IS 俺とあいつのインフィニット・ストラトス 作:yosshy3304
第一話
「今日は転校生を紹介します。」
山田先生のこの言葉から、今日のホームルームは始まった。
クラス対抗戦は、あんな問題が有ったにも関わらず、アリーナを貴輝と束が改造、ナノマシンで壁や地面を構築して、削れた部分等をすぐに修復する様にしていた。の為に、成績を点ける為等の目的の為に、敗者復活戦と第一回戦だけは行なわれた。
箒や鈴音は優勝出来なくなった為にヤル気と言うか、意気消沈していたが、一か月後に控える学年トーナメントの事を思い出し、今は勉学に、練習にと励んでいる。苦笑しながら一夏が、「また買い物でも行くか?」と提案したのが大きいのではないだろうか。
「ラウラ、自己紹介しろ。」
「はっ、了解しました。」
貴輝は隣に座るシャルロットの方を心配そうに見ながら、それでも聞きなれない声に前を向く。流れる様な長い銀髪。目を引くのは真っ赤な血を連想させるような瞳と、左側の目を覆っている黒い眼帯だろうか。
千冬の言葉に敬礼してから、前を向いて「ラウラ=ボーデヴィッヒだ。」と簡潔に名前だけを告げる。
その自己紹介に周りの生徒は、ある人物達の自己紹介を思い出し、一夏と円夏に視線を向けた。
「え、えっと、それだけですか?ラウラさん。」
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」
山田先生の問いかけに、突如そう返したラウラ。後ろで黒板に頭をぶつけた千冬が居た。結構いい音がした。ゴンッて。
生徒達もいきなりのネタにそのまま前へとズッコケた生徒も居り、何時かの再現の様な有様である。
「な、なんでハルヒ?」
隣で苦笑している弾の呟きが貴輝の耳に届いた。
「む、ツンデレ妹風が良かっただろうか?」
「クラリッサァ…」
教室の惨状に?マークを飛ばしているラウラの後ろで、この惨状を作り出したというか、ラウラに余計な知識を吹き込んだ人物の名前を、怨念の籠った声で低く呟いている千冬が居た。
「教官、何が駄目でしたでしょうか。」
「…ラウラ、ここでは私は教師だ。教官とは呼ぶな。」
「はっ、了解しました。」
周りの反応に、人から教えて貰った日本式だと思っている自己紹介の、何処が駄目だったのかが判っていないラウラは、千冬に聞いた。
ラウラはドイツ軍の特殊部隊隊長であり、千冬がドイツ軍に乞われて教官をしに行った時の教え子であった。
ただここはIS学園。あくまで一学校である為、千冬はラウラの呼び方を訂正する。貴輝からすればどちらでもいいだろうと思っているが、千冬は公私を分ける事に拘っている節がある。ラウラの呼び方もそれに近いものなのだろう。
「む、お前が織斑 一夏か。」
「おう、宜しくな。」
正面で苦笑していた一夏を見つけ、手を差し出すラウラ。一夏もその手を握り返す。その事に上手くいったとほくそ笑む暁美。
ラウラは原作では、千冬のモンドグロッソ二連覇を妨げたとして、最初一夏を嫌っていた。顔合わせと同時に平手を見まうほどである。だが、それでは暁美の目的、一夏が認識している状態でのハーレムには程遠いと、一夏の誘拐を防いだのだ。
そのおかげか、ラウラは一夏に特別な感情を抱いていない様である。後は一夏の手腕しだいであろう。ラウラも一夏の入学試験の試合の映像を見ており、結構出来ると判断。嫌悪はないようである。
「これからお前の護衛に着くラウラだ。宜しく頼む。」
「なっ!?」
「護衛?」
だがラウラの発した言葉に、一夏は首を傾げ、一夏の後ろに座っていた円夏が過剰に反応した。
「何だ、聞いていなかったのか。この前の無人機襲来はお前を狙った節があるから護衛を付ける事になったと。」
「なんだそりゃ…」
ラウラの説明に頭を抱える一夏。だが、後ろでイライラとしている円夏に気付いて、後ろを振り向いた。瞬間パンッと鳴って、後頭部に痛みが走る。
「後で説明してやる。ほら授業を始めるぞ。ラウラも席に座れ。席はそこだ。」
千冬が出席簿で一夏の後頭部を殴ったのだった。今ここでは言えないような問題であった為、後で時間を作ると言って、教室の惨状を無理やり戻した。ラウラの席は、原作ではシャルロットが座っていた一夏の隣の一つ後ろ。
IS学園はその性質上、転校生の受け入れを柔軟に行っており、席に幾つかの空きがる。そこも今まで使われていなかった。
ラウラも素直に、と言うか千冬の言う事は何でも聞くだろうが、聞いて席に座る。ラウラが言った通り、一夏の護衛と言う性質上、近くの席になった事に頷いていた。授業は問題なく進む。
「っ!?先生っ!!」
「…構わん。保健室に連れて行き、診断後、寮へ運んでやれ。今日は早退扱いにしておく。」
それも、シャルロットが机に前のめりに倒れるまではであった。シャルロットの事を注視していた貴輝が最初に気付き、千冬にすぐさま声を掛ける。千冬も朝からと言うか、つい最近顔色を悪くしていたシャルロットに気を掛けており、すぐさま対処を言い渡す。
周りがざわつく中、貴輝がぐったりとしているシャルロットを背負って、教室を出て行った。暁美にボソッと「心因性のものだよ。」と耳打ちされながらだが。