高いAC。その上防御特化の機体である事。敵の攻撃が最後であった事。」

 

 一夏はもしこれが白式ならば、お前は背骨を折られて一生歩けなかったかもしれない。そう言われて改めて恐怖に怯えた。

 

 「怖いと思うのは正常である証だ。無人機と言う事は人と同じでは無いのだから、これからは油断しない様にな。」

 

 千冬は一夏の様子にそう言って、後は当人の問題だとも言う様に出ていく。出ていく時に、壁際に声を掛けるのを忘れずに。

 

 「大丈夫なのか?」

 

 「ほ、箒?」

 

 「ああ。」

 

 「無事だったか。」

 

 「お前が守ってくれたからな。」

 

 そこから申し訳なさそうな顔をした箒が顔を出す。一夏も箒が顔を出すとは思わず、いずれは出していただろうが、千冬がまだ居る可能性の時に顔を出すとは思っても無かった。

 

 箒の無事な姿を確かめてホッとする。だが改めて顔を突き合わせたら、何故か無性に気まずい。

 

 それは互いの様で、箒も口を開きかけては閉じるを繰り返す。

 

 「すまんっ!!」

 

 「え、えと、何がだ?」

 

 意を決したのか箒が勢いよく謝ってきた。謝れば済む問題ではないと思っていると言う空気を纏っているのが分かる程に。だが、性格なのだろう勢いを付けた謝り方はなんだか軽い印象付ける。

 

 だが付き合いの長い一夏は、それが本当に謝罪していると言う事が分かっており、ただし何故謝られているか分からない。

 

 「私があそこに行かなければ、一夏は怪我を被う必要も無かった。」

 

 「まてまて、それは判らん。今千冬姉にも釘を刺された所だしな。」

 

 箒は箒が一夏に会いたくて、あの場に行かなければ無人機の攻撃で怪我を被う事も無かったと謝り、一夏は結局自分の油断があの結果になったのだから、結果的に怪我を負ったかもしれないと話す。

 

 「それに箒が無事で良かったよ。」

 

 「っ!?」

 

 笑顔で、本当に箒が無事で良かったと心から思っている笑顔でそう言った。その言葉に顔を真っ赤に染めながら、そういえば一夏はこういう性格だったなと思い直す。

 

 「…ありがとう。」

 

 「っ!?おう、どういたしまして。」

 

 だから謝るのは止めて、笑顔で礼を言った。夕日に照らされた箒の笑顔に思わず惚れ直す。

 

 「ほぉう、私を差し置いて良い雰囲気になってるわね。」

 

 「うわっ、鈴!?」

 

 そんな瞬間、鈴音がそれ以上を阻止する為に、箒の後ろから、私も居るんですけどと姿を現す。箒もいきなりの事で驚愕しており、千冬が怒鳴り込んでくるまで、少しの間騒々しかった。

 

 

 

 

 

 

 ほの暗い部屋。機械が発する人工光によって下から照らし出されている。IS学園のIS整備室の最も奥にある、こういったテロに使われた機体を解析する場所。そこでバラバラになった無人機の解析が行われていた。

 

 貴輝がパーツを復元。束がデータを担当してそれぞれ調べている。無人機、それもファントムタスクによって情報が齎された物である以上、人員は最小限で、貴輝、千冬、束の他に円夏と山田マヤ、暁美のみだ。

 

 「これがISコアの代わりのようだね。」

 

 「たくっ、気色悪い物使いやがって。」

 

 ISコアの中身は、束作の完全機械の物ではない。それは流石に天災しか作れないという訳か。作れないのならば、ほかの物で代用すればいいと、中身は人の脳味噌が使われていた。色々とコードや機械化はされているようだが。

 

 「これって、やっぱり?」

 

 「ああ、M計画の物だ。」

 

 暁美の質問と言うか確信を持っていたものの確認だろう。貴輝もそれに頷く。M計画の、一夏女性体クローンの物なら、下手をすれば人権に引っかからず量産出来てしまう。生きていないのだから。良く出来た人形でしかないのだからと。

 

 「レウスマンが抜かれたのは分かったのか?」

 

 「ああ。腕の部分はACパーツだったよ。」

 

 本来ならば反発してしまうパーツだが、貴輝作の物ではなく、デュノア社の物でもない。まるでISに取り付ける為に開発されたと言えそうなACパーツであった。

 

 「エネルギーは何処から持ってきている。」

 

 「搭乗者の安全保持の部分。」

 

 ACパーツがISで使えない一番の理由はエネルギーの確保が出来ない事である。だが無人機であれば、それ程難しくはない。シールドバリアーに割くエネルギーを減らし、それを当てればいい。

 

 「本当に、世界は如何なってしまったんだろうな。」

 

 思わずと言った風に呟いた貴輝の言葉に、その場に居た人間は頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 「あれ?手紙?本社から?」

 

 シャルロットは佐藤工房に居た。クラス対抗戦も終わり、マスコミの対応も収まり出した頃を見計らって、掃除をしに来たのだ。流石に手を付けてないとすぐに埃は溜まってしまう。手紙も、IS学園に転送されなかった分が郵便受けに残っていた。

 

 その手紙の一つにデュノア社からのものを見つける。

 

 実家からの手紙であり、送り主は父親である。

 

 あれから二年近くも連絡が無かったが、それでも今の生活に満足しているシャルロットは、まぁ近況報告みたいなものだろうと、気楽に封を切った。

 

 「えっ!?」

 

 だが読み進めていく内に、顔を青褪めさせていく。倒れそうになるが、気合で意識を保ち、家事をほったらかして、玄関の鍵だけは閉めて、IS学園に戻ってきた。

 

 ベッドに座り込み、持って来た手紙を、間違いであってほしいと思いながらも読み進める。

 

 

 

 

 

 「貴ちゃん、大変っ!!」

 

 「どうした?」

 

 「シャルが倒れたってっ!!」

 

 暁美に入った連絡に、貴輝は無人機を調べていた手を止めて、部屋を飛び出した。後ろから聞こえてきた暁美の寮の部屋と言う言葉に、寮を目指して走り出した。




今回で原作第二章と呼べる鈴音編は終わりです。
感想で言っていた座談会の様な感じの、機体説明や矛盾点の説明を入れてから、シャルロット編とラウラ編に移ろうと思います。
それでは次回もお楽しみに。
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